ハイサイドは難しい也・・・

2018-04-16      
 先々週から先週までは、新入社員の教育や今年度始まる各種施策のキックオフでまずまずの多忙に加え、キックオフ流れの飲み会で深酒してみたりして、あまりヘッポコ実験には時間が割けず終い それでも少しはヘッポコできた部分もあるんで()ちょっとまとめておきましょう。

 ヘッポコ実験の焦点は「ハイサイド電流の検出」。あれこれ思考を巡らせた挙げ句、行き着いた先は”電流検出IC”・・・ACS712で何とかならないかなぁと、ひとまず実験してみることにしました。
 ここに行き着くまでにオペアンプの差動アンプで・・・と考えましたが電源をどう取るかがネックとなり、今の回路構成で(って、まだ発表してませんでしたね)マイナス電源を用意したら上手くいくことはシミュレーションで確認しました。でも、たかが安定化電源に何故の苦労・・・ということで、ひとまずIC頼りに考えました。



 このICは表面実装タイプであるため、電流検出するピンへの配線の電流容量を補うためにスズメッキ線でジャンパを形成しました。特性はこんな感じ。



 このレンジで見るとキチンとリニアな特性になっていますが、実は数十mA以下の部分は上手くなく、1mA刻みの電流測定は流石にできないことが判りました。またこのICはノイズ抑制を図るための抵抗が内蔵されていて、外付けにコンデンサを付加してLPFを構成するようになっています。この容量を大きくすることで小さい電流のDC測定にフィットできそうですが、カタログスペックより大きな容量のコンデンサを取り付けても微小電流の検出は難しいことに変わりなく、このICの採用は見送ることになりました。

 こうなると、オペアンプ+マイナス電源ということになり、シミュレーション状態に逆戻り 続報は改めることにしますが、そろそろ春たけなわなんで()アンテナのコイル再作なんかも控えていて、ちょっと思いつきで手掛けちゃった実験用安定化電源作りのブログが大河小説のようになりつつあり、自分でもあきれ返っています

昨日の八潮の戦利品

2018-04-01      
 あっという間に桜が散り始め、新入社員を迎え入れる卯月となりました。明日から10日過ぎまでは技術研修の講師役を仰せつかっており、ソフト開発の基礎・ネットワークの基礎を教えなければなりません。新人相手の教育は、内容をできるだけ解り易く伝えることが大切なのは勿論ですが、大学で囓ってきている理系上がりとIT系には無縁だった文系卒が一緒くたのため、ペース配分にコツが要るんです・・・って、ここにズラズラ書いても仕方ないか

 電源作りから流れて、電圧・電流計の製作部分で足踏みしています。特に電流計のハイサイド測定で躓いてしまい、結局電流センサICの力を借りることにして、昨日はポカポカ陽気のなか秋月の八潮店に買い出しに行ってきました。

 例によって、八潮店のオリジナル販売品を物色しましたがあまりピンとくるものはなく、デジトラの安売り品(20個で100円)を見つけたんでこれだけはカゴに入れ、それ以外は部品リストの通りの買い物。そうそう、我が主力テスタのP-16はまたしても売り切れでしたが姉妹品のP-9が売っていました。

 帰りしな、八潮店の傍の造成地につくしを発見。






 いやぁ、全く上手く撮れていません 視力検査だと思って、つくしを探してみて下さい

 さて、昨日の戦利品のメインはこちらです。



 電流センサは”ACS712”です。ホール素子を内蔵しており、絶縁式での電流測定が可能なようです。先駆の方々の製作記事が散見される中に、周囲の金属や磁化したものの影響が大きい旨記されていましたが、この辺りをひとまず味見したいと思います。
 その横のメタルクラッド抵抗は、このICの電流検出精度を測定する際に使うべく購入。平滑の様子を測定する際に12Ω1Wの金属被膜抵抗を10パラにしたダミーをこしらえましたが、直ぐにアッチッチになることが判ったんで、この抵抗ならもう少し落ち着いて測定できると思います。

 今晩、この辺りの実験ができるか・・・どうやら酒の肴にピッタリな料理が並びそうなんで無理かも

中途半端なWindows10マシン

2018-03-25      
 思いつきで購入したSSDにはやはりWindows10をクリーンインストールすることにして、先週末はメインPCにSSDを載せてWindows10をインストールしました。マザボが8年位前のもので上手く動くか心配だったんで、既存のWindows7とのデュアルブートとして設え、様子を見ながら徐々に環境を移植しましたが特に問題なし・・・と思ったら、エラーイベントが結構出ていてこれを駆逐するのに結構な時間を費やし、さらにTVキャプチャの番組情報更新が上手くいかない不具合を潰すのにも相当な時間を取られ、先週末は結局この作業で終わってしまいました

 一週間を経過して漸く安定した我がPC・・・体感的にSSD使いとなったことでかなり高速化し、動かないんじゃないかと懸念していた各種のツールも動作し(愛用している超古い”Circuit Maker”も使えたり、”GigaST V4”の表示ソフトも動いたり・・・)、Windows10&SSDの導入には満足できましたが、SATAⅢのSSDに対してSATAⅡしか持たないマザボ(転送速度が半分ですね)、トレンドにはどう考えても速度が届かないCPU(Athlon Ⅱx4 605e)で、「最近のPCに比してどの程度劣るのか」という自虐的な計測をしたくなり、久々にベンチマークしてみました。使ったのはPCMark10・・・ゲーム系でなくオフィス系APLに関連した処理能力を測定するには、打って付けのベンチマーカーです。

 恥ずかしながら()結果を掲載しちゃいましょう。



 ま、予想に違わずロースコア ゲーミングPCとの比較はグラボの性能がモロに効いてきますから論外としても、Office PCとしても少々見劣りしますね。やはりCPUとマザボ、メモリの換装は、さっさと済ませたくなりました。換装が済んだら、また同じようにベンチマークしてみましょうかね

小型7セグの輝度

2018-03-11      
 そろそろPCもWindows10に上げてしまおうかと思い、ひとまずSSDを買ってWindows7のまま換装しようとしたら、我がスリムケースのスロットが一杯で入らないことに気づきました おまけにSATA用の電源コネクタが足りないことも判り、さっき”南米熱帯雨林”にケーブルを注文しました。まぁ、こちらは追々進めるとして、タイトルの検証結果を記しておくことにします。

 製作途上の実験用電源に電圧・電流計を具備したいと思い、秋月の奴で良いわい・・・程度に考えていましたが、「ちゃんと作る」と誓ったからにはなるべく妥協をしないようにと、この部分も自作しようと方針変更。回路は簡単に引けたんで表示用の7セグ赤と緑を秋月で入手して試しに光らせてみたら、明るさがあまりに違うことが判りました。



 カタログスペックを確認したら明らかに輝度が違っていました(順方向電圧も違いますね)。そこで、ひとまず今回の電源の表示として、「ほぼ同じに見える電流値」を探ってみました。暗い方の赤で大凡必要な輝度が得られる電流を10mA@5Vとして、目視で「同じぐらいの明るさになる電流値」を探すという、アナログバ~リバリの検証です



 これでもまだ緑が若干明るい気もします(スナップだと、より際立ちます)が、このときの緑LEDの電流は1.5mA・・・抵抗値で”赤:330Ω”に対して”緑:2.2KΩ”となっています。まぁ、実際にはダイナミック表示になりますからこの抵抗値は参考ですが、このくらいの比率で差を付けないと不味そうです。或いは、明滅周波数を加減しないと・・・ってことですね。

 超幼稚な実験ですが、こうした細かいところも探っておかないとね

実験用電源を真面目に作ってみる(その7)

2018-03-08      
 先週末の日曜日はヘッポコ実験に没頭しましたが上手くいかず、ブログ書きもままならず・・・おいおい、あの電源製作はどうなってるんでぃ とホンの数名の方をイラつかせたかも知れませんが、そこは勘弁して下せぇ

 それでは、このヘッポコ実験のことはひとまず置いといて(って書くと気になるでしょ)、実験用電源のアプリケーションについてまとめたいと思います。

 "実験用"という側面からのアプローチで考えると、幾つかのポイントが見えてきます。

 ・電圧を変更する際の"Foolproof"を具備すること
 ・過電流やショートに対して保護機能が働くこと
 ・定格内なら長時間放ったらかしでも平気なこと
 ・電圧と電流が常時視認できること

 まぁざっと、こんなもんでしょうか・・・では、順番にまとめていきたいと思います。なお、前提はあくまで”LM317”を使うこととし、かつ制御についてはPICに任せることにします。

 ① 電圧を変更する際の"Foolproof"を具備すること

 "Foolproof"なんて格好を付けてエゲレスコトバで記していますが、いわゆる"馬鹿避け"のことです。

 そもそも、"白い電源ちゃん"には実にガチャガチャと変えたくなるようなロータリースイッチが付いていましたから、実験中に通電したまま電圧を切り替えたくなるわけですが、今回製作する電源にはこうした誘惑に駆られるような機構を付けないことにします。どうだ、完璧な馬鹿避けでしょ
 とは言え、電圧可変をボリュームに頼ったのでは毎度設定する手間が生じますから、押しボタンによるプリセット電圧の呼び出しとボリュームによる連続可変の両立を図り、さらにプリセット電圧の切り替え時、突入的に大きな電圧が加わらぬようにしたいと思います。幸い、LM317では電圧を調整する抵抗をトランジスタスイッチで切り替える回路が簡単に実現できますから、これを使ってプリセット電圧の切り替えを行います。

 とりあえず電源電圧の切り替え部の回路を以下に。各部品の定数は消してあります。電源として出来上がったら、全体回路図として改めてアップします。



 ② 過電流やショートに対して保護機能が働くこと

 今回の電源製作シリーズ記事の初っ端にも記していますが、やはりヘッポコ実験には付きものの過電流やショートには万全を喫したいと思います。

 過電流については連続運転の電流の上限を”1A”と決めてしまい、これを超えたら何らかのアラームを発すれば良い・・・としますが、多分「発振音による通知」が妥当なところでしょう。そこで、圧電ブザーを使って結構高めな周波数の発振音で知らせることにします。

 ショートについては、LM317推奨の回路があります。これは設定電流以上になると供給電圧を下げる回路ですが、ローサイドの電流を拾って検出しています。



 ローサイド検出の場合、電源内のグランドと接続装置のグランドの間にシャント抵抗(上図の1Ω)が入る形になるため、グランドレベルの不安定は否めず、ここはハイサイド検出にチャレンジすることにして回路図は引いてあります。

 ショートした場合の電流値については、LM317の保護回路が2.2A辺りで働くものの電流は止まりませんから、過電流より少し高い電流値・・・1.5A辺りを閾値とし、100ms以上継続したら電流供給を止めてしまうことにします。

 ③ 定格内なら長時間放ったらかしでも平気なこと

 これは「その6」の記事に書いた通り放熱設計をやり切った感はあるんで、まぁ普通に使っている限りは問題ないと思っています。あとは、電解コンデンサの耐圧に余裕を持ったものを選べば大丈夫でしょう。

 ④ 電圧と電流が常時視認できること

 ここは秋月に売っている電圧と電流が同時表示されるデジタルのもので簡単に済まそうと思っていました。ところが、よく考えたらこの電流計もローサイド検出型であり、②に記した”グランド不安定”を誘発します。実は何とか電流計をでっち上げようと思案しましたが、電流計部分を小さく組むのが案外厄介・・・。

 そんなわけでまだまだ変更の可能性がありますが、アプリケーション仕様については、ざっと上記のような感じになりそうです。

実験用電源を真面目に作ってみる(その6)

2018-02-24      
 放熱で苦労したと言えば、”自作PC黎明期”に何とか高速に動作するPCをこしらえようとCPUのクロックアップにチャレンジする中で、CPUの”背中”を目の細かい紙ヤスリやコンパウンドで磨き、放熱器との密着度を上げてCPUが熱暴走しないように苦労したことを思い出します。そして、CPU付属のクーラーに飽き足らず、何やら筐体からはみ出てしまいそうなどでかいCPUクーラーを買い漁った記憶や、シリコングリスの塗り方に凝ったシーンまで蘇ります。流石にここ数年の自作PCでここまではしなくなり、専ら”静音性”を追求するという真逆な工夫に力を注いでいたり・・・って、乗っけから脱線気味

 さて、前回記事では製作予定の安定化電源に必要な放熱量を求め、ひとまず”11W”という数値を導き出しました。これを熱に還元して消費するのが命題になったわけですね。ただ一口に11Wと言っても、ファンを使わずに放熱するためにはかなり大きなヒートシンクが必要になります。
 実は一時、ファンを付けて強制空冷にする方向に検討を進めようかとも思ったんですが、たかだか1Aの電源にファンを実装するのも・・・と逡巡、結果的に今回の電源製作では「きちんとした放熱設計をしてみよう」という部分を優先することにしました。

 ヒートシンクによる放熱では、放熱したいワット数さえ判ってしまえばこっちのもの・・・その他のパラメータは簡単に求められます。

 まずはジャンクション温度。これは、デバイス内の回路が動作できる温度であり、データシートにしっかり記してあります。



 上段の表のLM317の欄がそれです。民生用ということで125℃が最高温度のようですが、この温度はLM317の内部回路が動作する最高温度ですから、これを超えるオペレーションはできません。

 次は、内部回路とケース・・・LM317の”外側”との間の熱抵抗です。内部回路が発した熱が、LM317の外側に伝わる際の”伝わり難さ”を熱抵抗(℃/W)として示しています。これもデータシートにあります。今回採用するLM317PはTO-220FPですから、5℃/Wということですね。

 外側まで伝わった熱はそのままヒートシンクに伝わるわけですが、一般に接触面の熱伝導を高めるためにシリコングリスを塗布して密着度を高めます。或いは、回路構成上ヒートシンクとの接触点に絶縁が必要な場合、絶縁シートなどを挟む場合がありますが、何れにせよここにも熱抵抗があるわけです。
 今回は、絶縁要らずですからシリコングリスを塗布しますが、この場合の熱抵抗は0.4K/W(Kはケルビン:温度と等価と考えて良い)程度になりますから、今回はこの値を採用します。

 最後に、ヒートシンクが熱を放出する際にヒートシンク周辺の温度によって放熱量が変わることを考慮するため、ヒートシンク周辺の温度を勘案します。自然空冷の場合、ヒートシンクが放射した熱で周辺温度は高くなりますから、一般に50℃くらいを想定しますが、アマチュア仕様としては45℃程度としても良さそうです。

 これらの数値を使って計算した結果を表にまとめました。



 この表はExcelで作成しています。下2行の計算式は以下の通りです。

 ①ジャンクションー空気間抵抗:(ジャンクション温度 - 周辺温度)/ 発熱量
 ②放熱器-空気間熱抵抗:① - ジャンクション-ケース間熱抵抗 - ケース-放熱器間熱抵抗

 ②で求めた値よりヒートシンクの熱抵抗が小さければ、発せられた熱をきちんと排熱できるということで、この情報を頼りにヒートシンクを探します。



 丁度1.9℃/WのヒートシンクをRSオンラインで見つけました。ね、でかいでしょ

 これで漸く1.5Vで1Aの連続運転がギリギリ可能になるんですね・・・。でも落ち着いて考えると、1.5Vで1Aを連続的に必要とするものって、どんな装置なんでしょうね。まぁ、ここまで排熱できれば5Vや12Vの1A 連続運転には余裕でしょうから、このヒートシンクでいってみたいと思います

 それにしても、11Wの廃熱・・・これだけの電力であれば、電波なら地球の裏まで届いちゃうんですよね。何やら不思議な気分になります。

 さぁ、電源としての基本設計は終わりました。次回は、どんなアプリケーションに仕立てるか・・・制御周りに駒を進めます。

実験用電源を真面目に作ってみる(その5)

2018-02-24      
 三端子レギュレータは非常に優れた機能を持っていますが、必要な出力電圧より高い入力電圧を与えて定電圧を得るため、その差分の電圧と出力電流の積・・・即ち電力を熱にして追い出す必要があります。入力電圧をどの程度高くする必要があるかは、データシートにきちんと明記されています。LM317Pのものを見てみましょう。



 とりあえず25℃で1Aを出力するポイントを赤丸で囲ってみましたが、凡そ2V程度ドロップする・・・ということは、希望する出力電圧より2V以上高い入力電圧を与えてやらなければならないことになります。つまり、1A出力では最低でも2Wくらいの電力分を消費させる(放熱させる)必要があるわけです。

 問題は、必要な出力電圧より2Vだけ高い電圧を常に供給することは、市販の電源トランスの”電圧の刻み”では無理であり、どうしても”2Vより高い電圧”を与えることになります。そして、これに連れて消費させなければならない電力も増えます。例えば、今回使用する電源トランス(HTR-161)の最低出力電圧は10Vですが、仮にこの交流10Vを整流して12Vの直流を得た上でレギュレータに与え、出力として1.5Vで1Aの出力を得ようとすると、単純計算で「(12V-1.5V) x 1A = 10.5W」分の放熱が必要になります。これは、かなり大きな放熱器が必要そうですね・・・

 では、もう少し具体的に掘り下げてみましょう。

 レギュレータへの電圧入力はいわゆる”脈流”のレベルで与えられますが、「実験用電源を真面目に作ってみるシリーズ」の”その3”の実測時に、トランス出力の最大・最小の電圧でこの様子をデータとして採ってあります。これを表にまとめました。



 ダミーロードが12Ωのものだったため16Vと10Vで出力電流(表中のIL)が違ってしまっていますが、1A出力時のP-Pは凡そ2V弱程度と推測できます。一方、レギュレータが安定して定電圧を出力するためには、整流後の最低電圧(表中の”Min”)より2V低いことが要求されます。ここは少しマージンを取って2.5Vとすると、トランス出力16Vでは15V、出力10Vでは9Vが、ほぼ適正な出力電圧(1A出力時)となります。

 その上で、トランス出力16Vと10Vの脈流の平均値(表中の”Ave”)と直流出力との差が、熱にして追い出すべき消費電力になります。つまり・・・

 ・トランス出力16Vで15Vの直流出力を得る場合:(18.56V-15V) x 1A ≒ 3.6W
 ・トランス出力10Vで9Vの直流出力を得る場合:(12.44V-9V) x 1A ≒ 2.4W

ということになります。さらに最初に目標とした仕様「1.5Vからの連続可変」について考慮すると、

 ・トランス出力16Vで1.5Vの直流出力を得る場合:(18.56V-1.5V) x 1A ≒ 17W
 ・トランス出力10Vで1.5Vの直流出力を得る場合:(12.44V-1.5V) x 1A ≒ 11W

というように、トランス出力10Vから1.5Vを得た方が消費電力がかなり抑えられます。そこで、トランス出力16Vの可変範囲を9Vから15V、トランス出力10Vの可変範囲を1.5Vから9Vとすることにしました。個々の可変範囲で消費電力が最大になる時の計算も記しておきます。

 ・トランス出力16Vで9Vの直流出力を得る場合:(18.56V-9V) x 1A ≒ 9.6W
 ・トランス出力10Vで1.5Vの直流出力を得る場合:上記より11W

 つまり、今回の電源製作では11W程度の熱処理が行える放熱器が必要だということが解りました。では、この放熱を行うための設計に駒を進めましょう・・・って、これは次の記事にしましょうかね

実験用電源を真面目に作ってみる(その4)

2018-02-23      
 直前記事の末尾に「次の記事の仕込みでも・・・」などと書きましたが、不覚にも昼寝をぶっこいてしまい、そのまま忙しめのウィークデーを迎え、あっという間に次の週末に差し掛かっています。引き続き、実験用電源の”駄文”を続けましょう。

 話を先に進めるに、勿体を付けていた電圧レギュレータをここいらで紹介しましょうか。



 辛うじて”ST Micro”のロゴが読めますが・・・って、引っ張っても仕方ないね はい、超弩級の定番”LM317”のプラスチックモールドタイプで、その名も”LM317P”。秋月で、2個100円で売っています。長い間、可変電圧型のレギュレータのスタンダードとして君臨できているのは、基本性能がそこそこ優秀だからということに加え、やはりこの”低価格”というのも一つのポイントでしょう。

 早速、このレギュレータのスペックを確認してみましょう。



 まずはラインレギュレーション・・・25℃の条件で0.01%/Vとなっています。これは、一般の定電圧レギュレータ(0.03%/V ~ 0.07%/V程度)より若干良い値になっていますが、まぁ似たり寄ったりの程度。直前記事で平滑後の波形を見て「凡そ2V程度の変動」と記しましたが、これがライン側の変動電圧とすると、このレギュレータで0.4mV程度の変動に抑えられるということになります。この辺りは事前に見越していた部分で、2V程度の変動までなら何とか・・・と皮算用していた部分でもあります

 ロードレギュレーションも定電圧レギュレータとどっこいどっこい(若干良いくらい)のようです。5V以下と以上で分けて記されていますが、何れも定電圧レギュレータに比して特に遜色はありません。

 最下行のリップル除去率は指定のコンデンサを付加した状態で80dB(1/10000)・・・これは定電圧レギュレータを若干上回る性能です。この点も、このレギュレータが長年重用されることに寄与しているものと思います。

 最低出力電流(Minimum load current)は、このレギュレータで正確に設定電圧を出力するために必要となる出力電流・・・後に説明することになると思います。

 薄緑でマークした出力ノイズ電圧は、本家LM317のデータシートにはない項目です。出力電圧に対するノイズ電圧の比率になっていますが、例えば10Vの出力電圧に対して0.3mV(300μV)程度と試算できます。どうやら定電圧レギュレータより1桁ほど悪いようで、高音質を目指すオーディオ系の電源にこのレギュレータを採用するには少々不利かも知れません。ただ、本格的なローノイズを図る場合には、やはりローノイズに特化した回路設計や筐体設計、デバイスのチョイスをすべきかと思うんで、この点は目を瞑ろうと思います。

 総じて定電圧レギュレータとの比較になってしまいましたが、そんなに悪くないスペックには収まりそうです。お次は”熱設計”・・・既に設計を終えていますから、あまり間を置かずに記事を仕立てたいと思います。

実験用電源を真面目に作ってみる(その3)

2018-02-18      
 今回の電源作成の前提となるトランスは二次側が2回路・・・16V1Aが2つあり、それぞれの”0V”のタップをセンタータップに見立ててショートさせて使います。そして、ダイオードを2つ使って全波整流して平滑コンデンサでさらに直流に近づけ、定電圧の要となる三端子レギュレータに入力するわけですが、この辺りの電圧の様子を見ていくことにしましょう。

 まず、初心に帰るべく、ダイオードで全波整流した直後の波形を眺めてみましょうか。なお、ダイオードには1N4007を使いました。



 ま、教科書通りです 負荷がつながっていませんから、ピークの電圧がかなり高くなっていますね。何となく「16V・√2 ≒ 22.6V」からダイオードの電圧降下分があるのかなぁと思っていましたが・・・。交流と見立てた場合の周波数が100Hzになるのも当たり前ですが、何れにせよ、こんな部分の波形をマジマジと見たのは初めてです

 この「まだまだ交流ですやん」を直流に近づけるのが平滑コンデンサです。まずは1000μFの電解コンデンサを接続して、どの程度直流に近づくかを見てみました。無論、負荷が掛からないと殆ど直流に見えてしまうでしょうから、今回の電源のスペックである”最大1A”を想定し、負荷として120Ω2Wの抵抗x10パラのダミーロードを接続しました。1.3Aほど流れていると思います。



 おやおや、お世辞にも直流とは言えず、明らかにコンデンサの容量不足が見て取れます。流石に8V以上も動いてしまうと、ちょっとねぇ・・・。それでは、平滑コンデンサの容量を6800μFにしてみましょうか。



 2V程度の変動に収まりました。机上の試算では1.5V程度となりましたが、若干多めな感じ。まぁ、この程度なら何とか使えそうです。勿論、もっと大きな容量にすればさらに改善できますが、コンデンサ自体がどんどん大きくなっていきますから、収納スペース見合いで考えた方がいいでしょう。

 上記の結果から、平滑コンデンサの容量は6800μF以上、耐圧は35V(25Vでは心許ない)を目安に考えればいいでしょう。また、今回製作する電源のスペックとして18Vくらいまではいけるんじゃないか・・・と思っていましたが、6800μFの実験でリップルの下限が17.52Vであることが解りましたから、ここから三端子レギュレータのドロップ電圧(-2V程度)を考えると、電源の出力としては15V程度が上限になりそうです。この辺り、後の記事でまとめたいと思います。



 バラック実験の様子です。100Vはやはりちょっと怖いんで、仮設ですが1Aのヒューズまで取り付けました。これで平滑コンデンサが6800μFなら二次側を1Aで通電しても、通電直後の瞬間的な過電流で溶断しないことも確認できました。

 まだ、日曜日は半日残っています。次の記事の仕込みでもしましょうかね

実験用電源を真面目に作ってみる(その2)

2018-02-15      
 いざ、真面目に作ると構えると、個々の部品の吟味にも時間が掛かります。そして、理に適った部品は案外高価だったり入手が難しかったりと、「たかがヘッポコ実験用電源、されどヘッポコ実験用電源」の如くなってしまいます。結局、どこかで妥協するしかないわけですが、今回の電源製作ではできるだけ必須条件に拘って設計を進めています。

 実は、回路図自体はもう引けてしまっていて、コントローラとして使用するPICのプログラム作りに進むべきなんですが、そこは相変わらずの亀の歩み・・・ノンビリ付き合って頂ければ幸い

 さて、今回の電源製作では端から前提となる条件があります。これは直前記事にも書いていますが以下の2点也。

 ① 電源収納スペースの制約による”高さ”と”巾”に制限
  ⇒ ケースのチョイスが肝になる

 ② 死蔵中の16V1A×2のトランスを何とか活用

 ①は物理的な大きさ制限です。高さが12cm以下、巾が10cm以下でないと電源の収納位置を変えなければならず、現在位置が引き回しとして”ベスポジ”ですから拘りたいところ。
 ②は前提とはいえ1Aクラスの電源製作にはオーバースペックのトランスを使うぞ・・・ということであり、仕様的な縛りにはなりませんね。

 それではこのトランスを紹介しながら、まずはトランスの1次側までの部分についてまとめていきましょう。

 前提となるトランスはTOYODENの”HTR-161”です。



 さぁ、ここで問題。このトランス、どこか変だと思いませんか 勘のいい方はあっという間に解ると思いますんで、答えはここでは言いません とにかく、このトランスを使います。

 諸元的にも何の変哲も無い代物、容量は”16Vx1Ax2=32VA”・・・って当たり前ですが、16Vで2Aまでは引っ張り出せるということで、1Aの電源製作にはかなり余裕のあるものと言えます。この辺りはトランスからの発熱量低減につながり、点けっぱなしのことが多い実験用電源としてはWelcomeでしょう。

 このトランスの1次側にはACコードは勿論のこと、スイッチやヒューズがつながりますが、どうせならもう少し工夫してできる限りノイズが少ない電源を作りたいと思い、ちょっくら付帯する回路を追加してみました。



 ※トランスの一次側の接続が110Vになっている点は、今回記事では気にしないで下さい。

 まずはヒューズ。電源として最もカタストロフィックな出来事、即ち、電源回路自体がショートした状態・・・恰もトランスの2次側がショートしたような状況では、必ず溶断するような電流値のものを選ぶ必要があります。これは、今回の電源トランスの電圧変動率を20%(これはJIS規格で決められており、20~60VAでは20%)と仮定すると計算でき、凡そ”2.3A”のヒューズが絶対必要条件(最大値)になります。

 また、今回の製作では電圧可変レギュレータを使おうと思っています(さぁて、何でしょうねぇ・・・)が、このレギュレータの出力がショートした場合の電流は2.2Aとなっていることから、これを1次側の電流に換算(これも電圧変動率を20%と仮定)すると”0.63A”と試算できます。

 その他、電源投入時に空っぽになっているであろう平滑コンデンサが一杯になるまでは、2次側のショートと同等な電流(2.3A)が短時間流れます。この一瞬の過電流に耐えられるものでないと、電源のスイッチを入れる度にヒューズが溶断することになります

 上記の条件から、2.3Aと0.63Aの間の電流フューズで「電源投入直後の過電流では切れないもの」を選択する必要があります。ここからは手に入るヒューズの特性にまで突っ込んで検討する必要がありますが、「日本一ヒューズに詳しいおっさん」になりたい気持ちはあまり湧いてきませんので、とりあえず”1A”として先へ進みたいと思います。

 お次は、家庭の・・・というか、アパートやマンションなどの集合住宅には必須であるノイズキラーこと、まあるい頭の”バリスタ”(図中のZ1)を置いて、サージやパルス性ノイズを低減しましょう。これ、効果のほどを測るのが難しいんで”お呪い的”に入れることになりますが、AC100Vを常時通電できる定格のものを間違えずにチョイス。おやおや、ヒューズの深掘りに反して、清々しいほどあっさり検討を終えてしまいました

 その後には、無線やオーディオを突っ込んで楽しんでいる方々にはお馴染みの”ラインフィルタ”を具備することにしました。この部分は市販のフィルタを置いてもいいんですが、造作として大きなものが多く、耐圧の大きなセラコンと適当なインダクタがあれば作れますから、市販のものの定数をパクって組んで特性を吟味することにしました。

 市販のフィルタは、大凡mHオーダーのキャンセル巻きコイルの両端にX,Yコンデンサを配し、Yコンデンサは中点を取ってグランドに接続するタイプ(コモンモードの電流を逃がす)ですが、アースの無い我が家でYコンデンサは不要、押さえ込みたいノイズもHF帯を中心に考えたいと思い、1mHのキャンセル巻きコイルに0.22μFのセラコンの組み合わせとして特性を取ってみました。



 ディファレンシャルモードは-60dB以下の帯域が1MHzから20MHzくらいをカバー、コモンモードの-25dB以下の帯域が200KHzから10MHz超と、ドンピシャではないものの比較的イイ感じの特性になりました。コイルを2mHにするともう少し下の方に帯域が寄ってしまうため、”1mH+0.22μF”をチャンピオンデータとしました。



 ラグ板に組みました。ちょいとバリスタが大きいですが、そこはご愛嬌ということで

 以上がトランスの一次側の回路定数検討結果です。どこのどんな部品を使ったのかは、回路図を披露するまでオ・ア・ズ・ケ
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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