ブレッドボードの改良と微小容量測定時のキャリブレ留意点

2017-09-23      
 今朝はかなり気温が下がりました。Tシャツ一枚でゴミ出しに行ったら、暑がりの自分でも流石に涼し過ぎな感じ・・・セミも鳴いておらず、明らかに秋が近づいた気がしました。

 今日はあれこれ片付けながら、合間を見てプチ工作・・・ブレッドボードの改造を行いました。今後のIFアンプの実験で多用すると踏んでの準備です。

 ブレッドボードは大変便利なツールですが、高周波実験ではある程度気を遣いながらの配線が肝要です。ただ、安定に実験を進める上ではそれだけでは少々心許ない感じ・・・グランドに関しては"買ってきたまま"では少々役不足になるように思います。そこで、よく使う小型のブレッドボードの裏にグランドを貼り付けることにしました。



 このブレッドボードの裏にグランドとして0.6mm厚の片面基板をカットして貼り付け、ボード両端の"-"の部分をグランドと直接接続してしまい、グランドへの配線が高周波的に改善するようにします。



 このボードの両端の電源ライン部分は簡単に分離することができます。この部分の金属端子を外して底の部分に小穴を開け、短いスズメッキ線をハンダ付けしておきます。その上で、底面にカットした基板を貼り付ける際にこのスズメッキ線が貫通するように穴を開け、基板を取り付けた後でスズメッキ線とグランドとをハンダ付けして完了です。



 完成後の様子です。四隅のハンダ付けがスズメッキ線と接続した部分です。手前のハンダ付け痕は、実験時に電源のマイナスとの接続が簡単・確実になるようタマゴラグを取り付けたもの。30Wのコテで無理矢理取り付けたためちょっと汚いですが、まぁ裏面ですから見なかったことに

 さて、ここまでできたら前々からやっておこうと思っていた”ブレッドボードのストレー容量測定”を行うことにしました。これは、JA9TTT/加藤OMが既に実施・発表されているものであり、多分同様の結果に落ち着くものと想像していましたが、兎に角自分ので確認することに意味がある・・・ってなわけで実測開始。
 結果は意に反さずほぼ同じ値・・・ではあったんですが、どうも自分の測定結果の方が軒並み0.5pF程度多くなるんです 測定器は氏と同様”DE-5000”を使っており測定前のキャリブレも手順通り行っていますから、拘り症の自分としては納得がいきません。が、コンデンサ容量測定は相当数こなしてきたことから「ひょっとして・・・」とキャリブレの”ある部分”が不味いのでは と考え及びました。

 DE-5000のキャリブレは、測定端子のオープンとショートの状態をそれぞれ30秒間自己測定して行う仕様になっています。ショートの方は直流的に測定端子をショートさせるからいいとして、問題はオープンの方・・・ちょっとスナップを使って説明しようと思います。



 DE-5000の測定端子には、チップ型のデバイス測定に使用するプローブ”TL-22”を使います。このプローブのオープン状態は、このスナップで判るように1cm強の間隔になります。この状態でキャリブレした後に、例えばこのスナップのように隣り合わせのピン接続端子間の容量を測定する場合、プローブ先端が2.5mmくらいに近づきます。すると、このプローブの端子間容量の影響が出てしまい、測定容量が上昇してしまうんです。
 そこで、オープン状態のキャリブレの際に2.5mm程度になるようにしてキャリブレを終えて測定し直すと、期待した(加藤OMの測定した結果に近い)値となることが判りました。

 このことは、キャリブレ中の測定端子間の間隔を”実際に測定する際の間隔”に合わせてキャリブレしないと上手くないという、”自作LCメータでの経験”があったお陰で長時間悩まずに済んだ次第。日々のヘッポコ実験も、こうした部分で役立つわけですな

何だ、このコア!?

2017-09-18      
 ここ数週は休日を含め思いの外忙しくて”工作時間”を割くことができず、漸く今日午後に少し時間を取ることができました。ターゲットはIF回路実験に必要なものに変わりなく、手を染めた”コイル巻き”で躓いてしまったところに決着を付けました。

 必要なコイルは、IF回路の実験で必要となる5-10μH程度の同調コイルなんですが、手持ちが多いHFの低い方用のT37-2では結構な巻数になるため、「FT37-61が使えないか・・・」という実験をしようという試みがきっかけ。フェライト・トロイダルコアは鉄ダストのものより温度特性的には劣りますが、まぁそんなに凄いQが必要でもないと考え、他の用途で使ったことがあるコアの中からそれと覚しきコアを一つ取り出して10回巻き・・・5.5μHを目指して巻いたら、自作LCメータ実測値が何と28μH弱との表示
 それじゃぁ「FT37-43じゃないか」と疑って巻数から計算すると、42μHくらいにならないとおかしい・・・結局このコアが何者なのか特定できずにいました。

 先日、”ホンモノのFT-37-61”()を千石電商さんで入手し、本当は三連休初日に実験 と息巻いていましたが、結局今日の午後までお預けとなりました。こちらはカタログスペック通りにインダクタンス値が整合し、難なく問題なしを確認・・・ひとまず、それ以上の作業はできないものと踏んで元の小袋に収めました。



 見た目では判別できないのはフェライト・トロイダルコアの欠点ですが、#61でも#43でも無さそうなこのコア・・・一体何なんでしょうね。

 10月の真ん中辺りには、またしても「一族的大イベント」が待っています。工作活動はちょっと勢いが減じてしまいそうですが、まぁ気長にやろうっと

IFアンプ作りの準備開始

2017-09-02      
 今週末はハムフェア・・・ですが、ここのブログ主は既に今年は参戦しないことにし、何やら怪しげな設計作業を進めようと思っています。この怪しげな設計作業を含めた今後のヘッポコ製作は五月雨式の記事になりそうな予感がしますが、 自分の頭の整理を行うためにもつらつらと書いていこうと思います。

 ずっと前から計画していた「IF-AGCのソフト制御」 については、今年の3月の記事で既にそちらの方向に向けて「書き出し」をしていましたが、 実際にはIF回路の実験をするために必要な"周辺回路"を順に仕上げていくことになり、とりわけクリスタルフィルタの試作に手間取ってしまいました そろそろ試作基板を作ろうと思いひとまず回路図は引けたんです(って、大したもんじゃないです)が、それを発表する前に設計条件などをまとめておきます。

 まず、IFアンプのゲインとAGCの利得調整範囲についての考え方は、これまた今年の3月の別記事でまとめていますが、何れも大凡90dB程度あれば良さそうです。勿論、RF部のゲインや必要な復調入力電力なども考慮する必要はありますが、この程度のゲインと調整範囲が取れれば、まずまずの受信システムになるでしょう。
 今回のIFアンプの試作では、ゆくゆくそのAGC部分をソフト制御でできるか試すのが主目的ですから、90dB程度のゲインが取れればどんなデバイスで組んでもいいんですが、「MC1350」というちょいとレガシーなICの2段構成で実現することにします。このICのチョイスは、IFアンプとしてICを使ったことがないという"自分の興味"と、随分前に中華から安価にロット購入し”10個も持っている”という在庫数が決め手になりました。

 MC1350は、単体で50dB程度のゲインが取れる広帯域アンプです。まず最初に、AGC特性を掲載しておきます。



 5Vから7V程度のフォワードAGCとして扱うことができそうです。まぁ、こいつを2段にするとどんな風に変化するかは試してみないと・・・というかかなり高ゲインになるんで、発振しないよう相応の注意が要りそうです



 これは、データシートの情報(アドミッタンスで表にまとめられているもの)から入出力インピーダンスを算出したものです。何れもかなり高めなことが判ります。今回は、先に試作したクリスタルフィルタの中心周波数(4.095MHz付近:グラフ上の緑線辺り)でIFアンプを設計しますが、入力が2KΩ程度、出力が20KΩ程度のようです。付帯するLC同調回路・・・特に出力側は発振しないようかなりQダンプして作成している例が多いものの、あまり極端に低インピにするとゲインが下がってしまうのではないかなど、この辺りも確認する必要があるかも知れません。

 また、AGCでゲインを落としていくに連れNFがかなり悪化します。このICを使った製作記事の幾つかには「ノイジー」と謳っているものも見受けられ、もっとローノイズなIC(例えばAD603など)をチョイスした方が良さそうですが、この辺りも同調回路のQで変わってくるようにも思うんで、できれば検証してみたいと思います。

 今日の涼しさに代わって明日日曜は暑くなりそう・・・まぁ例によってノンビリ進めたいと思います。

CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その10:濡れ衣晴らして大団円!)

2017-08-26      
 なんか納得がいかないまま直前記事の題名に「本当に了」と宣ってしまいましたが、どうやらここのブログ主はまたしてもやらかしてしまったようです こうして実に自然に記事ネタを作り出すところなんぞ、図って止まぬ三流雑誌より”巧み”なのかも知れません・・・と、何やら怪しげな口上はさて置き、直前記事の測定結果が”The スットコドッコイ”だったことを告白したいと思います

 何がスットコドッコイだったのかというと・・・実は、前回記事では試作フィルタの”入力側”の特性を測定していたんです(無論お解りでしょうが、出力側を測定しなければなりません)。つまり、クリスタルフィルタの「反射」を見ていたんですね。天晴れ、どよどん無線技士

 まぁこれも貴重な失敗談ではありますが、やはりちゃんとしておかないと、そこそこ苦労して作った試作フィルタに何やら「汚名のレッテル」を貼りっ切りになってしまいますんで、キチンと測定し直しておきましょう。

CWクリスタルフィルタ特性

 約50msのバースト信号を与えた上で、ちゃんと”出力側"を観測・・・どうです、これなら自慢げに記事にしてもいいでしょう 与えているバースト信号のタイミングを青線(Ch2)で補足しています。

 入力先頭の”粘り”の部分・・・まぁ、遅延といってしまえばそれまでですが、7msくらいのところにピークとして現れています(敢えて・・・横軸の一目盛が5msです)が、その後は大人しく収束していき、15msが経過するまでには落ち着いています。
 一方、お尻の方も信号断から7msくらいのところで一旦収束した後に反射が見られます。これが落ち着くのに凡そ(信号断から)15ms程度掛かっていますが、入出力で凡そ同じような”暴れ”があるものの大きく破綻していない・・・やはり、実際に聴いてみた感触で「なんだ、スルーに比べて遜色ないじゃん」というのは間違っていなかったようです



 アナログオシロでも見てみました。ちょっとピンボケ・・・この方がそれっぽい感じもありますが、逆にデジタルオシロでも十分再現できていると言っていいでしょう。

 これで漸く腑に落ちた感じです。やはり、”Dishal”による設計とLTSpiseによるシミュレーション、さらに少しの治具と「粘り性」でかなりイイ感じのCWフィルタが設計・製作できることが判りました やっと大団円でしょうか・・・さぁ次はIFアンプだぁ

CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その9:本当に了)

2017-08-23      
 夏休みが終わった途端に暑くなってきました。今の予報では今週が我慢といった気候のようですがどうなることやら・・・というのは放っておいて、バースト信号による試作フィルタの「音響」的な部分の確認をしたんで、この辺りをサラッとまとめておきましょう。

 まず、バースト信号がどんな具合かという部分・・・直前記事で紹介したアダプタとダイオードDBMを使って、どんな塩梅に間欠信号が出てくるのか見てみましょう。



 SGから与えたフィルタ周波数の信号が、アダプタ+DBMで凡そ100msにぶった切れている様子です。エッジ部分をもう少し詳細に見てみましょう。





 結構イケてるようですね・・・と自画自賛 では、この信号をフィルタに通してみましょう。



 おお、初めて見る波形・・・先っちょの方がウニョウニョしているのが判ります。横軸の1目盛が10msですから、10ms+α程度の時間が暴れています。逆にお尻の方はスパッと切れていて、残響は残していないようですね。



 先頭の16msを引き延ばしています。さながら”ラッパムシ”のようですが、10ms以内の部分はやはり”問題あり”に見えます。ただ、ザックリ100ms以上に及ばなければ音響的にはその善し悪し(歪んでいるとか、大きい・小さいとか)が、人間の耳では分からないらしいと”仕事”で教わったことがあるんで(実は15年前くらいまで、音声系の装置開発をしていたんです)、まぁ大丈夫かな・・・としたいところですが、もう少しミクロに覗いてみました。



 立ち上がりの部分は確かに少し波形が大きくなっていますが、大きな破綻を来していないようです。同様にお尻の方も確認しておきましょう。




 こちらは本当にスパッと切れています。問題ないでしょう。

 実際の”音”についても確認しました。これは、SSB復調アダプタに接続して聞いてみたんですが、フィルタを通してないときと殆ど変化がないことが確認できました。このテストの様子(っていうか、音)をmp3でアップしようとも思ったんですが、この辺りは実際のハムバンドを試聴した方がよさそう・・・というわけで、ちょっとお預けにしようと思います。IFアンプを仮組みした辺りで披露しましょうかね

 ・・・というわけで、試作フィルタ単体での試験を含め、一連の”試作フィルタができるまで”の物語()はお終いにしたいと思います。長い間お付き合い頂き、ありがとうございました。

簡易型のバースト信号アダプタもサクッと・・・

2017-08-20      
 このところ東日本は不安定な天候が続いていますが、昨夕は我が家周辺(千葉県北西部)も篠突く雨、どころかかなりの土砂降り 丁度外出から帰ってきた娘は上手いこと降られなかったようでしたが、雷を伴う強い雨で久々にBSが映らなくなりました。夕飯を終えたら外の気温が一気に下がって我が納戸シャックも過ごし易くなり、次なるプチ製作・・・簡易型のバースト信号アダプタを作りました。

 このアダプタは、フィルタの過渡特性やAGCのゲイン制御の様子を測定するために”あって邪魔にならないツール"であり、高周波ゲートとなるスイッチを矩形波でON/OFFできればよいという代物。
 高周波スイッチとしてはPINダイオード等で組む方法もありますが、ダイオードDBMをスイッチに見立てて実現するのが簡単です。お誂え向きに、ダイオードDBMのIMD測定で使った治具が取ってあります・・・っていうか、このために取っておいたというか
 矩形波の発振はいろいろな方法が考えられますが、そこそこシャープなエッジにしないと測定に影響が出ます。とは言え、普通にロジックICで成形できれば良いという程度ですから、ここはインバータで発振と波形整形を一挙に片付けるような回路を考えました。



 インバータを2個使ったCR発振で10msから1.7s程度までカバーするように時定数を組んでいます。流石に少し広い時定数になるため、抵抗を二段階で切り替えています。調整は100KΩのボリュームで大凡の設定をした後、4.7KΩの方で合わせ込む形にしています。
 発振波形は5-6ピン間のインバータで成形され、残り3つのインバータはバッファとして動作させます。DBMに流し込む電流は、予備実験で8mA以上ではON/OFFのアイソレーションがあまり変わらないことから620Ωとしました。因みに、このDBMスイッチのアイソレーションは-5dB程度の入力で50dB以上は取れていますので、普通の測定には困らないでしょう。



 測定中の様子です・・・って、別に面白くも何ともないですね 先日まで躍起となって試作したクリスタルフィルタの様子見に着手しましたんで、そちらにバトンは渡しましょうかね。近々にまとめたいと思います。

小型AFアンプをサクッと・・・

2017-08-19      
 長かった夏期休暇が終わり、残すはこの週末のみとなりました。何といってもこの休暇の収穫は、普段の不摂生を正すべく「禁酒」を成功させたこと。普段の酒量がかなり増えてしまったことから一念発起・・・という程でもありませんが、お陰で夜中にトイレに起きることも無く、かなり深く眠ることができました。これ、休み明けも続けたいところですが果たして

 さて、休暇中のもう一つのノルマだった(のか・・・)、小さなAFアンプをこしらえました。これは、結構手間を掛けて自作した外付けスピーカを無線やラジオ受信以外に活用するために、前々から作ろうと思っていたものです。単純なAFアンプで十分、かつ出力もそれ程要らないことから、今後あまり活躍場面が無さそうなLM386の”消費”を前提に検討していましたが、少し前に流行ったLM380/386の帰還アンプの自作記事を参考にしながら、ほぼ受け売りの回路をでっち上げました。



 特徴的な部分を以下に列挙。

 ・帰還の方式は負帰還(NFB)とし、高入力インピーダンスを確保
 ・入力のオフセットノイズを除去するためのパスコン(入力の+と
  -を数千pFで容量結合させる)は取り付けていない
 ・ゲイン不足の際にそれを補完できるよう、1-8ピンの間のバイパスが
  できるようにしてある
 ・7ピンのバイパスは容量を大きめにして電源ノイズのリダクションを
  確保しようとしているが、効果の程は定かではない
 ・DC電圧を広めに取りたかったため、特に定電圧化していない

 先日秋葉原に行った際に買ってきた小型ケースとボリュームを使って昨晩から工作開始、基板が出来上がったところで寝て、今朝はケース加工をしてあっという間に完成です。



 コンデンサ類は全て手持ちのものを使っています。従って、特に音質に拘るようなものは使っていません。スイッチを省略した代わりに、前面にLED・・・5mmΦの高輝度LEDをブラケットに入れて取り付けました。単純な抵抗による電流制限では電源電圧の高低で明るさが変わってしまうため、1mAの定電流ダイオードを入れています。これでも少々明る過ぎる程・・・。



 安っぽい玩具っぽく仕上がりました。こういうチープさも結構好きだったり

 肝心の音量・音質についてはどうということはありませんが、NFBのお陰で少しゲインが低くなった分、LM386の欠点とも言える「ヒスノイズ」も軽減したようで、スピーカ使いではノイズは殆ど感じません。ヘッドホンを接続して確認すると、インピーダンスが高いものではやはりノイズも大きくなりますが、インピーダンスが低いものではまぁ落ち着きます。
 ただ、ヘッドホンを使う前提では、やはりこの石にAF段を担わすのはあまり宜しくないかも。或いは、LPFで高域を少し落とせばいけるかも知れません。

 何れにせよ、これで外付けスピーカを別用途で使うことができるようになりました。お気に入りの曲を幾つか聴いてみましたが、正味1日の工作としてはいい音で鳴ってくれてご機嫌です

CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その8:ひとまず了)

2017-08-17      
 昨日は朝から雨模様、かつ涼しいを通り越して小寒い感じのする一日でしたが、空き時間はヘッポコ実験三昧の一日になりました。今回の記事で一旦手を離すべくクリスタルフィルタの入出力に着目した実験を行うことに決めていたんですが、その前に帯域のトリミングに手を染めてしまい結果がとっ散らかってしまいました。この辺りも含めて、まとめたいと思います。

 前回の記事では、入出力インピーダンスを適当に合わせ込んでやればまぁまぁの特性が実現できることが分かったものの、”ガウシャン特性もどき”を目指していた割によく見る台形っぽい特性に落ち着きそう・・・このままでは不味いと、折角取り付けたコンデンサを着脱しながら試行錯誤の作業を始めました。まずは結果から。

試作クリスタルフィルタの周波数特性

 実はこの測定、インピーダンス整合の実験を始めた後だったんです。整合云々はちょっと置いておくとして・・・ちょっと頭の天辺がポコポコしているものの、お化けなシルエットになりましたよね もう少し、このトリミング作業での変化の度合いをお見せしましょうか。



 前回記事に掲載した抵抗で整合したデータとの比較です。トランスによる整合でロスが減ってしまったためピタッと重ねられていませんが、様子は判ると思います。

 このトリミング作業・・・これは理屈にならない試行錯誤なんですが、個々のコンデンサ容量をLTSpiceで変更するとどんな風に特性が変化するのか見つつ、実際にコンデンサを取り替えて特性を実測するという何ともへっぽこな方法。大きめの容量のトリマコンデンサで探るという方法も併用しつつだったため、かなり時間が掛かりました。
 ただ、本当に闇雲だったのかというとそうではなく、例の”Dishal”で設計した手順・・・メッシュの対を意識して作業は進めました。これは、最終的な結果を見ながら説明しましょう。



 ”*”を付けたコンデンサが設計値から変更したものです。順序は以下のように進めました。

 ① X1-2間と対になるX5-6間の容量を調整(220pF⇒180pF)
 ② X2-3間と対になるX4-5間の容量を調整
   ⇒この容量には背反の関係があったため、片方の容量を増やした
    (270pF⇒330pF)
 ③ X3の同調容量を小さくした(1500pF⇒330pF)

 ①については変化が最も顕著であり、これで大凡お化けなシルエットが完成したんですが、②でさらに改善することが判り、適切な容量をトリマで探っていたら対となるコンデンサ同士が背反の関係にあったため、片側のみ容量を増やしました。③についてはそもそもの値が大きく(=1500pF)、X4の同調容量との差異があまりに大きいことから少なくなる方向に調整していった次第。

 このように”Dishal”で設計されたフィルタについては、メッシュの対を意識しながら調整は可能であることが判りました。が、これは実にナンセンスな方法・・・興味本位で実施したブレッドボードでの実験である程度の特性が見られることは判っていますから、ブレボでもう少し追い込んじゃった方がいいでしょう。さらに、小さなブレボに少し細工(グランド強化など)を施して、専用の「フィルタ実験ユニット」を作っておくのもアリでしょう。

 さぁ、お待ちかねの入出力インピーダンスに関するまとめに入りましょう。

 この記事の一番上のデータは、入出力インピーダンスの整合用にフェライトビーズに巻いた1:4のトランスを使っています。ノイズフロアが-100dBより少し低いところにあるため切れていますが、申し分ないと言っていいと思います。



 測定時の参考スナップです。フェライトビーズは最近手に入れたもので既に記事で紹介していますが、上手く動いているようです。ちなみに、7回巻きのバイファイラです。
 こんな風にラフに組んでいますが、入出力が結合しないようにある程度配慮しているつもりです。前回記事でアップにできなかった入力側のシールドもこんな風に銅テープで衝立を立てた格好で、グランドに一端を接続しています。

 なるほど、オーソドックスなトランスによる整合で上手くいくことは判りました。そこで、今度はLマッチによる測定です。



 トランスによるものと殆ど変わりません・・・って、まぁ当たり前なんですがね Lマッチは計算上「3.37μH+336.6pF」となりますが、Q換算で1.7程度にしかなりませんから、T37-2に28回巻き(3.29μH)と330pFのセラコンで”作りっぱなし”としました。どうやら、大丈夫そうですね。

 これで普通に考えられるインピーダンス整合は、前回記事の抵抗での整合を含めて網羅したと思いますが、最後にちょっとだけ「不整合の場合」に突っ込んでおきましょう。



 一番上のデータと出力側のみ200Ωにしてみたものとを重ねてみました。この程度の不整合(SWR=4)でもオツムの辺りが波打っていることが判りますね。こうなると、かなり厳格にインピーダンスを守ってやらないといけないということになりそうです。即ち、実機にこの手のクリスタルフィルタを組み込む場合には、この整合具合を「実装した状態」で測定して合わせ込んでおくことが必要なようです。

 すると、今回のようにインピーダンス変換が簡単な場合はトランス整合が視野に入るものの、本命はLマッチ(或いは同調とインピーダンス変換を兼ねたタンク回路)になると考えた方が良さそう。抵抗での整合はロスに直結することからも、Lマッチを”一等賞”と考えて良さそうです。

 クリスタルフィルタの試作に向け、水晶の諸元を測定するアダプタを作り始めたのが6月頭・・・2ヶ月以上掛かってしまったようです。歪み特性や音響的な遅延の具合など掘り下げたい部分もまだまだありますが、これにてひとまず、クリスタルフィルタの試作からは手を離そうかと思います。

CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その7)

2017-08-15      
 先週の金曜日から長めの夏休みに突入しました。初日は比較的涼しかったんで、へたれる前にと、6月の頭からぶん回し続けているエアコン掃除をし、翌日は一族恒例となった夏の食事会・・・孫娘中心の会になってしまうのは兎も角、普段と違う動きを余儀なくされるためにクタクタとなった上、またしてもぶり返してしまった風邪っぽい症状も相まって、一昨日は休養に当てました。普段は「鼻水」とは縁遠いんですが、一年分鼻をかんだ気がします

 昨日も引き続きノンビリ過ごしつつ、午後遅くになってから例のクリスタルフィルタを基板に組み込み始め、今日は単体での味見実験を行いました。この辺りをまとめたいと思います。



 まずは基板に組んだ様子。TAKACHIの宣伝みたいになっていますが、「TNF 29-44」を使いました。そこそこコンパクトに収まりましたが、実はこれより一回り小さい基板があって、そちらに組んだ方がもう少しコンパクトになりそうです。



 スルーホール付きの基板なんで不用意なショートを起こさぬよう、水晶発振子を少し浮かすべく、百均で手芸用のビーズを買ってきました。1mmちょいは浮かすことができる上、100円でそれこそ”一生分”手に入ります 他のシチュエーションにも使えそうですね。

 さぁ、測定結果を・・・と、その前に、測定のノウハウについて。

 まずはグランド。APB-3をネットワークアナとして接続すると、基板が小さいことから「中空」で接続するような格好になり、グランドレベルが安定しません。そこで、何かの金属板をグランドに見立て、その上に配置するようにするなどの工夫が要ります。特にノイズレベル程度の低いレベルまでの測定になりますから、この辺りの「環境整備」が必要になります。



 今回はまだ味見実験ですから、とりあえずアルミケースにタッパーのフタを絶縁板として、大きな洗濯ばさみで固定しています。これなら、着脱自在ですね。

 もう一つは、入力側のコネクティングです。入力側には高周波信号を与えるわけですが、これが出力側にそのままリークすると具合が悪いことになります。フィルター回路では当たり前ですが、兎に角これを極力少なくするようにしなければなりません。そこで今回は、入力側のコネクタ付近に銅テープでシールドを施しています。上のスナップでは、丁度黄色い洗濯ばさみに隠れてしまっています アップでスナップを撮っておくべきだった・・・。

 この2つの対策で漸く、入力信号から-100dBくらいの信号が安定して読み取れるようになりました。それでは、測定結果を。



 味見測定ということで、このフィルタの入出力インピーダンスである200Ωに抵抗で整合を取っているだけですが、ブレッドボードでのお巫山戯測定と比較してかなり低いレベルまでキチンと特性が取れています。ただ、-50dBから上の特性は、ブレッドボードのものとそれ程変わりませんね。
 通過帯域の天辺から60dBダウンでの帯域幅は800Hz強ありますが、かなり切れるフィルタであることが判ります。さらにノイズレベルまでの差は80dB程度はありそうですから、IFゲイン高めの受信でも十分な減衰量が確保されると考えてよさそう。

 さて、ここでもう一つ意地悪な測定をしてみました。



 フィルタのインピーダンス整合をわざと悪くしてみました。明らかに通過帯域の特性が劣化したのが判ります。この辺りがクリスタルフィルタ製作の秘訣なんでしょうが、こうして目の当たりに見ておくのもヘッポコ実験の醍醐味

 まぁざっと、こんな風に「素」の特性を見ることができました。ここからは入出力の整合・扱いに関して、より「実機に用いる」という観点でもう少し掘り下げてみようと思います。もう一回ぐらいお付き合い頂きましょうかね・・・って、誰に

ちっこいフェライトビーズ

2017-08-06      
 少し思うところがあって、小さなフェライトビーズを入手しました。RSオンラインから少し前に到着していたんですが、未だ味見してなかったんでプチ実験を敢行。



 どのくらい小さいか、FB801-43との比較スナップを。大きさ的には、FB101-43と同等ですが、違うのが内径・・・つまり穴の直径が大きめであり、何巻かのトランスが作れそう・・・というわけで、位相反転トランスを組んで特性を採ってみました。位相反転トランスは入出力が直流的には分断されますから、このフェライトビーズの素性が判ると思います。

 そうそう、このちっこいFBはFair-Rite社の#43材のものです。1ターンで0.43μH程度のものですから、普通に「ちょっとノイズフィルタ」とか「かなり上の方の発振止め」くらいの用途でしょう。スナップで判る通り案外内径が大きいことから、ちょっとした伝送線路トランスも巻けそうですね。



 上記は、特に低い方(5MHz以下)のロスを測ったものを掲載。小さいフェライトビーズの可能性を探るのは、やはり低い方でしょう。グラフのコメントにも記しましたが、FB801-43はバイファイラの6回巻き、ちっこいFBは7回巻きにしています(線材は0.2ΦのUEW)。流石に親分は0.1-0.2dBの損失に収まっていますが、ちっこいFBも-0.3dB程度とそこそこイケていますね。
 ただ、ちっこいFBはAFまでは流石に無理なようで、1MHz辺りからロスが増えていることが判りますね。SSB変調用のDBMなどには少しキツそう。
 なお、何れもAPB-3の測定限界である40MHzまで同様の特性になっていましたから、HF帯についてはこのちっこいFBも結構使えそうです。

 実はこのちっこいFBは、製作中のクリスタルフィルタの入出力インピーダンスを整えるためのステップアップ/ダウントランスに使えないかと思って購入したんです。クリスタルフィルタ自体を小さく組もうと思うと、どうしてもFB801-43では大きくなってしまうからです。そういう意味では、ホンの0.1-2dBの損失を我慢すれば使えそうであることが判りました。

 まぁ、厳密に考えるとこのコアのIMDも検討しなければならないところではありますが、高い周波数のDBMへの適用など、応用は利きそうです。1個15円という値段にも魅力がありますから、今後のヘッポコ工作にも顔を出すことでしょう。
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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