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10MHzのBPF・バッファのシミュレーションとプチ実験

2018-08-19      
 長かった休暇も最終日。一昨日より涼しい日が続いて身体的にはかなり安らいだ気がしますが、この涼しさも今日、明日辺りまでのよう。明後日からは30℃超の夏日がぶり返し、週の後半は台風20号の影響が出てくるかも知れず・・・と、まだまだ天気の変化に右往左往させられそうです

 GPSDOの出力部の設計とシミュレーションを手掛けていますが、漸くこの辺りに目処が立ちました。回路的には「10MHzのフィルタ」と「後続のバッファ」に分けられますが、何と言っても今回の周波数標準としての肝は、「ジッタを伴う10MHzの方形波を綺麗な正弦波にする」という部分です。
 当初は”定K型LPFx2段”で高調波を取り除いた信号をバッファに放り込むように考えましたが、ブレボにLPFを組んで実測してみると、10MHzより低い周波数成分が思いの外多く上手くありません。そこで、”7Kボビン”に適当なタンクコイルを巻いたBPFを作ろうと考えましたが、大昔に1個26円で購入してなかなか捌けない”T37-6”を消費すべく「帯域の狭い2ポールのBPF」(3dB帯域が±30KHzで設計)をでっち上げることにしました。

 この記事が夏休みの集大成になりますから()、少し順を追ってこの辺りを図解。



 このフィルタへの入力はインバータで2つ並列にしたバッファで、個々のインバータに240Ωの抵抗をシリーズ接続して使用・・・インピーダンスを120Ωと見立て、これをBPFの入力インピーダンスとします。
 一方、出力インピーダンスは後続のバッファアンプの入力インピーダンスになるため、先にこのバッファアンプをどう作るかを想定しておく必要があります。GPSDOとして”3出力”を具備したいため、ここでは3分配を簡単に済ますべく入力インピーダンスの高いバッファアンプを前提にFET採用・・・こうなると、これまた在庫豊富な”J310”がベストと判断、ゲート抵抗に100KΩを置いて3つを並列接続して33KΩ程度になることを前提にしました。

 このように、このBPFの入出力インピーダンスは大きく異なりますが、特に33KΩという高インピーダンスではLマッチを構成する”CE2”は不要となる一方、同調容量”C2”を大きくして補正する必要があります(補正の仕方は”トロ活”に詳説されていますからそちらを参照して下さい)。この辺りは、自作のBPF設計ツールで暫しカット&トライ・・・と設計を進めました。

 さぁ、ここまで来れば回路として定数を入れ、シミュレートしてみましょう。まずは回路図。



 これはシミュレートを終えた完成版です。BPF出力時点での電圧が高いため、アンプ自体はソースフォロワで済ましても良かったんですが、あれこれ調整しても出力電力として前提にしていた10dBm@50Ωに満たなかったため、軽く増幅することにしました。その結果、今度は逆に若干過大入力になるため、ゲートに直列に抵抗(3.9KΩ)を入れました。
 また、アンプの負荷となるタンク回路のインピーダンスを高くするとこれまたゲインが大きくなり過ぎるため、設計仕様として200Ω程度にしています。Qも3.0と低くしていますから、この同調回路によるフィルタ効果は「刺身のつま」程度

 シミュレーション結果は以下の通りです。



 回路図上の”CLK”と”TP”、”OUT1”から”OUT3”の波形を見ています。”OUTx”の波形は全て重なって最後に描画した”OUT3”(赤)が表示されています。
 ”TP”の波形はBPFの特性を見ていることになりますが、綺麗な正弦波になっていることが解ります。また、”OUTx”の波形が±1Vなっており、凡そ10dBmの出力が確保されていることが解ります。”OUTx”にはそれぞれ-6dBのATTを通していますから、個々のFETは50Ωに対して40mW程度の信号を出力していることになります。

 BPF部分については、ブレボ実験もしてみました。その様子がこちら。



 回路図上の”CLK”と”TP”をそれぞれ見ています。”CLK”の波形では、オーバーシュート・アンダーシュートが結構あり、上下のピークを拾うと6.6V程になります。これをシミュレーションのクロックとして反映させると、”TP”の大きさが実測よりかなり大きくなります。そこで、上下の平均値(2.64V)を2倍した5.3Vでシミュレートしたら、”TP”の値が実測とほぼ合いました。
 もう一つ・・・BPF用に巻いたL1,2(T37-6に0.32φのUEWを20回巻き)は、必要なインダクタンス値を机上計算で求めた後、実際に巻いてから実測した二値を平均して反映させています。

 できればこの休暇中にJ310のバッファアンプ部もブレボ実験に持って行きたかったんですが、どうやら時間切れのよう・・・というのは、この休暇中ビール や酎ハイ などのアルコールを一切控え、完全なる”休肝週間”としたため、流石に今晩はこれから一杯やろうと計画しているからでした

 長かった夏休み・・・自分的にはそこそこヘッポコ実験にも興じられた良い休暇だったと思います。明日から暫く、忙しい日々が・・・と思ったら火曜日は都内の研修会から直帰できそうなんで、秋葉原でも回ってこようと思います

インバータによるバッファの出力電力

2018-08-16      
 昨夕からGPSDOの回路図を引き始めたんですが、先に2つの部分の実験&シミュレーションが必要となり、夜更かししてその作業に取り掛かりました。夜更かしの分、暑い時間はバッチリ昼寝・・・これも長期休暇の醍醐味なのか 今回の記事では、その一つの実験結果をご披露・・・って、そんなに大それたもんじゃないか

 前回の記事に記したように、今回使用するGPSモジュールのPPS出力は方形波でかつかなりのジッタを伴っており、これを整形して綺麗な正弦波に持って行く必要があります。そのためにはそこそこのフィルタ(LPF or BPF)を通してやる必要があり、ひとまずPPS出力をバッファに入れて落ち着かせてからフィルタを通す回路構成にします。バッファ自体はトランジスタ等で作ってもいいんですが、今回はインバータでひとまず受けて、ある程度安定した方形波に整形してからフィルタに通す形で考えました。

 使用するインバータは定番中の定番"74HC04”とし、アンバッファタイプの”74HCU04”も含めてブレボ実験を敢行、その結果を以下に。



 回路自体はよく見かけるものですね。

 まず、PPS出力をインバータで受けてそのまま出力しているのが”Pin2”です。240Ωの抵抗をシリーズに接続して電流を制限(74HCシリーズの通常ポートは、概ね1ポートあたり20mA)しています。出力は50Ωで終端された電力計で計測。
 その後は、残りのインバータを並列接続して出力電力(=電流)を稼いだ場合です。実際、インバータ1つでは波形が反転しますから、「受け用バッファに数個並列のバッファをシリーズ接続」という使い方(つまり、上図中の”OUT”を出力にする)にして、入力波形と同相になるようにしておく方がいいでしょう。

 また、電流制限用の抵抗値がこのバッファの出力インピーダンスとすると、5個並列の”48Ω”の場合以外はミスマッチということになります。

 ”74HC04”と”74HCU04”の比較では、”74HC04”の方が高出力のようです。何となく、アンバッファタイプの方がこうした用途には有利なように思いましたが・・・。

 何れにせよ、インバータ数個の組み合わせで10dBm以上の出力が得られることが解りました。まぁ、電源電圧と電流から考えれば当たり前ですが、こうしたDA変換に近い動きの部分はDDS等のデジタル発振を用いたQRP送信機にも応用できますから、このヘッポコ実験結果も”どよよんTips”としておきましょう

GPSモジュール再び

2018-08-14      
 予定通り、先週末より夏季休暇を取ることができました。初っ端に当たる土曜は毎年恒例の「一族の寄り合い」があって終日酔っ払いでしたが、翌日曜からは原則「休息日」として過ごしています。無論、ここのブログ主の休息日は原則「ヘッポコ実験・工作日」ですが、アニメ視聴やゲームにやや気を取られつつも何やら怪しいヘッポコ実験をウダウダ進めています。
 我が家周辺の日中温度はここ数日35℃は超えないものの、我が納戸シャックは30℃近くに上がってしまう時間帯である14時から2,3Hは工作や実験にはNGですが、それ以外の時間帯は何とか活動できます。とは言え、ちょっと重めの工作は置いて、ノンビリしながらできそうなことに取り掛かりました。

 今から4,5年前に”高周波工作マニア”の間で俄にブームに火が付いたGPSによる周波数標準・・・当初は1秒刻みの正確なパルスを取り出して、それを周波数カウンタのゲートにして安定度の高い発振源(オーブン式のTCXOなど)を校正する方法がポピュラーでしたが、今ではGPSモジュール内のコンフィグデータを弄ることで、直接的に正確な高い周波数パルスを得る方法が定番となりつつあります。
 コンフィグデータを弄れるモジュールは限られていますが、特にU-Blox社の新しいモジュールでは、同社のソフトツール”u-center”を使うことで簡単に各種諸元を調整できます。

 実は、GPSによる周波数標準ブームが本格化し始めた2014年の中頃に1PPSパルス出力付きのGPSモジュールを手に入れ、シリアル通信で味見をしていました。そして、かなり安定度の高そうなOCXOとの組み合わせでGPSDOモドキ(GPSDO:GPS Disciplined Oscillator)を作ろうと考えていたら、その直後に周波数カウンタのジャン測を手に入れ、その心臓部の基準発振を比較的高安定なものに換装したらそこで満足してしまいまして・・・
 じゃぁ、なんで今更GPSDOに工作意欲が傾いたかというと、2016年の中頃に手に入れたSGのジャン測と上記の周波数カウンタがそれぞれ「10MHzの外部基準で動作する仕様」になっており、SGを手に入れてからずっと10MHzの周波数基準が欲しかったんですね。この周波数基準の出力を二つに分けてぶち込めば、この2装置の周波数精度が一気に上がるわけです。
 そこで、この夏季休暇中はアンテナの立て替え待ちのノイズキャンセラをペンディングして、さらにAGCのデジタル処理や安定化電源の製作・・・等々を差し置いて(宿題は一杯あるのよね)「GPSDOの製作」に手を染めることにしました。

 この工作に先立っては手持ちのGPSモジュールを引っ張り出してきて、以前の味見の通りブレボにRS232のレベル変換を置いて配線し、PCでひとまず衛星の様子を見てみることにしました。これ自体は何の問題も無く上手く行ったんですが、数時間放っておいた後にふっとモジュールに触ってみると結構な発熱 確認のため消費電流を測ってみると、何と350mAほどになっています。同等なモジュールの消費電流をネットで調べると、大食らいなものでも70mAほど・・・これはちょっと異常です。その上、どうせGPSDOを作るなら、できるだけ新しいGPSモジュールの方が良いかと思い、U-Bloxのチップを積んだ安いものを”Aliナンチャラ”で適当にチョイスして注文、休暇に入る直前に届きました。



 ”GB-1803”・・・あまり詳細な情報がネットに上がっていませんが、現状で二番目に新しいU-Bloxの”m8シリーズ”のチップが搭載されています。価格も700円ほどでPPS出力も具備。こんなにちっこくてまともに動くのか心配でしたが、無事に”u-center”に接続できました。

 まずは衛星の様子。GPSモジュールはある程度の時間、衛星の位置を記憶していますが、長時間通電されないと何もない状態から位置情報を作り始めます。これにはある程度時間が掛かります。我が納戸シャック(3F建てマンションの奥の部屋)では、最初の衛星の捕捉に数分、位置情報が確定する「4つの衛星捕捉」には20分から30分掛かるようです。通電から2時間後の衛星の様子は以下の通り。



 いわゆるGPS衛星はアメリカが打ち上げた衛星で、Gxxというのがそれ。その他、ロシアのRxxとSBAS(測位誤差を補正する静止衛星:Sxxx)が見えています。測位に使われているのが緑色のもので、この状態で8つの衛星で測位されています。
 衛星の位置はほんの少しずつ動きます。そして、衛星の位置や信号の強弱で測位に使われる衛星数が変化します。我が納戸シャックで多めに衛星の信号を拾っている時の様子を以下に。



 全部で14機が緑色ですね(S128の後ろにも1機います)。この図では、衛星に国旗を追加してみましたが、とりわけ目立つのがQxの番号で示される日本の衛星”みちびき”です。この衛星は、このGPSモジュールのディフォルトでは見えませんが、"QZSS"という衛星側のプロトコルを生かしてやると見られるようになります。この辺りもコンフィグを弄ることで可能。ただ、今回NMEAの通信仕様で使用するGNxxxには、”みちびき”の測位情報は反映されず、この状態で12機で測位されていることになります。ま、何れにせよ十分ですね

 ”u-center”ではこうした衛星の情報以外にも多彩なアプリケーションが組み込まれていますが、自分の目的には不要・・・それでも、あれこれ見ていると飽きませんよ

 さて、今回はGPSモジュールのコンフィグを弄って10MHzの信号を取り出せるかが課題です。まずは、自分の備忘録用にコンフィグの調整画面を掲載(クリックすると別窓で大きく表示されます)。



 この画面は、”u-center”の上部のタブ”View”⇒”Configuration View”を押下し左側のメニューの”TP5”を押すと現れます。赤い部分が測位が確立していない状態でのクロック出力(=周波数があまり高確度でない状態)、青い部分が測位が確立した後のクロック出力(=周波数が高確度な状態)です。ここを適宜設定して画面下部の”Send”を押します。この状態ではGPSモジュールのメモリ上の設定しか変更されていませんので、電源を切ると消えてしまいます。そこで、上記の”Send”を押したらメニューから”CFG”を押し、ラジオボタン”Save Current Configuration”を選択して画面下部の”Send”を押すと、GPSモジュールのセーブデータが更新されます。
 また、GPSモジュールとのシリアル通信速度(ディフォルトは9600bps)もこのメニューの”PRT”を押して現れる画面上で設定し直すことができますから、必要に応じて変更します。勿論、これも”CFG”の操作を忘れずに。

 上記の設定変更で1秒周期のパルス出力が「10MHzのデューティー比50%のパルス出力」になりました。波形を見てみましょう。



 同期が取れないためデジカメで撮影しましたが、こんな感じでOKです。この出力信号を適当なフィルタに通せば、10MHzの綺麗なサイン波になるでしょう。この辺りは、先駆の諸OMが既に試されていますから、今回の我が測定システムに必要な2出力・・・折角作るんですから、さらにもう1つ追加して3出力が十分な電力で得られるように回路設計したいと思います。

 夏季休暇はまだ半ばですが、他にもやりたいことがあったりするんでノンビリながらもテキパキと・・・って、そんなことできるんかいな

ステルス君3号の設計情報

2018-07-28      
 この記事を書き始めた時点の我が家の周辺外気温は27℃。身体を休めるには良い気温ではあるものの、千葉県北西部は台風接近に伴って早朝にはかなりの雨・・・そしてその後も時折サーッと降る雨の合間に昼食の買い物だけは済ませましたが、雲間から弱い陽が差すとムッとした風がベランダから流れてくるため、今さっき窓を閉めて”第二種防衛モード”にエアコンを調整しました

 このくらいの外気温なら我が納戸シャックも26℃辺りに落ち着きますから、今のうちに一記事アップしちゃいましょう。

 今回もこれまでのステルス君と設置条件は変わらず、ベランダからはみ出さないようにダイポールアンテナを張るわけですが、できるだけ多くのHFバンドに同調させる(させたい)ことにも変わりはありません。この辺りはMMANAで見通しを立てて、実際に必要となる短縮コイル・延長コイルを仕込んでいくという手順になります。特に今回は、アンテナエレメントに装荷するコイルを1つだけにしてメンテナンス性を高める・・・というか、放っておき易いものに仕立てたいと思います。

 まずは全体像。



 ベランダに張ったベント型ダイポールの左側エレメント(黒い太線)に短縮コイル(トラップコイル)と使用時の同調点を調整する”ひげ”を配し、右側エレメント(緑の太線)には何も造作しません。その上で、赤矢印の部分に必要な値のコイル・コンデンサを配します。我が家のベランダの横幅などの条件により20mのフルサイズのダイポールを張るのは難しく、使用時の同調点を調整する”ひげ”の位置も「洗濯物を干す際の邪魔にならない位置」によって決定されますから、コンデンサ・コイル群を「全てマッチングボックスに収めてロータリースイッチで切り替える」という部分は、ステルス君2号と変わりません。

 では、設計手順を辿ってみましょう。

 まず、エレメント全長でダイポールとして同調する周波数は8MHz程度となります。ここから下の周波数には延長コイル、上には短縮コンデンサが必要であり、40mには延長コイルが必須となります。



 上図の青い太線部分を全長として8MHzの上のに同調しますから、左側の水平エレメントに延長コイルを入れて40mに同調させます。これで、40mのものバンド短縮ダイポールは完成。

 さぁ、これを前提に別の周波数に同調させましょう。延長コイルの手前までのエレメントで同調できる周波数帯が、別のバンドに対応することになります。



 上図の青い太線の部分がダイポールの全長であり、15MHz後半が同調点になります。そこで、この周波数より低い20mと30mには延長コイル、逆に17m以上には短縮コンデンサが必要になります。これは先に説明した通り、右側エレメントの袂・・・マッチングボックスの中に具備するわけです。

 では、これらを踏まえて算出したコイルとコンデンサの仕様をまとめておきましょう・・・って、こんなのどなたにも役に立ちませんね



 MMANAの結果をそのまま表にしているんで、MMANAをあまりご存じでない方には横軸の表現がよく解らないでしょう。

 w4b-L/Cは、40m用のトラップコイルです。設計上の中心周波数は18MHzにしています。これにより、このトラップコイルから先のエレメントは”無いもの”として扱えることになりますから、それぞれのバンドに必要なインダクタンス値(w5b-L)、または容量値(w5b-C)を計算します。
 残念ながら10mでは同調時のインピーダンスが高過ぎ(1KΩ超)、簡単なマッチングボックスでは調整できないため具備できませんでした。さらに表中の黄色にハッチングしている30mと12mもかなり無理なマッチング(30mは短縮コイルが大き過ぎ、12mは同調時インピーダンスがちょいと高過ぎ)であるため、結果的にステレス君2号とあまり変わらないバンド構成に落ち着きました。

 ステルス君3号の設計は上記のような感じで終えています。勿論、最終的には実際に張ってみて各部の値を調整していくわけですから、結構な時間を要する作業になるんですね。炎天下ではちょっと行いたくない作業ですから、これが一体いつできるかは正に”お天道様任せ”になります。今年の天候では秋になってしまうかも・・・少々不安ではありますね

暑くて工作なんて・・・生存の証としての現状報告

2018-07-22      
 直前記事が既に一月ほど前になってしまいました。我が"無線ライフ"はほぼ工作系に傾いて久しく、週末に何かしらのヘッポコ実験をしたりヘッポコ工作をしたり・・・という過ごし方が基本なんですが、6月最後の週末は大凡地球人に進化した宇宙人(=孫ですね)の家に行ってエアコンの掃除をしてやり、翌週は会社のイベントでぶっ潰れ、その次の三連休は今年の猛暑に突入した後であり、それでなくても高温な納戸シャックで「ハンダゴテを焚くなんて無理無理」という流れに。そして今週末もこの”無理無理”が続きました。

 過去の記事で幾度も認めてきたように我が納戸シャックは、家の構造上直接的な冷房が利きませんから、日中に30℃を大きく上回る日・・・特に陽が照ってしまうと夜は29℃付近の温度が維持されてしまいます。こうなるとそもそも怠惰な人種であるここのブログ主は、各種のアルコールをチビチビ、時にグビグビ やりつつ、のへぇ~っとしているわけです。漸く活動し易い28℃を下回る室温になった頃には夜半過ぎ・・・流石に実験も工作も手付かずとなり、ここ最近は超久々に手を付けたDAWでナンチャッテ打ち込みに興じたり(すっげぇ進化してて面白い)、好きなアニメを観たりして過ごすことが多くなりました。

 工作に手が付かないもう一つの理由は、実は今いま作ろうと画策しているノイズキャンセラの前に、メインのアンテナであるステルス君(もう、こいつの説明は省きます)を全面改修する必要があり、この猛暑の中で幾ら何でも作業したくありませんから、ここで躓いちゃっているんですね・・・。

 そんなこんなで結局今週末にできたのは、MMANAで新たなステルス君の”味見”を繰り返したのみ・・・天気予報では、今月末まで暑い日が続くことになっていますから、ここ暫くは進捗は望めないかも知れません

HPFの特性と減衰極

2018-06-23      
 相変わらず”W杯中心”で予定を立てていたりします。直前記事でも触れたように波乱含みの展開で”強さ”の定義が大きく揺らいでいますが、だからこそ面白い・・・って話は置いといて、さっさとヘッポコ実験報告へ。

 ノイズキャンセラに具備するノイズアンプの入力には広範な信号が加わりますが、数百KHz以下の”生活ノイズ”は簡単に遮断できても、中波ローカル局の強烈な信号についてはしっかり考慮しておかないと、このアンプが簡単に飽和してしまいます。

 今回使用予定のノイズアンプは手持ちの多い古参IC”μPC1678G”ですが、このアンプのカタログスペックはそもそもUHF帯のものであり、大きなRFCを抱かせて中波帯まで引っ張るような使い方ではこれらカタログ値を鵜呑みにはできません。そこで、7MHzでIMDを実測するとOIPは”22dBm”となりました。ここからICの利得(実測で21.7dB)を引いた値がIIPとなりますので、丁度0dBmくらいがIIPになりました。

 この「IIP=0dBm」をSメータ換算にすると”S9+77dB”ということになります。過去に何度か実験した”Mini Whip”で、我が家で一番強力なNHK東京第二をTS-590Dで受信してもそこまで強くなく、せいぜい”S9+50dB”といったところ。マージンが30dB近くありますからあまり神経質にならなくて良さそうなものの、まぁ適当なHPFを”精神的免罪符”として入れて軽く減衰させておいても良かろうと、ノイズアンプの前にHPFを入れることにしました。

 まずはシミュレーションから。



 HPFの計算サイトで5ポールのチェビシェフ(帯域内リプル0.05dB以内)として計算、入出力インピーダンスは50Ωです。

 我が家で一番強力なNHK東京第二は693KHzですが、その辺りの減衰量は50dB程度と十分です。次に強力な文化放送は1134KHzで減衰量は26dB程度・・・この辺りは気休めになってしまいますが、まぁ良しとしましょう。では、実際に回路を組んで実測。ちなみに、コイルはT37-2に0.32φのUEWを28回巻きで凡そ3.4μHとなりました。



 手前側の半分がグランドになるよう加工したこのブレッドボードは、水晶フィルタの自作で重宝した奴です。



 シミュレーション結果と殆ど同じになりました この場合、やはりLTSpiceが凄いんだということになりますね。

 実験自体はここまでで良かったんですが、どうしてももう少し減衰させたい場合は”減衰極”を入れて対処することになる・・・というわけで追加実験。出力側のコンデンサ(C3)と並列に20μHのマイクロインダクタ(10μH×2)を入れてみました。



 計算上は16μHくらいが良さそうなんですが、なかなかイカす結果でしょ 丁度文化放送の周波数辺りが60dB近く減衰しているのが判ります。160mバンドに少し暴れが現れましたが、一番ロスが大きいところ(2.1MHz付近)で2dB弱です。今回はここまでしなくても・・・とは思いつつも、ひょっとしたら入れてしまうかも

 これでHPF関連実験も完了、実際の製作まであと少し・・・のはずですが、どうなることやら

ノイズキャンセラの概要設計

2018-06-18      
 ここ最近のヘッポコ実験でそこそこの手応え・・・なんですが、遂に開催を迎えたW杯をライブで見ようと、結局土日の”AA TEST”はそっちのけになってしまいました。列強たるPY,DL,LUが苦戦し、EA vs CTがドロー・・・などなど、今回のW杯は結構な混線になっています。我が”SAMURAI BLUE”の初戦は明日・・・お誂え向きに夕刻の会議が終われば直帰できますから、HKとの対戦はライブ観戦ができそうです

 ノイズキャンセラの部分毎の実験がほぼ終わりました。ここら辺りで機能的なまとめをしておきたいと思います。



 機能と言っても、メインアンテナからの信号とノイズ信号を合成する回路に対し、ノイズ信号については広帯域アンテナで受信することを前提にプリアンプを置き、180°信号を捻るフェーズシフト回路があるだけです。これらの主要な機能部分は、それぞれ以下のようにまとめています。

 ・信号合成回路はこちら
 ・ノイズアンプはこちら
 ・フェーズシフトはこちら

 その他、”ノイズキャンセル装置”として仕上げるための”覚書”を以下にまとめておきます。

 ◆ ノイズアンテナへの直流供給

 ノイズアンテナは様々な形状のものを試してみるのが良さそうですが、ベランダ設置でそこそこの成果を上げるためにはアクティブアンテナが良さそう・・・ということで、アンテナへの直流の供給回路を具備したいと思います。
 この部分の肝は、直流供給に必要となるRFC部分を「如何に広帯域にインピーダンスを高く保てるか」が課題ですが、この辺りは既にヘッポコ実験済みです。

 ◆ コントロール回路の様子

 このノイズキャンセラを接続するRIGとしては”TS-590D一択”ですから、インタフェースはこの条件(送信時に12V10mAを出力)で検討していきますが、念のためフォトカプラで(ノイズ的に)分離したいと思います。また、ノイズキャンセル回路には受信時に通電したいため、論理を逆転させます。
 電源は外部からの12V供給になりますが、ここにはLCによる簡易なノイズフィルタを入れて”免罪符”にしたいと思います

 ◆ ダイオードクランプで入出力を保護

 まぁ、QRP運用なんでそんなに神経質になる必要はありませんが、ノイズキャンセル回路の入出力にはダイオードクランプを付けておきましょう。HF帯では、普通のスイッチングダイオードで十分でしょう。

 ◆ 機能部分に隠れた付加回路

 ノイズアンプには広帯域な信号が入力されることから、中波放送部分はカットしたいところ・・・そこで、ノイズアンプの手前に中波帯をカットするHPFを付加します。ただ、我が運用環境では文化放送とNHK東京第二が強力ではあるものの、S9+60dBを振り切るまでにはいきませんので、5ポールくらいのものをひとまず付けておこうと思います。
 それから、フェーズシフトは2段構えにして、180°捻り辺りの調整が楽にできるように工夫したいと思います。

 とりあえず上のブロック構成を見ながらもう少し検討を深めて、この夏の間には形にしたいなぁ・・・

信号を合成する回路の実験

2018-06-10      
 今日は昼過ぎから雨・・・絶好の引き籠もり日和となりました 遅めの昼食を平らげた後一杯やりながら、シミュレーションのみで過ごしてしまっている信号の合成回路を実際に組み立てて実験してみることにしました。

 回路図は以下の通り。



 シミュレーションでは、エミフォロ用のトランジスタを適当に選んでいましたが、広帯域特性が必要なこと(=fTが高いこと)と手持ち数の関係から”2SC3355”にしました。また、J310のソース抵抗は180Ωでシミュレートしましたが、丁度手持ちが切れており200Ωで代用。回路図にはありませんが、出力は51Ωの抵抗で終端しています。

 では、この回路に信号を与えて増幅の様子を見てみましょう。まずは、IN2をショートしてIN1から21MHzの信号を入れてみました。



 ほぼシミュレーション通りの結果です。たまたまフェーズシフトのデータ採取時の測定項目が残っていて、位相差が測定されています。この回路では180°が理論値になりますが、若干ズレていますね。ま、これはノイズキャンセルには関係ないんですが、FETやトランジスタの立ち上がり特性と各所の時定数でこんな風に見えるわけです。

 次に、IN1とIN2に同じ信号を入れてみましょう。



 こちらもシミュレーション結果と大差なく、両入力を加算した値の3倍・・・即ちほぼ6倍となっています。この時の出力波形をもう少しクローズアップ。



 特に異常は見られないと判断しました。この状態で入力信号のレベルを上げていくと、出力1.9Vくらいから下端がクリップしてきます。これはエミフォロの抵抗値を弄るともう少し追い込めますが、幾ら何でもオーバースペックの領域ですから、今回実験した回路定数で問題ないでしょう。

 上記のように、信号の合成回路はシミュレーションと同等の結果を得ることができました。周波数特性も調べる必要がありますが、これはノイズキャンセラとして完成させる際に吟味すればいいでしょう。「日曜午後の引き籠もり」の様子はこの辺でお開きに

フェーズシフトの再試

2018-06-06      
 今は昔・・・ってそんなに古くはないんですが、5年ほど前のヘッポコ実験(結構古いか)でノイズ撃退の肝になるフェーズシフト回路(この辺りから辿ってください)を味見していました。まだ古いアナログオシロを使っての実験でしたが、この時に動作原理は理解して「さぁ、次のステップ」というところで頓挫・・・というか、興味の対象が移ってしまいそのまま放置してある「ひねる回路」に満を持して()戻って参りました

 ”集合住宅&住宅密集地&変電所近傍”という過酷な運用環境でも、酷いノイズ源があって邪魔されるようなことなく過ごしてきたつもりだったんですが、「コンテストでしか波を出さない弱小無線局」(←あぁ、当局ね・・・)がジワジワと感じていたノイズの圧迫感を、そろそろ本格的に撃退せんと思い立ったのが今年のALL JAでした。やはりS7前後のノイズの中での運用は、ATTで信号を絞っても気になるもんは気になるわけです・・・という講釈は置いといて、実際のノイズ撃退についてはMFJ1025を原本としてあれこれやった結果、いろいろと欠点を見つけた上で「こりゃ、自分で撃退装置をこしらえた方が良い結果が得られるかも・・・」と自惚れ またしても「ノイズのないクリーンな運用環境を目指す」という難題に改めてチャレンジすることにしました。

 幾記事か前に先んじて180°捻った信号を合成する部分のシミュレーションは終えており、この部分は多分実回路での再現性も高いと踏んで、フェーズシフト回路の改良・・・「減衰の少ない&周波数特性が平坦」という部分に突っ込んでみました。

 CRで構成するフェーズシフト回路は、その回路構成故に位相を調整する際に入出力インピーダンスが大きく動くため、後段を受け持つバッファアンプを”ハイ・インピ”に仕立てる必要があります。そこで、以前の実験では”FET受け”(ソースフロワ)で凌ごうとしましたが、随分と減衰があることが判りゲンナリ・・・。そこで、”高インピなトランジスタ受け”(エミッタフォロワ)ではどないじゃろ・・・要は、バッファのさらに後段に対してロス無く信号を受け渡すとなったら、エミフォロの方が上手くいくんじゃないかと思ってヘッポコ実験を挙行

 まずは、FETバッファの場合の特性です。周波数は21MHz、バッファを受け持つFETはJ310。



 凡そ90°捻った状態・・・270°0付近の様子です。775mVの入力(0dBm:Vppでは748mVと表示されている)に対して、出力は88mVと18dB程減衰しています。

 お待ちかねのトランジスタバッファの場合の特性です。周波数は上記と同じ、バッファ担当は2SC3355。



 同じ入力条件に対して出力は264mV・・・2.9dB程度の減衰にまで改善 この差は大きい シミュレーション結果もお見せしましょうか。



 2SC3355の兄弟分、2SC3357のモデルを使っていますが、実波形と同様の結果が得られているのが判りますね。

 こんな風にフェーズシフトは手中に収めた感じなんですが、実はこの回路一発で真逆となる180°を得るのは難しく、今いまのアイディアでは、この回路を2段重ねて”半捻り⇒全捻り”を実現しようとしています。即ち「90°捻り回路の2段重ね」という構成・・・そのためには、1段あたりの減衰量を小さくするのが命題だったというわけです。

 上記の結果より、トランジスタバッファを従えたフェーズシフト回路で何とか「ノイズ撃退の心臓部」を作り上げたいと思います。

WPXコンテスト中のアンテナヘッポコ実験の覚え書き

2018-06-03      
 6月になりました。気温が徐々に上がってきてちょっと過ごし難くなってきましたが、例によってエアコンはバッチリ掃除してスタンバっています

 件名の通り、先週末は40mに最適化したロングワイヤーでWW-WPXコンテスト(CW)に参戦・・・と言っても、1/4λになっているだけなんですが、これでどないやねん ってな案配で挑んだんです。が、当初の予想通り「CONDXがどうだったのか」がよく解らず、ほぼ夏のCONDXになっているであろう40mで試しても駄目なような気がしました。
 ただ、TI(Costa Rica)のビッグガンに拾って貰えたり、ZONE16の応答率がちょっぴり上がったり(これは、大いに感覚的です)した感じでしたんで、秋のWW-DXコンテストで再度試してみることにしました。

 さて、WW-WPXコンテストの合間に、上述のロングワイヤー関連のヘッポコ実験をしたんで、この辺りをまとめておきます。自分以外にはきっと何の役にも立ちませんので悪しからず

 まず、このロングワイヤーの長さですが、ALL JA参戦の際には横方向が少々長過ぎてたるんでいたのと、同調点がかなり低かったため(この辺りは、こちらの記事にまとめています)、横方向を5.5mに切って同調点を測定しました。縦方向が5.2m程度ですから合わせて10.7m・・・これでも40mには長いことになりますが、長めの方がカップラでの同調が楽になるためひとまずこれで。



 5.88MHzでバッチリ同調が取れていますが、それにしても同調点が低過ぎ・・・そこで、バランを突っ込んでみました。



 秋月のLF-102Bに平行線を7回巻きしました。これで75μH程度となり、ソーターバランとして3KΩ@7MHzを保証できそう。

 このバランを入れて同調点の変化を確認しました。狙ったのはロングワイヤー部分とカウンターポイズ部分の分離で、同調点がどの程度動くかを確かめましたが、これが殆ど変化なし ということは、これまでワイヤー部分とカンターポイズを「エレメントが非対称なダイポール」と見立てて検討してきたのが、カウンターポイズがある程度”グランド”として動作する「不平衡型のアンテナ」であると解釈した方がよいのかも知れないと、逆に謎が一段深まってしまいました

 コンテストの最中でしたから、上記はあまり深入りせずに次のヘッポコ実験・・・アンテナ絶縁トランスによるノイズの低減です。これは、このバラン用に巻いたトランスを”ガラバニック・アイソレーション・トランス”に見立てて接続、入れなかった場合と比較してみました。
 これは、コンテスト参加局が聞こえないバンドエッジで比較・・・Sにして半分行くか行かないかの差でしたが、確かにノイズレベルは下がりました。まぁ、0.2,3dB程度の接続ロスは想定されますが少しは意味がありそう。本格的な導入には、再度詳細のデータ取りをしてからということで。

 その他、回路図のシミュレーションなどいろいろと手を染めました。結構収穫があったんで、実回路を組んでの実験へ。この辺りはきっと今後の記事になりますから、少々お待ちください・・・って、誰か待ってるんじゃろか
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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