実験用電源を真面目に作ってみる(その2)

2018-02-15      
 いざ、真面目に作ると構えると、個々の部品の吟味にも時間が掛かります。そして、理に適った部品は案外高価だったり入手が難しかったりと、「たかがヘッポコ実験用電源、されどヘッポコ実験用電源」の如くなってしまいます。結局、どこかで妥協するしかないわけですが、今回の電源製作ではできるだけ必須条件に拘って設計を進めています。

 実は、回路図自体はもう引けてしまっていて、コントローラとして使用するPICのプログラム作りに進むべきなんですが、そこは相変わらずの亀の歩み・・・ノンビリ付き合って頂ければ幸い

 さて、今回の電源製作では端から前提となる条件があります。これは直前記事にも書いていますが以下の2点也。

 ① 電源収納スペースの制約による”高さ”と”巾”に制限
  ⇒ ケースのチョイスが肝になる

 ② 死蔵中の16V1A×2のトランスを何とか活用

 ①は物理的な大きさ制限です。高さが12cm以下、巾が10cm以下でないと電源の収納位置を変えなければならず、現在位置が引き回しとして”ベスポジ”ですから拘りたいところ。
 ②は前提とはいえ1Aクラスの電源製作にはオーバースペックのトランスを使うぞ・・・ということであり、仕様的な縛りにはなりませんね。

 それではこのトランスを紹介しながら、まずはトランスの1次側までの部分についてまとめていきましょう。

 前提となるトランスはTOYODENの”HTR-161”です。



 さぁ、ここで問題。このトランス、どこか変だと思いませんか 勘のいい方はあっという間に解ると思いますんで、答えはここでは言いません とにかく、このトランスを使います。

 諸元的にも何の変哲も無い代物、容量は”16Vx1Ax2=32VA”・・・って当たり前ですが、16Vで2Aまでは引っ張り出せるということで、1Aの電源製作にはかなり余裕のあるものと言えます。この辺りはトランスからの発熱量低減につながり、点けっぱなしのことが多い実験用電源としてはWelcomeでしょう。

 このトランスの1次側にはACコードは勿論のこと、スイッチやヒューズがつながりますが、どうせならもう少し工夫してできる限りノイズが少ない電源を作りたいと思い、ちょっくら付帯する回路を追加してみました。



 ※トランスの一次側の接続が110Vになっている点は、今回記事では気にしないで下さい。

 まずはヒューズ。電源として最もカタストロフィックな出来事、即ち、電源回路自体がショートした状態・・・恰もトランスの2次側がショートしたような状況では、必ず溶断するような電流値のものを選ぶ必要があります。これは、今回の電源トランスの電圧変動率を20%(これはJIS規格で決められており、20~60VAでは20%)と仮定すると計算でき、凡そ”2.3A”のヒューズが絶対必要条件(最大値)になります。

 また、今回の製作では電圧可変レギュレータを使おうと思っています(さぁて、何でしょうねぇ・・・)が、このレギュレータの出力がショートした場合の電流は2.2Aとなっていることから、これを1次側の電流に換算(これも電圧変動率を20%と仮定)すると”0.63A”と試算できます。

 その他、電源投入時に空っぽになっているであろう平滑コンデンサが一杯になるまでは、2次側のショートと同等な電流(2.3A)が短時間流れます。この一瞬の過電流に耐えられるものでないと、電源のスイッチを入れる度にヒューズが溶断することになります

 上記の条件から、2.3Aと0.63Aの間の電流フューズで「電源投入直後の過電流では切れないもの」を選択する必要があります。ここからは手に入るヒューズの特性にまで突っ込んで検討する必要がありますが、「日本一ヒューズに詳しいおっさん」になりたい気持ちはあまり湧いてきませんので、とりあえず”1A”として先へ進みたいと思います。

 お次は、家庭の・・・というか、アパートやマンションなどの集合住宅には必須であるノイズキラーこと、まあるい頭の”バリスタ”(図中のZ1)を置いて、サージやパルス性ノイズを低減しましょう。これ、効果のほどを測るのが難しいんで”お呪い的”に入れることになりますが、AC100Vを常時通電できる定格のものを間違えずにチョイス。おやおや、ヒューズの深掘りに反して、清々しいほどあっさり検討を終えてしまいました

 その後には、無線やオーディオを突っ込んで楽しんでいる方々にはお馴染みの”ラインフィルタ”を具備することにしました。この部分は市販のフィルタを置いてもいいんですが、造作として大きなものが多く、耐圧の大きなセラコンと適当なインダクタがあれば作れますから、市販のものの定数をパクって組んで特性を吟味することにしました。

 市販のフィルタは、大凡mHオーダーのキャンセル巻きコイルの両端にX,Yコンデンサを配し、Yコンデンサは中点を取ってグランドに接続するタイプ(コモンモードの電流を逃がす)ですが、アースの無い我が家でYコンデンサは不要、押さえ込みたいノイズもHF帯を中心に考えたいと思い、1mHのキャンセル巻きコイルに0.22μFのセラコンの組み合わせとして特性を取ってみました。



 ディファレンシャルモードは-60dB以下の帯域が1MHzから20MHzくらいをカバー、コモンモードの-25dB以下の帯域が200KHzから10MHz超と、ドンピシャではないものの比較的イイ感じの特性になりました。コイルを2mHにするともう少し下の方に帯域が寄ってしまうため、”1mH+0.22μF”をチャンピオンデータとしました。



 ラグ板に組みました。ちょいとバリスタが大きいですが、そこはご愛嬌ということで

 以上がトランスの一次側の回路定数検討結果です。どこのどんな部品を使ったのかは、回路図を披露するまでオ・ア・ズ・ケ
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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