MFJ-1025の調整等に関する覚書

2012-06-19      
 今日は季節外れの台風4号到来。なんでも、平成16年にも同様な台風が到来したらしいのですが、まーったく覚えてない・・・ってのはともかく、この台風のお陰で早めに帰れたので、忘れないうちにMFJ-1025関連についてまとめておきます。

 まずは、全く見当外れなレビューから・・・。

 MFJ-1025は兄貴分()のMFJ-1026からロッドアンテナを取っ払ったものですが、室内のノイズに苦しめられていることがハッキリしていない限りは、少しでも安いMFJ-1025を購入するのが「無銭家」の策でしょう。実は、昨日蓋を開けて内部を覗いてみたのですが、基板にはなんと「MFJ-1026」の文字・・・結局同じ基板を使っていますから、あまりロッドアンテナに拘らなくてもいいでしょう。上に物も置き易いし、何なら上蓋に穴を開けて手持ちのロッドアンテナを刺せば・・・

 さて、本題・・・まずは、ノイズの低減例を二例ほど。

 この装置のノイズ相殺条件は、メインアンテナ側から入ってきたノイズを打ち消すような位相でノイズアンテナからの信号を合成するわけですから、原理的にはメインアンテナ側とノイズアンテナ側の信号の位相が同等(というか、この装置の調整範囲内)でかつ強度が同じであれば、かなり深いヌルポイント(ノイズが消されるポイント)が期待できます。実際、S9くらいのノイズが「無」になるような場合もあります。
 即ち、ノイズアンテナは、メインアンテナに近い構造で距離も近い方が良い(というか、余計な要素が減る)わけですが、これでは「交信相手の信号」・・・即ち、目的信号も弱くなってしまいますから、そう単純にはいきません。そこで、実際にマッチングの取れたメインアンテナと「同じような設置条件」で、かつ「あまり受信能力の良くないノイズアンテナ」という組み合わせを考えればよいわけです。
 我が家の場合、軒先に近い方にほぼ水平偏波のメインアンテナ(ステルス君2号)がありますから、これと平行に・・・即ち「偏波が似ており、受信アンテナとしては劣るもの」を用意するのは比較的簡単で、部屋の壁面に近いところに平行ワイヤーを張れば、近隣ノイズは拾う代わりに目的信号は鉄筋で遮断される・・・という芸当が実現します。これぞ、アパマンハムの強みかも知れません
 さらに、あまりアンテナを大っぴらに突き出せないアパマンハムの場合、メインアンテナが拾っているノイズ成分として、自宅から輻射されるノイズがかなり支配的になりますので、ノイズアンテナ作りはそれほど難しくないと思います。前の記事の40mの成功例は、メインアンテナとノイズアンテナの信号強度が殆ど同じだったこともあり、自宅ノイズを効果的に抑えた好例と言えます。

 ところが、偏波面が同じでも、当該バンドに対する効率があまりに違うアンテナを組み合わせると・・・

 15mは、ステルス君2号でフルサイズのDPを実現していますので、我が家の立地条件としてはかなり効率の良いアンテナを張っていることになり、無信号時でもS=8-9くらいのノイズがあります
 一方、今回のノイズアンテナでは、ノイズアンテナ側のゲイン最大(AUXILIARY ANTENNA GAIN最大)でも、Sは殆ど振りません・・・つまり、効率よくノイズを拾っていません。こうなると、メインアンテナ側のゲイン(MAIN ANTENNA GAIN)を下げて「目的信号を含めた受信信号全体の強度」を落とさないと、上手くノイズマッチできないのです。しかし逆に言えば、メインアンテナ側のゲインを上手く落としていくと、ノイズが消えるヌルポイントが見つかり、目的信号だけが浮かび上がって聞こえてきます。
 ところが、そもそも非常に弱い目的信号には通用しません。なぜなら、メインアンテナ側のゲインを落としてしまったことで、結局目的信号も受信できなくなってしまうからです。この辺りが、DXerのOM諸氏があまり賞賛しない理由か(他にもIMDの悪化等の理由もありそう・・・)と思いますが、自分のように「S=7くらいでないと拾って貰えないQRPer」とか「ノイズ源は特定されているんだけど、大威張りで交渉して対策して貰うことができない」といった、とにかくノイズを何とかしたい といった場合には、大変強い味方になるでしょう。

 それでは、メインアンテナとノイズアンテナがかなり違う場合の効果は如何に

 20mは、最近覚えた「竿出し」・・・つまり、ベランダから釣り竿に沿わせた1/4λのGPもどきの垂直アンテナ(まぁ、少し斜めですけどね・・・)を使っていますが、これとベランダの手前側(部屋側)の水平に張ったノイズアンテナが受信するノイズを合成する必要があります。偏波面のみならず、設置条件が全然違います。
 この組み合わせでも、メインアンテナ・ノイズアンテナのゲインを上手く調整すれば、ノイズのヌルポイントは見つかりますが、メインアンテナで拾ってしまう別のノイズについては、打ち消す相手がいないため、却って目立つ格好になってしまいます。
 我が家では、雑音に塗れた弱い目的信号を何とか受信できるようにノイズのヌルポイントを調整したら、多分隣の家が発生元であろうTVノイズ(ブーンというバズ音)が如実に表れ、結局こいつに邪魔される始末・・・。それでも、ザーッというノイズが消えた分は目的信号が聞き易くなりますが、なかなか難しいものがあります・・・。

 結局、同じような構造の効率が落ちるアンテナを少し離して設置できれば、この装置によるノイズ除去は結構イケてると思います。幸運にも常にベランダからアンテナを突き出せる御仁も、ノイズ除去のために同じようなアンテナ(とは言え、ちょっと効率が落ちるもの)を少し離して突き出すことができれば、結構なノイズ撃退劇を起こすことができるかも知れません。釣り竿アンテナをメインにモビホがノイズアンテナ・・・こんな感じでしょうか。
 また、メインアンテナ側のゲインを落とすという芸当で「目的信号も弱くなったけど、確実にコピーできるので良しとする」という風に考えられないと、折角のノイズ除去機能を見失うことになりかねません。ひょっとすると上手く調整しきれない方々は、この点を考慮されていないのかも知れない・・・と邪推しています。

 最後は生意気な意見になってしまいました が、ノイズと苦闘を続けるアパマンハムの一助になれば幸いです

余談>
 AUXILIARY ANTENNA GAINの横にあるFREQ HIGH/LOWのスイッチは、その表示に拘らない方がいいですよ。効果が高い方を選べば良さそうで、マニュアルにある能書きは無視した方がいいと思います。
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No title

興味深く拝見させてもらってます。 まだこの装置をお使いでしょうか。
>原理的にはメイン・・・位相が同等・・・でかつ強度が同じであれば・・・
じゃあ同じアンテナで良いじゃないか、何で別にノイズアンテナが必要なんだ? という疑問が湧きました。 目的信号がキャンセルされるからダメなら、Aux入力でLC等を用いて目的信号を除去、すれば良いという理屈です。
大体のノイズは広帯域に広がっているので、そのフィルタを通過する、と言う事になります。 
ただこれは目的信号を妨害しているノイズとAuxで取り込むノイズの周波数が異なり、且つキャンセルできるほど相似のノイズであるという事が前提になりますが・・・、どよよん_さんはどう思いますでしょうか、まぁ、やってみるのが早いんでしょうけど・・・。
Webをブラウジングしていると同じアンテナても効果あり、なんてのも目にしました。

特性抜群のノッチがあれば、或いは…

自作試み模索さん、初めまして。
なる程、ノイズアンテナを使わないアイディアですね。
単なる自分の考えですが、理屈では、自作試み模索さんが言われるように、目的信号を妨害しているノイズと同様な波形で、目的信号以外の信号をAUX端子から拾えれば可能かと思います。
ただ、目的信号「だけ」を除去するノッチ(というか、トラップというか…)には、かなり帯域がシャープなものが必要かと思いますが、単に狭帯域では駄目…目的信号周辺のノイズは拾えないと、キャンセル対象の波形が取れませんからねぇ(^^;) 普通のLCの組み合わせでは、かなり難しい気がします。
さらに、こうした狭帯域のフィルタを通過した信号の波形や位相は、かなり変形したものになりませんか?この辺りは、「薄学」なためよくわかりませんが、メインのアンテナ端子の「逆位相」を作り出し難くなるように思います。
ちなみに、MFJ-1025(ノイズキャンセラ)は、我が家でノイズが気になるHFのハイバンドのノイズについて効果が少ないため、現在は眠っています。この原因は解っていますから「自作キャンセラ」で解決したいと思っていますが、なかなか手が付きません(*_*;
また、寄ってくださいね。

No title

コメントありがとうございます。 確かにおっしゃられる様にその目的信号除去フィルタを通すとノイズの波形や位相に影響が及んでうまくキャンセルできない、という心配はありますね。
人工雑音は広帯域、例えば数10MHzに渡って発生している場合が多いと思います。 ですのでそのフィルタは狭帯域の急峻なものでなく位相回転も含めてかなり大雑把なもので良いのかな、と言うのが当初の思いです。 と言う事でノイズに対する影響はあまり無い、或は位相回転が一様であったらフェーズ調整で対処可能と言う事も考えました。
ただ極端には例えば7MHzで妨害を与える人工ノイズは9MHzでピックアップするノイズでキャンセルできるか、と言う事がポイントとは思います。(それを期待です、Hi)
ノイズキャンセルの心臓部の回路はあまり複雑でないので挑戦してみようか、などと思っています。 掲載された基板上のトランス(コア)写真も非常に参考になります。 どんなフェーズシフトなのかなぁ、と思っていました。
他のトピックスに関する記事も面白そうですね。 興味深く拝見させてもらいます。

古いコリンズのお話・・・

自作試み模索さん
参考になるかどうか判りませんが、以前、ノイズブランカの回路をいろいろ調べていたら、コリンズの何某かの受信機で、ノイズブランキング用に「40MHz帯」の別受信系統を持っているものを見つけたことがあります。つまり、7MHz帯に対して9MHz帯・・・のような考え方でノイズを拾う、まさに自作試み模索さんのアイディアのようなものだと思います。
ただ、我が家の周辺ノイズの傾向として昨今、何やらスポッティーなノイズが「たまたま」アマチュアバンド付近に強めに出ていることが顕在化しているように思います。インバータノイズは確かに広帯域にばら撒かれますが、何か周波数特性を持っているようなものもあるような・・・。ということは、幾らかでも「ノイズ受信周波数」(或いは帯域)を可変できると良いかも知れませんね。
何かお分かりになったら、是非お知らせください!
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