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TS-590雑感シリーズ 3:アップコンの実態に迫る!

2012-07-09      
 途方もない広大な大地の真ん中でポツンと無線をやっている人・・・こんな人生もどうかと思うし、きっとそんなに沢山はいませんよね。どちらかと言えば「くそぉ・・・またカブってきた・・・」という方が多いと思います。K3が一石を投じて以来、高級機を含めて「ダブルスーパー&ダウンコンバージョン+狭帯域ルーフィング」が今や受信部のトレンドだと思いますが、コンテストではカブり・・・即ち「近接した強い信号の影響」が気になる場面があります。
 幸いなことに、近場に悪質な電波を高出力でばらまくような下品なOMさんはおられませんから、大きな被害を被ったことはないのですが、やはりメジャーコンテストで同一バンドにいれば影響を受けるときがあります。勿論、逆も真なりなわけですが、救われるのはQRP故に相手局への悪影響は少ない・・・かな

 さて、IC-703の運用経験では、近場の局が(多分)こちらにビームを振ったとき、CWの「カツカツ」「カリカリ」という抑圧を±10KHz程度受ける・・・ということが時々あって、暫し待避したりすることがありました。SメータでS9+40dB超・・・まぁ、無理もない強さです。その上、CWの復調音は綺麗でキークリックっぽいところはないため、IC-703の抑圧特性だろうと考えていました。そしてTS-590を入手するに至り、この辺りが如何に改善するのかを知るチャンスが、何と購入後一週間を待たずしてやってきました 今週末に開催された6m&Down・・・お誂え向きのコンテストの到来です。
 無論、近場の強い局が現れるかは判らなかったのですが、とにかくIC-703との受信性能比較には打って付けのチャンス。その上、6mはTS-590がイマイチ評価されない「アップコンバージョン」(トリプルスーパー)のバンドですから、ある意味での「最低ライン」が解るわけです。

 コンテストを前にして、以下のようにセッティング。同軸切替器で6mのアンテナを切り替えられるようにしました。ヘッドフォンの付け替えが厄介でしたが、これは我慢、我慢。



 コンテスト開始後は聞き味比べをしつつ(これは別途)、チョコチョコ参戦しながら強い局が現れるのを待つと、そのチャンスはコンテスト開始後2時間を待たずして訪れました。聞き慣れたカツカツ音登場・・・CQを出しています。直ぐさま周辺をワッチし、どの程度離調するとカツカツ音が聞こえなくなるかサーベイ。そして、もう一方のリグにアンテナを切り替えて同じようにサーベイするという超原始的な方法です。が、結局これが運用スタイルに最も近いわけで、どんなに精度の高い測定値より、自分にとっては有益な情報になるわけです。

 結局、最初の遭遇ではS9+30dB・・・ちょっとビームが余所を向いている感じ でしたが、それでもひとまずデータを記録。その後カツカツ音に気づけばデータ取りを続け、最終的には都合6回のチャンスが巡ってきました これらのデータをまとめてみたのが下表です。S9+40dBは二回あったため悪い方のデータを使用し、表上の有効データは5つにしてあります。

強力局
運用
周波数
信号
強度
(S9+
影響が出なくなる周波数(離調:KHz)
TS-590IC-703
LOWHIGHLOWHIGH通り抜け
50.285.025dB
280.8
(4.2)
288.1
(3.1)
277.0
(7.0)
295.7
(10.7)
50.258.830dB
254.9
(3.9)
262.5
(3.7)
253.3
(5.5)
??
50.255.535dB251.2
(4.3)
258.0
(2.5)
250.2
(5.3)
?
249.0
(6.5)
50.271.440dB265.1
(6.3)
274.6
(3.2)
263.8
(7.6)
274.5
(3.1)
281.0
(9.6)
50.287.045dB
281.1
6.9
292.0
5.0
10KHz
以上
10KHz
以上

(15.0)
 TS-590 BW:1.0KHz、 IC-703 BW:2.2KHz 
 ※何れもプリアンプ=ON

 カツカツ音を聞きに行くと丁度他の強い局がいてきちんと確認できず(定かには判らず)、この辺りだろうと推測してしまった部分があります。さらに、今後の主力機であるTS-590を主体に確認したため、IC-703の方が等閑になっていることは一目瞭然です

 IC-703のデータとしては、信号強度が一番弱かった時(+25dB)の測定は、丁度バンドが空いた時間帯であったためかなり念入りに確認できていますので、データとしても信頼性は高いです。通り抜けが始まると、その音自体がカツカツ音以上になってしまうためよく判らない・・・という感じです。S9+30dBが上手く取れてないところが悔やまれます また、過去の経験である「±10KHzが使えない」・・・というイメージは、通り抜けを含めて信号強度がS9+40dBあたりから始まり、☆については通り抜けが酷過ぎてカツカツ音どころではない・・・といった案配でした。が、15KHzも離れれば大丈夫・・・そうそう、こんな感じだったなぁと、記憶が蘇りました。

 一方のTS-590ですが、+35dB以上は大凡線形に結果が出ています。即ち、信号強度が上がればその分影響範囲が広くなるという当たり前な話ですね。そして、信号強度が最も強いS9+45dB・・・IC-703では±10KHzが全く使えない状態でも、6,7KHz離れれば使えるという結果です 面白いことにLOW側に影響が出易い傾向にあるようです。DSP処理の筈なんですが、スカート特性の偏りがあるんでしょうか
 ちなみに、BWを絞っても影響周波数範囲としては特に差はなく、やはりアップコンのルーフィングフィルタ内での出来事であることに間違いないでしょう。

 TS-590のファームVer 1.06の改善項目に「アップコン時の抑圧特性の改善」がありましたが、購入したものは既にVer 1.06にアップされていますので、ひとまずこれが最低性能ということで納得しています。さらなる改善に期待・・・といっても、ハード要素でない部分での追い込みには限界があるでしょうから望み薄かと思っていますし、今回の結果程度であればバンドの端っこまで逃げる必要もないでしょう。
 さらに、ダウンコンのバンドでは10dBほど改善方向(QSTの評価などに詳細が出ています)になるということは、コンテスト時の40mや80mでかなり良い感じな気がします。今から楽しみです

 以上、あんまり科学的ではありませんが、少しはアップコンの実態に迫れたかな・・・う~ん

補足 2012/07/11
 IC-703には、ある程度以上強い信号になると、その信号がIFを通り抜けてしまう(逆サイドに信号が聞こえてしまう)という欠点があります。S9+20dB以上になると始まり、信号強度に比例して酷くなります。狭帯域フィルタを入れるとかなり改善します。

 ※ 2012/10/08 よく考えたら、キャリアポイント分はずれますね・・・。とりあえず、誤解の無いように消しておきます。
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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