広帯域バッファのシミュレーション

2013-06-14      
 フェーズシフト回路に絡んで、「ハイ受け・ロー出し、広帯域」という要望)に応えなければなりませんが、あまり部品点数が多いのもどうかと思い、何とか「1石」で組みたいとあれこれ考えました。

 利得15-20dBの広帯域アンプとなると、やはりFETにはちと荷が重い反面、「ハイ受け」のアドバンテージも捨て難い・・・とは言え、フェーズシフト回路のインピーダンスは数十Ω程度になりますから、エミッタ接地アンプの入力インピーダンスである数KΩ(※)で受けてやればまずまず行けそう。その上、ゲインはそれなりに稼げ、かつ「ロー出し」の部分はトランジスタに軍配が上がりますから、ここはトランジスタ1石の広帯域アンプで行くことにしましたが、とりあえずシミュレーションで「味見」をしてみました。例によって、シミュレータはCircuit Makerの無償版です。



 このシミュレータは無償版故、既に準備されている部品の組合わせしかできませんので「部品のチョイス」が肝心。その上で、今回選択したトランジスタは「MPSA18」・・・用途はズバリ「ローノイズアンプ」でしょう。データシートを見ると結構エグいトランジスタだと思いますが、10-20mA程度のIcでfTが450MHz程度になるためこれにしました。実際の回路作りでは、定番の2SC1906(fT=1GHz)になると思うんで、高域がもう少し伸びるだろうというアバウトなチョイスです。前置されている50Ωの抵抗がフェーズシフト回路の代わりです。こんなんで良いのかどうか解りませんが、とりあえず

 エミッタの0.1Ωの抵抗は、広帯域化の比較用に入れてあります。たったの0.1Ωですから、無いものとして考えればOK。この抵抗の値を大きくすると、ゲインは下がるもののその分広帯域になるわけですが、この辺りの「頃合い」を知りたいというのも、このシミュレーションの意図です。

 エミッタのパスコンはシミュレーション上の周波数特性にかなり影響し、0.1μFにすると低域の方に伸びてしまうように見えたため0.01μFに、入出力のコンデンサ(1000pF)も低域を凹ませるために小さめにしました。その他の値はIc=10mA程度を前提に設計しました。

 最後尾のトランスは大凡9:1にしてあります。50Ω終端ですから、エミッタ接地増幅器にはちと可哀想だったことと、このままでは入出力が反転してしまうために入れました。FB801-43のトリファイラを想定しています。なお、コイルの結合度は適当です

 早速シミュレーション結果を・・・。



 この結果を見るとゲイン(電圧利得)のピークでは20dB程度取れていますが、ピーク値から3dBダウンの帯域をひとまず守備範囲とすると3.4MHz~24.2MHzになっています。今回の用途としてはこれで十分であり、もう少しゲインを落としても良いかも知れません。



 一方、さらに広帯域・・・というかゲインの平坦化をするために、前述の0.1Ωの抵抗を3.3Ωにしたところ、ゲインは18dBほどに下がったものの、-3dB帯域は2.1MHz~36.7MHzまで拡がりました。
 なお、何れの回路も前置した50Ωの抵抗の直後で電圧を測ってみると±18mVですから、広帯域化したアンプの方が正味+20dBのアンプと言えそうです。

 実際の製作ではトランジスタが違うことは勿論、部品配置やトランスの周波数特性など、様々な要素がパラメータになりますから、この通りの性能が出ることが保証されたわけではありませんが、ひとまずこんな感じの回路をバラックで組んで実験してみたいと思います。

 (※)2013/06/14 よく考えたら、Icを10mAも流してしまうと、入力インピは数百Ωにしかなりませんね もうちょっと考えてみます。
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