ヘッドホンアンプっぽいのを味見(後編)

2015-04-03      
 怒濤の1週間が終わり、今日は比較的早めの帰宅・・・ウィークデーの締めくくりとして、直前記事に続けて「味見の実際」を記しておこうと思います。

1. 無線用低周波アンプとして使えるオペアンプのチョイス

 秋月で手に入る廉価なものを中心に、幾つか試聴と電流測定を行いました。消費電流については、以下の条件下のものです。

 ・電圧は5VでレールスプリッタにNJM3414Aを使用
 ・ヘッドホンで「普通の音量」(同じ曲をPCから同じ音量で再生)で聞いている状態
 ・測定はアンプ単体(レールスプリッタを含めた全体消費電流ではない)としての大凡の値

 (1) NJM4580DD

 最初の選択は、手持ちの関係でNJM4580DDを使いました。これは、予想通り特に問題なく動作し、PC音源で低音から高音まで綺麗に再生できました。ヘッドホンでかなり大きな音(聞くに堪えないギリギリの大きな音量)で聞いても特に歪む様子はなく、ヘッドホン出力としては余裕がありそう・・・秋月で5個180円、単価36円で手に入る音としては、非常にいい感じです。
 また、消費電流は実測4mA程度。ほぼカタログスペック通りと言えるでしょう。

 (2) NJM3414A

 レールスプリッタ用に用意したつもりのNJM3414Aを試してみました。これも、特に問題なく動作。普通に聞いている分にはNJM4580DDとあまり変わらないようです。
 このオペアンプは、出力電流が大きいことから「ひょっとして、スピーカも鳴るんじゃねぇの?」と思い接続してみると、小さいスピーカならきちんと鳴る程度の音量・・・NJM4580DDでは音が(割れない範囲では)小さく、実用としては苦しい感じでしたので、ヘッドホン出力以外に小さなスピーカを具備する自作QRP機の低周波アンプとしても使えそうなこちらのオペアンプの方が使い手がありそうです
 また、消費電流はNJM4580DDより少なく3mA程度・・・カタログスペックからも明白なんで、ポータブルな自作機には「Good Choice」になり得るかも・・・単価も50円程度ですから、惜しまず使えますね

 (3) NJU7032D

 ちょっとオフザケで、CMOSタイプの手持ちのものの中からNJU7032Dを使ってみました。予想では出力電流が取れないため上手く鳴らないと思ったんですが、いえいえどうして、ちゃんと鳴るんですよ、これが かなり大きな音にすると流石に歪んでしまいますが、普通に聞いている限りでは問題なし。音質的な大きな偏りなどもなく、これは目からウロコでした。
 消費電流は、流石にCMOSですから2mAを下回るかなりの省エネ。省電力をテーマにした作り物には、案外「アリ」だと思いました。秋月に売っているNJU7043Dなんかも試してみる価値がありそうです。

 (4) NJM2737D

 省エネと低雑音を狙って、1つだけNJM2737Dを購入しました。カタログスペックでは消費電流が1.2mA程度となっており、バイポーラ型ではかなりの省電力動作が可能な上、雑音特性もNJM4580DDに引けを取らない様子。早速味見へ。
 再生音については特に問題なく、さぁ消費電流を・・・と思ったところで、ちょっとブレッド上の配線を直すのに一旦この8本足を外して差し直したら、あろうことか「逆差し」をしてしまいました。慌てて電源を切ったんですが後の祭り・・・ご臨終となりました。ごめんよ、8本足・・・
 結局、消費電流は測れなかったんですが、多分2mA程度に収まると思います。しかし、この8本足は電源電圧も1.8V~6Vという低電圧仕様であり、一般的な無線機のポピュラーな電源電圧である12V、13.8Vでは使い辛いかも知れません。

2. レールスプリッタ周辺の確認

 まず、直前記事に掲載した回路図を再掲します。



 (1) 仮想GND用の分圧抵抗の値

 ①の確認、即ち分圧に使用する抵抗の値によるアンプ部分への影響については、抵抗値を220Ω×2から22KΩ×2まで換装しつつ音楽を視聴して確認しましたが、特段の差は感じられませんでした。これは、そもそもアンプ部の消費電力が小さいこと(1項で最も多いものでも4mA程度)で、特に仮想GNDがどうのこうの・・・にまで及ぶような影響は出ていないということと理解しました。

 (2) 発振止めの抵抗の必要性

 ②については、「あぁ、試しておいて良かった」という出来事に遭遇することになりました。

 スプリッタ部にNJM3414Aを使って各オペアンプの試聴と電流測定をし終わって、ふと、アンプ部とスプリッタ部を含めた全体の消費電流を測ってみると、これが何と50mA超 アンプ部単体で数mAなのにナンデヤネン・・・と思いつつ、ひとまずアンプ部をNJM4580DDに戻し、さらにスプリッタ部にも同じものに換装すると、9mA程度まで激減するんです。アンプ部の消費電流が4mA程度ですから、まぁ妥当な値。

 そこで、アンプ部をそのままにして、全部で4つあるNJM3414Aを順に差し替えていくと、個々に電流量が違っていることに気付きました。一番少ないものでは、正常より若干多いものの10mA程度。「2つのオペアンプの消費電流としては、幾ら何でもこれくらいだよなぁ・・・」と暫し思案。そして、「ひょっとして発振気味なのでは!?」というところまで思考が行き着くのには、それほど時間は掛かりませんでした。

 この発振止めには、回路図中②の抵抗が威力を発揮・・・抵抗なしの状態から22Ωの抵抗を入れるとピタリと大人しくなり、4つとも正常に動作することを確認できました。また、この発振は他のオペアンプではどうやら起こらないようで、抵抗の有無に関わらず(といっても、抵抗を入れないと若干、電流値が増えますが)正常に動作するようです。まぁ、トラブル回避用として2本の抵抗追加はしておいた方がいいでしょうね。もう少し小さな値でも事足りそうですが、追い詰めるのは止めました。

 試聴していた音には、スプリッタ部が発振気味で大きな電流が流れている中でも特におかしな点はなく、うっかりすれば気付かないところ・・・「できる測定は、できる範囲でちゃんとやっておけ」ってことでしょうね

3. 消費電流のさらなる抑え込み

 スプリッタ部の「発振事件」によりあれこれ電流を測定しているうちに、すっかり見落としている「レールスプリッタ用のオペアンプに対する要求条件」に気付きました。それは、スプリッタ用のオペアンプも「電気を食う」ということです。本当に当たり前のことで、ちょっと恥ずかしいなぁ。

 手持ちのオペアンプの中では、LM358N/LM2904Nがカタログ値としては小さい方になるため、ちょっと出力電流量を無視してLM2904Nに換装。すると、アンプ部にNJM4580DDを積んだ状態で5mA程度・・・丁度、スプリッタ部の消費電流を加算した程度の電流量の増加となりました。ね、当たり前でしょ 電池などで動く機器にオペアンプを使ったレールスプリッタを入れる場合、こいつの消費電流も気にする必要が出てくるわけですね。

4. 入力部分の抵抗とコンデンサが醸し出すハイパスフィルタの様子

 オペアンプの非反転増幅回路で、入力インピーダンスを決める抵抗と直流カット用のコンデンサの組み合わせにより、期せずしてHPFが具備されてしまう・・・と直前記事に書きました(回路図上の③)が、この様子を「」で確認しました。
 まずは、音楽を流しっぱなしの状態で、オペアンプの入力部に0.1μFのフィルムコンと10μFの無極性電解コンを並列に接続して試聴。
そして、徐に10μFを引っこ抜くと・・・確かに、低音部分が弱くなるのがハッキリ判ります。なるほど、HPFとして機能するわけだ。
 そこで、TS-590で40mのCWを受信した音を入力して同様に10μFのコンデンサを抜き差しすると、かなり低い音調(概ね100Hz以下)で復調している音は、0.1μFのみで聞くと結構弱くなることが判りました。

 この当たり前のことは、CWに関するQRP機やオプション装置を作る際には「良い助け」になるかも知れません。即ち、CW受信トーンの周波数以外の音はできるだけ少ない方(小さい方)が有利になりますから、回路設計上無理なく構成できるこのHPFは、前向きに利用することで一役買って貰うことができそうです

 以上で味見は無事終了。凡そ1週間を掛けて、1つのテーマをこなせて満足、満足
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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