インダクタのお勉強

2015-09-28      
 我がバイブルたる「トロ活」は、何を作るにも(無論、無線関連のものですよ)参考にしています。この本を初めて手に入れたのは改定前で、ボロボロになったページをセロハンテープで補修しつつ使っていましたが、改訂新版が出た後に再購入しました。さらに電子版まで手に入れて「スマホ」でも見られるようにしてあります

 直前の記事にも書いたように、RFCで使うコイルについては「無造作に適当な値のものをチョイスしてもダメ」ということが解ってから、逆にきちんとしたものを準備するのに躊躇が生じるように・・・。そして、製作中SGの電源ラインのデカップリングを考える内に必要に迫られ、この週末に必要な治具として「リターンロスブリッジ」をこしらえたわけですが、早速これを使って実験してみようということに。

 まず、RFCに関連する記述をトロ活から拾ってみると、改訂新版の49,50頁の「巻線容量」の項に巻き線に纏わる浮遊容量と、インダクタンスの組み合わせで生じる並列・直列共振についての記述があります。そして、ここではFT50-61に30回巻きにしたコイルで100MHz以下に共振点を持たない良好なRFCが作成できると書いてあります。この時のインダクタンスが50μHとなっています。情報は揃ってますから、同じ条件でコイルを巻けば同じような結果が出るはず・・・ということで、早速巻いてみました。



 ん 何やらインダクタンス値が大きいですね。AL値からの計算でも61.2μHと計算できますから、トロ活の情報のどこか・・・フェライトコアの種類か巻き数が間違っていそうです。ま、折角巻いたんで、このコイルの測定をしました。



 左の軸がReal・・・即ちインピーダンスの実数部、右の軸がImag・・・インピーダンスの虚数部です。スケールだけディフォルトから変更しましたが、明らかな並列共振点が20MHz付近にありますね。実数部は、この点を超えると急激に値が減少しているのが判ります。また、虚数部も理論通り、この点をこえると一気にマイナス・・・キャパシティブな性質を発揮していることも読み取れます。これが、「コイルは自己共振周波数以下で使おう」というキャッチフレーズ(じゃないか・・・心得とでも言おうか)に繋がるわけですね。
 一方、この並列共振点より低い周波数の実数部も急峻な立ち上がりを示しています。特に、17MHz以下に及んでは大凡インピーダンスが「0」に近い値に見えます。これでは、RFCとして使えないことになりますね。
 ここで気付くべきことは、少なくとも共振周波数より低い周波数では虚数部もプラスの値になりますから、インピーダンスとしては実数部との「和」の値になる筈だということです。APB-3の制御ソフトでは、この「和」を『絶対値』と称して描画することが出来ます。



 これを見ると、並列共振点より下の周波数はきちんとインダクタとしての特性を示しています。特にRFCとして考えた場合、理論値に近い形(その周波数のリアクタンスとしての計算値に近似する)になります。逆に、並列共振点より上の周波数も急激な現象が緩和されます。例えば、RFCとして10KΩ以上のインピーダンスで線引きした場合でも、30MHz付近までは使えそうな雰囲気ですね。

 APB-3の測定ソフトでは、さらにこの絶対値とインダクタンス値を同時に描画することも出来ます。



 先頭のスナップに示した通り、このコイルのインダクタンスは67.7μHと実測しましたが、APB-3の500KHz付近のインダクタンス値(グラフの青三角部)と良く一致しています。並列共振点に近づくと、見かけ上のインダクタンス値が上がって見えます。

 さぁ、これでトロ活の記述に誤りがあることがはっきりしました。そこで、「30回巻きで50μHになる」というコアの種類を調べてみると、「FT37-61」に30回巻きした時、計算上49.5μHになることが判りました。早速、これも巻いて実測。



 インダクタンス値は若干低い値(47.43μH@500KHz)になったものの共振の度合いが明らかに緩くなり、インピーダンスの高い帯域が広がりました。さらに、15MHz以下の部分は47μHの計算上のリアクタンスに近似する値となっており、良好なRFC(インピーダンスが高い帯域が広い)となっています。トロ活に書いてあるグラフ(改訂新版の図1.59)のように綺麗な特性ではありませんが、少なくとも50MHz辺りまでは使用できそうですね。

 序でにFB801-43に10回巻きしたRFCの測定をしてみました。10回巻きは少々窮屈ですが、0.2mmのウレタン線でピッタリな感じ。



 インダクタンス値は151μHです。50Ω系の装置で考えた場合、RFCとして-30dBダウンが狙える3KΩを一つの目安と考えると、凡そ5MHz以上の周波数でその条件を満たします。40MHz以上は未知数ですが、50MHzよりもう少し上の周波数まで使えそうな雰囲気 こうなると、少なくとも市販のマイクロインダクタを闇雲にチョイスして悩むより、ちょっとした巻き線作業で手に入るフェライトビーズや小型のコアに巻いたものを使う方がいいかも知れません。

 明日は月曜日・・・と思ったら、1時を回ってしまいました。ここ暫くは、同じような実験をもう少し続けることになりそうです。早いとこ寝よっと
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