6逓倍の実験計画

2014-11-21      
 11月も後半に入り、来週末はWW DX CW・・・サイクル24の下降期に入った太陽が、まだSSN=100前後を行ったり来たりしています。ひょっとすると、サイクル24におけるQRPでも楽しめるDXコンテストの最後になるかもなぁ

 相変わらず帰宅後に暇を見つけては、先日手に入れたAPB-3で遊んでいます。以前に入手した中華SGの出力が0dBm以下だったこともあって(APB-3の最大入力が0dBm)、こいつを信号ソースにあれこれ観測しては悦に入っていますが、頼もしい性能のAPB-3に負けないようなSGを用意しないとやはり上手くありません。
 実は先にAD9851の中華モジュールを入手、これを使ってちっとはマシなSGが製作できないか検討中です。このモジュールは、そのまま使うとやはりあまり良さ気な波形は出力してくれないようで、モジュール自体に何らかの対策(主にノイズ対策でしょうね・・・)を行う必要があるようです。さらに「どうせつくるなら内蔵6逓倍器を使わず、できるだけピュアな180MHzくらいの信号を直接与えてやろうか・・・」と思いつき、このモジュールの味見の前に「6逓倍水晶発振回路」の実験を画策しました。

 6逓倍回路の実際は、自力で何とか理解(掌握かな)できる程度の難しくない回路構成で考えます。水晶発振はFETによる3rdオーバートーン、これをダイオード・ダブラで2逓倍し、合計3段の同調回路でろ過します。前提となる回路を示します。回路中の青い波線部分が、この実験の勘どころです。


※タンク回路のインダクタンス値は「同調側」の算出値

 ◆ 3rdオーバートーンでちょびっと周波数調整したい

 回路自体は何の変哲もないものですが、これでオーバートーン発振できるかは勿論、トリマで周波数を3.3KHzほど下に微調整できるかが重要な確認ポイントです。その他、以前の実験結果から帰還用のゲート-ドレイン間のコンデンサは必須と思っていますが、この周波数、かつオーバートーン動作においてこれの有無で何かしらの差異があるのか、同様にゲート抵抗の大小による差異はどうか・・・こんな部分も確認したいと思います。

 ◆ ダブラーの入力電力は如何に

 無調整回路部分ですから出力スペクトルを見て納得すればよいのですが、トロ活にあるような結果が得られるか・・・本当に2倍の出力が強く表れるのかをきちんと確認したいと思います。また、今後の活用を考慮し、入力電力のレベル実用最下限をとりあえず「+5dBm」と仮定、この程度できちんと動作するか確認したいと思います。

 ◆ 7KボビンでVHF帯のフィルタ

 7Kボビンで171.8MHzの狭帯域フィルタが作れるか・・・VHF帯の上の方まで7Kボビンでいけるのか確認したいと思います。実は、50MHz以上の領域は未体験ゾーンだったり・・・いやぁ、お恥ずかしい
 このフィルタの各設計値はトロ活のBPFの計算ロジックをExcelでマクロ化して求めたもので、実用的な容量とインダクタンス値になるように帯域幅をカット&トライしました。また、無負荷Qも「適当」に与えてありますので、どんな特性のものができるのか興味シンシンです そして、これが上手くいけば、2mの送受信機やトランスバータの製作に役立つんじゃないか・・・と欲張っています。

 ◆ 最終出力の目標は+5dBm

 最終段はフツ~のエミッタ接地で増幅し、最終的に+5dBmを目指しています。これだけの出力が得られればAD9851のドライブには不足はないでしょう。全体的に、デカップリングやチョークの効きなどの確認も必要なんですが、この辺りは「ちゃんと動けばいいや・・・」ってな感じで片づけてしまうかもしれません

 3rdオーバートーン発振部分の実験は、APB-3で十分に測定可能なHF帯の下の方で仮実験・・・ブレッドボードのお手軽実験のノリで片づけたいと思います。明日からの連休に期待ですね

修正:2015/08/10 回路図に細かなミスあり、差し替えました。

4060の遅延特性を測ってみる

2014-06-27      
 あっけなくサッカー日本代表の歩みが閉ざされました コロンビア戦での一瞬の煌めきが唯一の救い・・・まぁ、W杯に出られるだけでも快挙ではありますし、確かにこの4年間でなかなか見応えのある試合ができるようになってきたわけですから、結果は甘んじて・・・妙な過剰期待はマスコミにだけ任せておきましょうか。個人的には、「コンディション作りの失敗」と「替えの利かないチーム作り」が敗因かと思いますが、それでも日本代表の選手、スタッフの皆さんには「お疲れ様」と言いたいと思います。

 さて、相変わらず作りものが全く捗らない我がヘッポコ工作ですが、今日は水晶発振と分周に手軽に使える「4060」・・・TC74HC4060についての実験まとめをしておきます。

 今いまの作りものの中では周波数カウンタの再作に軍配が上がりそうです。どんな方式・回路にするか思案の最中なんですが、ゲートタイムとして比較的長いものが必要になりそうであり、基準クロックの分周などでこのICが活躍する場面もあるわいな・・・と思い、発振の様子と「多分周」した時の遅延がどの程度なのか見てみました。特に遅延の測定・・・これは、PICのシステムクロックと同期した分周ゲートが欲しいときなど、あまり大きな遅延がない方が良かろうと考えた次第。



 このスナップの下段は水晶発振の出力(9ピン)です。使った水晶は4.194304MHzという半端モン・・・でもないんですが、要はこの後の工作に使うつもりの周波数です。波形としてはまぁ形は判りますからヨシとしましょうか。
 上段は分周比が最も大きい214分周の出力(3ピン)です。大凡65nsの遅延が見て取れます。カタログ値では1段あたり6ns程度ですので、それより少し良いかなぁ・・・といったところでしょう。

 この実験の謎は、工作が進むにつれて明らかになっていくことでしょう・・・って、勿体付けてもしょうがないか 平日のプチ実験としては、まぁこんなもんでしょう。

OCXOの安定度など

2014-06-15      
 直前の記事で紹介したMV89Aの安定度などを測定してみよう・・・と思い立ち、そもそも基準クロックの安定度に問題含みの赤い周波数カウンタを2時間ほど「暖気」し、周波数測定を行いました。序でに消費電流の動きも測定しました。

 赤いカウンタ自身の安定度は、やはり初動の変動が顕著です。しかし、数時間通電しっぱなしにして筐体を含めた全体温度がほぼ一定になるのを待てば、まずまず使えるようになります。このカウンタでは絶対的な周波数変動を求めることはできないが、大凡の傾向は掴めるだろう・・・という言わば「予備実験」です。OCXOはひとまず大きめのタッパに入れ、直接風が当たらないようにはしました。室温は27.5℃くらいで安定していたと思われます(時々、温度計をチラ見していました)。

 早速結果を披露しましょう。



 通電直後はヒータを思いっ切り暖めるため6分程度は700mAくらいの電流が流れ、その間発振周波数はグングン上がっていきます。その後急に消費電流が減ってヒーティングが緩やかになると、安定点を目指して発振周波数が下がってきます。そして、通電から18分くらいで消費電流が安定すると、その後数分で発振周波数が安定点に到達・・・と、こんな感じでOCXOの内部の動きが類推できるようなデータが採れました。

 さて、ここでカタログスペックと比較してみましょう。



 まず、「ウォームアップ時間は15分以下」という仕様をグラフに当てはめて考えてみると、18分くらいに255mAに落ち着いた辺りを指しているものと思われます。今回の測定系では少し遅くなっているような・・・。

 次に「安定点の電流値は350mA以下」という仕様は、カタログスペックより低い値(概ね250mA)になっているようですが、これは問題ないでしょう。

 最後に「ウォームアップ時の最大電流は1.5A以下」という仕様・・・これは、今回の測定では700mA程度となっていますが、多分、今回使った電源の過電流検知が働いて電流制限されたものと思われ、ひょっとするとこれがウォームアップ時間を少し伸ばしてしまった原因かも・・・。
 ただ、これはある意味「朗報」で、1Aくらいで過電流検知が働くようなレギュレータを使って給電すれば、電源トランスは1A程度のもので事足りそう・・・それこそ、プロ仕様としては絶対に許されませんが、手狭なシャックでは少しでも「モノの大きさ」が小さい方が良く、コンパクトに作り込むという部分に寄与しそうです。

 実験の序でに周波数可変端子の周波数変位を調べてみると、0-5Vの変化で7Hzほど動くことが判りました。可変範囲としては十分そうです

 とりあえず、このOCXOの味見は済みました。これを周波数基準として校正するための仕掛け・・・次は、こちらの実験と製作を進めたいと思います。

「我が家基準」のOCXO実験

2014-06-15      
 嗚呼、無情 あろう事か、我が日本代表が初戦を落としてしまいました 初戦を落としてのグループリーグ突破は異例であり、「今回組み合わせの妙」を考えるとかなり厳しくなってしまいました。勿論、あと2戦を連取できればかなりの確率で上がれますが、一勝一分けでは自力突破が非常に困難・・・。ちょい自棄気味の を引っかけ、おまけにふて寝した挙げ句、ブログでも認めようと定位置に着きました。

 周波数カウンタの基準発振の確度をある程度キチンとしようと思い立ち、今のカウンタの水晶発振部分を外に引っ張り出して「ナンチャッテOCXO仕立て」にしようと考えていたんですが、そもそもこれを校正する方法を確立しないと余り意味が無いことは明白。そこで、GPSモジュールの1pps出力を使った校正用の周波数基準を作ろうと、多分PHSなどの周波数基準として出回ったと思しきダブルオーブンのOCXO「MV89A」を入手しました。
 このOCXO、eBayで2K-4K¥程度で売られていますが年式が古いものほど安く、手に入ったのは2002年製造・・・「12年もの」という芳醇な香りがしそうな代物です 2007-9年のものは大凡4K¥くらいでしょうか。



 早速、カタログ通りのピン配かどうかを確認してマジックで書き込んだ後、10MHzで1V出力のはずの正弦波を見てみました。



 比較的綺麗な正弦波ですね。そしてこれを、カウンタの基準クロックとして使い易いTTLレベルに引き上げなければなりません。今回の実験前まではエミフォロでHigh=5V程度まで振ってやろうかと思っていたんですが、あまり複雑な回路にしたくないため、アナログチックな動きをする「74HCU04」で実験してみました。



 結論から言うと、TYPE A/Bともまともに動きました。最初のインバータ出力では正弦波が少し角張った形になり、Outは以下のような波形に。



 負荷がオシロのみのため派手にオーバー・アンダーシュートしていますが、特に問題はなさそうです。ちなみに、前段のインバータはアンプの役割ですから、74HC04、74HC14では動作せず・・・って当たり前の確認をしました。さらに、後段のインバータ部を74HC14に替えたら少し急峻な波形にはなったもののそれほど変わらず・・・ということで、OCXOの出力波形整形は74HCU04を使用、TYPE A/Bの何れかで行おうかと思います。
 また、そもそもの出力が比較的綺麗な正弦波なんで、こちらも上手いこと直接的に取り出したいなぁ・・・とちょっと欲をかいていますが、これはケースインする頃に再考しようと思います。

 余談ですが、このOCXOの発熱は結構あり、ネットの情報では表面温度が70度くらいのようです。以下のような剥き出しの実験スタイルで暫く通電しましたが、ちょっと素手では持ちたくない程度の温度に



 また、通電当初はヒータの加熱に結構電流を取られ、1.5A程度が必要とのことなんですが、手に入れた奴は8分くらいで定常状態に至り300mA以下で落ち着きます。この辺り、ケースに入れる際の電源周りの仕様をきちんと考え、安定した形に持っていくことが重要かと思います。

期せずしてFETの発振実験・・・

2013-11-17      
 どうもまだVR製DDSの28MHz辺りが汚いことが許し難いのと、AD9851へのクロックの与え方について調べておきたかったため、FETを使った発振器をこしらえました。



 何をしたかったのかというと、同調回路を抱かせて高調波を減らしたリファレンスクロックにしたら、ひょっとして今の偽TCXO改造発振器よりマシになるんじゃないかということに加え、ひょっとしたら発振出力のバイアス(クロックとして供給するために、+2.5V分吊っている)を調整したら「得も言われぬ頃合い」があったりなんかしないかなぁ・・・という得意のナンチャッテ実験です
 上記の回路を組んで早速諸元を測定。出力は+5dBm(@50Ω)ほど、第2高調波は-50dB、第3が-45dBと、クロックの「資質十分」といったところになりました。

 さて、これでスプリアスが減れば御の字・・・だったんですが、殆ど変わらず さらに、バイアスをあれこれ変えてみましたが、結局ほぼ2.5V中心のスイングで落ち着きましたから、この調整自身には意味がないということも解りました。

 それより、今回お勉強になったのが回路図の矢印で指した先の帰還コンデンサ・・・この容量が結構、発振動作に影響があることが判りました。
 まずはこの帰還コンデンサ無しで発振させたら、発振周波数がかなり上の方になってしまい、トリマで調整しきれないことが判りました。そこで2.2pFのセラコンを入れてみたものの下がりきらず、12pFと大きくしたら銘板周波数辺りでちゃんと調整できるように発振しました。やはり、横着せずに帰還コンデンサは入れるべき、かつ多少多めの容量(多分、HF帯では10pF程度で良いんでしょう)にしておくことが、この回路の「肝」だということですね。
 このところ、トランジスタを使ったコルピッツ発振ばかりで無難に過ごしていたため()、この実験結果はちょっとした収穫です。何しろ部品点数が少ないですから、お手軽発振器にはイイ感じで使える気がします。



 ぶっ壊しちゃうであろう実験基板を記念撮影しておきました。結局、VR製SGのさらなる改善は難しそうですが、AD9851へのクロックの与え方が解ったことと、FETお手軽発振の再認識ができたこと・・・まぁ、ヨシとしましょうかね。

偽TCXOの実験的試作

2012-12-15      
 どんどんと「年の瀬」を感じる時期になってきました。一昨日と昨日は続けて「深酒」をしてしまい、今日は朝から三日酔いのような状態・・・身体にも財布にも悪いとは解っていても、この季節はどうしてもこうなってしまいます。
 今日は、午前中から例の「C言語でライブラリ作成」に手を染めようかと思ったのですが、まだフラフラと酔いが回ってきて全く集中できず・・・。昼食を摂ったら一気にアルコール分解が進んで少しその気になったものの、画面を見ていると眠くなってしまうため、ちょっと気分を変えて怪しげな実験に手を染めることにしました。

 先日、鈴商さんで買ってきた古いTCXOの安定度が気に入って新しいカウンタでも作ろうと思案したんですが、折角あるカウンタを直すべきだろうと考えて、共立エレショップさんで見つけたTCXOを購入したんですが、基準周波数を作るのに1/12分周する(TCXOが12MHz)のは良いとして、1MHzのゲート時間に合わせるためには修正部分が結構あることが判ってちょいと後回しにしていました。
 一方、鈴商さんで購入した方はひとまず「保管庫」に入れておいたのですが、中身が何となく想像できたんで、「水晶を取っ替えたら、ちょっとは安定な信号源にはなるんじゃないかなぁ・・・」と思い立ち、10MHzの水晶に換装してみました。これが上手くいくと、赤いカウンタの修正はそんなに必要なく好都合 10MHzの水晶は千石電商さんで購入したHC-49Uの普通の水晶発振子です。



 金属ケースを開けるため100Wのはんだごてとハンダ吸い取り機で格闘し、カッターで何度か切れ込みを入れたら簡単に開きました。思った通り、チップ部品の上に水晶が寝そべっています。



 水晶を外した様子・・・よくある無調整回路のようです。左の黒い部品と水晶のケースが、ボンドでくっつけてありました。熱結合したいのか、単に物理的に固定したいのか解らなかったんですが、10MHzの水晶に換装する際にはエポキシでその部分を同じようにくっつけて蓋をしました。



 右が完成品です・・・って、外見は変わりません 周波数表示はマジックで消しておきました。



 測定は、例によってTS-590を基準とします。発振器からの電波を拾うと同時にCWのサイドトーンを鳴らし、そのうねりが小さくなった所(うねりの周期が概ね十秒以上になったところ)を発振周波数としていきますから、そんなに精度の高い評価はできませんが、1Hz程度の差は認識できますからまぁ十分でしょう。さぁ、どうなることやら・・・。



 高温部はドライヤーで暖めておいて温度降下に追随、逆に低温部は洗面所の窓の所に30分ほど放置して急いで部屋に持ち込んで温度上昇に追随して測定するという、これまた小学生レベルの方法ですが何となく特性は取れています。

 大凡15-50度の間を測定した感じですが、全体としては2.1Hz/度程度の比較的リニアな特性になりました。裸の水晶発振回路ではこれよりもう少し悪い感じでしょうから、とりあえず金属ケースを被っている程度の安定度にはなっています。温度傾斜に比して周波数変位が少ない・・・言わば安定している帯域が、丁度室温に近い20-35度付近にありそう。
 年間を通じた室温としてどのくらいの温度が最適かよく解らなかったので、ひとまず22.5度として周波数合わせをしましたが、この辺りをもう少しクローズアップしてみます。



 この辺りの傾きは1.5Hz/度の直線にほぼ沿っています。10MHzに対して1.5Hzですから、まずまず満足できる変位です

 さて、問題の安定度ですが、これは改造前のTCXOの特性である±数Hzの初期変動以降は安定・・・という特性をそのまま引き継いでいるようで、30分程度で安定状態に入ります。この程度の「暖機」を覚悟すれば、それなりにまともな「周波数基準」として使えそうです。



 時計が経過時間・・・でも、写真じゃ解りませんよね まぁ、得意のナンチャッテ実験にしては、まずまずの結果となりました

基準発振の安定度比べ

2012-11-27      
 今年のフィナーレたるコンテストも終わり、夕刻早めに帰宅できても既に「ローバンドタイム」となれば、40mをサクッとワッチしたら夕飯(ってか、晩酌だぁね or )を悠々と喰らい、工作オタクに変身するわけです。やっと日常に戻ったような、ちと燃え尽き症候群的なここ数日を過ごしています。

 さて、我がヘッポコ自作装置の中では非常に元気に活躍してくれている「赤いトラクター~」ならぬ赤い周波数カウンタですが、この元となる秋月キットを当時作った方は非常に多く、未だにブログ記事が散見されます。そんな中に「秋月カウンタはドリフトが凄い」という記事を幾つか見つけました。
 確かに基準発振が「ただの水晶発振子」ですから、端から高い精度は求めていなかったのですが、これを基準に様々なものを測定しているため、あんまりドリフトが酷いと例えば「自作VXOの安定度」なんて、どっちが動いているのか判らなくなってしまうんで、これはこれで非常に困るわけです。そこで、ルビジウムやOCXOとまでとは行かなくとも、「TCXO」辺りの安定度・・・数Hz程度の変位に収まるようなものでもう少しまともに測定してみたくなりました。

 実はこれ、作り始めたDDS実験のVXO部分の安定度を測定している際に、上記の如くの記事を見つけちゃって、「じゃぁ、今まで必死こいて測定していたのは何だったのさ・・・」とこうなり、新たにちっこい周波数カウンタでもこしらえちゃおうか、いやいや赤い奴を直そうか・・・と思案。しかし、何れにせよ基準発振は必要だろうと考えて、鈴商さんで結構古めの調整穴付きのTCXO(と思われる奴)を1つ400円で買ってきました。この程度の散財なら、別にねぇ・・・

 しかし、基準発振の安定度をどうやって測ったらいいんだろう・・・まぁ、とりあえずTCXOを発振させて、この周波数変動の様子を見れば何かしら判るでしょうと案外のん気に構えていたんですが、よく考えてみたら、我が家にも真っ当な「周波数測定装置」があるじゃないか・・・とふいに気がつきました。
 昨今のリグの基準発振はかなりの安定度を誇るものが多く、TS-590も±0.5ppm/℃という相当優秀な基準クロックが装備されている・・・ということは、赤いカウンタとTS-590で同時測定すりゃいいんジャン、なんだ簡単ジャン

 一応、赤いカウンタの基準発振用水晶はICM-7216BのICソケットの中に封じ込め、このLSIが暫くして暖まり温度的に安定したら、それに 連れて水晶の発振周波数も落ち着くでしょう・・・という斬新なアイディアで作成するようキットの説明書に書いてあり、その通り作ってあるんです。ですから、1時間程度エージングしながら監視していれば、そのうちどこかで安定するかな という淡い期待を抱きつつ早速実験です。



 TOYOCOMの「TCO-706A」と書いてあります。周波数は9.9528MHz。多分DIP-ICのピン配であり、14がVCC、7がグランド、8が出力、1はN.Cというパターンだろうと踏んでひとまず5Vを印加。 古いもの故にデータシートもないんで、この辺りは本当に勇気が要ります が、「後継と思われる製品の形や配置」を参考にすれば、こうした比較的単純な部品はまぁ間違いなく同じピン配ですね。TS-590で上記の銘板周波数辺りを探ると、元気なキャリアが直ぐに見つかりました。見事発振せり
 TS-590は、とりあえずCWモードにして銘板周波数に合わせてIF-WIDTHを50Hzにし、この状態で水晶発振器のトリマを回して復調する一方、パドルを押した際に出るサイドトーンと合わせていきます。ギターのチューニングの要領ですな。これで大体銘板周波数から数Hz程度の偏差までは追い込めます。

 ここで、赤いカウンタをON。表示は9.953320MHz付近からスタートし、徐々に下がっていきます。これは想定範囲であり、上記の通りLSIがある程度まで暖まらないと「擬似恒温槽」にはなりませんからねぇ。

 さぁ、刻々と時間が過ぎていきますが、TS-590のモニタリングでは殆ど動いていないようで、たまにパドルを触っても少しフルフルという音色に変わっている程度。「ちとずれたかな」という部分から動きません。
 一方の赤いカウンタは、10分くらいで銘板周波数に到達。ここで緩やかに止まってくれれば良いわけですが、全く止まる気配無し

 相変わらずTS-590の方はほぼ止まっており、RITのFINEで追っかけて+側に2Hz程度動いたようですが、とにかく赤いカウンタはどんどん低い方にずれていってしまいます。この状態で放っておき、大凡1時間経過すると・・・。



 如何ですか TS-590の方は、9.95328MHzから低い方にRITで3Hz追っていますので、大きな表示は9.953.27と読み取れますが、実際の周波数は「9.953.277MHz」ということです。+側に2Hz程度動いてから、5Hzほど下がってきて安定していそうです。
 一方、赤いカウンタはというと・・・一目瞭然ですが「9.953198MHz」って、おいおい82Hzも下がってる 最初の表示周波数から考えると122Hz 結構動くんだなぁ・・・。その後も放っておいたらどんどん下がっていくんで止めてしまいましたが、どう考えても「400円TCXO」の圧倒的勝利でしょう。

 そんなわけで、「直すか、もう1台作るか」は別にしても、赤いカウンタの精度(安定度)はやはりちょっとダメっぽいですし、DDS実験のVXO部分の安定度はプリスケーラを使って測定・・・このラインの基準発振もやはり水晶振動子なんですが、基板の上に普通に乗せてありますから、下手をするとこちらはもっと不味いかも・・・こりゃ、本格的な改修が必要なようですね。

 それにしても、製作モンがどんどん増えてくなぁ・・・。

オーバートーンVXO実験-3

2012-11-09      
 予測は当たった方が勿論嬉しいんですが、当たらなかったにせよ「何だ、逆か・・・」という結果なら、まぁ納得できます。

 今日は詰めの実験です。オーバートーンVXOの周波数安定度をさらに高めるため、トランジスタに流す電流に着目しました。小さい身体とはいえ、発振パラメータとなる水晶やL,C,TCの直ぐ横で多分暖かくなる方向に動くであろうトランジスタの発熱がQRH低減の最後の砦と踏んだわけです。
 さらに、昨日の実験はスーパーVXO用コンデンサ(これ、何かニックネームを付けたいね。可変幅拡大コンデンサ・・・う~ん、固いな)の容量が小さいほど安定度が増すことが判ったため、1pFの普通の(NP=0でない)セラコンに換えて実験開始です。勿論、Lのインダクタンスを増やさないと発振しませんから、ポットコアを被せてインダクタンス稼ぎ。

 予測は、発振できるギリギリまでエミッタ抵抗を大きくすると電流が減り、その分発熱量が減って安定度が上がる・・・という風なものでしたが、さてどうなったかというと・・・またしてもグラフまとめです。



 まずはオリジナルの430Ω。これも、スーパーVXO用コンデンサ容量を1pFに下げた恩恵で、初動から300秒程度で安定し始め、緩やかに下降して戻っていこうとしています。

 そして2番目が今日の目玉であるはずだった電流減らし・・・エミッタ抵抗を930Ωとしたのですが、おやおや初動からずっと下がり続けていますね・・・。予測は外れたわけです。勿論、もっと長時間放っておけば安定するかも知れませんが、明らかに430Ωに負けていますからねぇ

 こうなれば、逆に電流を増やしたら・・・と普通に考えて試したのが、エミッタ抵抗220Ωのものです。何と初動から8分程度経つと、その後は殆ど動きません 予測は外れたものの、要は「しっかり電流を流して安定に発振させる」というある意味での「定石」に軍配が上がったわけです。
 ちなみに、この後も30分ほど放っておいて、周波数カウンタをチラ見していたのですが、変位自体は±100Hz以内に収まっていましたので、これなら使いものになると判断しました。

 忘れてはならない高調波の様子ですが、これもエミッタ抵抗220Ωのもので測定しました。



 215MHzの少し上のピークは、スペアナアダプタ固有のスプリアスです。発振出力が0dBmを突き抜けていますので目安にしかなりませんが、第二高調波との間で-30dBm弱は取れていそうです。

 上記を踏まえ、この実験の最終的な回路定数を回路図に書き込みました。



 まだ、幾つか課題はあります。

 ◆ LとTCがそれぞれ可変の必要はないのでは
   >特にTCは固定コンデンサでもいけるのでは

 ◆ タンクコイルにも周波数決定要素があるとすると、
   この温度係数は
   >トロイダルコアにしたらどうなるのかなぁ

 ◆ Lは結果的に7Kボビンに巻き、おまけにコア・
   ポットコアとも使っているが・・・
   >空芯コアの方がやはり安定なのでは

 ◆ 電源供給ラインのデカップリングが十分でない
   >ここは、実際の回路にはマイクロインダクタを
    入れれば処置できる

 ともあれ、ひとまずの決着は見たものと判断しています。DDSの原発ですから安定している方が良いに決まっていますが、DDSの実用限界である「発振周波数の1/3」を仮定すると周波数変動も1/3になりますから、実用上は「数十Hzの変動との戦い」となり、QRP機への適用などであれば十分だと考えられます。
 また、きちんと基板に抑え込んだ形でどの程度安定度が増すのか(或いは落ちるのか)は、実際に組み立ててみないと判りませんから、DDS周りの回路と共にきちんと組み上げたいと思います。

 ※ 2012/11/10 タンク回路のコンデンサ容量が間違っていました(33pF⇒27pF)。

オーバートーンVXO実験-2

2012-11-08      
 今日・・・厳密には昨日になってしまいましたが、毎年この季節に開催され毎度紛糾する会議が実にスムーズに終わり、定時超えを覚悟していたら肩すかし・・・早めの帰宅となりました。こうなれば、 もそこそこに実験の宿題を片付けなきゃ・・・ってなわけで、懸案のタンクコイルの見直しです。

 昨日までの実験で、タンクコイルがVXOの周波数可変に大きく関わることが判っており、どうやら「コアの深さ」・・・つまりインダクタンス値に関わる部分で、ある程度インダクタンスが大きい方が安定しているように見受けられました。
 そこで、非常に安易ですが、同調用のコンデンサ容量を少し減らして(33pF⇒27pF)、昨日までの回路そのままで実験します。

 まずは、T37-6×14回巻き(約0.59μH)に4.8pFという組み合わせで発振させると、タンクコイルのコアが頃合いの深さで発振しました。昨日のコアの深さと比較すると・・・



 随分深くなりました。ひとまず、これで準備OKとして周波数安定度を測ると、まずまずの手応えです。76.6841MHzでスタートした発振が、300秒後に0.9KHz下がりましたが、実験1の惨憺たる結果とは大違いです。続けて実験すると、ある程度温度的に安定したことで、さらに周波数安定度が増しています。やはり、温度に敏感なんですねぇ
 次に、T37-6より好成績だった7Kボビンの空っぽコアに巻いたコイルに換装。勿論、ただ換えたのでは発振しませんから、スーパーVXO用コンデンサを4.8pF⇒12pFに変更して実験。ところが、これが安定度が悪化する結果に ちょっと思惑が外れてしまったのですが、ひょっとするとこのスーパーVXO用コンデンサの容量が小さい方が有利なのかな と思い、7Kボビンにコアを挿入してインダクタンスを増やし(簡易測定で約0.65μH)、その分スーパーVXO用コンデンサの容量を2pFまで減らすと、これまたイイ感じの結果が出ました。
 極めつけは、この無造作に付けた2pFのコンデンサを「温度係数=0」(NP=0)のものに変えると、初動時に変動はあるものの、かなり安定した発振をしてくれました。

 文章が長くなってしまいましたが、百聞は一見にしかず・・・というわけで、実験データをまたまたグラフにまとめました。



 こいつも大きくして見ないと、何のことやら・・・ですが、折れ線グラフにマーカーを「●」でつけたものが、上記「極めつけ」の特性です。180秒を超えた辺りでほぼ安定状態に入っています。
 一方、T37-6と4.8pF(NP=0)でも、「×」で付けたものは比較的安定していますね。つまり、コイルの温度係数とスーパーVXO用コンデンサの容量に応じた変化(NP=0といっても、温度変化で動きますからね・・・)が打ち消し合う方向に向かえば、結果的には安定する・・・と結論していいでしょう。

 ただ、これではレトロなVFOを作るようなものですし、温度補償用のコンデンサを沢山所持しているわけではありませんので、温度特性に大きな影響のあるスーパーVXO用コンデンサ容量はできるだけ小さくした上で、必要なインダクタンスのコイルを準備するというのが正解のようです。
 また、現在は空中配線もいいところですから、これをきちんと基板に取り付けて熱結合させてやるなども、安定度向上の一助になるかも知れませんが、全体をエポキシなどで固めて熱結合してしまうと、トランジスタからの発熱も気になるところです。ヒーターを抱かせるようなものですからねぇ・・・。

 ・・・というわけで、比較的早めにトンネルの出口は見えてきました。後は、後続にバッファを咬ませて発振出力を落とし、発振用トランジスタが涼やかに動くともっといい感じになるのか、或いは発振し難くなるのかなど、細かい部分をもう少し追っかけてみようと思います。そうだ、今日の回路における「高調波の具合」も見ておく必要がありますね・・・。

 あぁ、また夜更かししてしまった

オーバートーンVXO実験-1 (3/3)

2012-11-07      
 この実験で判ったことが他にもありますので、備忘録としてまとめておきます。回路図を再掲。



 ・ 0.18μH以下のLではVXOとしては成り立たず、単なる5次オーバートーンにしかならなかった。
 ・ Cは、「温度係数=0」でないと安定度が悪くなる
 ・ TCを固定コンデンサとし、逆にCをTCにしても調整可能だが、調整が大変クリティカルになる。
 ・ TRのB-C間に帰還コンデンサ(10pF)を入れると、上手く調整できなくなる
   >これは、大いに追試が必要かも・・・
 ・ バラックの状態でL/C/TC付近に手を持っていくと、明らかに発振周波数が変わる
   >当たり前だけど、やはりもっときちんと組まないと・・・

 大体以上です。次なる実験は、タンク回路にフォーカスしますかね・・・。
Calendar
05 | 2018/06 | 07
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
New !
Category
Comments
Monthly Archives
Track Backs
Counter
Sunspot Now !

 


Survey Results

 

Profile

どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
こおるさいん:JM1DPL

アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

メールは「JARL経由」でお願いします。

Links
Follow me !
RSS Links
QR Code
QR