ちっこいフェライトビーズ

2017-08-06      
 少し思うところがあって、小さなフェライトビーズを入手しました。RSオンラインから少し前に到着していたんですが、未だ味見してなかったんでプチ実験を敢行。



 どのくらい小さいか、FB801-43との比較スナップを。大きさ的には、FB101-43と同等ですが、違うのが内径・・・つまり穴の直径が大きめであり、何巻かのトランスが作れそう・・・というわけで、位相反転トランスを組んで特性を採ってみました。位相反転トランスは入出力が直流的には分断されますから、このフェライトビーズの素性が判ると思います。

 そうそう、このちっこいFBはFair-Rite社の#43材のものです。1ターンで0.43μH程度のものですから、普通に「ちょっとノイズフィルタ」とか「かなり上の方の発振止め」くらいの用途でしょう。スナップで判る通り案外内径が大きいことから、ちょっとした伝送線路トランスも巻けそうですね。



 上記は、特に低い方(5MHz以下)のロスを測ったものを掲載。小さいフェライトビーズの可能性を探るのは、やはり低い方でしょう。グラフのコメントにも記しましたが、FB801-43はバイファイラの6回巻き、ちっこいFBは7回巻きにしています(線材は0.2ΦのUEW)。流石に親分は0.1-0.2dBの損失に収まっていますが、ちっこいFBも-0.3dB程度とそこそこイケていますね。
 ただ、ちっこいFBはAFまでは流石に無理なようで、1MHz辺りからロスが増えていることが判りますね。SSB変調用のDBMなどには少しキツそう。
 なお、何れもAPB-3の測定限界である40MHzまで同様の特性になっていましたから、HF帯についてはこのちっこいFBも結構使えそうです。

 実はこのちっこいFBは、製作中のクリスタルフィルタの入出力インピーダンスを整えるためのステップアップ/ダウントランスに使えないかと思って購入したんです。クリスタルフィルタ自体を小さく組もうと思うと、どうしてもFB801-43では大きくなってしまうからです。そういう意味では、ホンの0.1-2dBの損失を我慢すれば使えそうであることが判りました。

 まぁ、厳密に考えるとこのコアのIMDも検討しなければならないところではありますが、高い周波数のDBMへの適用など、応用は利きそうです。1個15円という値段にも魅力がありますから、今後のヘッポコ工作にも顔を出すことでしょう。

計画中のミキサー向けトランスの特性

2017-01-15      
 ちょっと勇み足だったようです ミキサー用のトランスに”Quadrifilar”を使ってみようと思い立ち、ちょいと味見をしてみたらそこそこイケそうな感触でご満悦だった当ブログ主、昨夜は酎ハイ を一杯やりながら次はどうするべ・・・と思案していたところ、巻数の多い方の巻き線に「中点」が必要なことを忘れていたことに気付きました。計画していた”Quadrifilar”では、巻数が多い方に3本の巻き線が来るため上手く中点が取れないわけです。結局、トランスの再考ということになりました。

 今回のトランスは、ミキサーの入出力インピーダンスを探って合わせ込む形なんですが、50Ωから概ね200~1000Ωへの変換が必要になります。”Quadrifilar”を採用する時点で、1:9の比率として50Ωから450Ωへのインピーダンス変換でひとまず折り合いを付けようと考えましたが、どうせ巻き直すならと、1:16・・・800Ωへの変換として考え直しました。



 トランスのコアには引き続きFB801-43を使うことにしますが、巻線としては以下のようにします。

 緑色:バイファイラでN回巻く
 水色:単線でN/2回巻く

 これで巻数比が1:4、インピーダンス変換比が1:16のトランスができるはずです。図中のコンデンサは測定時には取っ払いますが、バイアスが必要な場合はこのコンデンサの接続位置に電圧を与える形になります。

 さて肝心の巻数ですが、FB801-43に無理なく巻ける回数での組み合わせは、「バイファイラ6回:単線3回」「バイファイラ4回:単線2回」辺りでしょうか。流石に単線1回というのは心許ないため実験せず。



 実験途中のトランス達です。右のバイファイラ6回巻きは、HFハイバンドの変換損失が大きく(20MHzで-1dB以上、周波数が上がるほど悪化するため)失格とし、左のバイファイラ4回巻き方の特性を採ってみました。



 ”Quadrifilar”の測定時と同様、50Ωの入力に対して800Ωの負荷を接続した場合の損失である「-6.55dB」付近に補助線を引いてみました。これならHF帯全域が-0.7dB以内に収まりそうなことが判りました。まずまずの結果に満足・・・その後少し夜更かしして

 今朝は少しだけ寝坊をしましたが、10時前くらいから「さてと備忘録的記事でも書くか・・・」とブログを見たら、時折コメントを頂くJK1QJSさんから2つ前の記事に「この手のトランスに撚り線を巻く場合、撚り方で特性に影響が出るのかなぁ」というコメントを頂いていました。なるほど、撚り線の密着具合で特性が変わることは自明ですが、その「程度」が判らないとねぇ・・・。ただ、自分で撚り線をこしらえる場合は「ハンドドリル」でキツ目に撚っていますから、これで満足してあまり考慮したことがありませんでした。

 実は、上記のデータ採りをしたトランスはバイファイラの方は「ハンドドリル撚り」ですが、単線の方は後から適当に巻いたもの・・・ある意味「無造作に作った」と言えます。そこで、バイファイラに撚った線に単線を少し巻き付けてから巻いてみました。即ち、バイファイラ巻と単線の結合を密にした・・・というか、まぁ得意のナンチャッテ実験ですね



 う~ん、机が汚い・・・というのは置いといて、こんな風に準備した巻線を巻きました。文書で説明するのは非常に難しいんですが、この線にコアを中心辺りまで通し、順方向と逆方向に必要な回数巻きます・・・って、やっぱり無理か



 出来上がったトランスのスナップです・・・百聞は一見にしかずと思ったんですが、これでも全く伝わりませんね まぁ、ヨシとしましょう。

 さぁ、このトランスで特性を採ってみました。すると・・・



 大喜びするほどではありませんが、全体に渡って0.1~0.2dB程度は改善したようです この辺り、FB801-43のような透磁率が高いコアかつ線路が短い場合は、ラフに作ってもそれほど性能は変わらないものなのかも知れませんが、受信部に採用する場合はこうしたほんの少しのロスも少ない方が有利なことは言うまでもないでしょう。

 このトランスのインピーダンス変換の様子を見てみましょう。50Ωからどのくらいのインピーダンス変換比になったのかは、リターンロスブリッジを使ってAPB-3のインピーダンスアナライザ機能で評価します。



 空中配線そのものですが、HF帯ですからまぁこれで十分でしょう。



 測定したのは820Ω(青)と1000Ω(赤)です。理論値は800Ω・・・青い線の方が理論値に近いので良さそうですが、やはり巻数が少ないため巻数比率通りにはならず、逆に1000Ωへの変換ということになりそうです(インピーダンス変換比として凡そ1:20)。仮に450Ω付近への変換が必要となれば「バイファイラ3回:単線2回」でイケそうですし、その他のバリエーションも幾つかできそうですから、今回の「トランス製作」についてはこの辺で幕引きに。

 さぁ、寒い晩です。温かい夕飯、晩酌で暖まりたいと思います。

Quadrifilarの味見

2017-01-14      
 昨日の天気予報には無かったと思いますが、丁度お昼頃に我が家周辺(千葉県北西部)は「雪模様」・・・窓から外を見ると、強めの風に横殴りの雪が降ってきました。30分程で止みましたがその後気温がグッと下がってきました。「冬本番」といったところかな

 そんな雪模様を尻目に()、朝食を済ませてからユルユルと「Quadrifilar」の味見をすることにしました。

 今回このトランスはミキサーに使うことから50Ω:450Ωの変換をできること、それがHF帯くらいは守備範囲に入る程度に広帯域であることを期待していますが、端的にはこの帯域について「変換損失が大きくないこと」が命題になります。そこで、直前記事のコア・・・FB801-43に0.2mmΦのUEWを4回巻きにしたものを使って特性を採ってみました。

 この特性測定にはAPB-3を使いますので、APB-3の入力を50Ωに設定してノーマライズした上で、50Ωの入力に対して450Ωの負荷を接続した場合の損失である「-4.437dB」との差分を見てみることにしました。



 -4.437dB付近に赤いラインを入れています。HF帯全体(1MHz~30MHz)として、変換損失は凡そ-0.7dB以内には抑えられています。HFの上の方(21MHz以上)或いは50MHz帯までの損失を気にするのであれば、巻き数は3回で良いかも知れません。

 出力インピーダンス(負荷)を450Ωとした場合の入力側のインピーダンスの様子は以下の測定結果で。



 ピッタリ450Ωの抵抗はありませんでした(まぁ、普通は無いね・・・)ので470Ωで終端し、入力側のリターンロスを抵抗値換算していますが、HF帯全体に渡って大凡50Ωになっています。傾向として、一つ前の測定結果同様、HF帯の上の方に向かって少し悪くなる方向のようですが、まぁまぁの結果ですね。
 FB801-43のトランスはとてもポピュラーで定評がありますが、こんな巻き方でもHF帯全域に渡って使えそうです。残念ながら50MHzは上手く測定できていませんが、まぁイケるかな

 ひとまず、計画中のミキサーに使えそうなトランスとして合格としておきましょうかね。ちなみに、案外勿体を付けてしまっているかも知れないミキサーですが、ちょっと古いデバイスを使ったもです・・・念のため

Quadrifilarって「アリ」なん?

2017-01-13      
 寒くなったのかなぁと思いきや、電車内ではコートを着たままだと意外に暑く感じます。それでも今週末はかなり冷え込むらしく、朝晩は氷点下の模様・・・湯豆腐をつつくことになりそうです また飲み過ぎそう

 本命のミキサー回路の実験を進めようとあれこれ考えているんですが、キーデバイスとなる「ご本尊」の周りに配置する必要があるのが「インピーダンス整合用」のトランス。ヘンチクリンなものではなく、FB801-43に普通に巻けるバイファイラ、トリファイラ・・・と思っていたんですが、入出力インピーダンスの整合比率は良いとしてバイアスの仕方などを考えると、「1:9のインピーダンス変換にさらにリンクコイル」といったコイルが必要そう。ということは・・・



 こんな感じのトランスが巻ければ良いわけです。入出力のインピーダンス変換比は1:9になりますから、50Ω入力で450Ω出力になります。また、入出力が直流的には切り離されていることが特長です。単なるトリファイラとは違いますね。実際には巻線を4重にしてコアに巻けばできますが、こんなの巻けるのかなぁ・・・と悩んでいても始まりません。とりあえず、0.2mmΦのUEWを4本よじってFB801-43に巻いてみました。



 もう1,2回は巻けそうですが、少なくと「4回巻き」までは余裕ってことが判りました。これで「自分流のミキサー回路」に一歩近づきました。このトランスの特性採り辺りがスタートラインのようですね

IP表記の決め事など

2016-12-29      
 今日から冬休みに突入 昨晩の納会後の飲み会でやはり飲み過ぎ、午前中はアルコール抜きに専念、その上午後には昼寝までしてしまいましたが、15時過ぎくらいからヘッポコ実験を開始。夕方買い物に出かけたら宵の明星が見事な姿を見せており、今夜はグッと気温が下がりそう・・・などと思いつつ、夕飯を挟んである程度実験結果が揃ったところに少し大きめな地震が発生。会社の安否確認システムが稼働したことから、連絡が取れない社員のフォローをして漸く落ち着いて時計を見たら、もう冬休み初日は終わったではありませんか

 この冬休みの実験は、いわゆる「IP」(インターセプトポイント:正しくは「3次」を前置しなければいけないんでしょうが、まぁこれはいいでしょう)を定量的に測定したいと思っており、受信トップや軽いバッファとしてポピュラーなFETのゲート接地回路と今後使いたいと思っているちょいとレガシーなミキサーについて、今後のモデルデータとしてきちんと取っておくことが目的です。そして、実験データは順次このブログに記していくつもりですが、その前にきちんと決めておきたいことが1つあります。それは、「入力IP」と「出力IP」の明示です。

 IPは、入力に与える二信号による歪みに着目する場合と、出力から出てきた信号の歪みに着目する場合があります。プリアンプや受信トップなどでは前者、送信アンプでは後者になると考えればナンチャナイわけですが、これが案外こんがらがってしまいます(自分だけかも)。今後IPを云々する場合には、是非ともこの2つを「入力IP」「出力IP」という風にきちんと区別したいんですが、ネットの情報を拾ってみると、

 A) IIP/OIP
 B) IPIP/OPIP

とする2種が存在するようです。まぁ、どっちだっていいわけですが、このブログでの表記は「IIP/OIP」にしたいと思います。

 また、IIP/OIPの間には以下の関係が成り立ちます。

 ◆ IIP(dBm) = OIP(dBm) - Gain(dB)

 難しい式ではありませんし理屈もハッキリしていますから、混同したり逆に計算したりはしないと思いますが、念のための備忘録。さぁ、冬休み初日はこんな感じでシュールに・・・

チョークコイルとしての比較

2016-12-15      
 かなり寒い日が増えましたが、自分としては却って過ごし易くなってきました。コートとスーツの上着という「2枚のベール」(ベール)で温度調整の幅が増え、混雑した電車の中からトボトボ歩く帰路まで、自分に合った温度調整ができます。流石にもう少し寒くなるとちょっと厳しくなりますが、そんなときゃさらに「ベスト」を着て達磨の如く歩く・・・って、達磨は歩かないか

 製作中のツートーンジェネレータ(これ、名前が長いな・・・2ジェネぐらいにするか・・・どっかのゲームの呪文みたいだな)を「箱」に収める工程を迎え、電源周りのまとめに取り掛かっています。その中で、2つの発振回路のデカップリングを考える際、いわゆる「チョークコイル」を置いて関係を粗にしなければならないわけですが、必要になる特性は必要に応じて決まってきます。今回の2ジェネでは、7MHzでの性能・・・この周波数で高いインピーダンスが必要になるんで、この点に着目したプチ実験をしてみました。



 右の2つは秋月に売っているマイクロインダクタ、47μHと100μHです。左のものは、FB801-43に8回巻きのインダクタで、実測101μHになりました。これらの周波数特性を測定し、今回の用途に対する優劣を決めようという実験を行いました。



 特に解説する必要は無さそうですね。7MHz辺りで顕著な特性を示しているのが100μHのマイクロインダクタです。今回は「これ、一択」でよさそうですが、マイクロインダクタの傾向として、「優位点がかなり狭いなぁ」と改めて納得。
 一方、序でに測ってみた「手巻きRFC」は、もう少し高い周波数でブロードな特性を示しています。広帯域な回路では、こうした特性が必要だと思います。「ある周波数で3KΩのインピーダンスを確保すれば(50Ω換算で)-30dBが保証される」という観点から考えれば、今回の巻き方で作れるRFCもそこそこ使えそうですね。

 平日の実験としてはこれが限界・・・土日を待ちましょうかね。

実験用電源ケーブルの要件(了)

2016-07-17      
 三連休初日は、前日の飲み疲れで昼寝を3時間以上してしまい壊滅的な状況、そして酔いが抜けて元気になったのが夕飯後となり、懸案の電源ノイズ対策を進めた結果夜更かしに 日を跨いで漸く「記事纏め」に漕ぎ着けました。

 まず、効果があった電源ケーブルへのパッチンコア装着を棚上げし、現用の実験用電源・・・ヤフオクで「野口英世先生お二人様」で入手したサンハヤトのDK-911の回路を調べてみました。
 この電源はいわゆる「トランス式」であり、スイッチング電源では悩ましい高周波ノイズ等は発生しないことから、アナログ回路には有利と踏んで使っています。安定化回路の中心はポピュラーな”LM317”であり残留ノイズはやや多めですが、まぁ普通の実験用途には十分かと考えていました。ところが回路図をしげしげと眺めていると、折角LM317のデータシートに記述があるリップル低減策・・・LM317の電圧可変端子をパスコンでグランドに落とすと、落とさない場合よりリップル減衰比が15dBほど大きく(65dB⇒80dB)なるという策が施されていないことが判明。



 上記の回路はDK-911の取説からの抜粋です。ひとまず、赤丸で囲んだ部分にパスコンを入れて確認を開始。確認方法は直前記事同様、8MHzの自作FET発振器のスペクトル観測です。



 前回の記事の画像で既にお馴染みの「100Hzの角」波形ですが、コンデンサの追加により少し大人しくなりました。電源からの漏れが少し減った効果かと思われます。

 続いて電源ケーブルのシールド実験・・・1.5D2Vの切れっ端(30cm程)にDCプラグを付けて確認すると、これが何と全く効果がありません 即ち、今回の100Hz&高調波ノイズの問題は、誘導による飛び込みではないことは直ぐに判りました。

 こうなると、パッチンコアで行った対策は、「①電源ラインに乗って到来する100Hz(+高調波)に効果があった」と「②グランドループが断ち切られた」という理由が考えられます。とりわけ、50Hzの高調波が目立たないのはブリッジ整流後に発生する漏れ(全波整流のため、脈流としては100Hzが大きく現れる)が有力であり、この電源回路ではブリッジ整流以降の安定化が不十分でその漏れが大きいのではないかと自分なりには結論しました。しかし、グランドループで余所のノイズを拾って来ている可能性も否めません。

 とは言え、何れにしてもパッチンコアによる対策効果が高いわけですから、これをスマートに実現すべく工作を始めました。これには既存の電源ケーブルの並行フィーダがある程度の巻き数で巻き付けられるトロイダルコア・・・FT82-77を使用しました。最初は1つのコアに7回巻きのものを1つ装着しましたが効果が今一歩・・・ということで、電源ケーブルの両端にバイファイラ巻きのものとキャンセル巻きのものを1つずつの合計2つで落ち着かせました。



 さぁ、ケーブルの確認・・・まずはノイズの軽減具合を確認すべく、DK-910の出力ノイズの様子を9V出力で観てみました。



 ±40mV程度のノイズが見えています。ヒゲのようなノイズが結構ありますね。続いてケーブルを接続してその先端で同様に観測。



 かなり綺麗になりました。早速、発振器のスペクトル観測。



 すっかり綺麗になりました。「100Hzの角」はほぼ殲滅・・・いやぁ、結構気持ちいいです

 800Hzのビートは相変わらずありますが、これは470μFのケミコンを発振器の電源端子に接続すると軽減できます。



 かなり軽減して他のノイズと同程度まで引っ込んでいます。これはお遊びの一環ではありますが、電源ラインのデカップリング(低インピーダンス化)にはやはり意味があるんだなぁと痛感しました。

 以上、紆余曲折はありましたが、この電源でもヘッポコ実験程度はできそう。もう少し高級な電源を用意してもいいんですが、手狭な工作机に似合うこいつをここ暫くは使っていこうと思います。



 電圧計は秋月の小型電圧計です。かなり前から売られてますが、イッパシに校正ボリュームが付いていて結構イケてますよ

実験用電源ケーブルの要件(序)

2016-07-11      
 「暑い、暑い・・・」とボヤいても涼しくはなりません。今日も本社に戻ってきた部下がボヤいているのを聞いてちょっとからかってしまいましたが、7月前半に似つかわない気温、日照、照り返しは、若い衆にも堪えるようですね

 昨日はFET1石の発振回路における最適負荷抵抗値を求めようとヘッポコ実験をしていました。前提としたQ(=5)が低過ぎたためか、350Ωから500Ωまでのなだらかなピークを認めただけで、結局あまりよく判りませんでした。
 夕飯を終え、「この実験はリベンジしよう」と棚上げし、最後にこの発振実験で使った発振回路のピュアリティ・・・発振周波数近辺の様子をAPB-3で見てみようと思い立って観測してみると、何やら100Hzのピークを伴う汚いスペクトルが現れました。そして、あれこれ試行錯誤をした末、原因が判明しました。直ぐさま記事にしよう・・・と思ったんですが、「日曜の夜更かしは翌日、いや翌週一杯響く」とまともな社会人の如くの考えに至り、今日の宿題としました。

 今日は帰宅後に早速、昨晩の再現試験とデータ採りに手を染めました。まずは昨日の再現をすべく、「100Hzの角」が一杯のデータを採取。



 何じゃこれ って感じですね。よくお供になる50Hzを差し置いて、100Hzの高調波が乱立しています。これって、わざわざこうしないとこんなに無残なスペクトルにはならないでしょう。それも、測定しているのは何の変哲もないFET発振器・・・実際、ちょっと呆気に取られました。
 最初に疑ったのは、測定器側の不具合・・・しかし、電源は自作シリーズ電源、最短距離&シールド線で接続するというぽぼ「鉄壁」のノイズ対策を施していますから、流石に測定器側でないことは直ぐに切り分けられました。すると被測定側が・・・

 発振回路はコンパクトに作った上、不安要素は殆どあり得ない・・・とすると、商用電源からのハムのリークが有力。電源からは並行フィーダで発振回路に電源を供給していますが、たかだか1m弱の配線ですから「ここに電源誘導しているとは考え難いなぁ」と思いました。しかし、未だ完成していない周波数カウンタの実験途上で垣間見た50Hzの威力を思い出し、手近に転がっていたパッチンコアでこの並行フィーダをパッチンコ。



 まぁ、こんな無造作な感じで秋月に売っているLF-102Bに5回程巻いてみました。すると・・・



 え~って感じですよね。ちょっと驚くべき劇的な改善・・・というか、これが正しい姿でしょう。つまり、電源ケーブルを無造作に接続すると、電源ハムの影響受けまくりということですね。さらにちょっとおふざけで・・・。



 これは、コアをパッチンした上で発振回路の電源部へパラに470μFのケミコンを接続したものです。800Hz付近にあるビートが明らかに減っています。また、ノイズフロアに当たる部分も細かく上下しており、様子が変わったことが判りますね。

 こんな風に、DC電源からのケーブルが商用電源のハムを拾って悪さをすることは明白になりました。今回のパッチンコアによる対策より、並行フィーダをシールド線に交換する方が効果がありそうです。今週末には、この辺りを明らかにして纏めてみたいと思います。

修正 2016.07.13>
 最後のイメージがシングルスイープになっていませんでした。データ取り直し、差し替えました。

高速カウンタ周りの実験完了

2016-03-06      
 ここ数週間続けてきた高速カウンタ周りの実験は、結果的にユニバーサル基板にきちんと押さえつけることで安定になり、思い通りに動くことが確認できました。この辺りをまとめておきたいと思います。

 まず、最終的な実験回路を。



 実験途上の試行錯誤で、広帯域アンプと高速カウンタの間にシュミトリを入れることで安定度が増すことが判りました。それも、2段にすると高域が落ちてしまうようです。また、ただのバッファ(74AC04)を置く形にすると、高域の感度は若干上がるものの低域が不安定になってしまうようで、この回路に落ち着いています。不要なピンは安定するように施していますから、まぁそこそこな感じ・・・それにしても、74AC14の使い方が勿体ないですね



 謀ったように実験基板に載りました・・・って謀ったんですがね 必要なグランドは、例によって銅テープを貼って広げました。

 この出力に周波数カウンタを繋ぎ、前提となる「16分周」(74AC161が固定的に分周するように組んであります)の出力がきちんと出てくるかを確認したらかなり上手くいっていそうな雰囲気だったんで、周波数特性データを採ってみました。



 周波数カウンタとして使う以上、特に測定頻度が高くなりそうなHF帯から50MHzまでそこそこの感度がないと・・・と思っていましたが、軒並み70 mVrms以下になっています。補助的に破線を引いていますが、電力値で-10dBmが大凡この電圧に相当します。この程度の感度があれば、比較的出力が小さい発振器などでも測定できそうです。
 一方、100MHzを超えると急激に感度が落ちていきますが、140MHzで大凡-3dBmの入力があれば動くようです。ただ、この辺りの入力感度はかなり暴れており、個々のロジックICの上限に近いことに加え、どうやら140MHz付近にアンプのゲインが低い凹み部分がありそうです。こうした広帯域アンプによく見られる現象は、基板への部品配置などで変わってきますから、今回の実験としては追求するのを止めました。



 1MHzより下の方は非常に安定しており、50Hz辺りまで普通に測定できていますから問題ありません。まぁ、この辺りの周波数はいわゆる「レシプロカル方式」にして測定しないと、細かな周波数測定ができず実用的ではありません。かといって、低周波域の測定は(自分にとっては)必須ということもないため、低域に特化したこの機能を具備するかは思案中です。

 ちょっとブログを見返したら、今回の周波数カウンタ製作に「気が散った」のが11月の終わり。既に3ヶ月を過ぎましたが、各部に拘って自分の理解を深めながらの言わば「散策」に近い設計作業や実験・・・たかが周波数カウンタでも、結構楽しめるものですね おっと、ここで落ち着いている場合じゃない 次行こう、次

高速カウンタの実験再び・・・

2016-03-02      
 ブレボ実験に見切りを付け、チープなユニバーサル基板に周波数カウンタのバッファ部の回路を組んで味見をしたら、100MHz超でもある程度安定して動くことが判ったため、余ったスペースにブレボでは上手く動かなかった高速カウンタ・・・74AC161を置いて実験してみました。

 まずは実験回路図をご披露。



 最終的な回路ではソースフォロワに2SK161-Oを使う予定ですが、この実験ではまだ在庫が多いFETで代用。2SC3355は最近秋月で扱うようになりましたが、中華市場に安く出ていたものを少し前に多めに購入したんでこれを使いました。



 基板の様子です。まぁ、何てことはありませんな 裏面は恥ずかしいんですが、これもスナップで。



 ICの下に銅テープを渡して、高周波的に安定するように配置しました。電源のパスコンも最短距離でグランドへ・・・さぁ、これでどんな塩梅になるでしょうか



 142MHz(-5dBm)を入力した様子です。このオシロに付属しているプローブの動作周波数は70MHzまで・・・なんでこれは使わず、予てから準備してあった秋月の300MHzプローブを使いました。プローブのグランド線が悪さをしないようワニ口が付いたグランド線を使わず、プローブ付属のスプリング(スプリンググランドコンタクトっていう名前かな)で近くのグランドに落として測定しています。黄色い周波数表示がほぼ142MHzの1/16になっており、正常に動作していることが判ります。

 これより上の周波数では、安定した波形観測ができなくなります。74AC161のカタログスペックを見ると、クロック周波数上限の標準(Typical)が140MHzとなっていますから、まぁ納得できる周波数ではあります。入力をさらに大きくする、或いは金属ケースに閉じ込めるなどで、もう少し高い周波数まで動くかも知れません。
 また、前置したアンプと74AC161は「直結」にしていますが、ここにシュミトリを入れると高域が少し改善される可能性があります。まぁ、そこまでやらなくてもいいと思う半面、せめて「2m」までカバー・・・欲を言えば150MHzまでカバーできると、何となく「無線家っぽいカウンタ」になるんで()、もう少し改善ポイントがないか考えてみたいと思っています。

 平日にしては、なかなかの実験ができました
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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