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ステルス君3号の設計情報

2018-07-28      
 この記事を書き始めた時点の我が家の周辺外気温は27℃。身体を休めるには良い気温ではあるものの、千葉県北西部は台風接近に伴って早朝にはかなりの雨・・・そしてその後も時折サーッと降る雨の合間に昼食の買い物だけは済ませましたが、雲間から弱い陽が差すとムッとした風がベランダから流れてくるため、今さっき窓を閉めて”第二種防衛モード”にエアコンを調整しました

 このくらいの外気温なら我が納戸シャックも26℃辺りに落ち着きますから、今のうちに一記事アップしちゃいましょう。

 今回もこれまでのステルス君と設置条件は変わらず、ベランダからはみ出さないようにダイポールアンテナを張るわけですが、できるだけ多くのHFバンドに同調させる(させたい)ことにも変わりはありません。この辺りはMMANAで見通しを立てて、実際に必要となる短縮コイル・延長コイルを仕込んでいくという手順になります。特に今回は、アンテナエレメントに装荷するコイルを1つだけにしてメンテナンス性を高める・・・というか、放っておき易いものに仕立てたいと思います。

 まずは全体像。



 ベランダに張ったベント型ダイポールの左側エレメント(黒い太線)に短縮コイル(トラップコイル)と使用時の同調点を調整する”ひげ”を配し、右側エレメント(緑の太線)には何も造作しません。その上で、赤矢印の部分に必要な値のコイル・コンデンサを配します。我が家のベランダの横幅などの条件により20mのフルサイズのダイポールを張るのは難しく、使用時の同調点を調整する”ひげ”の位置も「洗濯物を干す際の邪魔にならない位置」によって決定されますから、コンデンサ・コイル群を「全てマッチングボックスに収めてロータリースイッチで切り替える」という部分は、ステルス君2号と変わりません。

 では、設計手順を辿ってみましょう。

 まず、エレメント全長でダイポールとして同調する周波数は8MHz程度となります。ここから下の周波数には延長コイル、上には短縮コンデンサが必要であり、40mには延長コイルが必須となります。



 上図の青い太線部分を全長として8MHzの上のに同調しますから、左側の水平エレメントに延長コイルを入れて40mに同調させます。これで、40mのものバンド短縮ダイポールは完成。

 さぁ、これを前提に別の周波数に同調させましょう。延長コイルの手前までのエレメントで同調できる周波数帯が、別のバンドに対応することになります。



 上図の青い太線の部分がダイポールの全長であり、15MHz後半が同調点になります。そこで、この周波数より低い20mと30mには延長コイル、逆に17m以上には短縮コンデンサが必要になります。これは先に説明した通り、右側エレメントの袂・・・マッチングボックスの中に具備するわけです。

 では、これらを踏まえて算出したコイルとコンデンサの仕様をまとめておきましょう・・・って、こんなのどなたにも役に立ちませんね



 MMANAの結果をそのまま表にしているんで、MMANAをあまりご存じでない方には横軸の表現がよく解らないでしょう。

 w4b-L/Cは、40m用のトラップコイルです。設計上の中心周波数は18MHzにしています。これにより、このトラップコイルから先のエレメントは”無いもの”として扱えることになりますから、それぞれのバンドに必要なインダクタンス値(w5b-L)、または容量値(w5b-C)を計算します。
 残念ながら10mでは同調時のインピーダンスが高過ぎ(1KΩ超)、簡単なマッチングボックスでは調整できないため具備できませんでした。さらに表中の黄色にハッチングしている30mと12mもかなり無理なマッチング(30mは短縮コイルが大き過ぎ、12mは同調時インピーダンスがちょいと高過ぎ)であるため、結果的にステレス君2号とあまり変わらないバンド構成に落ち着きました。

 ステルス君3号の設計は上記のような感じで終えています。勿論、最終的には実際に張ってみて各部の値を調整していくわけですから、結構な時間を要する作業になるんですね。炎天下ではちょっと行いたくない作業ですから、これが一体いつできるかは正に”お天道様任せ”になります。今年の天候では秋になってしまうかも・・・少々不安ではありますね

暑くて工作なんて・・・生存の証としての現状報告

2018-07-22      
 直前記事が既に一月ほど前になってしまいました。我が"無線ライフ"はほぼ工作系に傾いて久しく、週末に何かしらのヘッポコ実験をしたりヘッポコ工作をしたり・・・という過ごし方が基本なんですが、6月最後の週末は大凡地球人に進化した宇宙人(=孫ですね)の家に行ってエアコンの掃除をしてやり、翌週は会社のイベントでぶっ潰れ、その次の三連休は今年の猛暑に突入した後であり、それでなくても高温な納戸シャックで「ハンダゴテを焚くなんて無理無理」という流れに。そして今週末もこの”無理無理”が続きました。

 過去の記事で幾度も認めてきたように我が納戸シャックは、家の構造上直接的な冷房が利きませんから、日中に30℃を大きく上回る日・・・特に陽が照ってしまうと夜は29℃付近の温度が維持されてしまいます。こうなるとそもそも怠惰な人種であるここのブログ主は、各種のアルコールをチビチビ、時にグビグビ やりつつ、のへぇ~っとしているわけです。漸く活動し易い28℃を下回る室温になった頃には夜半過ぎ・・・流石に実験も工作も手付かずとなり、ここ最近は超久々に手を付けたDAWでナンチャッテ打ち込みに興じたり(すっげぇ進化してて面白い)、好きなアニメを観たりして過ごすことが多くなりました。

 工作に手が付かないもう一つの理由は、実は今いま作ろうと画策しているノイズキャンセラの前に、メインのアンテナであるステルス君(もう、こいつの説明は省きます)を全面改修する必要があり、この猛暑の中で幾ら何でも作業したくありませんから、ここで躓いちゃっているんですね・・・。

 そんなこんなで結局今週末にできたのは、MMANAで新たなステルス君の”味見”を繰り返したのみ・・・天気予報では、今月末まで暑い日が続くことになっていますから、ここ暫くは進捗は望めないかも知れません

HPFの特性と減衰極

2018-06-23      
 相変わらず”W杯中心”で予定を立てていたりします。直前記事でも触れたように波乱含みの展開で”強さ”の定義が大きく揺らいでいますが、だからこそ面白い・・・って話は置いといて、さっさとヘッポコ実験報告へ。

 ノイズキャンセラに具備するノイズアンプの入力には広範な信号が加わりますが、数百KHz以下の”生活ノイズ”は簡単に遮断できても、中波ローカル局の強烈な信号についてはしっかり考慮しておかないと、このアンプが簡単に飽和してしまいます。

 今回使用予定のノイズアンプは手持ちの多い古参IC”μPC1678G”ですが、このアンプのカタログスペックはそもそもUHF帯のものであり、大きなRFCを抱かせて中波帯まで引っ張るような使い方ではこれらカタログ値を鵜呑みにはできません。そこで、7MHzでIMDを実測するとOIPは”22dBm”となりました。ここからICの利得(実測で21.7dB)を引いた値がIIPとなりますので、丁度0dBmくらいがIIPになりました。

 この「IIP=0dBm」をSメータ換算にすると”S9+77dB”ということになります。過去に何度か実験した”Mini Whip”で、我が家で一番強力なNHK東京第二をTS-590Dで受信してもそこまで強くなく、せいぜい”S9+50dB”といったところ。マージンが30dB近くありますからあまり神経質にならなくて良さそうなものの、まぁ適当なHPFを”精神的免罪符”として入れて軽く減衰させておいても良かろうと、ノイズアンプの前にHPFを入れることにしました。

 まずはシミュレーションから。



 HPFの計算サイトで5ポールのチェビシェフ(帯域内リプル0.05dB以内)として計算、入出力インピーダンスは50Ωです。

 我が家で一番強力なNHK東京第二は693KHzですが、その辺りの減衰量は50dB程度と十分です。次に強力な文化放送は1134KHzで減衰量は26dB程度・・・この辺りは気休めになってしまいますが、まぁ良しとしましょう。では、実際に回路を組んで実測。ちなみに、コイルはT37-2に0.32φのUEWを28回巻きで凡そ3.4μHとなりました。



 手前側の半分がグランドになるよう加工したこのブレッドボードは、水晶フィルタの自作で重宝した奴です。



 シミュレーション結果と殆ど同じになりました この場合、やはりLTSpiceが凄いんだということになりますね。

 実験自体はここまでで良かったんですが、どうしてももう少し減衰させたい場合は”減衰極”を入れて対処することになる・・・というわけで追加実験。出力側のコンデンサ(C3)と並列に20μHのマイクロインダクタ(10μH×2)を入れてみました。



 計算上は16μHくらいが良さそうなんですが、なかなかイカす結果でしょ 丁度文化放送の周波数辺りが60dB近く減衰しているのが判ります。160mバンドに少し暴れが現れましたが、一番ロスが大きいところ(2.1MHz付近)で2dB弱です。今回はここまでしなくても・・・とは思いつつも、ひょっとしたら入れてしまうかも

 これでHPF関連実験も完了、実際の製作まであと少し・・・のはずですが、どうなることやら

ノイズキャンセラの概要設計

2018-06-18      
 ここ最近のヘッポコ実験でそこそこの手応え・・・なんですが、遂に開催を迎えたW杯をライブで見ようと、結局土日の”AA TEST”はそっちのけになってしまいました。列強たるPY,DL,LUが苦戦し、EA vs CTがドロー・・・などなど、今回のW杯は結構な混線になっています。我が”SAMURAI BLUE”の初戦は明日・・・お誂え向きに夕刻の会議が終われば直帰できますから、HKとの対戦はライブ観戦ができそうです

 ノイズキャンセラの部分毎の実験がほぼ終わりました。ここら辺りで機能的なまとめをしておきたいと思います。



 機能と言っても、メインアンテナからの信号とノイズ信号を合成する回路に対し、ノイズ信号については広帯域アンテナで受信することを前提にプリアンプを置き、180°信号を捻るフェーズシフト回路があるだけです。これらの主要な機能部分は、それぞれ以下のようにまとめています。

 ・信号合成回路はこちら
 ・ノイズアンプはこちら
 ・フェーズシフトはこちら

 その他、”ノイズキャンセル装置”として仕上げるための”覚書”を以下にまとめておきます。

 ◆ ノイズアンテナへの直流供給

 ノイズアンテナは様々な形状のものを試してみるのが良さそうですが、ベランダ設置でそこそこの成果を上げるためにはアクティブアンテナが良さそう・・・ということで、アンテナへの直流の供給回路を具備したいと思います。
 この部分の肝は、直流供給に必要となるRFC部分を「如何に広帯域にインピーダンスを高く保てるか」が課題ですが、この辺りは既にヘッポコ実験済みです。

 ◆ コントロール回路の様子

 このノイズキャンセラを接続するRIGとしては”TS-590D一択”ですから、インタフェースはこの条件(送信時に12V10mAを出力)で検討していきますが、念のためフォトカプラで(ノイズ的に)分離したいと思います。また、ノイズキャンセル回路には受信時に通電したいため、論理を逆転させます。
 電源は外部からの12V供給になりますが、ここにはLCによる簡易なノイズフィルタを入れて”免罪符”にしたいと思います

 ◆ ダイオードクランプで入出力を保護

 まぁ、QRP運用なんでそんなに神経質になる必要はありませんが、ノイズキャンセル回路の入出力にはダイオードクランプを付けておきましょう。HF帯では、普通のスイッチングダイオードで十分でしょう。

 ◆ 機能部分に隠れた付加回路

 ノイズアンプには広帯域な信号が入力されることから、中波放送部分はカットしたいところ・・・そこで、ノイズアンプの手前に中波帯をカットするHPFを付加します。ただ、我が運用環境では文化放送とNHK東京第二が強力ではあるものの、S9+60dBを振り切るまでにはいきませんので、5ポールくらいのものをひとまず付けておこうと思います。
 それから、フェーズシフトは2段構えにして、180°捻り辺りの調整が楽にできるように工夫したいと思います。

 とりあえず上のブロック構成を見ながらもう少し検討を深めて、この夏の間には形にしたいなぁ・・・

信号を合成する回路の実験

2018-06-10      
 今日は昼過ぎから雨・・・絶好の引き籠もり日和となりました 遅めの昼食を平らげた後一杯やりながら、シミュレーションのみで過ごしてしまっている信号の合成回路を実際に組み立てて実験してみることにしました。

 回路図は以下の通り。



 シミュレーションでは、エミフォロ用のトランジスタを適当に選んでいましたが、広帯域特性が必要なこと(=fTが高いこと)と手持ち数の関係から”2SC3355”にしました。また、J310のソース抵抗は180Ωでシミュレートしましたが、丁度手持ちが切れており200Ωで代用。回路図にはありませんが、出力は51Ωの抵抗で終端しています。

 では、この回路に信号を与えて増幅の様子を見てみましょう。まずは、IN2をショートしてIN1から21MHzの信号を入れてみました。



 ほぼシミュレーション通りの結果です。たまたまフェーズシフトのデータ採取時の測定項目が残っていて、位相差が測定されています。この回路では180°が理論値になりますが、若干ズレていますね。ま、これはノイズキャンセルには関係ないんですが、FETやトランジスタの立ち上がり特性と各所の時定数でこんな風に見えるわけです。

 次に、IN1とIN2に同じ信号を入れてみましょう。



 こちらもシミュレーション結果と大差なく、両入力を加算した値の3倍・・・即ちほぼ6倍となっています。この時の出力波形をもう少しクローズアップ。



 特に異常は見られないと判断しました。この状態で入力信号のレベルを上げていくと、出力1.9Vくらいから下端がクリップしてきます。これはエミフォロの抵抗値を弄るともう少し追い込めますが、幾ら何でもオーバースペックの領域ですから、今回実験した回路定数で問題ないでしょう。

 上記のように、信号の合成回路はシミュレーションと同等の結果を得ることができました。周波数特性も調べる必要がありますが、これはノイズキャンセラとして完成させる際に吟味すればいいでしょう。「日曜午後の引き籠もり」の様子はこの辺でお開きに

フェーズシフトの再試

2018-06-06      
 今は昔・・・ってそんなに古くはないんですが、5年ほど前のヘッポコ実験(結構古いか)でノイズ撃退の肝になるフェーズシフト回路(この辺りから辿ってください)を味見していました。まだ古いアナログオシロを使っての実験でしたが、この時に動作原理は理解して「さぁ、次のステップ」というところで頓挫・・・というか、興味の対象が移ってしまいそのまま放置してある「ひねる回路」に満を持して()戻って参りました

 ”集合住宅&住宅密集地&変電所近傍”という過酷な運用環境でも、酷いノイズ源があって邪魔されるようなことなく過ごしてきたつもりだったんですが、「コンテストでしか波を出さない弱小無線局」(←あぁ、当局ね・・・)がジワジワと感じていたノイズの圧迫感を、そろそろ本格的に撃退せんと思い立ったのが今年のALL JAでした。やはりS7前後のノイズの中での運用は、ATTで信号を絞っても気になるもんは気になるわけです・・・という講釈は置いといて、実際のノイズ撃退についてはMFJ1025を原本としてあれこれやった結果、いろいろと欠点を見つけた上で「こりゃ、自分で撃退装置をこしらえた方が良い結果が得られるかも・・・」と自惚れ またしても「ノイズのないクリーンな運用環境を目指す」という難題に改めてチャレンジすることにしました。

 幾記事か前に先んじて180°捻った信号を合成する部分のシミュレーションは終えており、この部分は多分実回路での再現性も高いと踏んで、フェーズシフト回路の改良・・・「減衰の少ない&周波数特性が平坦」という部分に突っ込んでみました。

 CRで構成するフェーズシフト回路は、その回路構成故に位相を調整する際に入出力インピーダンスが大きく動くため、後段を受け持つバッファアンプを”ハイ・インピ”に仕立てる必要があります。そこで、以前の実験では”FET受け”(ソースフロワ)で凌ごうとしましたが、随分と減衰があることが判りゲンナリ・・・。そこで、”高インピなトランジスタ受け”(エミッタフォロワ)ではどないじゃろ・・・要は、バッファのさらに後段に対してロス無く信号を受け渡すとなったら、エミフォロの方が上手くいくんじゃないかと思ってヘッポコ実験を挙行

 まずは、FETバッファの場合の特性です。周波数は21MHz、バッファを受け持つFETはJ310。



 凡そ90°捻った状態・・・270°0付近の様子です。775mVの入力(0dBm:Vppでは748mVと表示されている)に対して、出力は88mVと18dB程減衰しています。

 お待ちかねのトランジスタバッファの場合の特性です。周波数は上記と同じ、バッファ担当は2SC3355。



 同じ入力条件に対して出力は264mV・・・2.9dB程度の減衰にまで改善 この差は大きい シミュレーション結果もお見せしましょうか。



 2SC3355の兄弟分、2SC3357のモデルを使っていますが、実波形と同様の結果が得られているのが判りますね。

 こんな風にフェーズシフトは手中に収めた感じなんですが、実はこの回路一発で真逆となる180°を得るのは難しく、今いまのアイディアでは、この回路を2段重ねて”半捻り⇒全捻り”を実現しようとしています。即ち「90°捻り回路の2段重ね」という構成・・・そのためには、1段あたりの減衰量を小さくするのが命題だったというわけです。

 上記の結果より、トランジスタバッファを従えたフェーズシフト回路で何とか「ノイズ撃退の心臓部」を作り上げたいと思います。

WPXコンテスト中のアンテナヘッポコ実験の覚え書き

2018-06-03      
 6月になりました。気温が徐々に上がってきてちょっと過ごし難くなってきましたが、例によってエアコンはバッチリ掃除してスタンバっています

 件名の通り、先週末は40mに最適化したロングワイヤーでWW-WPXコンテスト(CW)に参戦・・・と言っても、1/4λになっているだけなんですが、これでどないやねん ってな案配で挑んだんです。が、当初の予想通り「CONDXがどうだったのか」がよく解らず、ほぼ夏のCONDXになっているであろう40mで試しても駄目なような気がしました。
 ただ、TI(Costa Rica)のビッグガンに拾って貰えたり、ZONE16の応答率がちょっぴり上がったり(これは、大いに感覚的です)した感じでしたんで、秋のWW-DXコンテストで再度試してみることにしました。

 さて、WW-WPXコンテストの合間に、上述のロングワイヤー関連のヘッポコ実験をしたんで、この辺りをまとめておきます。自分以外にはきっと何の役にも立ちませんので悪しからず

 まず、このロングワイヤーの長さですが、ALL JA参戦の際には横方向が少々長過ぎてたるんでいたのと、同調点がかなり低かったため(この辺りは、こちらの記事にまとめています)、横方向を5.5mに切って同調点を測定しました。縦方向が5.2m程度ですから合わせて10.7m・・・これでも40mには長いことになりますが、長めの方がカップラでの同調が楽になるためひとまずこれで。



 5.88MHzでバッチリ同調が取れていますが、それにしても同調点が低過ぎ・・・そこで、バランを突っ込んでみました。



 秋月のLF-102Bに平行線を7回巻きしました。これで75μH程度となり、ソーターバランとして3KΩ@7MHzを保証できそう。

 このバランを入れて同調点の変化を確認しました。狙ったのはロングワイヤー部分とカウンターポイズ部分の分離で、同調点がどの程度動くかを確かめましたが、これが殆ど変化なし ということは、これまでワイヤー部分とカンターポイズを「エレメントが非対称なダイポール」と見立てて検討してきたのが、カウンターポイズがある程度”グランド”として動作する「不平衡型のアンテナ」であると解釈した方がよいのかも知れないと、逆に謎が一段深まってしまいました

 コンテストの最中でしたから、上記はあまり深入りせずに次のヘッポコ実験・・・アンテナ絶縁トランスによるノイズの低減です。これは、このバラン用に巻いたトランスを”ガラバニック・アイソレーション・トランス”に見立てて接続、入れなかった場合と比較してみました。
 これは、コンテスト参加局が聞こえないバンドエッジで比較・・・Sにして半分行くか行かないかの差でしたが、確かにノイズレベルは下がりました。まぁ、0.2,3dB程度の接続ロスは想定されますが少しは意味がありそう。本格的な導入には、再度詳細のデータ取りをしてからということで。

 その他、回路図のシミュレーションなどいろいろと手を染めました。結構収穫があったんで、実回路を組んでの実験へ。この辺りはきっと今後の記事になりますから、少々お待ちください・・・って、誰か待ってるんじゃろか

信号を合成する回路のシミュレーション

2018-05-24      
 梅雨入りにはまだ少し時間がある千葉県北西部は、この季節に時折登場する「寒気の張り出しと下界の暖かさ」というシチュエーションとなり、今日は真夏に負けないほどの積乱雲が見られました。東京都下では、雹が降った様子がニュースになっていました。ただ、地べたを彷徨く我らリーマン軍団にはやはり少々暑い一日・・・活動し難い季節の足音を聞いたように思いました。

 電源を作るぞ と息巻いていたヘッポコ工作ですが少々飽きてしまい(スンマヘン・・・)、RFCの味見などに浮気をしてしまいましたが、まぁ愛人が2,3人居ても良かろうと()突き進んでいます。即ち、この記事のネタは”信号合成”です。

 我が運用環境の命題は、狭っこいベランダに如何に効率の良いアンテナを上げるかということと、建て込んだ周辺住宅からのノイズ攻撃を如何に蹴散らすかということに集約します。QRPと言えど、やはりクリーンな受信環境の構築は重要です
 実は、こっそりと実験を進めてきた中でノイズ信号の増幅と位相シフトについては目処が立ち、漸く最終段階の”受信信号とノイズ信号の合成”(ノイズ成分は180°捻ってある前提での信号合成)について考え始めました。無論、いきなり回路を組んで大失敗しないよう、まずはシミュレータで遊んでみることに。

 信号合成回路の原典は、MFJ1025/1026の当該部分を模倣しました。コイルを上手く巻いて作ることも出来なくはないんですが、ちょっと合成ゲインも欲しかったんで、コイルで組むのを嫌ってまずはシミュレーション



 回路構成はJ310を2個対向させて使った単純なもので、これにエミフォロで出力を補強しています。

 上のシミュレーション波形の下段が入力で、2信号与えていることを判り易くしようという狙いで0.1V@10MHzの信号をほんの少しずらして与えていますが、あまり効果はなかったようですね・・・。
 上段は出力です。IN/OUTで反転出力になりますが、ひとまず良し。合成した信号は(2入力を加算した電圧の)凡そ3倍に増幅されていることが解ります。

 これを基本に、180°捻った信号を与えて信号の打ち消し(=ノイズの打ち消し)をシミュレーションしてみました。



 入力信号のタイミングを弄って180°の反転信号を入れているんで、先頭部分は無視して下さい。上段の出力波形がかなり小さくなり、互いの信号が打ち消し合っている様子が判りますね。

 最後はお遊び



 10MHzと2MHzの信号を合成してみました。なかなか味のある曲線が描けました。勿論、ノイズ信号はもっと複雑ですが、キチンとレベル合わせをして(反転信号と)合成させれば、結構イイ線いきそうです

 近いうちに小基板に組んで、実測ベースのデータ採りをしたいと思います。

秋月コアのRFC化をやや真面目に・・・

2018-05-13      
 直前記事に記した”親指負傷”の影響が、意に反して長引いてしまいました。鋭利な刃物で切ったのと違って傷口が塞がりにくかったことに加え、丁度物を掴むときに当たる場所だったことも要因だと思うんですが、何より”老化”によって治り難くなっていることが一番の要因のような気が とは言え、漸く使えるようになりました。

  昨日は、午後からホムセンに行って釣り竿君周りの部材を購入したり、夕餉のメインとして麻婆豆腐をこしらえたりで一日が終わってしまいましたが、今日は、ちょっと先になるであろう作り物に必須となる「広帯域なRFC」の実験をしたんで、今回の記事はこれをネタに。

 帯域の広いRFC・・・カバー範囲内に共振点が少なくてそこそこ”チョーク”として機能するコイル探しはなかなか難しいものです。特に、HF帯全域(180m~10m、欲張れば6m)を十分にカバーできるものとなると、HF帯全体に渡って3KΩ以上のインピーダンスが欲しいところ。その上、帯域内に共振がないとなると、市販で手に入り易いマイクロインダクタ等では難しくなります。自分が知る限りではEPCOS社の”VHF向けRFC”と銘打ったものが優秀ですが、こいつが結構でかいんです。



 そもそもコイルという代物はそこそこ大きくても仕方が無いんですが、トロイド状になっていたら取り付けの自由度がもう少し増しますよね。そこで、手巻きの手間は覚悟して適当なコアに巻いてみて、特性を実測しちゃおうと思い立った次第。

 これまでの経験と"トロ活先生”の情報から、#61材では透磁率不足でかなりの巻数が必要でコアが大きくなるため本末転倒、#43材のFB-801-43に巻くのも一考なんですが、透磁率が一足飛びに大きい上に真ん中の穴が小さ過ぎて必要なインダクタンスを得るのが難しくなりますからこれも除外。となると、以前の実験結果で結構イケそうな感触の”秋月コア”をチョイス・・・”TR-10-5-5ED”が今回のターゲットです。

 このコア、径が同じ程度の#43材よりは透磁率は高そうですが、13回巻きで100μH程度ということが判っていて、0.32φのUEWであれば30回程度は巻けそうですから、HFの下端で3KΩのインピーダンスとなる300μH以上にはなるでしょう。そこで、上のスナップの”芋虫”と同じインダクタンスである470μHを中心に巻き数を加減してデータ取り。まずは、25回巻きで凡そ470μHになることが判ったんでインピーダンス特性を採ってみました。



 下の方から見ていくと、2MHz辺りから3KΩを超えてからはHF帯全域に渡ってそれ以上の値になっています。ピークは15MHz辺りであり、ある意味ドンピシャな感じ

 では、このコアに0.32φのUEWを20,25,28回巻き(密巻きで目一杯)とした場合の減衰量を”芋虫”と比べてみました。



 少々見辛いですが、470μH同士の比較では1,2dB差で2MHz辺りまで追随した後、秋月コアの方は減衰がなだらかになります。一方の”芋虫”は流石に優秀で、減衰のピークである15.3MHzに向かってさらに減衰量が大きくなります。そして、秋月コアとしてはどうやら密巻きの限界である28回巻き(608μH)の時が、HF帯全域に渡ってバランスの取れた減衰量になるようです。



 大きさの比較です。基板への実装を想像すると、やはり秋月コアの方が”専有面積”が小さくなるのは明白で、巻き線部分の線材が太いため”芋虫”より大きい電流を流せます(”芋虫”は最大300mAです)から、小さな電力のアンプのRFCとしても使い易いでしょう。
 また、この秋月コアは1個30円、一方の芋虫は200~300円くらいですから、やはり巻き線の手間を覚悟すれば安価にそこそこのRFCが実現できそうです。

急造釣り竿君の様子

2018-05-02      
  昨日は出勤、そして今日からGWの後半突入です。午後からは、とっておきのヘッポコ工作に取り掛かろうと、ケース加工の合わせ込みに両面テープで貼り付けてあった放熱板を外そうとしたらこれがなかなか剥がせず、ちょいと力を入れたはずみで、フィンのエッジで利き手である右手の親指を切ってしまいました。直ぐに手当てしたため大事には至りませんでしたが、流石に続きの作業はできず・・・折角の工作休暇()をロスしてしまいました。そこで、先日のコンテストににわか参戦となった釣り竿君・・・逆Lアンテナの様子などをまとめておきましょう。

 まずは、いきなり全体図を。



 ちと気が早いですが、既に釣り竿君の”Ver2”と銘打ちました。我が家のベランダに張れるアンテナとしては最大級になると思います。

 今回の改良は、元々の垂直エレメント(長さ5.4m)である青線の先端から、新調した竿(6.3m)の先端に向け水色のエレメントを張ったものです。青と水色を足したエレメント全体の長さは10mを超えますから、40mにオンエアする際にはコイルが不要、80mの場合はコイル1で必要なインダクタンスを装荷するだけで良くなります。

 水色の部分の長さは、40mを意識して長さを求めました。MMANAでベランダの構造物(鉄筋)を加味したモデルで計算したら6.4mと算出されたため、これをひとまず採用してコンテストに出場。エントリは80mに絞ったため、コイル1とカップラの合わせ技で上手く運用することができました。

 さぁ、このエレメント延長によるロスの削減(コイルを取っ払う効果)や打上角の様子などについて、MMANAの算出結果を2発。まずは、40mの方から。



 SWRは50Ω基準になっているんで無視するとして、虚数成分が一番小さくなるようにエレメント長を最適化しました。赤が元々の釣り竿くんの特性、青が今回の改良後のものです。

 40mの場合、元々の釣り竿君で凡そ50%の短縮率でしたが、フルサイズ(ちょっとオーバーですが・・・)になったことで0.6dBほどゲインが上がっています。また、水平偏波の成分がグッと小さくなったことが判りますね。
 メインローブの打上角も3度ほど下がるようで、これが本当なら()、よりDX向きになったと言えますね。この辺りは、やはりDXコンテストで確認・・・とは思いますが、毎度CONDXが違うからなぁ

 では、80mはというと・・・



 こちらはゲイン上昇が顕著で、2.8dBほどアップ・・・Sとしては0.5程度の上昇ですが、5WのQRPを10W運用にした程度の改善は見込めます。また、水平成分はスマートになりましたが、打上角は改善なしということのようです。

 それ以外にも、建物の上にエレメントが突出した効果も見込めそうです。いわゆるアンテナに電波が乗った状態で、電流・電圧の”腹"の部分がどこにあるかでいわゆる”飛び”が変わってくるわけですが、これは40m/80m何れも改善が見込めると思います。

 さて、聡明なOM諸氏は”エレメント長”に違和感を感じているかも知れません。垂直・水平エレメントの合計が11.8mということは、(短縮率を加味して)計算上は6.1MHz付近が同調点になりますね。そこで、アンアナで同調周波数を探してみました。



 計算値よりさらに下に同調点がありました。ワイヤーアンテナですから、カップラで整合を取ることを前提に考えれば”長め”の方が扱い易いんですが、どうもカウンターポイズとの分離の悪さに引っ張られている部分もあるようです。次は、バランでも仕込んでみようかな

 ALL JA参戦の際は、新調した竿が仮設だったことや、後半に竿が引っ込んでいたことが後から判った(水平エレメントがキチンと張られていなかった)ことなど、まだ不確定要素がありますから、この辺りをユルユルと改善しながら少し長い目で見ていきたいと思います。
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Author :どよよん無線技士
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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