πC型カップラの誤解
2013-10-16
少し落ち着いたらまとめたいと思っているTYPE-Ⅲの最適化について、実はまだ「未完」なことを含めて、これも覚書しておきます。
以前TYPE-Ⅱを設計している際には「L型ステップダウンとT型ステップアップ」に分解して考えていきましたが、どうやらこれが間違いの素だったようです。結論から述べてしまうと、このπC型カップラでは「π型カップラ+ステップアップ用コンデンサ」という風に設計しないと上手く行かなそうだということです。
ローバンドのマッチングで必要となる比較的低いアンテナ・インピーダンス(これ以降に登場するアンテナ側のインピーダンスは、ひとまず虚数成分を無視します)に整合させる場合、πマッチのC+L(リグから送信された高周波が最初に出会うVC+L)でステップダウンされ、これでアンテナ・インピーダンスとマッチングしてしまえば、後続のC(アンテナ側のL+VC)は実は不要・・・というか邪魔であり、バリコンとしては「一番抜けた状態」、即ち0pFが望ましいわけです。これは正に「LCマッチ」そのものですね。
ところが、普通のバリコン(受信用の数百pFのエアバリ)でローターが抜けきった状態でも、十数pF程度の容量はどうしても残ってしまうため、L型にはならずに回路設計通りに「π型」になるわけです。
すると、0pFになりきらないバリコンと少量のLで「ちょっとステップアップしてしまう」ということになりますが、これと「πCのC」・・・つまり、πマッチの出力に直列接続されたバリコンと、0pFになりきらないバリコン容量との組み合わせでインピーダンス変換が起きてしまうということが判りました。
上記の様子を、備忘図面として貼り付けておきます。

① VC1が抜けた状態で残留する浮遊容量と図面上「黄色」の
部分のLで構成されるインピーダンス変換により、微小な
インピーダンスのステップアップ発生
② これにより若干高めのインピーダンス(Lo Z⇒Lo Z+α)と
なったZiに対し、今度はVC1とVC2の容量比によるステップ
アップが生じる
③ ここで、低いインピーダンスのアンテナに整合するためには、
VC2がかなり大きな値を取る必要がある
実はACAG用に再設計したLの値はこの辺を考慮したつもりだったんですが、机上で「虚数成分のないソリッド抵抗」で実測した場合と、実際に虚数成分を持つであろう「釣り竿君」では差が出てしまうこと、前段の「50Ω⇒Lo Z」で決められたインピーダンスより下げることはできないこと・・・というか、逆にVC1にある浮遊容量のせいで勝手に結構ステップアップしてしまうことから、30Ω程度以上のマッチングが精一杯だということが判ってきました。
落ち着いたらもう少しメスを入れようと思ってはいますが、そもそも初っ端のLCによるステップダウン・・・この部分は、トロイダルコアによる変換の方が(損失の点で)良さそうにも思えてきました。こうなると「TYPE-Ⅳ」への移行も十分に考えられますが、ひとまず今日はこの辺で・・・。
以前TYPE-Ⅱを設計している際には「L型ステップダウンとT型ステップアップ」に分解して考えていきましたが、どうやらこれが間違いの素だったようです。結論から述べてしまうと、このπC型カップラでは「π型カップラ+ステップアップ用コンデンサ」という風に設計しないと上手く行かなそうだということです。
ローバンドのマッチングで必要となる比較的低いアンテナ・インピーダンス(これ以降に登場するアンテナ側のインピーダンスは、ひとまず虚数成分を無視します)に整合させる場合、πマッチのC+L(リグから送信された高周波が最初に出会うVC+L)でステップダウンされ、これでアンテナ・インピーダンスとマッチングしてしまえば、後続のC(アンテナ側のL+VC)は実は不要・・・というか邪魔であり、バリコンとしては「一番抜けた状態」、即ち0pFが望ましいわけです。これは正に「LCマッチ」そのものですね。
ところが、普通のバリコン(受信用の数百pFのエアバリ)でローターが抜けきった状態でも、十数pF程度の容量はどうしても残ってしまうため、L型にはならずに回路設計通りに「π型」になるわけです。
すると、0pFになりきらないバリコンと少量のLで「ちょっとステップアップしてしまう」ということになりますが、これと「πCのC」・・・つまり、πマッチの出力に直列接続されたバリコンと、0pFになりきらないバリコン容量との組み合わせでインピーダンス変換が起きてしまうということが判りました。
上記の様子を、備忘図面として貼り付けておきます。

① VC1が抜けた状態で残留する浮遊容量と図面上「黄色」の
部分のLで構成されるインピーダンス変換により、微小な
インピーダンスのステップアップ発生
② これにより若干高めのインピーダンス(Lo Z⇒Lo Z+α)と
なったZiに対し、今度はVC1とVC2の容量比によるステップ
アップが生じる
③ ここで、低いインピーダンスのアンテナに整合するためには、
VC2がかなり大きな値を取る必要がある
実はACAG用に再設計したLの値はこの辺を考慮したつもりだったんですが、机上で「虚数成分のないソリッド抵抗」で実測した場合と、実際に虚数成分を持つであろう「釣り竿君」では差が出てしまうこと、前段の「50Ω⇒Lo Z」で決められたインピーダンスより下げることはできないこと・・・というか、逆にVC1にある浮遊容量のせいで勝手に結構ステップアップしてしまうことから、30Ω程度以上のマッチングが精一杯だということが判ってきました。
落ち着いたらもう少しメスを入れようと思ってはいますが、そもそも初っ端のLCによるステップダウン・・・この部分は、トロイダルコアによる変換の方が(損失の点で)良さそうにも思えてきました。こうなると「TYPE-Ⅳ」への移行も十分に考えられますが、ひとまず今日はこの辺で・・・。
TYPE-Ⅲは無罪!・・・ただ課題あり
2013-10-08
勝手に「ロスの多いカップラ」のレッテルを貼り、勢いで「ハカイ」したものの、原因がよく解らないために再組み立て・・・というこの活動自体「愚行」というべきものかも知れんが、身を以て知ることを臆するべきでない
などと、高ビーに言い放つつもりはありません。逆に、今回は本当に「アホチャウン、ジブン」を痛感しました
今日は急な外出となり、熟考スペースとして活用している「近距離グリーン車」で、カップラのインピーダンス変換の「素」となるLCマッチについて考えようと、様々なインピーダンス比へのLC変換表(無論、Excelで手作り)をスマホで眺めている内に、漸く問題点が見えてきました。自分の頭の整理と備忘録を兼ね、項に分けて記録しておきます。
◆ 「π型」カップラのインピーダンス変換比は小さいほど有利
π型のインピーダンス変換は「50Ω ⇒ 50Ω未満へ変換 ⇒ それを元に戻す」という営みになります。ここ一連の実験は、「50Ω入力-50Ω出力」というπ型には不得意な組み合わせでロスを論じていますが、コイルやコンデンサの値を自由に選べれば、「50Ω ⇒ 25Ω ⇒ 50Ω」でも良いし、「50Ω ⇒ 49Ω ⇒ 50Ω」でもOK。
しかし、ここであまり大きなインピーダンス変換比にすると損失が大きくなります。例えば上の「25Ω」の方はQが1.0、「49Ω」の方は0.14と、損失の側面で見れば「49Ω」の方が断然優れています。即ち、インピーダンス変換比ができるだけ小さい方がよい・・・と言えます。
◆ 「πC型」の難点・・・インピーダンス変換比が大きくなってしまう
TYPE-Ⅲも一応「π型の亜種」と見立てることができますが、入力側のコンデンサが固定であることから、一旦下がるインピーダンス値は「設計値」として決まってしまい可変できません(ってか、そういう風に作るとですけどね・・・)。ここが、πC型の欠点です。
設計上の「一旦下がるインピーダンス値」を仮に25Ωと決めると、πC型の前段のコンデンサ容量と必要なインダクタンスは自ずと決まります。そして、出力に向かってこのインピーダンス値を基準に調整する必要があるため、接続されるアンテナのインピーダンスが高め・・・例えば75Ωの場合、「25Ω ⇒ 75Ω」という変換が必要・・・折角、入力インピーダンスが50Ωなのに、敢えてロスを上乗せする必要があるわけですね。
◆ 「π型」の自由度
一方、π型の場合はバンド切り換えスイッチの位置を「無視」(←これ、重要
)すれば、かなり小さなインピーダンス変換を行うことができます。
例えば、HF帯のカップラであれば「28MHz帯」のスイッチ位置が最もインダクタンスが小さくなりますが、これでローバンドを上手く整合できれば、殆どロスのない給電が可能です。これは至極当たり前で、無線機とアンテナの間に「高周波は通さねぇぜ
」と頑張る直列接続のインダクタンスが小さければ、自ずとロスも小さくなるということ。言い換えれば、変換比率が小さくなればQも下がりロスが減るというわけです。
◆ 「ロスの多いTYPE-Ⅲ」は濡れ衣だった
さて、今回の「大バカ大賞」は正に直ぐ上の項に書いた「SWRが落ちたときの出力測定」・・・28MHz帯のバンドスイッチでローバンドの整合をKX-1で取ってしまい、これを基準に論じたために恰も「ロスの多いTYPE-Ⅲ」となったわけです。
KX-1で改めてローバンドで測定しようとすると、「50Ω入力-50Ω出力」の整合を当該バンドにスイッチを合わせてもできたのは28MHzだけで、他のバンドは全て上手く整合が取れませんでした
28MHzで整合が取れたのは、それこそ「そろそろVHF帯」であるこのバンド故にカップラ内部の様々な「虚数成分」があったお陰で整合しただけの話。やはり、普通のやり方では「50Ω入力-50Ω出力」という風な芸当はできない・・・勿論、そういう風に設計して各定数を決めてやればできるんでしょうが、そもそもこんな無意味なカップラは作らずに「アンテナと直結」すれば(虚数分云々を除けば)良いわけですよね
◆ 「πC型」の良い点も書いておこう
πC型の良い点は、少なくとも「当該バンドで設計した通りにインピーダンス変換してくれる」というところです。特に意図して設計されたアンテナのインピーダンスは、50Ωからかけ離れた値を取りません(ローバンドに超短いワイヤーとかは別ですよ・・・念のため)から、この辺りが「バンドスイッチ通り」にバッチリ整合できるのは非常に有り難い特長だと思います。メーカー製にもこの回路が採用され易いのは、この辺りが一役買っている気がします。
文章でダラダラ書いてきましたが、詰まるところここ一連の「TYPE-Ⅲのロス疑惑」はひとまず解消され、再組み立てで一皮剥けた「TYPE-ⅢS」(Sって何だ
)も準備できて大、団、円、となれば良かったんですが・・・
◆ 次なる課題は「最適値の見直し」
TYPE-Ⅲは当初、我が設備におけるワイヤー系アンテナの素性が解らなかったため、とにかく「広整合範囲」を重視して設計してしまった嫌いがあります。そこで、釣り竿君のデータ取り直し結果などを踏まえながら、幾ら何でも広範囲過ぎるが故にインダクタンスが大き過ぎのコイルと付随する固定コンデンサ値の見直しが課題です。インダクタンスの最適化は、それこそ「ロスを減らす対策」として有効な気がします。未だ深く検討していませんが、どうやらインダクタンスは半分くらいまで持って行けそうですから、是非とも早く手を染めて・・・ACAGに間に合うのか


今日は急な外出となり、熟考スペースとして活用している「近距離グリーン車」で、カップラのインピーダンス変換の「素」となるLCマッチについて考えようと、様々なインピーダンス比へのLC変換表(無論、Excelで手作り)をスマホで眺めている内に、漸く問題点が見えてきました。自分の頭の整理と備忘録を兼ね、項に分けて記録しておきます。
◆ 「π型」カップラのインピーダンス変換比は小さいほど有利
π型のインピーダンス変換は「50Ω ⇒ 50Ω未満へ変換 ⇒ それを元に戻す」という営みになります。ここ一連の実験は、「50Ω入力-50Ω出力」というπ型には不得意な組み合わせでロスを論じていますが、コイルやコンデンサの値を自由に選べれば、「50Ω ⇒ 25Ω ⇒ 50Ω」でも良いし、「50Ω ⇒ 49Ω ⇒ 50Ω」でもOK。
しかし、ここであまり大きなインピーダンス変換比にすると損失が大きくなります。例えば上の「25Ω」の方はQが1.0、「49Ω」の方は0.14と、損失の側面で見れば「49Ω」の方が断然優れています。即ち、インピーダンス変換比ができるだけ小さい方がよい・・・と言えます。
◆ 「πC型」の難点・・・インピーダンス変換比が大きくなってしまう
TYPE-Ⅲも一応「π型の亜種」と見立てることができますが、入力側のコンデンサが固定であることから、一旦下がるインピーダンス値は「設計値」として決まってしまい可変できません(ってか、そういう風に作るとですけどね・・・)。ここが、πC型の欠点です。
設計上の「一旦下がるインピーダンス値」を仮に25Ωと決めると、πC型の前段のコンデンサ容量と必要なインダクタンスは自ずと決まります。そして、出力に向かってこのインピーダンス値を基準に調整する必要があるため、接続されるアンテナのインピーダンスが高め・・・例えば75Ωの場合、「25Ω ⇒ 75Ω」という変換が必要・・・折角、入力インピーダンスが50Ωなのに、敢えてロスを上乗せする必要があるわけですね。
◆ 「π型」の自由度
一方、π型の場合はバンド切り換えスイッチの位置を「無視」(←これ、重要

例えば、HF帯のカップラであれば「28MHz帯」のスイッチ位置が最もインダクタンスが小さくなりますが、これでローバンドを上手く整合できれば、殆どロスのない給電が可能です。これは至極当たり前で、無線機とアンテナの間に「高周波は通さねぇぜ

◆ 「ロスの多いTYPE-Ⅲ」は濡れ衣だった

さて、今回の「大バカ大賞」は正に直ぐ上の項に書いた「SWRが落ちたときの出力測定」・・・28MHz帯のバンドスイッチでローバンドの整合をKX-1で取ってしまい、これを基準に論じたために恰も「ロスの多いTYPE-Ⅲ」となったわけです。
KX-1で改めてローバンドで測定しようとすると、「50Ω入力-50Ω出力」の整合を当該バンドにスイッチを合わせてもできたのは28MHzだけで、他のバンドは全て上手く整合が取れませんでした

28MHzで整合が取れたのは、それこそ「そろそろVHF帯」であるこのバンド故にカップラ内部の様々な「虚数成分」があったお陰で整合しただけの話。やはり、普通のやり方では「50Ω入力-50Ω出力」という風な芸当はできない・・・勿論、そういう風に設計して各定数を決めてやればできるんでしょうが、そもそもこんな無意味なカップラは作らずに「アンテナと直結」すれば(虚数分云々を除けば)良いわけですよね

◆ 「πC型」の良い点も書いておこう
πC型の良い点は、少なくとも「当該バンドで設計した通りにインピーダンス変換してくれる」というところです。特に意図して設計されたアンテナのインピーダンスは、50Ωからかけ離れた値を取りません(ローバンドに超短いワイヤーとかは別ですよ・・・念のため)から、この辺りが「バンドスイッチ通り」にバッチリ整合できるのは非常に有り難い特長だと思います。メーカー製にもこの回路が採用され易いのは、この辺りが一役買っている気がします。
文章でダラダラ書いてきましたが、詰まるところここ一連の「TYPE-Ⅲのロス疑惑」はひとまず解消され、再組み立てで一皮剥けた「TYPE-ⅢS」(Sって何だ


◆ 次なる課題は「最適値の見直し」
TYPE-Ⅲは当初、我が設備におけるワイヤー系アンテナの素性が解らなかったため、とにかく「広整合範囲」を重視して設計してしまった嫌いがあります。そこで、釣り竿君のデータ取り直し結果などを踏まえながら、幾ら何でも広範囲過ぎるが故にインダクタンスが大き過ぎのコイルと付随する固定コンデンサ値の見直しが課題です。インダクタンスの最適化は、それこそ「ロスを減らす対策」として有効な気がします。未だ深く検討していませんが、どうやらインダクタンスは半分くらいまで持って行けそうですから、是非とも早く手を染めて・・・ACAGに間に合うのか

TYPE-Ⅲを丁寧に復活させてみた
2013-10-07
おいおい、遊んでんのかい
遊んでるんですが、何か
・・・と若干古めのギャグをかましつつ、カップラの減衰の原因に迫るべく、酔狂にも一度「ハカイ」したTYPE-Ⅲを丁寧に組み直してみました。まるでキットの組み立てのよう
気になっていた箇所は主にケースのグランド周り。このケース(TAKACHI UC14-6-10)はスマートで加工し易く素敵なんですが、上下の蓋のスリットに前後のパネルを差し込んで挟む構造であり、要はこのままでは「筐体全体の導通」があまり良くありません。再組み立てにあたり、蓋とパネルをショートさせる箇所を増やし、このボックス全体が「金属でシールドされた箱」になるように手を加え、全体として「大人しくなる」ように小細工をした次第。
もし、減衰の主原因が「浮遊容量等による内部SWRの暴れ」(ちょっと、説明文としてはイケてませんが、ニュアンスは伝わるでしょう)だったら、グランド周りが強化されれば、ある程度落ち着くんじゃないかなぁ・・・という「邪推」でもあります。

まずは、Mコネのグランドから伸びたスズメッキ線を分岐させ、アンテナのアース端子の際でグランドが取れるようにし、かつ下蓋とのグランド接続部分を2カ所に増やしました。
つまり「ハカイ前」は、丸囲みしていないMコネの手前のラグ板との接続が唯一のグランド接続だったんです・・・ちょっとお粗末でしょ

ロータリースイッチの骨格となる金属枠も前面パネルにネジでしっかり固定されますから、前面パネルがきちんと「グランド化」すれば、この枠をグランドとしても良好。そこで、ロータリースイッチの金属枠をヤスリで削ってハンダメッキし、スズメッキ線を張り出して「マイカコン軍団のグランド基地」にしました。

肝心の前面パネル・・・ここは、右に見える二連バリコンのローター側がグランドになるため、単純に組み上げると、背面のMコネからの「グランド線一本」で、かつ「バリコン経由」で接続されてしまいます。そこで、下蓋との接続を補助すべくタマゴラグを使って成形後にハンダで固定することにしました。お陰で、前面パネルが「片えくぼ」になりました

TYPE-Ⅲのオマケ機能たる背面のバリコン切り換えの部分も造作が雑だったため、できるだけ小さくして不要な浮遊容量を排除。
さぁ、ここまで頑張ったんですから、何かしらの変化があっても良さそうですよね・・・早速、計測結果を。
1.8MHzは、実験中ですので未接続としましたが、うーん、前回測定結果と殆ど変わらないという有様です。14MHzに至ってはかなり落ちてる・・・ちょっとがっかりですね
ただ、大きく異なるのが背面SWの状態・・・14MHzを除き、全てノーマル位置で整合が取れるようになりました。実はこれ、前回測定時の謎だったんですが、この部分はスッキリしました。
また、右側の単連バリコンはグランドから浮いていて、いつも手を近づけるとかなり影響が出ていたんですが、明らかにこれが軽減されて調整し易くなりました。グランド強化の勝利でしょう
結局、浮遊容量に代表される「SWRの暴れ」のような部分での減衰ではない・・・という切り分けはできました。が、実はこの後、原因が分かっちゃいました
次の記事に詳説しますが、またもや「おバカ」を晒すことになるんです・・・。



気になっていた箇所は主にケースのグランド周り。このケース(TAKACHI UC14-6-10)はスマートで加工し易く素敵なんですが、上下の蓋のスリットに前後のパネルを差し込んで挟む構造であり、要はこのままでは「筐体全体の導通」があまり良くありません。再組み立てにあたり、蓋とパネルをショートさせる箇所を増やし、このボックス全体が「金属でシールドされた箱」になるように手を加え、全体として「大人しくなる」ように小細工をした次第。
もし、減衰の主原因が「浮遊容量等による内部SWRの暴れ」(ちょっと、説明文としてはイケてませんが、ニュアンスは伝わるでしょう)だったら、グランド周りが強化されれば、ある程度落ち着くんじゃないかなぁ・・・という「邪推」でもあります。

まずは、Mコネのグランドから伸びたスズメッキ線を分岐させ、アンテナのアース端子の際でグランドが取れるようにし、かつ下蓋とのグランド接続部分を2カ所に増やしました。
つまり「ハカイ前」は、丸囲みしていないMコネの手前のラグ板との接続が唯一のグランド接続だったんです・・・ちょっとお粗末でしょ


ロータリースイッチの骨格となる金属枠も前面パネルにネジでしっかり固定されますから、前面パネルがきちんと「グランド化」すれば、この枠をグランドとしても良好。そこで、ロータリースイッチの金属枠をヤスリで削ってハンダメッキし、スズメッキ線を張り出して「マイカコン軍団のグランド基地」にしました。

肝心の前面パネル・・・ここは、右に見える二連バリコンのローター側がグランドになるため、単純に組み上げると、背面のMコネからの「グランド線一本」で、かつ「バリコン経由」で接続されてしまいます。そこで、下蓋との接続を補助すべくタマゴラグを使って成形後にハンダで固定することにしました。お陰で、前面パネルが「片えくぼ」になりました


TYPE-Ⅲのオマケ機能たる背面のバリコン切り換えの部分も造作が雑だったため、できるだけ小さくして不要な浮遊容量を排除。
さぁ、ここまで頑張ったんですから、何かしらの変化があっても良さそうですよね・・・早速、計測結果を。
MHz | 50Ω | 背面SW | 備考 |
14.0 | 0.046 | R | |
10.1 | 0.066 | N | |
7.0 | 0.062 | N | |
3.5 | 0.064 | N | |
1.8 | - | - | 未接続 |
1.8MHzは、実験中ですので未接続としましたが、うーん、前回測定結果と殆ど変わらないという有様です。14MHzに至ってはかなり落ちてる・・・ちょっとがっかりですね

ただ、大きく異なるのが背面SWの状態・・・14MHzを除き、全てノーマル位置で整合が取れるようになりました。実はこれ、前回測定時の謎だったんですが、この部分はスッキリしました。
また、右側の単連バリコンはグランドから浮いていて、いつも手を近づけるとかなり影響が出ていたんですが、明らかにこれが軽減されて調整し易くなりました。グランド強化の勝利でしょう

結局、浮遊容量に代表される「SWRの暴れ」のような部分での減衰ではない・・・という切り分けはできました。が、実はこの後、原因が分かっちゃいました

カップラの内部ロスの考察開始
2013-10-06
あまり理詰めで考えていくと、却って何やら怪しげな方向に陥ってしまうことがあります。今回は、既に「ハカイ」されたTYPE-Ⅲ、ちょっと早まったかも知れないなぁ・・・というオッチョコチョイなお話になっちゃうかも
例によって鋭いツッコミでお世話になっている「コメント主さん」(もう、「主」になってくれていいや
)から、TYPE-Ⅲハカイ工作の記事にコメントを貰いました。「観点がちょっと違うんじゃない
」的なものだったんですが、既に「ハカイ後」だったこともあって、何か理屈っぽいことのせいにしようとひとまずコメント返し。できるだけ理論的に考えたい・・・まぁ、その方がカッチョイイもんなぁという稚拙さ丸出しで記したものの、昨日の朝起きて改めて考えたら、確かに「脇があまい」というかもう少し広範囲に見直した方が良いなぁ・・・と思い直し、ゴミ出しを終えてから原点回帰(
)しました。
そもそも、TYPE-Ⅲのロスについては、やれコイルのQだの無茶なインピーダンス変換だのという前に、「物理的に生じるロス」という観点も必要。例えば、コネクタ周りの極端なインピーダンスの乱れやロータリースイッチの接触など、結構考えられる要素が残っています。
一方、クラニシ君@SGの出力を自作のローレベル・パワー計で測り、「0.01V」という言わば「誤差」のような部分を論じていることも、よく考えてみればちょっと些末過ぎかも・・・
ただ、やはりロスはロスとして少しでも減らしたいというのが心情・・・。
詰まるところ、どうしてKX-1の方が明らかに減衰量が少ないのか・・・同じような回路構成&部品構成なのに「減衰が少ない」となるのか・・・ここがポイントですから、この辺りを明確にしていけばよいというところに落ち着き、ある「思い付き実験」を敢行。
まずは、スカスカになったTYPE-Ⅲのケースをただのスルーの状態で入出力をつなぎ、SWRの暴れがあるのか見てみました。周波数は14MHz。TYPE-Ⅲの挿入ロスが「0.072V⇒0.057V」と、一番大きかったバンドです。

無論、この写真の結果は「想定通り」です。ちょっとしたインピーダンスの暴れで、最下桁に影響が出るのは想像の範囲です。
ここで、わざともう少し「配線の具合」を実際にカップラとして組み上がったイメージにすべく、Mコネのホット側とアンテナ端子のホット側をつないでいる線を、ケースから離れるように曲げてみました。線長は同じです。

曲げた様子は青矢印の部分に写っていますが、ケースから浮かせたような状態になっています。0.002V落ちているのは一目瞭然、そして目立たないんですがSWRが1.05⇒1.15に上がっているのが判ります(黄色囲みに注目してください)。
HF帯と言えど、もっと高い周波数・・・10m付近では、こうした浮遊容量に纏わるようなミスマッチが顕在化することは解っていたつもりですが、14MHzあたりでも「空中配線の悪戯」が案外バカにならないということが解りました。TYPE-Ⅲは流石にこれよりもっと複雑ですし、この狭いケースの中で浮遊容量がもっと大きくなる箇所が、それも複数箇所あってもおかしくないわけで、この辺りをできるだけ押さえ付けてやるような作りにした上で、コイルのQや変換ロスなどの吟味をしないと何を追求しているのか解らなくなるぞ・・・これだけはハッキリしました。
こうなると、分解してしまったTYPE-Ⅲを元通りに組み立て直しながら、インピーダンス暴れのボトルネックになっている部分探しをしていくのも「カップラ作りを知る」という意味で興味が湧いてきます。まずは、πC型カップラに入ってきた高周波が最初に出会う「コンデンサ」が直ぐお隣の「コイル」と協力して行うLCマッチによるインピーダンスを下げる部分までの間に、どんな挙動が見て取れるか、実験してみようと思います。

例によって鋭いツッコミでお世話になっている「コメント主さん」(もう、「主」になってくれていいや



そもそも、TYPE-Ⅲのロスについては、やれコイルのQだの無茶なインピーダンス変換だのという前に、「物理的に生じるロス」という観点も必要。例えば、コネクタ周りの極端なインピーダンスの乱れやロータリースイッチの接触など、結構考えられる要素が残っています。
一方、クラニシ君@SGの出力を自作のローレベル・パワー計で測り、「0.01V」という言わば「誤差」のような部分を論じていることも、よく考えてみればちょっと些末過ぎかも・・・

詰まるところ、どうしてKX-1の方が明らかに減衰量が少ないのか・・・同じような回路構成&部品構成なのに「減衰が少ない」となるのか・・・ここがポイントですから、この辺りを明確にしていけばよいというところに落ち着き、ある「思い付き実験」を敢行。
まずは、スカスカになったTYPE-Ⅲのケースをただのスルーの状態で入出力をつなぎ、SWRの暴れがあるのか見てみました。周波数は14MHz。TYPE-Ⅲの挿入ロスが「0.072V⇒0.057V」と、一番大きかったバンドです。

無論、この写真の結果は「想定通り」です。ちょっとしたインピーダンスの暴れで、最下桁に影響が出るのは想像の範囲です。
ここで、わざともう少し「配線の具合」を実際にカップラとして組み上がったイメージにすべく、Mコネのホット側とアンテナ端子のホット側をつないでいる線を、ケースから離れるように曲げてみました。線長は同じです。

曲げた様子は青矢印の部分に写っていますが、ケースから浮かせたような状態になっています。0.002V落ちているのは一目瞭然、そして目立たないんですがSWRが1.05⇒1.15に上がっているのが判ります(黄色囲みに注目してください)。
HF帯と言えど、もっと高い周波数・・・10m付近では、こうした浮遊容量に纏わるようなミスマッチが顕在化することは解っていたつもりですが、14MHzあたりでも「空中配線の悪戯」が案外バカにならないということが解りました。TYPE-Ⅲは流石にこれよりもっと複雑ですし、この狭いケースの中で浮遊容量がもっと大きくなる箇所が、それも複数箇所あってもおかしくないわけで、この辺りをできるだけ押さえ付けてやるような作りにした上で、コイルのQや変換ロスなどの吟味をしないと何を追求しているのか解らなくなるぞ・・・これだけはハッキリしました。
こうなると、分解してしまったTYPE-Ⅲを元通りに組み立て直しながら、インピーダンス暴れのボトルネックになっている部分探しをしていくのも「カップラ作りを知る」という意味で興味が湧いてきます。まずは、πC型カップラに入ってきた高周波が最初に出会う「コンデンサ」が直ぐお隣の「コイル」と協力して行うLCマッチによるインピーダンスを下げる部分までの間に、どんな挙動が見て取れるか、実験してみようと思います。
さよなら、TYPE-Ⅲ・・・
2013-10-03
まぁた、ここのブログ主は、コンテスト前の土壇場に何かをやらかすわけです・・・。
今日は午前中ギリギリまでの用事があり、結局「ええぃ、面倒だ」と休暇にしてしまいました。予想より若干時間が押して13時半過ぎから手が空いたため、TYPE-Ⅲの改良を始めました。何が気に入らなかったかというと、このカップラ自身の「挿入ロス」が案外大きいこと。これは、ひょっとすると「コイルのQが思ったほど高く取れていないんだな」と思ったのが始まりです。
このロスの検証は、例によってクラニシ君@SGの-3dBm程(50Ω終端で0.077V0.074V)の出力がどのくらい減衰して出てくるのかを測定することで行いました。
※25Ωは、ミニ・パワー計に51Ωの抵抗パラ接続⇒参考計測
背面SWは、低インピになり易いローバンドのLWを意識して付けた「TYPE-Ⅲのオマケ機能」です(Rがその設定)。まずまず快調に動いていたんでこれはこれで良かったわけですが、上表のように50Ω終端時の減衰量が案外バカになりません。このカップラのメイン作業である「80/40/20mのマッチング」について、-1dB程ロスっていることになります。まぁ、針2本分くらい(
)ではありますが、QRP5W運用が「3.9W」の実効出力になってしまう・・・このことがみすみす解っているのが気持ち悪く、もう一つのカップラであるKX-1(MIZUHOの古いカップラ)で同じことをしてみたら・・・表にはしませんが160mを除いて0.071~0.074V程度と、Mコネ接続分くらいのロスに収まっているんです
そこで、あまり深く考えずに「コイルのコアを替えてみよう」と思いついて、超大型の「T-200-6」を手に入れ、早速元のT106-2と換装・・・ところが、全然数値が変わらずガッカリ
こうなると、MIZUHOのカップラでも十分行けていることが判っていますから、自作カップラはさらなる進化を遂げるべき時が来た
ということにし、コンセプトの再設定をすることに。流石に、同じタイプの「π型」では意味無いんで、夕方1Hほど考えました。
カップラの役割は、「インピーダンス変換」と「虚数部分の打ち消し」に分けて考えることができます。これまで、前者の方は「なるべく整合範囲を広くすると優れもの」みたいに思っていましたが、アンアナ54号君の登場で「ベランダアンテナ群の挙動」が解ってくるにつけ、何もそんなに広範な整合範囲は要らない・・・と思えてきました。これは当たり前のことで、「闇雲にぶら下げたワイヤーに何とか電波を乗せたい」というニーズに応えるものではなく、「波長や周辺物の影響を考慮し、単体でもある程度共振しているワイヤーに電波を乗せたい」というのが正解。ということは、カップラに要求されるコンセプトも「SWR2,3くらいの範囲」・・・15Ωから150Ω程度のインピーダンスが50Ωにマッチングするようなもので十分なわけです。
後者においては流石に見切れない部分はあるものの、電気的に長めのワイヤーを準備することでインダクティブな方に持っていき、虚数分をコンデンサで打ち消すというのが簡単に調整できる手段でしょう。
つまり、「ベランダが全て・・・時々、釣り竿ニョキリ」の運用形態では、TYPE-Ⅲの極端な整合範囲は無意味なこと、逆に「SWR2~3以内インピーダンス変換+リアクタンス打ち消し」という格好で、あまりコイルのQが高くならないような設計・・・これが答えになるんじゃないかな
・・・という結論です。MIZUHOのカップラが動いてくれるお陰で、もし万一、この改造がACAGに間に合わなくてもあまり困りそうにないため、ここは「いつ作るの
今でしょ
」のノリで、またしてもブログネタになりそうなカップラ製作に取り掛かることにしました

既にぶっ壊しちゃったTYPE-Ⅲ・・・お役目ご苦労さん。っていうか、最近ちょっと「ハカイダー」って、わ~っ古
修正 2013/10/05
クラニシ君@SGの最大出力が記入ミス・・・修正しました。ちなみに、HFの下の方が0.74V、上の方が0.71Vであり、KX-1はそれがほぼそのまま出てくる感じ。上表は、同じ測定方法での差異ですから、やはり1dB程度の減衰が見て取れます。
今日は午前中ギリギリまでの用事があり、結局「ええぃ、面倒だ」と休暇にしてしまいました。予想より若干時間が押して13時半過ぎから手が空いたため、TYPE-Ⅲの改良を始めました。何が気に入らなかったかというと、このカップラ自身の「挿入ロス」が案外大きいこと。これは、ひょっとすると「コイルのQが思ったほど高く取れていないんだな」と思ったのが始まりです。
このロスの検証は、例によってクラニシ君@SGの-3dBm程(50Ω終端で
MHz | 50Ω | 25Ω | 背面SW | 備考 |
14.0 | 0.057 | 0.024 | R | |
10.1 | 0.066 | 0.029 | R | |
7.0 | 0.064 | 0.026 | R | |
3.5 | 0.064 | 0.026 | R/N | |
1.8 | 0.066 | 0.020 | N | SWR:1.7 |
背面SWは、低インピになり易いローバンドのLWを意識して付けた「TYPE-Ⅲのオマケ機能」です(Rがその設定)。まずまず快調に動いていたんでこれはこれで良かったわけですが、上表のように50Ω終端時の減衰量が案外バカになりません。このカップラのメイン作業である「80/40/20mのマッチング」について、-1dB程ロスっていることになります。まぁ、針2本分くらい(


そこで、あまり深く考えずに「コイルのコアを替えてみよう」と思いついて、超大型の「T-200-6」を手に入れ、早速元のT106-2と換装・・・ところが、全然数値が変わらずガッカリ

こうなると、MIZUHOのカップラでも十分行けていることが判っていますから、自作カップラはさらなる進化を遂げるべき時が来た

カップラの役割は、「インピーダンス変換」と「虚数部分の打ち消し」に分けて考えることができます。これまで、前者の方は「なるべく整合範囲を広くすると優れもの」みたいに思っていましたが、アンアナ54号君の登場で「ベランダアンテナ群の挙動」が解ってくるにつけ、何もそんなに広範な整合範囲は要らない・・・と思えてきました。これは当たり前のことで、「闇雲にぶら下げたワイヤーに何とか電波を乗せたい」というニーズに応えるものではなく、「波長や周辺物の影響を考慮し、単体でもある程度共振しているワイヤーに電波を乗せたい」というのが正解。ということは、カップラに要求されるコンセプトも「SWR2,3くらいの範囲」・・・15Ωから150Ω程度のインピーダンスが50Ωにマッチングするようなもので十分なわけです。
後者においては流石に見切れない部分はあるものの、電気的に長めのワイヤーを準備することでインダクティブな方に持っていき、虚数分をコンデンサで打ち消すというのが簡単に調整できる手段でしょう。
つまり、「ベランダが全て・・・時々、釣り竿ニョキリ」の運用形態では、TYPE-Ⅲの極端な整合範囲は無意味なこと、逆に「SWR2~3以内インピーダンス変換+リアクタンス打ち消し」という格好で、あまりコイルのQが高くならないような設計・・・これが答えになるんじゃないかな





既にぶっ壊しちゃったTYPE-Ⅲ・・・お役目ご苦労さん。っていうか、最近ちょっと「ハカイダー」って、わ~っ古

修正 2013/10/05
クラニシ君@SGの最大出力が記入ミス・・・修正しました。ちなみに、HFの下の方が0.74V、上の方が0.71Vであり、KX-1はそれがほぼそのまま出てくる感じ。上表は、同じ測定方法での差異ですから、やはり1dB程度の減衰が見て取れます。
現時点の形は最終形!?
2012-11-23
TYPE-Ⅲはローバンド用のカップラなのに80mで動かないという何とも情けないACAGでの結果だったわけですが、その後Ver1.3と1.4を考案し、何となく理に適っていそうなVer1.3の方を採用して既に直してあります。その後試してはいないんですが、明日からのWW DX CWの20mと40mで、再度このカップラの真価を試そうという魂胆です。

トグルスイッチによるバリコン接続順の変更なんでちょっと配線も妙な具合ですが、ローインピの方にスイッチを倒すと50Ω以下にも整合範囲がかなり拡がっています(ステップダウンのイメージです・・・Ver1.3の回路図を見ると解ります)。
明日のコンテストでは、釣り竿アンテナ(5.1mのLW)で20mはそのまま、40mはちょっと工夫して波を乗せちゃおうという魂胆でいますので、10-50Ω辺りの整合可否が勝負になります。これで上手くいけば、ひとまず「TYPE-Ⅲは完成」としたいなぁ

トグルスイッチによるバリコン接続順の変更なんでちょっと配線も妙な具合ですが、ローインピの方にスイッチを倒すと50Ω以下にも整合範囲がかなり拡がっています(ステップダウンのイメージです・・・Ver1.3の回路図を見ると解ります)。
明日のコンテストでは、釣り竿アンテナ(5.1mのLW)で20mはそのまま、40mはちょっと工夫して波を乗せちゃおうという魂胆でいますので、10-50Ω辺りの整合可否が勝負になります。これで上手くいけば、ひとまず「TYPE-Ⅲは完成」としたいなぁ

これも有りかな?
2012-10-10
こんなのも有りかな?
2012-10-09
別にヤケクソになったわけではありませんが、インピーダンス変換機能の敗北(なの
)をあっさり認めても、ローインピーダンスに対する整合には何故か燃えるわけです
これは、そろそろ想像に難くない「太陽黒点の長期減少」(別に望んでるわけでもないし、勿論天文学者でもないですよ・・・って、おい
)を想定すると、例えアパマンハムであってもローバンドへオンエアしたくなる・・・となると、数Ωを相手にしなければならないことはきっと茶飯事になるでしょう。然るに、今の内からローインピーダンスに慣れておくことも必要かと。
勿論、スーパーラドやEHアンテナなどの「電磁誘導系」(って、まとめていいのか
)の原理応用で凌ぐ方法はあれど、それなりの長さのワイヤーに電波を乗せる「技」も磨いておきたいところ・・・というわけで、TYPE-Ⅲの改良を進めようと思います。
80mへのオンエアは「インピーダンス変換スルー&紫コイル」(この紫コイル、そろそろきちんと整形しようかな・・・)でいける目処が立ちましたから、TYPE-Ⅲの落とし処を見つければよいわけで、フェライトコアを用いた場合の挙動を探っていく一方で、もう1つの方法・・・コンデンサ分割によるインピーダンス変換にもスポットを当ててみたくなりました。

何かアンテナ側の回路図がちょい複雑怪奇なのはまぁいいとして、トグルスイッチによる切替で「二連バリコン+主にインダクタンス殺し」と「二連バリコン+主に低いインピーダンスへの整合」という組み合わせを想定・・・まあ、強調した表現ですが、要は整合範囲を上下に取るための構想です。
TYPE-Ⅲ自体はそれなりにきちんと作りましたから、上記回路への変更は容易です。お手軽実験のネタとしては、案外面白いかも知れませんね



勿論、スーパーラドやEHアンテナなどの「電磁誘導系」(って、まとめていいのか

80mへのオンエアは「インピーダンス変換スルー&紫コイル」(この紫コイル、そろそろきちんと整形しようかな・・・)でいける目処が立ちましたから、TYPE-Ⅲの落とし処を見つければよいわけで、フェライトコアを用いた場合の挙動を探っていく一方で、もう1つの方法・・・コンデンサ分割によるインピーダンス変換にもスポットを当ててみたくなりました。

何かアンテナ側の回路図がちょい複雑怪奇なのはまぁいいとして、トグルスイッチによる切替で「二連バリコン+主にインダクタンス殺し」と「二連バリコン+主に低いインピーダンスへの整合」という組み合わせを想定・・・まあ、強調した表現ですが、要は整合範囲を上下に取るための構想です。
TYPE-Ⅲ自体はそれなりにきちんと作りましたから、上記回路への変更は容易です。お手軽実験のネタとしては、案外面白いかも知れませんね

なぜ80mの電波が乗らなかったのか?
2012-10-09
篠突く雨と暗闇、ベランダとは言え飛んでくる雨粒に冷たい風・・・尋常な人間なら、こんな場面で「上着」を着るはずが、この男はランニングに半ズボン・・・と、自分の一昨晩の姿を振り返っても仕方がないのですが、「落ち着いて考えよう」と少し冷静になれば、もしかしたらあと10局くらいは80mのQSO数は伸びていたかも知れません
さっき気づいたら、夕方には確かに洗濯物天国だったベランダがスッカラカンに・・・そりゃそうだ、この季節の夜に干し物を出しておくと、夜露で湿っちゃう・・・家人が片付けたってわけです。そこで早速、ACAGのしくじりである「80mの不具合」の検証作業へ。被疑は「TYPE-Ⅲのインピーダンス変換機能の誤用」です。TYPE-Ⅲの裏面スイッチが「上」であることを再確認し、間違えぬようビニテで作った△マークまで貼り付け、機材一式を持ってベランダへ。
まずはインピーダンス変換「無し」の状態で80mの位置にロータリースイッチを合わせ、2つのバリコンを操作したのですが、ディップ点はあるもののSWRは下がりきらず・・・。そこで160mの方にスイッチを切り替えて同様に操作すると、SWR=1.8くらいまで落ちる場所は見つけたのですが、やはり完全な同調には至らず終い。一体、今まで何を見ていたんだろう・・・と少しがっかりするも、やはり「インピーダンス変換のスイッチの上下の誤解」が一因・・・これは、「乗せられないのか」の記事の方に書きましたが、やはり悪さをしてそうだと一先ず整理。
それでは・・・と、インピーダンス変換「有り」の方に倒して(つまり、裏面のスイッチを「下」)にして確認すると、80m/160mの双方で見事にマッチング位置が見つかりました。即ち、一昨晩の状態の再現です。この状態でリグまで戻って5Wでキャリア送信・・・すると、これも一昨晩と同じようにほぼ「全反射」の状態になりました
さぁ、これで事情は大体飲み込めたため、インピーダンス変換をスルーの状態に戻してから得意の「紫コイル」をアンテナとの間に接続。ちょいとローディングしてやると、インピーダンス変換無しでも整合する点を発見。リグの前に戻ってキャリア送信するとSWR=1.3程度・・・あっさり落ちました。やっぱりね
もし、一昨晩にここまでやる余裕があれば・・・なんですが、何故そうしなかったかというと、実は「TYPE-Ⅱとのサヨナラ実験」の際に、ステルス君を単体でLWに見立てたら共振点が3.2MHzと実測されたため、アンテナとして電気的には長い・・・インダクティブなため、さらなる延長コイルによるローディングは不要と決めつけてしまったからです。おまけに、この実験では「短縮コンデンサのみでSWR=1.3」という事実も目の当たりにしたため、そのインパクト故にそちらへの思考を止めてしまったことが原因です。その上で、インピーダンス変換スイッチ位置の記憶違いという2つの理由が重なり、解決まで持って行かれなかったという顛末。
こうなると、折角のインイーダンス変換は「ちょっとヤバい機能」と言えそうです。
机上の実測結果に照らして考えると、多分このアンテナのインピーダンスは31.4Ωより低く(80mの整合範囲の最下端より下)、1.9Ωより上(160mの整合範囲の最下端より上)ということになり、これを1:9で持ち上げて整合を取っているような状態。例えば、仮にアンテナのインピーダンスを30Ωと仮定すると、1:9の変換で270Ωとの整合・・・ということで、まぁそんなにどうってことは無さそうなんですが、TYPE-Ⅲの回路図をよく見てみると、リアクタンス成分を打ち消す役目を持つアンテナと直列のコンデンサ(350pF単連)・・・こいつの位置がここでは不味いような気がしてきました。
πC型の場合、アンテナと直列のコンデンサには2つの役割があります。1つはリアクタンス成分の打ち消しですが、もう一つは、このコンデンサと接続されているπ型の片端のコンデンサとの容量比率によるインピーダンス変換です。
TYPE-Ⅲの場合、後者の機能・・・つまり容量比によるインピーダンス変換は動きますが、アンテナのリアクタンス成分を消すという働きがトリファイラ巻きのコイルに阻害される・・・他にも悪影響が考えられそうですが、少なくともこのリアクタンス成分打ち消しはまともに動いていない可能性がありますね・・・。
インピーダンス変換のコイル位置をπ型の出力位置にし、350pFのコンデンサはとにかくアンテナと直結になるようにする・・・これが正解のような気がします。
実に長い道のりですがこれも実験課題とし、答えが見つかるまでは「インピーダンス変換はスルー」・・・これでいきたいと思います。

さっき気づいたら、夕方には確かに洗濯物天国だったベランダがスッカラカンに・・・そりゃそうだ、この季節の夜に干し物を出しておくと、夜露で湿っちゃう・・・家人が片付けたってわけです。そこで早速、ACAGのしくじりである「80mの不具合」の検証作業へ。被疑は「TYPE-Ⅲのインピーダンス変換機能の誤用」です。TYPE-Ⅲの裏面スイッチが「上」であることを再確認し、間違えぬようビニテで作った△マークまで貼り付け、機材一式を持ってベランダへ。
まずはインピーダンス変換「無し」の状態で80mの位置にロータリースイッチを合わせ、2つのバリコンを操作したのですが、ディップ点はあるもののSWRは下がりきらず・・・。そこで160mの方にスイッチを切り替えて同様に操作すると、SWR=1.8くらいまで落ちる場所は見つけたのですが、やはり完全な同調には至らず終い。一体、今まで何を見ていたんだろう・・・と少しがっかりするも、やはり「インピーダンス変換のスイッチの上下の誤解」が一因・・・これは、「乗せられないのか」の記事の方に書きましたが、やはり悪さをしてそうだと一先ず整理。
それでは・・・と、インピーダンス変換「有り」の方に倒して(つまり、裏面のスイッチを「下」)にして確認すると、80m/160mの双方で見事にマッチング位置が見つかりました。即ち、一昨晩の状態の再現です。この状態でリグまで戻って5Wでキャリア送信・・・すると、これも一昨晩と同じようにほぼ「全反射」の状態になりました

さぁ、これで事情は大体飲み込めたため、インピーダンス変換をスルーの状態に戻してから得意の「紫コイル」をアンテナとの間に接続。ちょいとローディングしてやると、インピーダンス変換無しでも整合する点を発見。リグの前に戻ってキャリア送信するとSWR=1.3程度・・・あっさり落ちました。やっぱりね

もし、一昨晩にここまでやる余裕があれば・・・なんですが、何故そうしなかったかというと、実は「TYPE-Ⅱとのサヨナラ実験」の際に、ステルス君を単体でLWに見立てたら共振点が3.2MHzと実測されたため、アンテナとして電気的には長い・・・インダクティブなため、さらなる延長コイルによるローディングは不要と決めつけてしまったからです。おまけに、この実験では「短縮コンデンサのみでSWR=1.3」という事実も目の当たりにしたため、そのインパクト故にそちらへの思考を止めてしまったことが原因です。その上で、インピーダンス変換スイッチ位置の記憶違いという2つの理由が重なり、解決まで持って行かれなかったという顛末。
こうなると、折角のインイーダンス変換は「ちょっとヤバい機能」と言えそうです。
机上の実測結果に照らして考えると、多分このアンテナのインピーダンスは31.4Ωより低く(80mの整合範囲の最下端より下)、1.9Ωより上(160mの整合範囲の最下端より上)ということになり、これを1:9で持ち上げて整合を取っているような状態。例えば、仮にアンテナのインピーダンスを30Ωと仮定すると、1:9の変換で270Ωとの整合・・・ということで、まぁそんなにどうってことは無さそうなんですが、TYPE-Ⅲの回路図をよく見てみると、リアクタンス成分を打ち消す役目を持つアンテナと直列のコンデンサ(350pF単連)・・・こいつの位置がここでは不味いような気がしてきました。
πC型の場合、アンテナと直列のコンデンサには2つの役割があります。1つはリアクタンス成分の打ち消しですが、もう一つは、このコンデンサと接続されているπ型の片端のコンデンサとの容量比率によるインピーダンス変換です。
TYPE-Ⅲの場合、後者の機能・・・つまり容量比によるインピーダンス変換は動きますが、アンテナのリアクタンス成分を消すという働きがトリファイラ巻きのコイルに阻害される・・・他にも悪影響が考えられそうですが、少なくともこのリアクタンス成分打ち消しはまともに動いていない可能性がありますね・・・。
インピーダンス変換のコイル位置をπ型の出力位置にし、350pFのコンデンサはとにかくアンテナと直結になるようにする・・・これが正解のような気がします。
実に長い道のりですがこれも実験課題とし、答えが見つかるまでは「インピーダンス変換はスルー」・・・これでいきたいと思います。
なぜ80mの電波が乗せられないのか?
2012-10-08
件名の通り、今年のACAGの目玉でもあった「TYPE-Ⅲデビュー」が見事に失敗・・・まぁ、事前の検証が甘かったというオチはオチにせよ、全く納得がいかんなぁ・・・ということで、ひとまず、忘れぬように記録しておこうと思います。
1) ステルス君2号への接続は、現アンテナシステムへの普段の
接続方法と何ら変わりなく、TYPE-Ⅲにクラニシ君を接続して
SWR測定すると1.0-1.1程度に整合
2) マッチングボックスは最近作り替えたが、ショートスイッチ等を
具備しており、基本は前のものと同じ
3) リグの位置にクラニシ君を接続してSWR測定すると、30KHzほど
同調点が上がってしまう(3.515MHz⇒3.545MHz)
>室内同軸がアンテナの一部になってしまう
4) IC-703でも同じ結果
5) 同じ位置にMIZUHOカップラを入れるたら上手くマッチング
&送信できた
6) 雨が酷く、ベランダ全体がほぼ濡れている状態
昨日の状態のままシャックに戻したTYPE-Ⅲをよく見てみたら、裏に付いているトグルスイッチ(インピーダンス変換を使う・スルーするの切り替え用)が「インピーダンス変換有り」(トグルスイッチが下)の方になっていました。昨日の記憶でも、このスイッチは下向きであり、上は試していませんでした。
何故下向きにしたかというと、「TYPE-Ⅱ」を作った際にはスイッチ=下でインピーダンス変換スルーだったためで、これは間違いは間違いなんですが、どちらでも整合できる範囲に同調点があれば問題ないはず・・・ということで、机上でリグとダミーを接続して5W出力で「インピーダンス変換有り・無し」のどちらでも上手く動作するか確認しました。問題なし
・・・理に適った話です。詰まるところ、昨日と同じ検証をしなければならない・・・ということになったわけです。
無理な整合でバリコンがスパークする場合なども考えてみましたが、そこまでの高出力でもないし・・・まぁ、5Wと言えど高周波電圧をバカにはできませんが、もっと別の要因だと思います。回り込みなんかも考えられますが、別のリグでやっても同じ・・・ってことで可能性は低そう。
今日は洗濯物天国になっていますから、またベランダに出入りしていると睨まれそうな雰囲気・・・ということで、次の休み辺りに再実験しようかと思います。
1) ステルス君2号への接続は、現アンテナシステムへの普段の
接続方法と何ら変わりなく、TYPE-Ⅲにクラニシ君を接続して
SWR測定すると1.0-1.1程度に整合
2) マッチングボックスは最近作り替えたが、ショートスイッチ等を
具備しており、基本は前のものと同じ
3) リグの位置にクラニシ君を接続してSWR測定すると、30KHzほど
同調点が上がってしまう(3.515MHz⇒3.545MHz)
>室内同軸がアンテナの一部になってしまう
4) IC-703でも同じ結果
5) 同じ位置にMIZUHOカップラを入れるたら上手くマッチング
&送信できた
6) 雨が酷く、ベランダ全体がほぼ濡れている状態
昨日の状態のままシャックに戻したTYPE-Ⅲをよく見てみたら、裏に付いているトグルスイッチ(インピーダンス変換を使う・スルーするの切り替え用)が「インピーダンス変換有り」(トグルスイッチが下)の方になっていました。昨日の記憶でも、このスイッチは下向きであり、上は試していませんでした。
何故下向きにしたかというと、「TYPE-Ⅱ」を作った際にはスイッチ=下でインピーダンス変換スルーだったためで、これは間違いは間違いなんですが、どちらでも整合できる範囲に同調点があれば問題ないはず・・・ということで、机上でリグとダミーを接続して5W出力で「インピーダンス変換有り・無し」のどちらでも上手く動作するか確認しました。問題なし

無理な整合でバリコンがスパークする場合なども考えてみましたが、そこまでの高出力でもないし・・・まぁ、5Wと言えど高周波電圧をバカにはできませんが、もっと別の要因だと思います。回り込みなんかも考えられますが、別のリグでやっても同じ・・・ってことで可能性は低そう。
今日は洗濯物天国になっていますから、またベランダに出入りしていると睨まれそうな雰囲気・・・ということで、次の休み辺りに再実験しようかと思います。