コアも適材適所
2012-10-25
一連のコモンモード電圧について、15mと12mは落ち着いた模様(室内の同軸は概ね40mV以下の部位が殆どで、室内の1つ目のCMF以降は数mV程度)ですが、やはり10mは進入して来ている(っていう表現はおかしいか・・・)のは確実で、200mV以上の箇所があります。つまり、10mには効き目 のない処置になってしまっているわけですね。
今日は仕事帰りに少し時間があったため秋葉原に寄り、大勢の方がお使いのFT240-43・・・何だか巨大な輪っかと、その一回り下のFT140-43を2つ買ってきました。これら実績のあるコアの代わりに、パッチンコアを中心とした工夫で凌げないか考えたわけですが、流石にちょっと飽きてきたので、少しまともな測定をすることにしました。
コアには同軸を巻くわけですから、実際の使い方に近い方・・・つまり同軸を巻いて測るのが良く、かつ無駄に長い部分があると測定結果に影響が出るんで、外から撤去した同軸を使ってここのコアに巻き、できる限り切り詰めて測定する方法で試すことにしました。

こんな感じです。3m余りの同軸ですが、外で使っていたモノですからある意味廃品利用。でも、この実験が終わると本当の廃品になっちゃいますね
またしてもデータ・オンパレードになりますが、今後の「CMF決定版作成」のために貼りまくっておきます。
まずは、カタログスペックで選んだLF-130Bの3回巻きx単連、2連の特性です。


結局このコアでは、最適周波数がうんと上の方にありそうですね。
次にLF-190Bの3回巻き・・・これは、室内でも使っています。

これはやはり、結構使えそうです。が、10m付近は精々-20dBってところ。もう1回巻けると良いんですが・・・。
さぁ、ここで「真打ち」の登場・・・FT240-43に8回巻きです。

いやぁ、天晴れ天晴れ、雨あられ・・・10MHzから上のHF帯が30dB以上の減衰量をキープ。実は、最初一気に10回ほど巻いたら、最適部分がHFの下の方にずれていたため、数回分解いてこの特性に持っていきました。8MHz、16MHz辺りに共振点があるようです。
続いて、FT140-43に7回巻きです。

まずまずですね。リグの直後に同じモノが入っていますが、まぁ意味はありそうです。その上で、どうも7回だと10mにとっては巻き過ぎのようです。また、FT240-43同様、8,16MHz辺りに共振が見られます。
このコアは2つ買ってきましたので2連の実験も序でに行いました。上記の結果から、2連については7回巻きを基準にもう少し巻き数の少ないものとの組み合わせで、フィットポイントの周波数引き上げを狙いました。もう1つの方は、5回巻き、6回巻きの何れかが良さそうです。後者の結果が以下の通りです。

10m付近は-35dB程度取れていそうですね
この程度の減衰量のCMFをアンテナ直下にひとまず(何も考えずに)入れておくのが常套手段かも知れません。ただ、これにも8,16MHz辺りに共振が見られます。
最後に、FT114-43と61で作ったまともなCMF・・・これもフィットポイントが若干低いことから、それぞれ2回ずつ解いて11回巻きに修正しました(12回巻きとしていましたが、実際は13回巻きでした・・・。W1JR巻きですが、反対側にケーブルを潜らす部分を勘定していませんでした)。特性は以下の通りです。

6mにも使えそうですが、流石にローバンドはダメっぽいですね
ちなみに、くどいようですがこのCMFにも8,16MHz辺りに共振が見られます。どうやら、測定系(スペアナアダプタにつながっている1.5D2Vの長などなど)に原因がありそうです。
大体、答えが見えてきました。とりあえずアンテナ直下のCMFは、FT140-43を2つ使ったものに変更かな・・・と考えています。やはり、定番の部材で作るのが近道であることは確かですが、LF-190Bの多巻きのものは、10mや6mの補助的なCMFとして使えそうですね。まぁ、細い同軸(3D)でないと、それほど巻けませんが・・・。
以上で測定作業は終了、今度の休みにでもCMFの作り直しだな、こりゃ・・・。
※追記 2012/10/27
8,16MHzの共振は、スペアナアダプタの問題のようです。
・16MHzの共振は、スペアナアダプタ本体のみを動作させた状態でも出る。
・8MHzの共振は、SG側に1.5D2Vを接続すると出る。
今日は仕事帰りに少し時間があったため秋葉原に寄り、大勢の方がお使いのFT240-43・・・何だか巨大な輪っかと、その一回り下のFT140-43を2つ買ってきました。これら実績のあるコアの代わりに、パッチンコアを中心とした工夫で凌げないか考えたわけですが、流石にちょっと飽きてきたので、少しまともな測定をすることにしました。
コアには同軸を巻くわけですから、実際の使い方に近い方・・・つまり同軸を巻いて測るのが良く、かつ無駄に長い部分があると測定結果に影響が出るんで、外から撤去した同軸を使ってここのコアに巻き、できる限り切り詰めて測定する方法で試すことにしました。

こんな感じです。3m余りの同軸ですが、外で使っていたモノですからある意味廃品利用。でも、この実験が終わると本当の廃品になっちゃいますね

まずは、カタログスペックで選んだLF-130Bの3回巻きx単連、2連の特性です。


結局このコアでは、最適周波数がうんと上の方にありそうですね。
次にLF-190Bの3回巻き・・・これは、室内でも使っています。

これはやはり、結構使えそうです。が、10m付近は精々-20dBってところ。もう1回巻けると良いんですが・・・。
さぁ、ここで「真打ち」の登場・・・FT240-43に8回巻きです。

いやぁ、天晴れ天晴れ、雨あられ・・・10MHzから上のHF帯が30dB以上の減衰量をキープ。実は、最初一気に10回ほど巻いたら、最適部分がHFの下の方にずれていたため、数回分解いてこの特性に持っていきました。8MHz、16MHz辺りに共振点があるようです。
続いて、FT140-43に7回巻きです。

まずまずですね。リグの直後に同じモノが入っていますが、まぁ意味はありそうです。その上で、どうも7回だと10mにとっては巻き過ぎのようです。また、FT240-43同様、8,16MHz辺りに共振が見られます。
このコアは2つ買ってきましたので2連の実験も序でに行いました。上記の結果から、2連については7回巻きを基準にもう少し巻き数の少ないものとの組み合わせで、フィットポイントの周波数引き上げを狙いました。もう1つの方は、5回巻き、6回巻きの何れかが良さそうです。後者の結果が以下の通りです。

10m付近は-35dB程度取れていそうですね

最後に、FT114-43と61で作ったまともなCMF・・・これもフィットポイントが若干低いことから、それぞれ2回ずつ解いて11回巻きに修正しました(12回巻きとしていましたが、実際は13回巻きでした・・・。W1JR巻きですが、反対側にケーブルを潜らす部分を勘定していませんでした)。特性は以下の通りです。

6mにも使えそうですが、流石にローバンドはダメっぽいですね

大体、答えが見えてきました。とりあえずアンテナ直下のCMFは、FT140-43を2つ使ったものに変更かな・・・と考えています。やはり、定番の部材で作るのが近道であることは確かですが、LF-190Bの多巻きのものは、10mや6mの補助的なCMFとして使えそうですね。まぁ、細い同軸(3D)でないと、それほど巻けませんが・・・。
以上で測定作業は終了、今度の休みにでもCMFの作り直しだな、こりゃ・・・。
※追記 2012/10/27
8,16MHzの共振は、スペアナアダプタの問題のようです。
・16MHzの共振は、スペアナアダプタ本体のみを動作させた状態でも出る。
・8MHzの共振は、SG側に1.5D2Vを接続すると出る。
パッチン密着CMFの特性・・・
2012-10-24
くどい
と思われそうですが、アンテナ直下のCMF・・・LF-130Bのケースを外し、タイラップで密着させたシースルーのCMFについて、どうやら期待通りの性能が出ていないことは、一昨晩(と言っても、日付は昨日・・・)の実験で解ったのですが、落とし処を探したいと思ってもう少し真っ当な作り・・・というか、3D2Wの切れっ端を使ってもう少しケーブルを短くして測定し直しました。写真は2回巻き×4連の様子です。

3回巻きx4連は、かなりローバンドの方に偏っている・・・という結論だったわけですが、これで綺麗に取れるかな
まずは、基準となるコアを何も付けずに同軸の網線のみをショートしたときの様子。

それでは、一気に3回巻きx4連から単連までのデータ公開




もう、お腹一杯・・・ってな具合いですが、4,3連は、このスペアナの特性(低い周波数の減衰量が多めに表示される)を差し引いてもかなり下の方に減衰量の大きい領域があります。30MHz辺りを見ると減衰量はさほど大きくないようですね。
逆に2連は30MHzから上昇傾向がありますが、イイ線行ってるのが判ります。単連では減衰量が一定な部分は広いものの、全体に減衰量が不足してきます。
もう一つのパターンとして、2回巻きで実験してみました。まずは、2回巻きx4連です。

28MHz付近にディップ点がありますね。そこから上に行くと特性が悪化していますが、HFハイバンドに当たる帯域は結構イイ感じでしょう。では3連も序でに。

特性自体は平坦になってきていいのですが、減衰量が若干落ちますね。2連,単連とさらに減衰量が落ちますので、2回巻きでは4連・・・これが決定打でしょうかね。モデルの画像と合成してみました。20-30MHzで凡そ30dBダウンでしょうか・・・。

昨日はトロイダルのCMFも測ってみて特性の良さを実感しましたが、30MHz以上の減衰量に目をつぶれば、2回巻きx4連でイイ勝負になりそうです。これなら、部材自体はあまり変えずに作り直せそうです


3回巻きx4連は、かなりローバンドの方に偏っている・・・という結論だったわけですが、これで綺麗に取れるかな


それでは、一気に3回巻きx4連から単連までのデータ公開





もう、お腹一杯・・・ってな具合いですが、4,3連は、このスペアナの特性(低い周波数の減衰量が多めに表示される)を差し引いてもかなり下の方に減衰量の大きい領域があります。30MHz辺りを見ると減衰量はさほど大きくないようですね。
逆に2連は30MHzから上昇傾向がありますが、イイ線行ってるのが判ります。単連では減衰量が一定な部分は広いものの、全体に減衰量が不足してきます。
もう一つのパターンとして、2回巻きで実験してみました。まずは、2回巻きx4連です。

28MHz付近にディップ点がありますね。そこから上に行くと特性が悪化していますが、HFハイバンドに当たる帯域は結構イイ感じでしょう。では3連も序でに。

特性自体は平坦になってきていいのですが、減衰量が若干落ちますね。2連,単連とさらに減衰量が落ちますので、2回巻きでは4連・・・これが決定打でしょうかね。モデルの画像と合成してみました。20-30MHzで凡そ30dBダウンでしょうか・・・。

昨日はトロイダルのCMFも測ってみて特性の良さを実感しましたが、30MHz以上の減衰量に目をつぶれば、2回巻きx4連でイイ勝負になりそうです。これなら、部材自体はあまり変えずに作り直せそうです

トロイダルCMFの特性も測ってみよう
2012-10-23
これは「モノの序で」という奴です。テーブルの上に、実験用に巻いたCMF・・・FT114-43に10回巻きのものが転がっていたため、こいつも序でに測定です。パッチンCMFのように無駄に長い線がつながっていませんから、結構素直な特性が見られそう・・・興味津々です

まずはTGとスペアナ入力をショートした測定・・・これがモデルです。

直前の記事に書いたように、このスペアナのTG動作時の特性はこんな感じです。そして、すぐさま測定へ。

いやぁ、恐れ入りました・・・。今回のインターフェアの対象となるハイバンド、20MHz-30MHzの落ちっぷり・・・30dBほど減衰しています。アンテナ直下にもこの程度のモノが挿入できれば・・・ただ、コネクタが増えるんで、マッチングボックスをでかくして内蔵しちゃう・・・なんていうアイディアも有りかも知れません。
作りっぱなしのトロイダルCMFも、最適な巻き数やらを考えると、一度きちんとチェックしておいた方がよいかも知れませんね。


まずはTGとスペアナ入力をショートした測定・・・これがモデルです。

直前の記事に書いたように、このスペアナのTG動作時の特性はこんな感じです。そして、すぐさま測定へ。

いやぁ、恐れ入りました・・・。今回のインターフェアの対象となるハイバンド、20MHz-30MHzの落ちっぷり・・・30dBほど減衰しています。アンテナ直下にもこの程度のモノが挿入できれば・・・ただ、コネクタが増えるんで、マッチングボックスをでかくして内蔵しちゃう・・・なんていうアイディアも有りかも知れません。
作りっぱなしのトロイダルCMFも、最適な巻き数やらを考えると、一度きちんとチェックしておいた方がよいかも知れませんね。
パッチンCMFの特性を測ってみよう
2012-10-23
昨日まで様々なコモンモード対策をして、室内ケーブルの所々にパッチンコアを入れて二次輻射を抑え込んだ感じですが、結果的に腑に落ちなかったのが「アンテナ直下のCMFの効き目」です。ベランダでエレメントと平行に走っている同軸部分が電波を拾っていると疑い、原因の切り分け作業を行ったわけですが、この予想は見事に外れ・・・。その時点で、アンテナ側からコモンモードが戻ってきているものと考えた挙げ句、作りっぱなしで直ぐに取り付けてしまったため、どんな案配なのか見当もつきません・・・と、ここで終わらないんですね
実は、このパッチンコア流用のCMFのコアは1個150円。高級なアイスクリームより安い代物ですから、もう1セット作れるようにコアを8個買ってきたんです。
帰宅して夕飯を食べた後、クラニシ君とリグのSメータで測ろうか・・・などと思案していたら、目の前に・・・あるじゃないですか、恰好の測定器が
何で今まで気づかなかったんでしょう・・・そう、スペアナ・アダプタ。フィルタの特性を調べるべくキットを購入し、何年も放っておいて漸く真夏に誕生した頼もしい奴があるわけで、これでざっと特性が見られるわい・・・と準備開始です。
まずは基準データのチェックです。3D2Vの5mほどの同軸を使って実験しようと、ひとまず何も付けない状態で網線をTGとスペアナ入力につなぎました。

この時の波形がこれ。

5MHzから55MHzを見ています。このスペアナのTG動作では、15MHz以下の感度がどんどん落ちていきます。TGとスペアナ入力を短距離でショートさせると、もっとダイナミックな感じになります。同軸が無駄に5mほどもありますから、各所の数値自体は参考程度としましょう。ひとまず-30dB辺りが真っ直ぐ伸びている・・・これを頭に入れてパッチンコア挿入時の減衰の様子を見てみましょう。

まずは、コア1つ挿入。一昨日自作した「中身が見えるCMF」では、LF-130Bに同軸を3回巻きしていますので、同じように3回巻きとしました。また、コアの圧着のための洗濯バサミ・・・これも測定結果に如実に影響が出るために登場願った次第。結果は如何に

全体に10dBダウンといったところでしょうか。なるほど、これ1つでも効果はあるわけだ・・・。それでは一気に、2~4連の結果を連続貼り付けでお送りします。



なんと、減衰量の大きい帯域が、どんどん低い周波数にずれていきます・・・って、これは当たり前なんですが、どうもHFのハイバンド用というよりローバンド用といっても良さそうです。スペアナの特性上、下の方の周波数は低めに見えますが、明らかにフィットポイントが下の方に行ってしまうことが解ります。特に4連については丁度抑え込みたいハイバンドではあまり効果がないように見えますね。何か、1連の時が一番良さそう

4連はまさに中身が見えるCMFの形になりましたが、何と効果が低いとは・・・ということで、今日の実験は終了。何れにせよ、アンテナ直下のCMFは見直し必至。安物買いの銭失いというか、最低の損失で済んだと見るべきか・・・。

帰宅して夕飯を食べた後、クラニシ君とリグのSメータで測ろうか・・・などと思案していたら、目の前に・・・あるじゃないですか、恰好の測定器が

まずは基準データのチェックです。3D2Vの5mほどの同軸を使って実験しようと、ひとまず何も付けない状態で網線をTGとスペアナ入力につなぎました。

この時の波形がこれ。

5MHzから55MHzを見ています。このスペアナのTG動作では、15MHz以下の感度がどんどん落ちていきます。TGとスペアナ入力を短距離でショートさせると、もっとダイナミックな感じになります。同軸が無駄に5mほどもありますから、各所の数値自体は参考程度としましょう。ひとまず-30dB辺りが真っ直ぐ伸びている・・・これを頭に入れてパッチンコア挿入時の減衰の様子を見てみましょう。

まずは、コア1つ挿入。一昨日自作した「中身が見えるCMF」では、LF-130Bに同軸を3回巻きしていますので、同じように3回巻きとしました。また、コアの圧着のための洗濯バサミ・・・これも測定結果に如実に影響が出るために登場願った次第。結果は如何に


全体に10dBダウンといったところでしょうか。なるほど、これ1つでも効果はあるわけだ・・・。それでは一気に、2~4連の結果を連続貼り付けでお送りします。



なんと、減衰量の大きい帯域が、どんどん低い周波数にずれていきます・・・って、これは当たり前なんですが、どうもHFのハイバンド用というよりローバンド用といっても良さそうです。スペアナの特性上、下の方の周波数は低めに見えますが、明らかにフィットポイントが下の方に行ってしまうことが解ります。特に4連については丁度抑え込みたいハイバンドではあまり効果がないように見えますね。何か、1連の時が一番良さそう


4連はまさに中身が見えるCMFの形になりましたが、何と効果が低いとは・・・ということで、今日の実験は終了。何れにせよ、アンテナ直下のCMFは見直し必至。安物買いの銭失いというか、最低の損失で済んだと見るべきか・・・。
フェライトコアの密着度再び・・・
2012-10-19
昨日の実験の続く形になりますが、実は今日の仕事帰りに秋月で「LF-130B」を買ってきました。そろそろ本格的なコモンモードによる障害の抑え込みを目論み、コアの選定結果としてこれを選びました。
形状は四角いタイプであり、昨日の実験で解っている「2つのコアの密着度の確保」は課題になるものの、どんな奴かを計測。昨日と全く同じ方法ですので結果だけ。値段通りの特性・・・とでも言うのか、まぁこんなものでしょう。
さて、本題は分割コアの密着度です。
3D2Wを2ターンにすると、同軸の「真っ直ぐに戻ろうとする力」でコアが離れる方向に動いてしまうため、これが原因で折角の多重巻きの意味が無くなってしまう・・・この問題、実際どの程度のものなのか、本番使用を前にLF-130Bで実験です。
昨日と同様な感じですが、何れにせよ2回巻きで300Ω近くになるはずがこの有様。コアのケースを洗濯バサミで挟むとちょっとはマシになりますが、まだまだ全然足りません。そこで・・・
コアを取り出して太めのタイラップでがっちり密着させればご覧の通りです
そもそも、クランプ式のコアは簡単に「パッチン」するためのもので、規格にあった太さ、あるいは多少余裕のある太さのケーブルに「1ターン」で使うものだということは明白ですが、巷にある分割コアをきちんと密着させれば、それはそれで使えるというわけですね。
さて、このコアに3D2Wを3回巻きにするわけですが、21MHzで75Ωの8倍程度・・・600Ω程度のCMFが出来上がりますので、ひとまずこれを3連、4連くらいで使ってみることにします。
形状は四角いタイプであり、昨日の実験で解っている「2つのコアの密着度の確保」は課題になるものの、どんな奴かを計測。昨日と全く同じ方法ですので結果だけ。値段通りの特性・・・とでも言うのか、まぁこんなものでしょう。
コア | 周波数(MHz) | 値段 | |||
10.1 | 21.0 | 28.0 | 50.0 | ||
LF-130B | 38Ω | 75Ω | 88Ω | 120Ω | 150円 |
LF-1302B | 68Ω | 100Ω | 120Ω | 140Ω | 200円 |
さて、本題は分割コアの密着度です。
3D2Wを2ターンにすると、同軸の「真っ直ぐに戻ろうとする力」でコアが離れる方向に動いてしまうため、これが原因で折角の多重巻きの意味が無くなってしまう・・・この問題、実際どの程度のものなのか、本番使用を前にLF-130Bで実験です。

昨日と同様な感じですが、何れにせよ2回巻きで300Ω近くになるはずがこの有様。コアのケースを洗濯バサミで挟むとちょっとはマシになりますが、まだまだ全然足りません。そこで・・・

コアを取り出して太めのタイラップでがっちり密着させればご覧の通りです

さて、このコアに3D2Wを3回巻きにするわけですが、21MHzで75Ωの8倍程度・・・600Ω程度のCMFが出来上がりますので、ひとまずこれを3連、4連くらいで使ってみることにします。
CMFのインピーダンスを測ってみよう
2012-10-18
秋月の「LF-102B」は、カタログスペック上のインピーダンスを見ると25MHzで144Ω、100MHzで240Ω・・・値段の割には優秀なCMFになりそうだと思い、「無銭家代表」として以前から愛用していました。
一方、コモンモードの抑止効果で考えた場合、ターゲットの周波数に対して数KΩのインピーダンスが必要となります。受け売りですが、ある程度改善が明確に期待できる減衰量の目安として「3KΩ」が使われているようです。無論、コモンモードの減衰だけに着目すれば、インピーダンスは高いほど良いわけです。
我が家では今のところ、15mバンド・・・即ち21MHzのオンエアでVDSL-I(※)が顕在化しており、過去においてそれ以下の周波数では起きていた記憶がないため、この周波数帯を例に考えてみました。
まず、LF-102Bの21MHzにおけるインピーダンスを仮に「100Ω」と見積もったら、3KΩを稼ぐためにはこのコアが何と30個も必要
当たり前の計算ですが、これではちょっと多すぎで不経済だし、ぶら下げておくにはちと重い・・・。そこで、「インピーダンスを簡単に増加させる方法」として、同一コアにケーブルを複数回巻き付けるという常套手段を考えました。
秋月の一番デカいコア・・・LF-190Bには、3D2Wが4回は余裕で、頑張れば5回巻けます。即ち、このコアに4回巻きするだけで理論上は「16倍のインピーダンス」になります(5回巻きなら25倍
)。25MHzのインピーダンスが公称90Ωと、LF-120Bにはちょい劣りますが、4回巻き効果で16倍・・・実際にはもう少し低い値になりそうですが、少なく見積もって10倍だったとしても900Ω程度になりますから、これを3つ用意すれば凡そ3KΩ近くにはなりそうですね。
しかし、カタログ値はやはりカタログ値・・・何か簡単な方法で実測できないかなぁ・・・とクラニシ君と睨めっこして、簡易的な測定ならできそうだ・・・と以下のように接続してみました。

フェライトコアを使った1ターンのコイルとバリコンを接続してクラニシ君で同調点を探し、その時のインピーダンスを調べようというインスタントな方法です。
理屈が正しければ(って、理屈は正しいんでしょうが)同調回路が共振した時のインピーダンスは、その周波数における最大値を示すはずであり、これを読み取っちゃえば良いんじゃないかなぁ・・・ということにし、同じ測定方法での「コアの違いによる比較」程度の答えは出るだろうという感じの実験です。勿論、接続用のリード線が構成する部分も「コイルの一部」となることから誤差も生じるでしょうが、ひとまず「同じ条件」と高を括ってしまいましょう。
430pF×2のエアバリコンでも7MHzまでは同調せず確認できませんでしたが、まぁ「推して知るべし」でしょう。
上の3つは秋月シリーズですが、一番下の奴・・・これは最初にネットで手に入れた「ノイズ除去用コア」です。愛用中のLF-102Bとあんまり変わりませんね。
実は、効果のほどをきちんと確かめる術が当時は思い浮かばなかったことと、その後の1年半ほどのブランクでしまい込んでいました。3D2Wがギリギリ入る程度の細い奴ですが、逆にリグ周りの細めの線には使えそうですね
さて、上のような結果になりましたが、案の定「カタログ値はカタログ値」といった様子です。RFC-6(KGS:北川工業製)については、手持ちの古い特性表に近い値になっており、製造元がどこであれ日本製はやはり日本製・・・ってなところでしょうか。諸OMが素性の解ったTDK製をチョイスするのも何となく解ります。ただ、自分で少し掘り下げて素性を知ってしまえば、その用途に必要十分な「安いデバイス」という選択もできそうです。
さぁ、ここからが本題ですが、LF-190Bに複数回巻きを実現することを前提に、2ターンにするとどうなるか・・・ということで「LF-190B@21.0MHz付近」で実験してみました。

ご覧の通り、凡そ200Ω程度と測定できました(って、見えませんね・・・)。理論的には4倍になるはずですが、測定精度や誤差を考えればまずまずの感じでしょう。この調子で巻き数を増やしていくと、多分3回巻きで8倍(理論値では9倍)、4回巻きで11,2倍(理論値では16倍)、5回巻きで20倍(理論値では25倍)程度となるでしょう。
このLF-190Bですが、実は作りの問題でコアが密着しないようです。ほんの少し・・・カッターの刃くらいの隙間が見られます。これ、結構な影響が実はあるんです。

何とこの隙間を密着させないと、21.1MHz付近のインピーダンスが30Ω程度に下がってしまいます
左側がその状態です。仕方なく、LF-190Bについては大きな洗濯バサミで密着させて測定しました。少し上にリンクを張ったノイズ除去用コアの記事で関連するヘッポコ実験していますが、これは結構見落としてしまいがちで難儀です。安物のパッチンコアの「要注意事項」ですね。
実際のCMFにする際、3D2W(或いは3D2V)を前提に思いっきりケチった方法としては以下の方法があります。上がLF-1302Bに3回巻き、下がLF-190Bに5回巻きした様子ですが、どちらも閉じこめるのにかなり窮屈でした。とりわけLF-1302Bの方は苦労しました・・・。ちなみに、3D2Vではどちらも余裕でした。

これで、21.1MHzにおけるインピーダンスは、上が800Ωくらい、下が1.2KΩくらいとなるでしょう。コアの単価が上が200円、下が300円ですから・・・うーん、優劣がつかないね
ただ、下の方は「密着方法を考える」という宿題付きでもありますので、上の方が良いかなぁ
まぁ何れにせよ、秋月シリーズでコモンモードを抑え込む作戦で行こうと思います。
※ ひとまずこう呼んでいますが、VDSLの伝送路への飛び込みではなく、
モデムへの直接飛び込みによるインターフェアと判断しています。
一方、コモンモードの抑止効果で考えた場合、ターゲットの周波数に対して数KΩのインピーダンスが必要となります。受け売りですが、ある程度改善が明確に期待できる減衰量の目安として「3KΩ」が使われているようです。無論、コモンモードの減衰だけに着目すれば、インピーダンスは高いほど良いわけです。
我が家では今のところ、15mバンド・・・即ち21MHzのオンエアでVDSL-I(※)が顕在化しており、過去においてそれ以下の周波数では起きていた記憶がないため、この周波数帯を例に考えてみました。
まず、LF-102Bの21MHzにおけるインピーダンスを仮に「100Ω」と見積もったら、3KΩを稼ぐためにはこのコアが何と30個も必要

秋月の一番デカいコア・・・LF-190Bには、3D2Wが4回は余裕で、頑張れば5回巻けます。即ち、このコアに4回巻きするだけで理論上は「16倍のインピーダンス」になります(5回巻きなら25倍

しかし、カタログ値はやはりカタログ値・・・何か簡単な方法で実測できないかなぁ・・・とクラニシ君と睨めっこして、簡易的な測定ならできそうだ・・・と以下のように接続してみました。

フェライトコアを使った1ターンのコイルとバリコンを接続してクラニシ君で同調点を探し、その時のインピーダンスを調べようというインスタントな方法です。
理屈が正しければ(って、理屈は正しいんでしょうが)同調回路が共振した時のインピーダンスは、その周波数における最大値を示すはずであり、これを読み取っちゃえば良いんじゃないかなぁ・・・ということにし、同じ測定方法での「コアの違いによる比較」程度の答えは出るだろうという感じの実験です。勿論、接続用のリード線が構成する部分も「コイルの一部」となることから誤差も生じるでしょうが、ひとまず「同じ条件」と高を括ってしまいましょう。
コア | 周波数(MHz) | |||
10.1 | 21.0 | 28.0 | 50.0 | |
LF102B | 26Ω | 62Ω | 80Ω | 120Ω |
LF-1302B | 68Ω | 100Ω | 120Ω | 140Ω |
LF-190B | 32Ω | 60Ω | 70Ω | 91Ω |
RFC-6 | 30Ω | 60Ω | 80Ω | 120Ω |
430pF×2のエアバリコンでも7MHzまでは同調せず確認できませんでしたが、まぁ「推して知るべし」でしょう。
上の3つは秋月シリーズですが、一番下の奴・・・これは最初にネットで手に入れた「ノイズ除去用コア」です。愛用中のLF-102Bとあんまり変わりませんね。
実は、効果のほどをきちんと確かめる術が当時は思い浮かばなかったことと、その後の1年半ほどのブランクでしまい込んでいました。3D2Wがギリギリ入る程度の細い奴ですが、逆にリグ周りの細めの線には使えそうですね

さて、上のような結果になりましたが、案の定「カタログ値はカタログ値」といった様子です。RFC-6(KGS:北川工業製)については、手持ちの古い特性表に近い値になっており、製造元がどこであれ日本製はやはり日本製・・・ってなところでしょうか。諸OMが素性の解ったTDK製をチョイスするのも何となく解ります。ただ、自分で少し掘り下げて素性を知ってしまえば、その用途に必要十分な「安いデバイス」という選択もできそうです。
さぁ、ここからが本題ですが、LF-190Bに複数回巻きを実現することを前提に、2ターンにするとどうなるか・・・ということで「LF-190B@21.0MHz付近」で実験してみました。

ご覧の通り、凡そ200Ω程度と測定できました(って、見えませんね・・・)。理論的には4倍になるはずですが、測定精度や誤差を考えればまずまずの感じでしょう。この調子で巻き数を増やしていくと、多分3回巻きで8倍(理論値では9倍)、4回巻きで11,2倍(理論値では16倍)、5回巻きで20倍(理論値では25倍)程度となるでしょう。
このLF-190Bですが、実は作りの問題でコアが密着しないようです。ほんの少し・・・カッターの刃くらいの隙間が見られます。これ、結構な影響が実はあるんです。

何とこの隙間を密着させないと、21.1MHz付近のインピーダンスが30Ω程度に下がってしまいます

実際のCMFにする際、3D2W(或いは3D2V)を前提に思いっきりケチった方法としては以下の方法があります。上がLF-1302Bに3回巻き、下がLF-190Bに5回巻きした様子ですが、どちらも閉じこめるのにかなり窮屈でした。とりわけLF-1302Bの方は苦労しました・・・。ちなみに、3D2Vではどちらも余裕でした。

これで、21.1MHzにおけるインピーダンスは、上が800Ωくらい、下が1.2KΩくらいとなるでしょう。コアの単価が上が200円、下が300円ですから・・・うーん、優劣がつかないね


まぁ何れにせよ、秋月シリーズでコモンモードを抑え込む作戦で行こうと思います。
※ ひとまずこう呼んでいますが、VDSLの伝送路への飛び込みではなく、
モデムへの直接飛び込みによるインターフェアと判断しています。