WPXコンテスト中のアンテナヘッポコ実験の覚え書き
2018-06-03
6月になりました。気温が徐々に上がってきてちょっと過ごし難くなってきましたが、例によってエアコンはバッチリ掃除してスタンバっています
件名の通り、先週末は40mに最適化したロングワイヤーでWW-WPXコンテスト(CW)に参戦・・・と言っても、1/4λになっているだけなんですが、これでどないやねん
ってな案配で挑んだんです。が、当初の予想通り「CONDXがどうだったのか」がよく解らず、ほぼ夏のCONDXになっているであろう40mで試しても駄目なような気がしました。
ただ、TI(Costa Rica)のビッグガンに拾って貰えたり、ZONE16の応答率がちょっぴり上がったり(これは、大いに感覚的です)した感じでしたんで、秋のWW-DXコンテストで再度試してみることにしました。
さて、WW-WPXコンテストの合間に、上述のロングワイヤー関連のヘッポコ実験をしたんで、この辺りをまとめておきます。自分以外にはきっと何の役にも立ちませんので悪しからず
まず、このロングワイヤーの長さですが、ALL JA参戦の際には横方向が少々長過ぎてたるんでいたのと、同調点がかなり低かったため(この辺りは、こちらの記事にまとめています)、横方向を5.5mに切って同調点を測定しました。縦方向が5.2m程度ですから合わせて10.7m・・・これでも40mには長いことになりますが、長めの方がカップラでの同調が楽になるためひとまずこれで。

5.88MHzでバッチリ同調が取れていますが、それにしても同調点が低過ぎ・・・そこで、バランを突っ込んでみました。

秋月のLF-102Bに平行線を7回巻きしました。これで75μH程度となり、ソーターバランとして3KΩ@7MHzを保証できそう。
このバランを入れて同調点の変化を確認しました。狙ったのはロングワイヤー部分とカウンターポイズ部分の分離で、同調点がどの程度動くかを確かめましたが、これが殆ど変化なし
ということは、これまでワイヤー部分とカンターポイズを「エレメントが非対称なダイポール」と見立てて検討してきたのが、カウンターポイズがある程度”グランド”として動作する「不平衡型のアンテナ」であると解釈した方がよいのかも知れないと、逆に謎が一段深まってしまいました
コンテストの最中でしたから、上記はあまり深入りせずに次のヘッポコ実験・・・アンテナ絶縁トランスによるノイズの低減です。これは、このバラン用に巻いたトランスを”ガルバニック・アイソレーション・トランス”に見立てて接続、入れなかった場合と比較してみました。
これは、コンテスト参加局が聞こえないバンドエッジで比較・・・Sにして半分行くか行かないかの差でしたが、確かにノイズレベルは下がりました。まぁ、0.2,3dB程度の接続ロスは想定されますが少しは意味がありそう。本格的な導入には、再度詳細のデータ取りをしてからということで。
その他、回路図のシミュレーションなどいろいろと手を染めました。結構収穫があったんで、実回路を組んでの実験へ。この辺りはきっと今後の記事になりますから、少々お待ちください・・・って、誰か待ってるんじゃろか

件名の通り、先週末は40mに最適化したロングワイヤーでWW-WPXコンテスト(CW)に参戦・・・と言っても、1/4λになっているだけなんですが、これでどないやねん

ただ、TI(Costa Rica)のビッグガンに拾って貰えたり、ZONE16の応答率がちょっぴり上がったり(これは、大いに感覚的です)した感じでしたんで、秋のWW-DXコンテストで再度試してみることにしました。
さて、WW-WPXコンテストの合間に、上述のロングワイヤー関連のヘッポコ実験をしたんで、この辺りをまとめておきます。自分以外にはきっと何の役にも立ちませんので悪しからず

まず、このロングワイヤーの長さですが、ALL JA参戦の際には横方向が少々長過ぎてたるんでいたのと、同調点がかなり低かったため(この辺りは、こちらの記事にまとめています)、横方向を5.5mに切って同調点を測定しました。縦方向が5.2m程度ですから合わせて10.7m・・・これでも40mには長いことになりますが、長めの方がカップラでの同調が楽になるためひとまずこれで。

5.88MHzでバッチリ同調が取れていますが、それにしても同調点が低過ぎ・・・そこで、バランを突っ込んでみました。

秋月のLF-102Bに平行線を7回巻きしました。これで75μH程度となり、ソーターバランとして3KΩ@7MHzを保証できそう。
このバランを入れて同調点の変化を確認しました。狙ったのはロングワイヤー部分とカウンターポイズ部分の分離で、同調点がどの程度動くかを確かめましたが、これが殆ど変化なし


コンテストの最中でしたから、上記はあまり深入りせずに次のヘッポコ実験・・・アンテナ絶縁トランスによるノイズの低減です。これは、このバラン用に巻いたトランスを”ガルバニック・アイソレーション・トランス”に見立てて接続、入れなかった場合と比較してみました。
これは、コンテスト参加局が聞こえないバンドエッジで比較・・・Sにして半分行くか行かないかの差でしたが、確かにノイズレベルは下がりました。まぁ、0.2,3dB程度の接続ロスは想定されますが少しは意味がありそう。本格的な導入には、再度詳細のデータ取りをしてからということで。
その他、回路図のシミュレーションなどいろいろと手を染めました。結構収穫があったんで、実回路を組んでの実験へ。この辺りはきっと今後の記事になりますから、少々お待ちください・・・って、誰か待ってるんじゃろか

急造釣り竿君の様子
2018-05-02
昨日は出勤、そして今日からGWの後半突入です。午後からは、とっておきのヘッポコ工作に取り掛かろうと、ケース加工の合わせ込みに両面テープで貼り付けてあった放熱板を外そうとしたらこれがなかなか剥がせず、ちょいと力を入れたはずみで、フィンのエッジで利き手である右手の親指を切ってしまいました。直ぐに手当てしたため大事には至りませんでしたが、流石に続きの作業はできず・・・折角の工作休暇(
)をロスしてしまいました。そこで、先日のコンテストににわか参戦となった釣り竿君・・・逆Lアンテナの様子などをまとめておきましょう。
まずは、いきなり全体図を。

ちと気が早いですが、既に釣り竿君の”Ver2”と銘打ちました。我が家のベランダに張れるアンテナとしては最大級になると思います。
今回の改良は、元々の垂直エレメント(長さ5.4m)である青線の先端から、新調した竿(6.3m)の先端に向け水色のエレメントを張ったものです。青と水色を足したエレメント全体の長さは10mを超えますから、40mにオンエアする際にはコイルが不要、80mの場合はコイル1で必要なインダクタンスを装荷するだけで良くなります。
水色の部分の長さは、40mを意識して長さを求めました。MMANAでベランダの構造物(鉄筋)を加味したモデルで計算したら6.4mと算出されたため、これをひとまず採用してコンテストに出場。エントリは80mに絞ったため、コイル1とカップラの合わせ技で上手く運用することができました。
さぁ、このエレメント延長によるロスの削減(コイルを取っ払う効果)や打上角の様子などについて、MMANAの算出結果を2発。まずは、40mの方から。

SWRは50Ω基準になっているんで無視するとして、虚数成分が一番小さくなるようにエレメント長を最適化しました。赤が元々の釣り竿くんの特性、青が今回の改良後のものです。
40mの場合、元々の釣り竿君で凡そ50%の短縮率でしたが、フルサイズ(ちょっとオーバーですが・・・)になったことで0.6dBほどゲインが上がっています。また、水平偏波の成分がグッと小さくなったことが判りますね。
メインローブの打上角も3度ほど下がるようで、これが本当なら(
)、よりDX向きになったと言えますね。この辺りは、やはりDXコンテストで確認・・・とは思いますが、毎度CONDXが違うからなぁ
では、80mはというと・・・

こちらはゲイン上昇が顕著で、2.8dBほどアップ・・・Sとしては0.5程度の上昇ですが、5WのQRPを10W運用にした程度の改善は見込めます。また、水平成分はスマートになりましたが、打上角は改善なしということのようです。
それ以外にも、建物の上にエレメントが突出した効果も見込めそうです。いわゆるアンテナに電波が乗った状態で、電流・電圧の”腹"の部分がどこにあるかでいわゆる”飛び”が変わってくるわけですが、これは40m/80m何れも改善が見込めると思います。
さて、聡明なOM諸氏は”エレメント長”に違和感を感じているかも知れません。垂直・水平エレメントの合計が11.8mということは、(短縮率を加味して)計算上は6.1MHz付近が同調点になりますね。そこで、アンアナで同調周波数を探してみました。

計算値よりさらに下に同調点がありました。ワイヤーアンテナですから、カップラで整合を取ることを前提に考えれば”長め”の方が扱い易いんですが、どうもカウンターポイズとの分離の悪さに引っ張られている部分もあるようです。次は、バランでも仕込んでみようかな
ALL JA参戦の際は、新調した竿が仮設だったことや、後半に竿が引っ込んでいたことが後から判った(水平エレメントがキチンと張られていなかった)ことなど、まだ不確定要素がありますから、この辺りをユルユルと改善しながら少し長い目で見ていきたいと思います。

まずは、いきなり全体図を。

ちと気が早いですが、既に釣り竿君の”Ver2”と銘打ちました。我が家のベランダに張れるアンテナとしては最大級になると思います。
今回の改良は、元々の垂直エレメント(長さ5.4m)である青線の先端から、新調した竿(6.3m)の先端に向け水色のエレメントを張ったものです。青と水色を足したエレメント全体の長さは10mを超えますから、40mにオンエアする際にはコイルが不要、80mの場合はコイル1で必要なインダクタンスを装荷するだけで良くなります。
水色の部分の長さは、40mを意識して長さを求めました。MMANAでベランダの構造物(鉄筋)を加味したモデルで計算したら6.4mと算出されたため、これをひとまず採用してコンテストに出場。エントリは80mに絞ったため、コイル1とカップラの合わせ技で上手く運用することができました。
さぁ、このエレメント延長によるロスの削減(コイルを取っ払う効果)や打上角の様子などについて、MMANAの算出結果を2発。まずは、40mの方から。

SWRは50Ω基準になっているんで無視するとして、虚数成分が一番小さくなるようにエレメント長を最適化しました。赤が元々の釣り竿くんの特性、青が今回の改良後のものです。
40mの場合、元々の釣り竿君で凡そ50%の短縮率でしたが、フルサイズ(ちょっとオーバーですが・・・)になったことで0.6dBほどゲインが上がっています。また、水平偏波の成分がグッと小さくなったことが判りますね。
メインローブの打上角も3度ほど下がるようで、これが本当なら(


では、80mはというと・・・

こちらはゲイン上昇が顕著で、2.8dBほどアップ・・・Sとしては0.5程度の上昇ですが、5WのQRPを10W運用にした程度の改善は見込めます。また、水平成分はスマートになりましたが、打上角は改善なしということのようです。
それ以外にも、建物の上にエレメントが突出した効果も見込めそうです。いわゆるアンテナに電波が乗った状態で、電流・電圧の”腹"の部分がどこにあるかでいわゆる”飛び”が変わってくるわけですが、これは40m/80m何れも改善が見込めると思います。
さて、聡明なOM諸氏は”エレメント長”に違和感を感じているかも知れません。垂直・水平エレメントの合計が11.8mということは、(短縮率を加味して)計算上は6.1MHz付近が同調点になりますね。そこで、アンアナで同調周波数を探してみました。

計算値よりさらに下に同調点がありました。ワイヤーアンテナですから、カップラで整合を取ることを前提に考えれば”長め”の方が扱い易いんですが、どうもカウンターポイズとの分離の悪さに引っ張られている部分もあるようです。次は、バランでも仕込んでみようかな

ALL JA参戦の際は、新調した竿が仮設だったことや、後半に竿が引っ込んでいたことが後から判った(水平エレメントがキチンと張られていなかった)ことなど、まだ不確定要素がありますから、この辺りをユルユルと改善しながら少し長い目で見ていきたいと思います。
釣竿アンテナ用ローディングコイル刷新!
2016-04-22
今日はやや重いコンソーシアムに出席した後、各拠点を回って雑事を片付けて早めに帰宅でき、ほぼ完成していた釣竿君用のローディングコイルを仕上げました。

何れも80mmΦの塩ビパイプを軸にして製作しましたが、自在ブッシュ分2mmほど直径が大きくなっています。太くなったのは一目瞭然・・・左側のものが新作です。1.5mmのアルミ線に幅広の自在ブッシュを使って頑丈に作ったつもりです。コイルのショート用のワニ口を付けたショートワイヤーは、右の古いものから流用しました。インダクタンスの不足を補うため、新しい方は1巻き多くなってます(16回巻き)。
新しいコイルのインダクタンスを測ると丁度20.0μH程になりました。目指すは19.5μHだったのですが、巻き線の終端の関係からこのようにしかできず少し多めになりました。仮にこの0.5μHを打ち消すためのコンデンサを入れるとすると結構な容量のコンデンサを直列に入れなくてはなりませんが、今のTypeⅢにはちょっと苦手なマッチングになります。まぁ、それでもきっと大丈夫・・・というわけで、サクッとアンテナ設営していざ測定
まずは40m。

同調点は流石に低いですがSWR的にはバッチリ。そこで、今回製作したローディングコイルの最後の1巻きを、ワニ口の付いたショートワイヤーで1/3ぐらい短結させてみました。

最早、カップラ要らずですね
こうした微調整も、太いアルミ線でしっかり作ったことからできるようになりました。
さて、問題の80mはというと・・・

少し低い3.36MHzで同調しています。この時、ローディングコイルはタッピングしていません。明らかにボトム・ローディングに使っているコイルのインダクタンスが大き過ぎ(凡そ48μH)・・・ここを改善する必要があります。
ひとまずこの状態で40m,80m共にTYPE-Ⅲでマッチングは取れましたから、釣竿君に装着するローディングコイルは合格となりました。これで、釣竿君のセットアップとして最低限の修復は完了です

何れも80mmΦの塩ビパイプを軸にして製作しましたが、自在ブッシュ分2mmほど直径が大きくなっています。太くなったのは一目瞭然・・・左側のものが新作です。1.5mmのアルミ線に幅広の自在ブッシュを使って頑丈に作ったつもりです。コイルのショート用のワニ口を付けたショートワイヤーは、右の古いものから流用しました。インダクタンスの不足を補うため、新しい方は1巻き多くなってます(16回巻き)。
新しいコイルのインダクタンスを測ると丁度20.0μH程になりました。目指すは19.5μHだったのですが、巻き線の終端の関係からこのようにしかできず少し多めになりました。仮にこの0.5μHを打ち消すためのコンデンサを入れるとすると結構な容量のコンデンサを直列に入れなくてはなりませんが、今のTypeⅢにはちょっと苦手なマッチングになります。まぁ、それでもきっと大丈夫・・・というわけで、サクッとアンテナ設営していざ測定


同調点は流石に低いですがSWR的にはバッチリ。そこで、今回製作したローディングコイルの最後の1巻きを、ワニ口の付いたショートワイヤーで1/3ぐらい短結させてみました。

最早、カップラ要らずですね

さて、問題の80mはというと・・・

少し低い3.36MHzで同調しています。この時、ローディングコイルはタッピングしていません。明らかにボトム・ローディングに使っているコイルのインダクタンスが大き過ぎ(凡そ48μH)・・・ここを改善する必要があります。
ひとまずこの状態で40m,80m共にTYPE-Ⅲでマッチングは取れましたから、釣竿君に装着するローディングコイルは合格となりました。これで、釣竿君のセットアップとして最低限の修復は完了です

釣竿アンテナの80m不具合原因
2016-04-17
先日のJIDXでお巫山戯で80mにオンエアしようとした際、上手くSWRが下がらない不具合がありましたが、ALL JAを来週に控えて原因を探っておこうと、昨晩ちょいと釣竿君をセットしてSWRを改めて測ってみました。
まず、我が愛する(
)釣竿君の構成をおさらいしておきます。

80mへのオンエア時には、2つのコイルを使ってローディングする格好です。この通りセットアップして早速測定。

同調点が1MHzほど上がってしまっています。なおかつ純抵抗分が思いの外高く、見慣れないものとなっています。80m用のローディングコイルは問題ない(以前測定したインダクタンス値とほぼ同じ)ことは既に確認済みですから、残る怪しい部分は40m用のコイルということになりますが、新しく作ったこのコイルは昨年10月のACAGで実績があるんでねぇ
そこで、古いコイルを使って測定してみたら・・・

バッチリですね。ということは、犯人は・・・

40m用のコイルに必要なインダクタンスは19.5μH程度・・・確かに足りません
古いコイルはきちんと19.5μH程になっていますから、犯人はこいつだったようです。
このインダクタンス不足は40mオンエア時にも生じますが、これはTYPE-Ⅲのカバー範囲に入るため40mでは気付かなかったということでしょう。ただ解せないのは、先に書いた通り昨年のACAGでは80mもきちんと動いていたわけですから、もう少し別の要因が潜んでいる可能性もあります。
何れにせよ、このコイルについては再作が必要であることが判りました。おいおい、間に合うのかよ
まず、我が愛する(


80mへのオンエア時には、2つのコイルを使ってローディングする格好です。この通りセットアップして早速測定。

同調点が1MHzほど上がってしまっています。なおかつ純抵抗分が思いの外高く、見慣れないものとなっています。80m用のローディングコイルは問題ない(以前測定したインダクタンス値とほぼ同じ)ことは既に確認済みですから、残る怪しい部分は40m用のコイルということになりますが、新しく作ったこのコイルは昨年10月のACAGで実績があるんでねぇ


バッチリですね。ということは、犯人は・・・

40m用のコイルに必要なインダクタンスは19.5μH程度・・・確かに足りません

このインダクタンス不足は40mオンエア時にも生じますが、これはTYPE-Ⅲのカバー範囲に入るため40mでは気付かなかったということでしょう。ただ解せないのは、先に書いた通り昨年のACAGでは80mもきちんと動いていたわけですから、もう少し別の要因が潜んでいる可能性もあります。
何れにせよ、このコイルについては再作が必要であることが判りました。おいおい、間に合うのかよ

正解は「長め」のアンテナだった!
2015-05-07
今日は明らかに「GW惚け」の頭で午前中の仕事をこなし、悠々と昼食を取りつつ自分のブログを閲覧していました。って、物好きな・・・って思うでしょ
いえいえ、このためにブログにいろいろなデータをアップしているわけですやね
今の旬は「Lマッチの研究」なんですが、直前記事の等価回路モドキを見ていたら全然イケてないことが解り、午後休を取らんばかりに早く帰りたくなりました
流石にそういうわけにもいかず(って、当たり前ぢゃ
)、やっと今、等価回路を書き換えました。

どうやら、マッチング部ありきで考えが固着してしまったようで5番以降が無かったわけですが、これで全部揃ったと思います。
5番は、アンテナ側のインダクタンス成分までの全て(XL1+XL2+XL3)を「LマッチのL」と見立て、その変換比率がZi(50Ω)とRの比率になればマッチングします。6番も同様に、リアクタンス成分打ち消し用のXC2とアンテナのリアクタンス成分XC3の合成で、結果的にリアクタンス成分が小さくなれば、(完全で無いまでも)マッチングは取れるでしょう。
7番は、Tマッチのような形で考えると整理できます。即ち、XC1の一部とXL1の組み合わせによるステップアップと、残りのXC1とXL2,XL3の和で構成されるステップダウンを経て変換されたインピーダンスとRが等しくなれば整合が取れたことになります。同様に、8番もXC2とXC3の合成容量(XC2∥XC3)とXC1の一部との組み合わせのインピーダンス変換と、残りのXC1とXL1によるインピーダンス変換の合成値がRと一致すれば、整合が取れたことになります。
言葉を連ねても判り難いんで、ここで図解しみようかと思ったんですが、実はそんな必要が無いことに気付いたんで、結論だけ等価回路にしましょうか(結局、図は書くんジャン・・・)。

接続されるアンテナの方で細工ができると、「必ず(電気的に)長めのアンテナにする」といった作り方ができます。こうなると、整合したい周波数より少し長めのアンテナが必ず接続される前提でマッチングするような回路構成にすれば良い・・・というわけで、結果的に上図の通りまとまりました。
この「長めのアンテナ前提」とする場合、アパマンハムで顕在化し易い降雨による同調周波数低下(アンテナの見かけの長さが長くなる)という部分にも上手く追随できるため、「晴れの日が続いて最も同調周波数が高い日」という条件で少しインダクティブなアンテナになるように、アンテナ側のコイル等を調整すればよいことになります。
さぁ、残る課題はコイルの可変・・・普通にタップを取ってもいいんですが、何か良いアイディアは無いかもう少し拘ってみます。
修正 2015/06/12>
上の図の(6)の題名が間違っていましたので差し替えました。


今の旬は「Lマッチの研究」なんですが、直前記事の等価回路モドキを見ていたら全然イケてないことが解り、午後休を取らんばかりに早く帰りたくなりました



どうやら、マッチング部ありきで考えが固着してしまったようで5番以降が無かったわけですが、これで全部揃ったと思います。
5番は、アンテナ側のインダクタンス成分までの全て(XL1+XL2+XL3)を「LマッチのL」と見立て、その変換比率がZi(50Ω)とRの比率になればマッチングします。6番も同様に、リアクタンス成分打ち消し用のXC2とアンテナのリアクタンス成分XC3の合成で、結果的にリアクタンス成分が小さくなれば、(完全で無いまでも)マッチングは取れるでしょう。
7番は、Tマッチのような形で考えると整理できます。即ち、XC1の一部とXL1の組み合わせによるステップアップと、残りのXC1とXL2,XL3の和で構成されるステップダウンを経て変換されたインピーダンスとRが等しくなれば整合が取れたことになります。同様に、8番もXC2とXC3の合成容量(XC2∥XC3)とXC1の一部との組み合わせのインピーダンス変換と、残りのXC1とXL1によるインピーダンス変換の合成値がRと一致すれば、整合が取れたことになります。
言葉を連ねても判り難いんで、ここで図解しみようかと思ったんですが、実はそんな必要が無いことに気付いたんで、結論だけ等価回路にしましょうか(結局、図は書くんジャン・・・)。

接続されるアンテナの方で細工ができると、「必ず(電気的に)長めのアンテナにする」といった作り方ができます。こうなると、整合したい周波数より少し長めのアンテナが必ず接続される前提でマッチングするような回路構成にすれば良い・・・というわけで、結果的に上図の通りまとまりました。
この「長めのアンテナ前提」とする場合、アパマンハムで顕在化し易い降雨による同調周波数低下(アンテナの見かけの長さが長くなる)という部分にも上手く追随できるため、「晴れの日が続いて最も同調周波数が高い日」という条件で少しインダクティブなアンテナになるように、アンテナ側のコイル等を調整すればよいことになります。
さぁ、残る課題はコイルの可変・・・普通にタップを取ってもいいんですが、何か良いアイディアは無いかもう少し拘ってみます。
修正 2015/06/12>
上の図の(6)の題名が間違っていましたので差し替えました。
釣竿アンテナ用マッチング回路の検討Tips
2015-05-05
折角セッティングした新しい部品入れへの収納が億劫で、相変わらずコンテストで釣竿君を扱うのに好適なマッチングボックスを検討しています。落ち着いてデータ取得してみたところで幾つか気付いたこともあるんで、つらつらとまとめておきたいと思います。
釣竿君の80m運用では、40m用に最適化してあるセンターローディングの短縮アンテナにエンドローディングとしてコイルを挿入して使います。

上の絵は、丁度80mの運用中の様子になるわけですが、この状態から40mの運用に切り替える場合、ワニ口-2をカップラから外してワニ口-1をコイルからカップラに付け替え、その上で「チューニングを取り直す」という作業を伴います。このチューニング作業に手こずれば、その分は運用時間のロスになることから安易にバンド切り替えを行うことはできず、新しいマルチの獲得には不利になっています。
そこで、この2バンド個々に独立したマッチングセクションを設けて事前にチューニングしておき、運用中のバンド切り替えをスイッチ操作などの簡単なものとすることで、煩わしいチューニング作業を一掃しようというのが今回の製作テーマです。

またしても稚拙な絵図でお恥ずかしい
でも、案外こうしたイメージ図は重要・・・何度も眺めてはさらにイメージを膨らませたり、逆にディテールを想像したりと、無いよりは有った方がいい場合が多く、時間のあるときには書くようにしています。
80mのローディングコイルは、今後の改良の可能性を考慮して「外付け」にすることにしたいんで、アンテナの切替操作としては、今の釣竿君の仕様に依存して「切替スイッチの操作とアンテナの『ワニ口』の付け替え」という手作業を前提にしています。上の絵図の状態で、TRXの代わりとしてクラニシ君かアンアナ54号君を繋いでマッチングを取れば80mのチューニングは完了。40mも同様で、事前にチューニングを取っておけば、あとは運用したいバンドに合わせて切替スイッチとワニ口の付け替えを行えば良いわけです。
多分、これだけのちょっとした造作で、特に国内コンテストの夜中の運用は飛躍的に楽になるはず・・・もっと早く実現しておけば良かったなぁとちょっと後悔しています
さて、肝心のマッチング部に着目してみます。
まず、アンテナのマッチング回路のポイントは、「1.設計した範囲では確実に」「2.如何に減衰なく」整合が取れるかということです。特にアパマンの悩みである「雨が降ると同調点が大きく変化する」といった場合を含めて、設計時点で想定される整合範囲はきちんと考慮しておく必要があります。
現用のアンテナカップラであるTYPE-Ⅲの設計時点では、この「整合範囲の検討」において実は考え違いをしています。というのは、整合範囲を広めに取っ ておくことで如何なる状況にも対応できるという、言わば「大は小を兼ねる」的な発想で検討したため、整合範囲が非常に広くなってしまっています。また、π型の亜種である「πC型」としたため、(定量的には測定していませんが)余計な変換をして不必要にロスっている可能性が高く、QRPが主体の運用スタイルとしてはちょっと好ましからず・・・。
一方、アンアナ54号君を購入して以来、アンテナの抵抗分と虚数成分の理解が深まったお陰で、抵抗分として支配項になり易い「カウンターポイズ」の部分と、短縮型アンテナの宿命でもある虚数成分を分けて検討できるようになり、おまけに虚数成分の「殺し方」・・・というか、対処の仕方が解ってきたことで、マッチング部に対する「要件」が変わってきました。そして、釣竿君の80mと40m使用時に必要な整合範囲も、アンアナ54号君のお陰で既にデータまとめができたわけですね。
そこで、ここではマッチング部とアンテナの等価回路図モドキをこしらえてみました。

「単一型アンテナ」というところが粋ざんしょ
少なくとも我が釣竿君は「垂直」では御座らんし、無線工学の教科書に立ち返ったわけですな
まぁ、そんなことは兎も角、ここからが「Tips」というより「気付いた点のメモ書き」になります。
この4つのバリエーションの大本の作りは「Lマッチ」であり、π型よりロスは少ないものと思います。この内、最も製作し易いのが1番のものです。これは、アンテナのリアクタンス成分を打ち消すためのコイル「XL2」を、インピーダンス変換を行うLマッチの「XL1」の一部として取り込んでしまうことができ、ハード的な要素として「コンデンサとコイルが1つずつ」で済む形になるためです。全体としてLマッチそのものですから、かなりロスの少ないマッチングが期待できます。
ここで、昨日のデータ・・・80mと40mの釣竿君の諸元データを思い出すと、50Ωよりインピーダンスが低い方(30~50Ω)でマッチングが取れるのは80mであり、自動的に1番か2番かのチョイスになりますが、もし接続するアンテナがキャパシティブ・・・その波長に対して電気的に少し短いアンテナであれば1番でOKということになりますね。勿論、このリアクタンス成分は小さいほど必要となるインダクタンス「XL2」も小さくなりますから、ここら辺りにローディングコイルを含めた80mのアンテナとしての「同調点の落としどころ」がありそうです。
一方、40mの場合は50Ωよりインピーダンスが高い方(50~65Ω)でマッチングすることが、昨日まとめたデータから解っています。即ち、3番か4番のチョイスになりますが、3番の方は「コイルを2つ用意する」か「1つのコイルとしてタップを取る」かしかなく、製作が面倒になります。こうなると、4番をチョイスした上でアンテナを(電気的に)少し長めにすればよいというのが1つの結論なんですが、実はここに注意すべき点があります。それは、4番のマッチング回路で数Ω程度のアンテナのリアクタンス成分を打ち消そうとすると、XC2の容量が非常に大きくなってしまうということ。7.000MHzで試算してみると・・・
1Ω : 22736.4pF
5Ω : 4547.4pF
10Ω : 2273.6pF
20Ω : 1136.8pF
30Ω : 757.9pF
勿論、数Ω台のマッチングによる改善は、SWRの小数点第一位が変わるか変わらないか程度ですから、現実的には2連のエアバリコン・・・430pF×2の可変範囲、さらに820pF程度のコンデンサをパラに接続できるような仕掛けを作り、数十Ω程度の範囲が調整できればいいでしょう。
なんだ、考えれば動きそうジャンと思うのは素人の浅はかさ・・・実はもう一つ大きな難題があります。それは、Lマッチのインピーダンス変換では、コンデンサとコイルの両方の値を変換比率に応じて変えてやらなければならないことです。コンデンサはバリコンで難なく実現できますが、問題はコイルの方。実際にはアンテナ側のリアクタンス成分との関係や必ずしも無線機側のインピーダンスが50Ωピッタリで無くても良い(寧ろ、ピッタリだと思っても意味が無い)といったことから、その時点でまずまずの状態にはチューニングできそうですが、流石に「最良」にはならないでしょう。この辺り、コイルの作り方やタップの取り方など考えるべき点はまだまだありますから、今後のプチ実験を含めて、もう少し検討したいと思います。
修正 15/05/07
整合の等価回路・・・キャパシティブとしたいところがコンダクティブという「造語」になっていました。何だ、コンダクティブって・・・。図を入れ替えました。
釣竿君の80m運用では、40m用に最適化してあるセンターローディングの短縮アンテナにエンドローディングとしてコイルを挿入して使います。

上の絵は、丁度80mの運用中の様子になるわけですが、この状態から40mの運用に切り替える場合、ワニ口-2をカップラから外してワニ口-1をコイルからカップラに付け替え、その上で「チューニングを取り直す」という作業を伴います。このチューニング作業に手こずれば、その分は運用時間のロスになることから安易にバンド切り替えを行うことはできず、新しいマルチの獲得には不利になっています。
そこで、この2バンド個々に独立したマッチングセクションを設けて事前にチューニングしておき、運用中のバンド切り替えをスイッチ操作などの簡単なものとすることで、煩わしいチューニング作業を一掃しようというのが今回の製作テーマです。

またしても稚拙な絵図でお恥ずかしい

80mのローディングコイルは、今後の改良の可能性を考慮して「外付け」にすることにしたいんで、アンテナの切替操作としては、今の釣竿君の仕様に依存して「切替スイッチの操作とアンテナの『ワニ口』の付け替え」という手作業を前提にしています。上の絵図の状態で、TRXの代わりとしてクラニシ君かアンアナ54号君を繋いでマッチングを取れば80mのチューニングは完了。40mも同様で、事前にチューニングを取っておけば、あとは運用したいバンドに合わせて切替スイッチとワニ口の付け替えを行えば良いわけです。
多分、これだけのちょっとした造作で、特に国内コンテストの夜中の運用は飛躍的に楽になるはず・・・もっと早く実現しておけば良かったなぁとちょっと後悔しています

さて、肝心のマッチング部に着目してみます。
まず、アンテナのマッチング回路のポイントは、「1.設計した範囲では確実に」「2.如何に減衰なく」整合が取れるかということです。特にアパマンの悩みである「雨が降ると同調点が大きく変化する」といった場合を含めて、設計時点で想定される整合範囲はきちんと考慮しておく必要があります。
現用のアンテナカップラであるTYPE-Ⅲの設計時点では、この「整合範囲の検討」において実は考え違いをしています。というのは、整合範囲を広めに取っ ておくことで如何なる状況にも対応できるという、言わば「大は小を兼ねる」的な発想で検討したため、整合範囲が非常に広くなってしまっています。また、π型の亜種である「πC型」としたため、(定量的には測定していませんが)余計な変換をして不必要にロスっている可能性が高く、QRPが主体の運用スタイルとしてはちょっと好ましからず・・・。
一方、アンアナ54号君を購入して以来、アンテナの抵抗分と虚数成分の理解が深まったお陰で、抵抗分として支配項になり易い「カウンターポイズ」の部分と、短縮型アンテナの宿命でもある虚数成分を分けて検討できるようになり、おまけに虚数成分の「殺し方」・・・というか、対処の仕方が解ってきたことで、マッチング部に対する「要件」が変わってきました。そして、釣竿君の80mと40m使用時に必要な整合範囲も、アンアナ54号君のお陰で既にデータまとめができたわけですね。
そこで、ここではマッチング部とアンテナの等価回路図モドキをこしらえてみました。

「単一型アンテナ」というところが粋ざんしょ


この4つのバリエーションの大本の作りは「Lマッチ」であり、π型よりロスは少ないものと思います。この内、最も製作し易いのが1番のものです。これは、アンテナのリアクタンス成分を打ち消すためのコイル「XL2」を、インピーダンス変換を行うLマッチの「XL1」の一部として取り込んでしまうことができ、ハード的な要素として「コンデンサとコイルが1つずつ」で済む形になるためです。全体としてLマッチそのものですから、かなりロスの少ないマッチングが期待できます。
ここで、昨日のデータ・・・80mと40mの釣竿君の諸元データを思い出すと、50Ωよりインピーダンスが低い方(30~50Ω)でマッチングが取れるのは80mであり、自動的に1番か2番かのチョイスになりますが、もし接続するアンテナがキャパシティブ・・・その波長に対して電気的に少し短いアンテナであれば1番でOKということになりますね。勿論、このリアクタンス成分は小さいほど必要となるインダクタンス「XL2」も小さくなりますから、ここら辺りにローディングコイルを含めた80mのアンテナとしての「同調点の落としどころ」がありそうです。
一方、40mの場合は50Ωよりインピーダンスが高い方(50~65Ω)でマッチングすることが、昨日まとめたデータから解っています。即ち、3番か4番のチョイスになりますが、3番の方は「コイルを2つ用意する」か「1つのコイルとしてタップを取る」かしかなく、製作が面倒になります。こうなると、4番をチョイスした上でアンテナを(電気的に)少し長めにすればよいというのが1つの結論なんですが、実はここに注意すべき点があります。それは、4番のマッチング回路で数Ω程度のアンテナのリアクタンス成分を打ち消そうとすると、XC2の容量が非常に大きくなってしまうということ。7.000MHzで試算してみると・・・
1Ω : 22736.4pF
5Ω : 4547.4pF
10Ω : 2273.6pF
20Ω : 1136.8pF
30Ω : 757.9pF
勿論、数Ω台のマッチングによる改善は、SWRの小数点第一位が変わるか変わらないか程度ですから、現実的には2連のエアバリコン・・・430pF×2の可変範囲、さらに820pF程度のコンデンサをパラに接続できるような仕掛けを作り、数十Ω程度の範囲が調整できればいいでしょう。
なんだ、考えれば動きそうジャンと思うのは素人の浅はかさ・・・実はもう一つ大きな難題があります。それは、Lマッチのインピーダンス変換では、コンデンサとコイルの両方の値を変換比率に応じて変えてやらなければならないことです。コンデンサはバリコンで難なく実現できますが、問題はコイルの方。実際にはアンテナ側のリアクタンス成分との関係や必ずしも無線機側のインピーダンスが50Ωピッタリで無くても良い(寧ろ、ピッタリだと思っても意味が無い)といったことから、その時点でまずまずの状態にはチューニングできそうですが、流石に「最良」にはならないでしょう。この辺り、コイルの作り方やタップの取り方など考えるべき点はまだまだありますから、今後のプチ実験を含めて、もう少し検討したいと思います。
修正 15/05/07
整合の等価回路・・・キャパシティブとしたいところがコンダクティブという「造語」になっていました。何だ、コンダクティブって・・・。図を入れ替えました。
釣竿アンテナのデータ整理
2015-05-04
自分にとってはGWの「中日」を通過中。金曜はホームセンタに部品入れの買い出し、土曜は家族的なイベントで楽しい一日を過ごし、昨日は天気が良かったんで布団を干したり、工作スペースに部品入れを仮レイアウトしたりで、ややマッタリと過ぎてしまいました。
このGW期間中にどうしてもやっておきたかったのは、先日のALL JAでも活躍した「釣竿君」こと、80m/40m用の釣竿アンテナの諸元データの採取。実は昨秋のオール千葉コンテストの撤収時、暗がりの中でこのアンテナの心臓部であるコイルをものの見事に踏んづけてしまい、何とか成形し直したいびつなものを使っていたため、この状態で同調周波数がどうなっているのか知りたかったんです。
まぁ、このいびつになってしまったコイルをもう一度同じような方法で再作することは造作も無く、あわよくば同じぐらいのインダクタンス値でさらなる高Qを狙ったローディングコイルを製作すること(単にコイルの直径を少し大きくするという感じでの再作)も、実はこの「ローバンドさっさとスイッチ計画」の『ついで作業』に入っています
・・・と、この記事自体は「どよよん無線技士用リマインダ」丸出しになりますから、貴重なGW真っ最中の皆様はこの辺で離脱されるが吉かと思いますよ
過去のデータは、このカテゴリにペタペタ貼り付けてきましたが、釣竿君の同調点とコンテスト運用(@CW)の中心周波数における諸元を今日採取したものを含めて表にまとめます。
<80m>
コイル新調:80m用ローディングコイル巻き直し
コイル新調後:巻き直したコイルで同調周波数持ち上げ
<40m>
全く自分にしか解らないデータで申し訳ないんですが、上の表には、今後の参考となる「データ取得時の様子・条件」を記入しています。昨日取ったデータでは、80m/40m共にほぼ同調点が使用周波数付近にあります。つまり、踏んづけたせいで歪んでいる今のコイルは「イケてる」ってことですね
冗談は兎も角、これらのデータから解ることをまとめておきます。
◆ 同調点をどの辺りに置くか
まず、同調点のインピーダンスは、80mが30Ω台、40mが50Ω台と大括りで読み取れます。その上で、使用周波数から離れた所に同調点のあるもの(薄ピンクでハッチング)は、残念ながらデータ未取得(@80m)か、或いはかなり無茶なマッチングが必要(@40m)なデータに見えます。このことから、無理ないマッチングを前提に80mでは3.3MHz以上、40mでは6.85MHz以上の周波数に同調点があるのが良いようです。
これはちょっと当たり前の結論ですが、「カップラで落とせるからいいや」といった方向に走りがちな自分への警鐘にしましょうか・・・って、ちょっと大袈裟かな
◆ カウンターポイズの影響(仮)
カウンターポイズは相変わらずショボいアルミ線のまま運用していますが、現状はパターンとして3種類のバリエーションがあります。
CP-0:ベランダの外寄りのアルミ線(約6m)
CP-1:CP-0+コンテスト用に仮設できる5m×2本のビニールコード
CP-2:CP-1+ベランダの部屋寄りのアルミ線(約9m)
特に切り替えて使っているものではなくCP-2の状態で運用するのが普通なんですが、昨晩はこの「カウンターポイズの違いによる挙動」についてもデータを取りました。このデータ取得は80mから始めたんですが、それほど変化が無かったためにCP-1までで止めてしまい、さて40mはどうかいな・・・とやってみてもあまり変わらない様子。ところが、「どうせならCP-2も取るか」とやってみたら10Ω近くインピーダンスが上昇しました。80mも取っておけばよかったと後悔しましたが、継ぎ接ぎのアルミ線に無造作に投げ出したビニールコードでは、多分測る度にデータが違ってしまうように思い、「結構変化する」という曖昧な結論で棚上げしてあります
◆必要なインピーダンスの「変換具合」
アンテナの同調点を上記の通り調整すれば、結果的には(jXを除いて考えれば)概ね黄色のハッチングで示した範囲でインピーダンスの「変換」ができればよいということになります。即ち、80mは30Ω~50Ω、40mは50Ω~65Ωの変換が必要ですが、何れも50Ωから大きくかけ離れていません。これなら、簡単なLマッチやトランスによる細かなステップのインピーダンス変換などで賄えそうですし、仮にπマッチにしても極端なインピーダンス変換を求められない「低損失な範囲」で設計でき、専用マッチング回路のメリットにちょっぴり期待できそうです
◆2つのバンドを個別に調整できれば・・・
そして、「2つのバンド別々に準備する」ということで、「ローバンドさっさとスイッチ計画」を実現しようというのが最終的な狙いになります。即ち・・・

こんなブロック図にする必要は無いか
・・・要するに、アンテナ側とリグ側(図では右側)にスイッチを用意して切り替えられるようにして、個々のバンドで最適となるようなマッチング部を設けておこうという単純明快な絡繰りなんですが、今回のデータまとめは「あまり広範なマッチング範囲で設計されたマッチングボックスは不要なはず」・・・という部分に当たりを付けたかったんですね。
以上、ちょっと中途半端なまとめですが、ひとまず目安となるデータをまとめることができました。今日を含めてあと3日となった連休・・・次は何をしようかな
このGW期間中にどうしてもやっておきたかったのは、先日のALL JAでも活躍した「釣竿君」こと、80m/40m用の釣竿アンテナの諸元データの採取。実は昨秋のオール千葉コンテストの撤収時、暗がりの中でこのアンテナの心臓部であるコイルをものの見事に踏んづけてしまい、何とか成形し直したいびつなものを使っていたため、この状態で同調周波数がどうなっているのか知りたかったんです。
まぁ、このいびつになってしまったコイルをもう一度同じような方法で再作することは造作も無く、あわよくば同じぐらいのインダクタンス値でさらなる高Qを狙ったローディングコイルを製作すること(単にコイルの直径を少し大きくするという感じでの再作)も、実はこの「ローバンドさっさとスイッチ計画」の『ついで作業』に入っています


過去のデータは、このカテゴリにペタペタ貼り付けてきましたが、釣竿君の同調点とコンテスト運用(@CW)の中心周波数における諸元を今日採取したものを含めて表にまとめます。
<80m>
Date | F0 | @3.520MHz | Remarks | ||||
Freq | R | jX | R | jX | |||
2013.04.29 | 3.320 | 31.3 | +0.7 | 41.3 | +167.8 | ||
2013.10.04 | 3.180 | 29.8 | +1.1 | - | - | データ未取得 | |
2013.10.13 | 3.420 | 39.9 | +1.4 | 41.8 | +71.4 | ||
2013.11.02 | 3.080 | 23.0 | +1.5 | - | - | コイル新調 | |
2014.10.07 | 3.330 | 41.6 | +1.0 | 50.5 | +139.9 | コイル調整後 | |
2015.05.03 | 3.510 | 32.8 | -2.5 | 33.2 | +5.5 | CP-0 | |
〃 | 3.500 | 34.0 | -3.3 | 34.5 | +12.6 | CP-1 |
コイル新調後:巻き直したコイルで同調周波数持ち上げ
<40m>
Date | F0 | @7.020MHz | Remarks | |||
Freq | R | jX | R | jX | ||
2013.04.29 | 6.826 | 59.7 | -1.9 | 70.0 | +64.1 | |
2013.10.04 | 6.724 | 59.3 | +0.6 | - | - | データ未取得 |
2013.11.02 | 6.880 | 48.9 | +0.4 | 51.0 | +47.9 | |
2014.10.07 | 6.754 | 67.2 | -2.9 | 80.9 | +82.3 | |
2015.05.03 | 6.994 | 56.1 | +1.1 | 56.3 | +7.6 | CP-0 |
〃 | 7.006 | 55.9 | +3.6 | 56.6 | +6.0 | CP-1 |
〃 | 7.018 | 63.6 | +2.1 | 63.6 | +2.1 | CP-2 |
全く自分にしか解らないデータで申し訳ないんですが、上の表には、今後の参考となる「データ取得時の様子・条件」を記入しています。昨日取ったデータでは、80m/40m共にほぼ同調点が使用周波数付近にあります。つまり、踏んづけたせいで歪んでいる今のコイルは「イケてる」ってことですね

冗談は兎も角、これらのデータから解ることをまとめておきます。
◆ 同調点をどの辺りに置くか
まず、同調点のインピーダンスは、80mが30Ω台、40mが50Ω台と大括りで読み取れます。その上で、使用周波数から離れた所に同調点のあるもの(薄ピンクでハッチング)は、残念ながらデータ未取得(@80m)か、或いはかなり無茶なマッチングが必要(@40m)なデータに見えます。このことから、無理ないマッチングを前提に80mでは3.3MHz以上、40mでは6.85MHz以上の周波数に同調点があるのが良いようです。
これはちょっと当たり前の結論ですが、「カップラで落とせるからいいや」といった方向に走りがちな自分への警鐘にしましょうか・・・って、ちょっと大袈裟かな

◆ カウンターポイズの影響(仮)
カウンターポイズは相変わらずショボいアルミ線のまま運用していますが、現状はパターンとして3種類のバリエーションがあります。
CP-0:ベランダの外寄りのアルミ線(約6m)
CP-1:CP-0+コンテスト用に仮設できる5m×2本のビニールコード
CP-2:CP-1+ベランダの部屋寄りのアルミ線(約9m)
特に切り替えて使っているものではなくCP-2の状態で運用するのが普通なんですが、昨晩はこの「カウンターポイズの違いによる挙動」についてもデータを取りました。このデータ取得は80mから始めたんですが、それほど変化が無かったためにCP-1までで止めてしまい、さて40mはどうかいな・・・とやってみてもあまり変わらない様子。ところが、「どうせならCP-2も取るか」とやってみたら10Ω近くインピーダンスが上昇しました。80mも取っておけばよかったと後悔しましたが、継ぎ接ぎのアルミ線に無造作に投げ出したビニールコードでは、多分測る度にデータが違ってしまうように思い、「結構変化する」という曖昧な結論で棚上げしてあります

◆必要なインピーダンスの「変換具合」
アンテナの同調点を上記の通り調整すれば、結果的には(jXを除いて考えれば)概ね黄色のハッチングで示した範囲でインピーダンスの「変換」ができればよいということになります。即ち、80mは30Ω~50Ω、40mは50Ω~65Ωの変換が必要ですが、何れも50Ωから大きくかけ離れていません。これなら、簡単なLマッチやトランスによる細かなステップのインピーダンス変換などで賄えそうですし、仮にπマッチにしても極端なインピーダンス変換を求められない「低損失な範囲」で設計でき、専用マッチング回路のメリットにちょっぴり期待できそうです

◆2つのバンドを個別に調整できれば・・・
そして、「2つのバンド別々に準備する」ということで、「ローバンドさっさとスイッチ計画」を実現しようというのが最終的な狙いになります。即ち・・・

こんなブロック図にする必要は無いか

以上、ちょっと中途半端なまとめですが、ひとまず目安となるデータをまとめることができました。今日を含めてあと3日となった連休・・・次は何をしようかな

釣竿アンテナをL型に見立てると・・・
2014-11-01
今日は生憎の悪天候でしたが、夕方に久々のEU(Serbia)とQSO。一連のPedi も先々週辺りからちらほら交信できており、晩秋のCONDXを少しだけ楽しんでいます。昨日からFT4TAがQRVしたようで、12mのCW帯はパイルが一杯に広がっていました。
さて、先の記事でちょこっと予告しましたが、釣竿君をL型アンテナに見立ててシミュレートしたら、面白い結果が得られたんでまとめておきたいと思います。
ベランダの隅に設置された釣竿アンテナでは、設置されたのと反対側にカウンターポイズを引き回すものと思います。この形状を単純化すると、「L」の形になることに着目してシミュレーションしてみたところ、カウンターポイズの長さによって、偏波と打上角が大きく変化することが解りました。

上の図がシミュレーションしたアンテナの全景です。周波数は7.010MHz、ラジエター長は変えずにカウンターポイズの部分を可変し、ローディングコイルを最適化して輻射パターンを求めました。
地面の導電率はCQ出版の「ワイヤーアンテナ」を参考にしていたんですが、ネットにもありますね。「日本大地抵抗率」で検索すると見つかります。誘電率は3.0(普通の土地の平均が2.0から5.0)、導電率は30mS/mとしてみました。

カウンターポイズが10.7m・・・これは我がベランダでは無理ですが、一般的なGPのラジアル長である「λ/4」、その他は徐々に短くした長さです。現状の釣竿君は6mのものがほぼ「疑似った形」になります。
L型の場合、カウンターポイズを張った方向に対してビームが出ることが知られていますが、釣竿アンテナでは垂直エレメントが若干倒れた形になりますので、ビームパターンが予想に反した形になります。また、水平成分がかなり天頂方向に強く出てしまうことが解ります。
大きな特徴は、カウンターポイズの長さが短くなるほど、垂直方向のパターンが綺麗な形に収束していくところです。この特徴だけを捉えるとDX向きにはカウンターポイズを短くした方が良さそうですが、カウンターポイズが短くなるにつれ、アンテナとしてのゲインが落ちていくことが解ります(赤く囲ったところ)。
さらに、カウンターポイズの長さによって整合インピーダンスも変化します。このことは、実際の運用におけるマッチングの「楽さ」につながり、カップラでの無理なインピーダンス変換によるロスを引き起こさない「頃合い」がありそうにも思います。
上記のシミュレーションは、建物の存在を無視して8mHのアンテナとして設置できた場合のモデルですから本当に参考にできるかどうかは解りませんが、少なくとも無造作に設置してしまいがちなカウンターポイズの長さが、国内向き・DX向きなどの「飛び」と称される部分に少なからず影響がありそうだということは解りました。
また、マンションのベランダの場合には、このカウンターポイズが建物の金属構造物(多分、主に鉄筋だと思います)と容量的に(或いは、金属露出部分につないだ場合は直流的にも)結合するため、どんな「等電位面」を作り出すのかが謎・・・やはり、実験的に求めるしかなさそうですね。北京放送(7.325MHz)辺りをパイロットにして、長さの違うカウンターポイズを用意して確認するのが良さそうです。
次の実験方法は決まりました。何とかこの3連休にできるといいんですが、果たして・・・。
さて、先の記事でちょこっと予告しましたが、釣竿君をL型アンテナに見立ててシミュレートしたら、面白い結果が得られたんでまとめておきたいと思います。
ベランダの隅に設置された釣竿アンテナでは、設置されたのと反対側にカウンターポイズを引き回すものと思います。この形状を単純化すると、「L」の形になることに着目してシミュレーションしてみたところ、カウンターポイズの長さによって、偏波と打上角が大きく変化することが解りました。

上の図がシミュレーションしたアンテナの全景です。周波数は7.010MHz、ラジエター長は変えずにカウンターポイズの部分を可変し、ローディングコイルを最適化して輻射パターンを求めました。
地面の導電率はCQ出版の「ワイヤーアンテナ」を参考にしていたんですが、ネットにもありますね。「日本大地抵抗率」で検索すると見つかります。誘電率は3.0(普通の土地の平均が2.0から5.0)、導電率は30mS/mとしてみました。

カウンターポイズが10.7m・・・これは我がベランダでは無理ですが、一般的なGPのラジアル長である「λ/4」、その他は徐々に短くした長さです。現状の釣竿君は6mのものがほぼ「疑似った形」になります。
L型の場合、カウンターポイズを張った方向に対してビームが出ることが知られていますが、釣竿アンテナでは垂直エレメントが若干倒れた形になりますので、ビームパターンが予想に反した形になります。また、水平成分がかなり天頂方向に強く出てしまうことが解ります。
大きな特徴は、カウンターポイズの長さが短くなるほど、垂直方向のパターンが綺麗な形に収束していくところです。この特徴だけを捉えるとDX向きにはカウンターポイズを短くした方が良さそうですが、カウンターポイズが短くなるにつれ、アンテナとしてのゲインが落ちていくことが解ります(赤く囲ったところ)。
さらに、カウンターポイズの長さによって整合インピーダンスも変化します。このことは、実際の運用におけるマッチングの「楽さ」につながり、カップラでの無理なインピーダンス変換によるロスを引き起こさない「頃合い」がありそうにも思います。
上記のシミュレーションは、建物の存在を無視して8mHのアンテナとして設置できた場合のモデルですから本当に参考にできるかどうかは解りませんが、少なくとも無造作に設置してしまいがちなカウンターポイズの長さが、国内向き・DX向きなどの「飛び」と称される部分に少なからず影響がありそうだということは解りました。
また、マンションのベランダの場合には、このカウンターポイズが建物の金属構造物(多分、主に鉄筋だと思います)と容量的に(或いは、金属露出部分につないだ場合は直流的にも)結合するため、どんな「等電位面」を作り出すのかが謎・・・やはり、実験的に求めるしかなさそうですね。北京放送(7.325MHz)辺りをパイロットにして、長さの違うカウンターポイズを用意して確認するのが良さそうです。
次の実験方法は決まりました。何とかこの3連休にできるといいんですが、果たして・・・。
カウンターポイズ実験前の私的まとめ
2014-11-01
まだまだ納得がいかない我が釣竿君の挙動、特に確たるアンテナ理論や豊富な経験など持ち合わせていませんから、このブログの王道であるイキアタリバッタリ・・・まさに「どよよん現象」の一つとして、「マンション設置のカウンターポイズ」について考えてみます。
最終目標は「そこそこイケてるウチのカウンターポイズちゃん」の完成。理屈には全く自身がありませんので、読み物として読んで頂ければ・・・と思いますが、ところがドッコイ、ブログ主は「大真面目」です
◆ 先に予防線を・・・
諸OMのベランダアンテナ設置方法、動作の解釈に難癖を付けるようなつもりは一切ありません
あくまで、アンポンタンな「どよよん無線技士」たら自称してはるここのブログ主の戯れ言ですので、憤慨しそうな方は読み進めるのをお辞め頂きますよう強く希望致します。
◆ アースとグランドは「不採用」
アパマンハムが小型のアンテナ・・・例えば釣竿アンテナやモビホ流用などでアンテナ設置する際、「アース」という言葉が頻発します。そもそも、この「アース」や「グランド」という名詞の意味が曖昧で、相当誤解がありそうに思います。
まずは「アース」。特に、人並みにお勉強してアマチュア無線技士の資格を取った方々は、無線工学教本の片隅に出てくる「接地型アンテナ」の「接地」の部分の印象なのか、何かと地面と仲良くしたくなるようですが、地表近くに設置するバーチカルアンテナなどの「本当に地面とお友達なアンテナ」以外、この「アース」という言葉は『誤用』だと思います。
保安アースに接続・・・これも、「たまたま上手くいったら儲けもん」くらいの気持ちで試してみるのはいいとは思います。低層階にお住まいの方の中には、この方法で良好な「接地型アンテナ」を得られる方がいるかも知れませんが、皆がみな、地面までつながったから良好に働いたと考えるのは誤りでしょう。
一方のグランド。グランドプレーンなどは、見事に「接地板」などと訳されますが、真っ先に想像してしまうのはやはり地面・・・そう、あの若かりし頃、ボールが見えなくなるまで追いかけたグランドでしょう(因みに、あたしゃ鈍足のサッカー小僧でした)。そして、アパマンハムでも1Fなら地面はすぐそこですが、2階以上にお住まいなら「ベランダ=グランド」だとは思わないでしょう。
何れにせよこの2つの単語は、「我が家に設置した場合の釣竿君」には使わないようにしたいと思います。なぜなら、「電気を地面に流したい」というわけではないからです。
◆ ラジアルってなんだっけ?
ラジアルの原義は「放射状の」「星型の」という意味であり、グランドプレーンの場合は水平方向に突き出すワイヤーの形状からこう呼んでいますね。市販のグランドプレーンではラジアルが3,4本のものがポピュラーですが、MMANAでシミュレートすると2本でもそこそこ動作するようです。ただ、語意から言えばもっとたくさんの線を「放射状に」張り出した方が、この言葉にはぴったり来ますね。
アンテナの動作におけるラジアルは、これらが描き出す「面」を『仮の地面』(等電位面)に見立てるという解釈で間違っていないと思います。我が家(=マンションの3F)のように少し高いところにアンテナを設置する場合、流石に地面まで電線を引っ張っていくのはナンセンス・・・その電線から電波を輻射してしまい、まともな動作が期待できなくなりますから、ラジアルを張って「あたかも地面に設置されたが如くラジエターを騙す」というこのアイディアは素晴らしいと思います。
ただ、ベランダでは流石に「放射状」とはいきませんし「星形」にもしませんから、これも我が釣竿君のお相手の呼称には相応しくない気がします。
◆ やっぱり、カウンターポイズでしょ!
カウンターポイズとは「平衡錘」・・・即ち、あの昔々の身体測定で乗った記憶のある体重計(って、そんなに大年寄りでもないんですがねぇ・・・)のように、釣り合いを取って重さを測る秤の「オモリ」のことだそうです。
安売りの釣竿にちょっとひん曲った自作コイルが正体の釣竿君に相応しいオモリであれば、それこそ干し柿でも吊るしておきゃぁいいんですが、大切なのは「形状が同じようでなくてもいいんだぜ」という解釈で、釣竿君に見合う何か・・・アンテナとして効率よく動かせる何かを模索したいわけですから、このカウンターポイズという呼称がぴったりでしょう。
◆ カウンターポイズの在り方の仮説
仮に地表にカウンターポイズを置いたとしましょう。こうすると、広大な大地との結合(容量結合)が生じ、このカウンターポイズを用いたアンテナは「接地型アンテナ」に類する特性を示すものと思います。これを積極的に行うために多数本の電線を放射状に配置したり、或いは埋設したりして、「より大地っぽくする」というのは、接地型アンテナ施工主のあるべき姿だと思います。そして、もし良好なアースが取れればもっと積極的な接続・・・即ちアース棒を打ち込むなどして本当の意味で「地面と接続する」というのが、接地型アンテナの最終形ということでしょうか。
一方、我が家(=マンションの3F)のように少し高いところにアンテナを設置する場合、カウンターポイズの「地面との結合」は不要で、逆に歴とした「The 仮想地面」として置いてやることが、良好なアンテナ動作にとって望ましいということなのではないか・・・というのが、ブログ主の今いまの見解です。
◆ マンションって地面のデッパリ
コンクリートでできた普通のマンションに住んでいますが、コンクリート自体は「含水率」「材料の配分」でその抵抗値が大きく変わること、直流と高周波では現れる抵抗値が全く違うこと(MHz単位では、かなり低い抵抗値を示す場合がある)などなど、ちょっと調べただけでも「絶縁体ではないな・・・」ということは解りました。こうなると、ある程度導電性のあるものが地面に「生えている」・・・要は地面の隆起というように捉えることができそうです。
ベランダアンテナを「切り立った崖の途中から、やおら金属棒や電線を突き出したようなもの」だとすると、一体地上高はどんだけなんだろう・・・いやいや、きっと含水率が高い部分なんて地中部分だけで、大雨の降った直後でもなければ、やはりあんまり良好な導体ではないんじゃないの
と思うんですが、それこそ答えが見つからないんで、マンションが地面のデッパリかどうかについてはこの辺りで放り投げてしまいましょうか
◆ うちのマンションは敵
味方
マンションに設置する釣竿アンテナの場合、ラジエターはベランダの外に放り出します。マンションとの距離は非常に近いわけですから、ラジエターに対するマンションの影響(干渉)は避けられませんが、これはひとまず置いて、もっと影響を受けるであろうカウンターポイズについてもう少し突っ込んで考えてみます。
カウンターポイズをベランダ内に設置する場合、特に故意に浮かせたりしなければ、ベランダのコンクリートとはかなり近い距離で(或いはべったりと)くっつきます。さらに、コンクリートの中には骨組みとなる鉄筋が走っていますから、こいつとも容量結合します。即ち、マンションとは「一身同体」、切っても切り離せないわけですね・・・って、当たり前か
さて、ここでどよよん現象的に話を単純化すると、
★ もしマンションが味方についてくれるなら、十分に結合を高める
★ 逆にマンションが悪さ(=減衰)するなら、十分に結合を低める
というナンチャッテ2択に行き着きます。即ち、マンションの立地、建造物中の構造物の様子などによって、「味方になってくれるマンション」と「敵に回るマンション」がいるのではないか・・・と考えています。結構、大真面目に
さらに、これはバンド毎・・・波長によって影響度合いが違うかも。例えば「ローバンドは結合大、ハイバンドは結合小がよい」といったことも十分考えられそうですし、ベランダの大きさ(特に横幅)によるベランダ構造部分の特定バンドへの共振(我が家のベランダに設置したステルス君では、15mでかなり顕在化します)などを含めて考えると、そうそう簡単には答えが見つからないかも知れません。
ただ、この程度にお気軽に考えれば、詰まるところ「実験的に最良解を求める」というところに行き着き、まさにヘッポコ実験ネタになりますよね
現状は、1mmに満たないアルミ線を凡そ6m×1本、9m×1本としてベランダ床の端っこに引き回しているだけです。そういう意味では、マンションとの結合があまり高くない状態。そして、この状態でアンテナ諸元はデータ化してありますから、次なる実験への準備は整っています。
先週末にホームセンタでアルミテープを買ってきましたので、これをひとまず今のアルミ線の引き回し同様に貼ってみて差があるか否か・・・この辺りから攻めてみたいと思います。
◆ カウンターポイズの長さと「飛び」
ベランダにアンテナを設置する際には、そもそもの用途である「洗濯物を干すところ」ということで、家人に怒られないように皆さん苦慮されていると思います
そして、邪魔にならぬようにとの配慮や取り付け易さなどから、ベランダの端に設置される場合が多いと思います。我が家もご多分に漏れず、室内から見て右隅の方に設置していますので、カウンターポイズは左方向に引き回す格好になります。
グランドプレーンのラジアルが1本のもの、或いはダイポールを真ん中から90度に折り曲げて1本を垂直に設置した形のもの・・・「L型アンテナ」と呼ばれたりしますが、我が家の設置方法を単純化すると正しくこの「L型アンテナ」の形状になります。
このL型アンテナのラジアルの長さ、実は偏波と打上角に大きな影響を与えます。詳細は別記事としてまとめますが、長めにすると打上角が非常に高くなります。勿論、これに地上高の影響が加わる上、マンション自体も作用しそうですから一概に言えませんが、いわゆる「飛び」に関する部分には大きな影響があるんじゃないかと邪推しています。
以上、思いのままの戯れ言・・・あぁ、スッキリした
最終目標は「そこそこイケてるウチのカウンターポイズちゃん」の完成。理屈には全く自身がありませんので、読み物として読んで頂ければ・・・と思いますが、ところがドッコイ、ブログ主は「大真面目」です

◆ 先に予防線を・・・
諸OMのベランダアンテナ設置方法、動作の解釈に難癖を付けるようなつもりは一切ありません

◆ アースとグランドは「不採用」
アパマンハムが小型のアンテナ・・・例えば釣竿アンテナやモビホ流用などでアンテナ設置する際、「アース」という言葉が頻発します。そもそも、この「アース」や「グランド」という名詞の意味が曖昧で、相当誤解がありそうに思います。
まずは「アース」。特に、人並みにお勉強してアマチュア無線技士の資格を取った方々は、無線工学教本の片隅に出てくる「接地型アンテナ」の「接地」の部分の印象なのか、何かと地面と仲良くしたくなるようですが、地表近くに設置するバーチカルアンテナなどの「本当に地面とお友達なアンテナ」以外、この「アース」という言葉は『誤用』だと思います。
保安アースに接続・・・これも、「たまたま上手くいったら儲けもん」くらいの気持ちで試してみるのはいいとは思います。低層階にお住まいの方の中には、この方法で良好な「接地型アンテナ」を得られる方がいるかも知れませんが、皆がみな、地面までつながったから良好に働いたと考えるのは誤りでしょう。
一方のグランド。グランドプレーンなどは、見事に「接地板」などと訳されますが、真っ先に想像してしまうのはやはり地面・・・そう、あの若かりし頃、ボールが見えなくなるまで追いかけたグランドでしょう(因みに、あたしゃ鈍足のサッカー小僧でした)。そして、アパマンハムでも1Fなら地面はすぐそこですが、2階以上にお住まいなら「ベランダ=グランド」だとは思わないでしょう。
何れにせよこの2つの単語は、「我が家に設置した場合の釣竿君」には使わないようにしたいと思います。なぜなら、「電気を地面に流したい」というわけではないからです。
◆ ラジアルってなんだっけ?
ラジアルの原義は「放射状の」「星型の」という意味であり、グランドプレーンの場合は水平方向に突き出すワイヤーの形状からこう呼んでいますね。市販のグランドプレーンではラジアルが3,4本のものがポピュラーですが、MMANAでシミュレートすると2本でもそこそこ動作するようです。ただ、語意から言えばもっとたくさんの線を「放射状に」張り出した方が、この言葉にはぴったり来ますね。
アンテナの動作におけるラジアルは、これらが描き出す「面」を『仮の地面』(等電位面)に見立てるという解釈で間違っていないと思います。我が家(=マンションの3F)のように少し高いところにアンテナを設置する場合、流石に地面まで電線を引っ張っていくのはナンセンス・・・その電線から電波を輻射してしまい、まともな動作が期待できなくなりますから、ラジアルを張って「あたかも地面に設置されたが如くラジエターを騙す」というこのアイディアは素晴らしいと思います。
ただ、ベランダでは流石に「放射状」とはいきませんし「星形」にもしませんから、これも我が釣竿君のお相手の呼称には相応しくない気がします。
◆ やっぱり、カウンターポイズでしょ!
カウンターポイズとは「平衡錘」・・・即ち、あの昔々の身体測定で乗った記憶のある体重計(って、そんなに大年寄りでもないんですがねぇ・・・)のように、釣り合いを取って重さを測る秤の「オモリ」のことだそうです。
安売りの釣竿にちょっとひん曲った自作コイルが正体の釣竿君に相応しいオモリであれば、それこそ干し柿でも吊るしておきゃぁいいんですが、大切なのは「形状が同じようでなくてもいいんだぜ」という解釈で、釣竿君に見合う何か・・・アンテナとして効率よく動かせる何かを模索したいわけですから、このカウンターポイズという呼称がぴったりでしょう。
◆ カウンターポイズの在り方の仮説
仮に地表にカウンターポイズを置いたとしましょう。こうすると、広大な大地との結合(容量結合)が生じ、このカウンターポイズを用いたアンテナは「接地型アンテナ」に類する特性を示すものと思います。これを積極的に行うために多数本の電線を放射状に配置したり、或いは埋設したりして、「より大地っぽくする」というのは、接地型アンテナ施工主のあるべき姿だと思います。そして、もし良好なアースが取れればもっと積極的な接続・・・即ちアース棒を打ち込むなどして本当の意味で「地面と接続する」というのが、接地型アンテナの最終形ということでしょうか。
一方、我が家(=マンションの3F)のように少し高いところにアンテナを設置する場合、カウンターポイズの「地面との結合」は不要で、逆に歴とした「The 仮想地面」として置いてやることが、良好なアンテナ動作にとって望ましいということなのではないか・・・というのが、ブログ主の今いまの見解です。
◆ マンションって地面のデッパリ

コンクリートでできた普通のマンションに住んでいますが、コンクリート自体は「含水率」「材料の配分」でその抵抗値が大きく変わること、直流と高周波では現れる抵抗値が全く違うこと(MHz単位では、かなり低い抵抗値を示す場合がある)などなど、ちょっと調べただけでも「絶縁体ではないな・・・」ということは解りました。こうなると、ある程度導電性のあるものが地面に「生えている」・・・要は地面の隆起というように捉えることができそうです。
ベランダアンテナを「切り立った崖の途中から、やおら金属棒や電線を突き出したようなもの」だとすると、一体地上高はどんだけなんだろう・・・いやいや、きっと含水率が高い部分なんて地中部分だけで、大雨の降った直後でもなければ、やはりあんまり良好な導体ではないんじゃないの


◆ うちのマンションは敵


マンションに設置する釣竿アンテナの場合、ラジエターはベランダの外に放り出します。マンションとの距離は非常に近いわけですから、ラジエターに対するマンションの影響(干渉)は避けられませんが、これはひとまず置いて、もっと影響を受けるであろうカウンターポイズについてもう少し突っ込んで考えてみます。
カウンターポイズをベランダ内に設置する場合、特に故意に浮かせたりしなければ、ベランダのコンクリートとはかなり近い距離で(或いはべったりと)くっつきます。さらに、コンクリートの中には骨組みとなる鉄筋が走っていますから、こいつとも容量結合します。即ち、マンションとは「一身同体」、切っても切り離せないわけですね・・・って、当たり前か

さて、ここでどよよん現象的に話を単純化すると、
★ もしマンションが味方についてくれるなら、十分に結合を高める
★ 逆にマンションが悪さ(=減衰)するなら、十分に結合を低める
というナンチャッテ2択に行き着きます。即ち、マンションの立地、建造物中の構造物の様子などによって、「味方になってくれるマンション」と「敵に回るマンション」がいるのではないか・・・と考えています。結構、大真面目に

さらに、これはバンド毎・・・波長によって影響度合いが違うかも。例えば「ローバンドは結合大、ハイバンドは結合小がよい」といったことも十分考えられそうですし、ベランダの大きさ(特に横幅)によるベランダ構造部分の特定バンドへの共振(我が家のベランダに設置したステルス君では、15mでかなり顕在化します)などを含めて考えると、そうそう簡単には答えが見つからないかも知れません。
ただ、この程度にお気軽に考えれば、詰まるところ「実験的に最良解を求める」というところに行き着き、まさにヘッポコ実験ネタになりますよね

現状は、1mmに満たないアルミ線を凡そ6m×1本、9m×1本としてベランダ床の端っこに引き回しているだけです。そういう意味では、マンションとの結合があまり高くない状態。そして、この状態でアンテナ諸元はデータ化してありますから、次なる実験への準備は整っています。
先週末にホームセンタでアルミテープを買ってきましたので、これをひとまず今のアルミ線の引き回し同様に貼ってみて差があるか否か・・・この辺りから攻めてみたいと思います。
◆ カウンターポイズの長さと「飛び」
ベランダにアンテナを設置する際には、そもそもの用途である「洗濯物を干すところ」ということで、家人に怒られないように皆さん苦慮されていると思います

グランドプレーンのラジアルが1本のもの、或いはダイポールを真ん中から90度に折り曲げて1本を垂直に設置した形のもの・・・「L型アンテナ」と呼ばれたりしますが、我が家の設置方法を単純化すると正しくこの「L型アンテナ」の形状になります。
このL型アンテナのラジアルの長さ、実は偏波と打上角に大きな影響を与えます。詳細は別記事としてまとめますが、長めにすると打上角が非常に高くなります。勿論、これに地上高の影響が加わる上、マンション自体も作用しそうですから一概に言えませんが、いわゆる「飛び」に関する部分には大きな影響があるんじゃないかと邪推しています。
以上、思いのままの戯れ言・・・あぁ、スッキリした

釣竿アンテナお手軽実験結果
2014-10-26
オール千葉コンテスト移動を利用して釣竿君の「地ベタ特性」を測定し、我が常置場所・・・約8mHのベランダ設置の実測データと比較してみました。
千葉コンでは、地面に無造作にビニール被覆線を這わせてそれをグランドに見立てた形で設営。場所は駐車場の端っこの方で、下は主に砂利なんですが雑草も結構生えていたため、所々砂利から浮いています。そういう意味では、「平均地上高が数センチのカウンターポイズ」とも言えます。
このビニール線の引き回しとラジエターの関係は、大凡以下のような格好です。

とりあえず大凡の波長を意識して、40m用に2本、80m用に1本用意した感じです。これをMMANAでシミュレート・・・引き回しが適当なため、どんな風な挙動になるのか興味津々だったわけですが、地上高1cm~10cmでは大凡15Ω程度の純抵抗値となりました。直前の記事でシミュレートした「仮想釣竿君」(4本のラジアルに釣竿君のラジエターを乗っけた形)とほぼ変わらない感じです。
さぁ、お待ちかねの(
)測定結果・・・意に反してと言うか何というか、とりあえず我がベランダ設置時と並べてみました。

同調周波数は殆ど変わらないと言っていいでしょう。同調点の純抵抗分は、ベランダでは67Ω、地面では58Ω・・・何れも、MMANAのシミュレーション結果とはかけ離れていますが、そもそも論として、MMANAの「波長に対して地上高がかなり低い場合に、インピーダンスがかなり低くシミュレートされる」という部分も考慮しなければならず、ローバンドで低い地上高のアンテナでは「傾向を知るためのシミュレータ」と考えた方が良さそうです。そこで、シミュレータを替えてみて・・・と、この先はちょっと別のアプローチになりそうなんで、この記事には書きません
もう一つのバンドである80mも同様に比較しましょう。

こちらは、ベランダ設置の方が安定しているように見えます。同調周波数の違いもさることながら、純抵抗分が同調点でベランダが41Ω、地面が75Ωと大きく違っています。やはり80m用として準備した1本のビニール線では、効率の良いカウンターポイズとして動作していない様子。逆にベランダの方はそこそこの値に落ち着いているように見て取れますが、やはり「どのくらいのインピーダンスが妥当なのか」がハッキリしないと・・・。
では、ちょっとまとめてみましょう。
◆ 地ベタアンテナのインピーダンス
今回の地ベタアンテナについては、カウンターポイズとして用意したビニール線が貧弱・・・というか本数が少な過ぎたため、きちんとした比較はできませんが、40m においてはベランダと同様、80mではやはり少な過ぎたということが解ります。逆説的にベランダ設置から見ると、我が家の8mHのベランダでは、40mの場合は無造作に投げ出した地面のカウンターポイズ程度、80mではそれよりは良さそうであるものと考えます。
また、地ベタアンテナに期待されるインピーダンス値は、良好なグランドが地面に設置できた場合には「ほぼバーチカル」となるはずですから、バーチカルアンテナの大凡のインピーダンスである「36Ω程度」というのが一つの目安になるはずで、その他の要因を含めて「40Ω台前半」というところに落ち着けばヨシとする・・・というのが納得できる線でしょう。今回は40mで58Ωでしたから、カウンターポイズ用の線をあと数本追加すればいけそうな気がしますので、今後の移動運用の参考にしようと思います
◆ ベランダ設置の場合の適正インピーダンス
これは、今回の実験では解りませんでしたが、少なくとも適当~な地面ラジアルとベランダの極端なインピーダンス差は見受けられませんでしたから、常識的な数値(極端に数Ωでも無ければ数百Ωに達することも無い)で考えていいと思います。
ただ、GPに見立てた場合の8mHにおけるインピーダンスは20-25Ω程度、さらに40mの場合はラジエターの真ん中、80mの場合は真ん中と袂(って・・・給電部の近く)にそれぞれローディングコイルが入りますから、かなりインピーダンスは低くなるはず・・・。MMANAの試算では、前の記事で示した通り40mで10Ω程度になるという結果になりましたから、今のベランダにおける実測値よりさらに一段下を目指してベストなカウンターポイズを設置し直せ
ということでしょう。
◆ 80mがヒントになるか・・・
80mにおけるベランダの測定値は、他のデータと比べてもかなり素直な特性を示していると思います。インピーダンスも同調点で41Ω・・・現時点では最も優秀といえるかも知れません。
自慢するわけじゃないんですが、80mのコンテスト参戦に於いて今年のALL JAでは86QSO、ACAGで77QSOと、5m程の釣竿君@QRPとしてはかなりイケてる方だと思っています
この要因の一つが「今のベランダのカウンターポイズがそれなりにきちんと機能していること」ということであれば、40mなどはまだ工夫の余地がありそう・・・。ひとまずのインピーダンス値上限をこの「41Ω」と仮定して様々にカウンターポイズを張ってみて、改善度合いを見極めていくのが現実的な今後の作業課題になるでしょう。
まだあまりスッキリしませんが、ひとまず千葉コンで採れたデータのお披露目と考察はここまでにしたいと思います。
千葉コンでは、地面に無造作にビニール被覆線を這わせてそれをグランドに見立てた形で設営。場所は駐車場の端っこの方で、下は主に砂利なんですが雑草も結構生えていたため、所々砂利から浮いています。そういう意味では、「平均地上高が数センチのカウンターポイズ」とも言えます。
このビニール線の引き回しとラジエターの関係は、大凡以下のような格好です。

とりあえず大凡の波長を意識して、40m用に2本、80m用に1本用意した感じです。これをMMANAでシミュレート・・・引き回しが適当なため、どんな風な挙動になるのか興味津々だったわけですが、地上高1cm~10cmでは大凡15Ω程度の純抵抗値となりました。直前の記事でシミュレートした「仮想釣竿君」(4本のラジアルに釣竿君のラジエターを乗っけた形)とほぼ変わらない感じです。
さぁ、お待ちかねの(


同調周波数は殆ど変わらないと言っていいでしょう。同調点の純抵抗分は、ベランダでは67Ω、地面では58Ω・・・何れも、MMANAのシミュレーション結果とはかけ離れていますが、そもそも論として、MMANAの「波長に対して地上高がかなり低い場合に、インピーダンスがかなり低くシミュレートされる」という部分も考慮しなければならず、ローバンドで低い地上高のアンテナでは「傾向を知るためのシミュレータ」と考えた方が良さそうです。そこで、シミュレータを替えてみて・・・と、この先はちょっと別のアプローチになりそうなんで、この記事には書きません

もう一つのバンドである80mも同様に比較しましょう。

こちらは、ベランダ設置の方が安定しているように見えます。同調周波数の違いもさることながら、純抵抗分が同調点でベランダが41Ω、地面が75Ωと大きく違っています。やはり80m用として準備した1本のビニール線では、効率の良いカウンターポイズとして動作していない様子。逆にベランダの方はそこそこの値に落ち着いているように見て取れますが、やはり「どのくらいのインピーダンスが妥当なのか」がハッキリしないと・・・。
では、ちょっとまとめてみましょう。
◆ 地ベタアンテナのインピーダンス
今回の地ベタアンテナについては、カウンターポイズとして用意したビニール線が貧弱・・・というか本数が少な過ぎたため、きちんとした比較はできませんが、40m においてはベランダと同様、80mではやはり少な過ぎたということが解ります。逆説的にベランダ設置から見ると、我が家の8mHのベランダでは、40mの場合は無造作に投げ出した地面のカウンターポイズ程度、80mではそれよりは良さそうであるものと考えます。
また、地ベタアンテナに期待されるインピーダンス値は、良好なグランドが地面に設置できた場合には「ほぼバーチカル」となるはずですから、バーチカルアンテナの大凡のインピーダンスである「36Ω程度」というのが一つの目安になるはずで、その他の要因を含めて「40Ω台前半」というところに落ち着けばヨシとする・・・というのが納得できる線でしょう。今回は40mで58Ωでしたから、カウンターポイズ用の線をあと数本追加すればいけそうな気がしますので、今後の移動運用の参考にしようと思います

◆ ベランダ設置の場合の適正インピーダンス
これは、今回の実験では解りませんでしたが、少なくとも適当~な地面ラジアルとベランダの極端なインピーダンス差は見受けられませんでしたから、常識的な数値(極端に数Ωでも無ければ数百Ωに達することも無い)で考えていいと思います。
ただ、GPに見立てた場合の8mHにおけるインピーダンスは20-25Ω程度、さらに40mの場合はラジエターの真ん中、80mの場合は真ん中と袂(って・・・給電部の近く)にそれぞれローディングコイルが入りますから、かなりインピーダンスは低くなるはず・・・。MMANAの試算では、前の記事で示した通り40mで10Ω程度になるという結果になりましたから、今のベランダにおける実測値よりさらに一段下を目指してベストなカウンターポイズを設置し直せ

◆ 80mがヒントになるか・・・
80mにおけるベランダの測定値は、他のデータと比べてもかなり素直な特性を示していると思います。インピーダンスも同調点で41Ω・・・現時点では最も優秀といえるかも知れません。
自慢するわけじゃないんですが、80mのコンテスト参戦に於いて今年のALL JAでは86QSO、ACAGで77QSOと、5m程の釣竿君@QRPとしてはかなりイケてる方だと思っています

まだあまりスッキリしませんが、ひとまず千葉コンで採れたデータのお披露目と考察はここまでにしたいと思います。