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新年早々のハンダ付けなど

2021-01-03      
 長いはずだった冬休みも今日が最終日・・・明日から嫌~な通勤電車乗りが待っています。朝も早く起きなければならずちょっと憂鬱ですが、宮仕えとしてはまぁ仕方がないですね

 この冬休みは当初から(どうせ気軽に出掛けられるような世の中の状態ではないんで)休養に務めようと大人しくしていました。無線関連ソフトの整理も旧年中に済ませ、毎年の役割である年越し蕎麦の仕込みを終え、「さぁて蕎麦でもこしらえるか」と思いながらも冬休み前の目標であった”節酒”を解いて少し飲んだら寝てしまい、起きたら元旦の午前3時 翌朝改めて確認したら粗方蕎麦は平らげられており、自分だけ雑煮ならぬ”年越えた蕎麦”を食べて始まるという2021年となりました。

 通年の年始は初詣に行ったり年始の寄り合い(親戚の集まりですね)に行ったりで結構予定が詰まるんですが、流石に今年は静かに過ごすべく寝正月を決め込みました。ところが、元旦の年賀状にまみれて注文してあったM型コネクタが到着・・・これは何とかこの冬休み中に「中華クオリティで70cmに影響が出たケーブル」を直そうと思い立ちましたが、実際の作業が今日になってしましました。そして、どうせハンダ付けをするんであれば、まだバラックのままだったIC-705用の電源もタッパーに収容して危なくないようにするプチ工作もやっつけてしまいました。



 無造作に置いたケーブルと電源のスナップでワケワカですが、Mコネは普通にハンダ付けして動作確認したら、問題の70cmのSWR高騰は解消しました。一方の電源の方は、念のため陸軍端子を付けたり、AC側に不要となって転がっていたスイッチを入れたり(こいつ、一端に通電ランプが付いてます)、パッチンコアのフィルタを入れたり(同軸ケーブルの下敷きになってます・・・)で、そこそこまともな”13.8V直流電源”になりました。

 今年も、こんな調子でユルユルやっていきたいと思います。謹んで我が駄文を読んで頂いている皆様のご多幸をお祈り致します

やっとシリアルポート装着

2019-03-17      
 今週末は比較的ノンビリすることができました。まぁ、大半はダラダラ過ごしたことは言うまでもありませんが()、超懸案だった周波数カウンタの背面パネルの穴開け工作に着手しました。



 周りがとっ散らかっててお恥ずかしい限りですが、右下のシリアルポートが主役ですから余所は見ないで下さい

 シリアルポートをケースに取り付けたことがある方は「なんでこんなに寸法がギリギリなの」と思ったに違いないと思いますが、穴開け加工が非常に面倒な代物です。少しでも穴の大きさを誤ると上手く塞がらないんですね。加工精度として1mm程度の精度が必要なため、小さめに開けてヤスリで広げるのが常套手段・・・ところがここのブログ主は、ヤスリがけで生じる金属がこすれる音に非常に弱く、この作業に着手するのが超絶億劫なわけです。途中いろいろあったとは言え、結局3ヶ月ほど作業が止まっていたんですが、漸く取り付けることができました。



 下から煽って撮影したようになってしまいましたが、上側もきちんと塞がりました。寒気を催しながらの”ヤスリング”の勝利でしょう

 これで難関は突破しました。あとは、結線して完成に持って行かねば

ノイズキャンセラの概要設計

2018-06-18      
 ここ最近のヘッポコ実験でそこそこの手応え・・・なんですが、遂に開催を迎えたW杯をライブで見ようと、結局土日の”AA TEST”はそっちのけになってしまいました。列強たるPY,DL,LUが苦戦し、EA vs CTがドロー・・・などなど、今回のW杯は結構な混線になっています。我が”SAMURAI BLUE”の初戦は明日・・・お誂え向きに夕刻の会議が終われば直帰できますから、HKとの対戦はライブ観戦ができそうです

 ノイズキャンセラの部分毎の実験がほぼ終わりました。ここら辺りで機能的なまとめをしておきたいと思います。



 機能と言っても、メインアンテナからの信号とノイズ信号を合成する回路に対し、ノイズ信号については広帯域アンテナで受信することを前提にプリアンプを置き、180°信号を捻るフェーズシフト回路があるだけです。これらの主要な機能部分は、それぞれ以下のようにまとめています。

 ・信号合成回路はこちら
 ・ノイズアンプはこちら
 ・フェーズシフトはこちら

 その他、”ノイズキャンセル装置”として仕上げるための”覚書”を以下にまとめておきます。

 ◆ ノイズアンテナへの直流供給

 ノイズアンテナは様々な形状のものを試してみるのが良さそうですが、ベランダ設置でそこそこの成果を上げるためにはアクティブアンテナが良さそう・・・ということで、アンテナへの直流の供給回路を具備したいと思います。
 この部分の肝は、直流供給に必要となるRFC部分を「如何に広帯域にインピーダンスを高く保てるか」が課題ですが、この辺りは既にヘッポコ実験済みです。

 ◆ コントロール回路の様子

 このノイズキャンセラを接続するRIGとしては”TS-590D一択”ですから、インタフェースはこの条件(送信時に12V10mAを出力)で検討していきますが、念のためフォトカプラで(ノイズ的に)分離したいと思います。また、ノイズキャンセル回路には受信時に通電したいため、論理を逆転させます。
 電源は外部からの12V供給になりますが、ここにはLCによる簡易なノイズフィルタを入れて”免罪符”にしたいと思います

 ◆ ダイオードクランプで入出力を保護

 まぁ、QRP運用なんでそんなに神経質になる必要はありませんが、ノイズキャンセル回路の入出力にはダイオードクランプを付けておきましょう。HF帯では、普通のスイッチングダイオードで十分でしょう。

 ◆ 機能部分に隠れた付加回路

 ノイズアンプには広帯域な信号が入力されることから、中波放送部分はカットしたいところ・・・そこで、ノイズアンプの手前に中波帯をカットするHPFを付加します。ただ、我が運用環境では文化放送とNHK東京第二が強力ではあるものの、S9+60dBを振り切るまでにはいきませんので、5ポールくらいのものをひとまず付けておこうと思います。
 それから、フェーズシフトは2段構えにして、180°捻り辺りの調整が楽にできるように工夫したいと思います。

 とりあえず上のブロック構成を見ながらもう少し検討を深めて、この夏の間には形にしたいなぁ・・・

簡易型のバースト信号アダプタもサクッと・・・

2017-08-20      
 このところ東日本は不安定な天候が続いていますが、昨夕は我が家周辺(千葉県北西部)も篠突く雨、どころかかなりの土砂降り 丁度外出から帰ってきた娘は上手いこと降られなかったようでしたが、雷を伴う強い雨で久々にBSが映らなくなりました。夕飯を終えたら外の気温が一気に下がって我が納戸シャックも過ごし易くなり、次なるプチ製作・・・簡易型のバースト信号アダプタを作りました。

 このアダプタは、フィルタの過渡特性やAGCのゲイン制御の様子を測定するために”あって邪魔にならないツール"であり、高周波ゲートとなるスイッチを矩形波でON/OFFできればよいという代物。
 高周波スイッチとしてはPINダイオード等で組む方法もありますが、ダイオードDBMをスイッチに見立てて実現するのが簡単です。お誂え向きに、ダイオードDBMのIMD測定で使った治具が取ってあります・・・っていうか、このために取っておいたというか
 矩形波の発振はいろいろな方法が考えられますが、そこそこシャープなエッジにしないと測定に影響が出ます。とは言え、普通にロジックICで成形できれば良いという程度ですから、ここはインバータで発振と波形整形を一挙に片付けるような回路を考えました。



 インバータを2個使ったCR発振で10msから1.7s程度までカバーするように時定数を組んでいます。流石に少し広い時定数になるため、抵抗を二段階で切り替えています。調整は100KΩのボリュームで大凡の設定をした後、4.7KΩの方で合わせ込む形にしています。
 発振波形は5-6ピン間のインバータで成形され、残り3つのインバータはバッファとして動作させます。DBMに流し込む電流は、予備実験で8mA以上ではON/OFFのアイソレーションがあまり変わらないことから620Ωとしました。因みに、このDBMスイッチのアイソレーションは-5dB程度の入力で50dB以上は取れていますので、普通の測定には困らないでしょう。



 測定中の様子です・・・って、別に面白くも何ともないですね 先日まで躍起となって試作したクリスタルフィルタの様子見に着手しましたんで、そちらにバトンは渡しましょうかね。近々にまとめたいと思います。

小型AFアンプをサクッと・・・

2017-08-19      
 長かった夏期休暇が終わり、残すはこの週末のみとなりました。何といってもこの休暇の収穫は、普段の不摂生を正すべく「禁酒」を成功させたこと。普段の酒量がかなり増えてしまったことから一念発起・・・という程でもありませんが、お陰で夜中にトイレに起きることも無く、かなり深く眠ることができました。これ、休み明けも続けたいところですが果たして

 さて、休暇中のもう一つのノルマだった(のか・・・)、小さなAFアンプをこしらえました。これは、結構手間を掛けて自作した外付けスピーカを無線やラジオ受信以外に活用するために、前々から作ろうと思っていたものです。単純なAFアンプで十分、かつ出力もそれ程要らないことから、今後あまり活躍場面が無さそうなLM386の”消費”を前提に検討していましたが、少し前に流行ったLM380/386の帰還アンプの自作記事を参考にしながら、ほぼ受け売りの回路をでっち上げました。



 特徴的な部分を以下に列挙。

 ・帰還の方式は負帰還(NFB)とし、高入力インピーダンスを確保
 ・入力のオフセットノイズを除去するためのパスコン(入力の+と
  -を数千pFで容量結合させる)は取り付けていない
 ・ゲイン不足の際にそれを補完できるよう、1-8ピンの間のバイパスが
  できるようにしてある
 ・7ピンのバイパスは容量を大きめにして電源ノイズのリダクションを
  確保しようとしているが、効果の程は定かではない
 ・DC電圧を広めに取りたかったため、特に定電圧化していない

 先日秋葉原に行った際に買ってきた小型ケースとボリュームを使って昨晩から工作開始、基板が出来上がったところで寝て、今朝はケース加工をしてあっという間に完成です。



 コンデンサ類は全て手持ちのものを使っています。従って、特に音質に拘るようなものは使っていません。スイッチを省略した代わりに、前面にLED・・・5mmΦの高輝度LEDをブラケットに入れて取り付けました。単純な抵抗による電流制限では電源電圧の高低で明るさが変わってしまうため、1mAの定電流ダイオードを入れています。これでも少々明る過ぎる程・・・。



 安っぽい玩具っぽく仕上がりました。こういうチープさも結構好きだったり

 肝心の音量・音質についてはどうということはありませんが、NFBのお陰で少しゲインが低くなった分、LM386の欠点とも言える「ヒスノイズ」も軽減したようで、スピーカ使いではノイズは殆ど感じません。ヘッドホンを接続して確認すると、インピーダンスが高いものではやはりノイズも大きくなりますが、インピーダンスが低いものではまぁ落ち着きます。
 ただ、ヘッドホンを使う前提では、やはりこの石にAF段を担わすのはあまり宜しくないかも。或いは、LPFで高域を少し落とせばいけるかも知れません。

 何れにせよ、これで外付けスピーカを別用途で使うことができるようになりました。お気に入りの曲を幾つか聴いてみましたが、正味1日の工作としてはいい音で鳴ってくれてご機嫌です

2019.04.21 修正>
 回路図が間違っていたため差し替えました。1年半余り後の修正ですが、NFBのかけ方として間違ったまま放っておくわけにもいかず・・・。

古いDVMの仲間入りと校正アダプタ

2017-07-30      
 やっと普通の週末を迎えられた感じ・・・昨日の空き時間は漸く工作タイムとなりました。早速、クリスタルフィルタの組み立てに着手すれば良かったんですが、実は3ヶ月程前に入手していたジャン測のDVMを校正せずに・・・というかできずに放っておいたものを、先週の工作机周りの掃除をした際にラックへキチンと収納したため、こいつを校正することにしました。



 IWATSUの「VOAC 7512」というマルチメータです。二十ウン年前の代物ですが、手軽に校正できる点とオクの出品価格、さらに「アルコール」が作用してポチッとしてしまいました 電圧や電流の測定にはUSB接続できるロガーなんかの方が良いとは思うものの、通常の測定にPCをいちいち使うのも億劫、かつ今の主力テスターは電池消耗を軽減するべく自動OFF機能が不用意に動くため、「良いところ」でOFFになって頭に来ることしばしばあり、かなり以前から「AC電源で動くもの」が欲しかったんです。自作してもいいんですが、据え置き型の手頃なものがそれこそオークションに数多出品されていますから、野口先生を数枚覚悟したわけですね。

 このマルチメータは、校正用に外部の正確な電圧・電流源、基準抵抗などが必要ではあるものの校正作業自体は簡単にできるため、最もよく使うであろうDC電圧の基準となる電源を準備すれば一先ず済みます。そこで、ひとまず電圧基準を準備することにしました。

 このDVMの校正に必要なDC電圧は、各測定レンジのフルスケール校正用として40mV,400mV,4V,40V,400V,1000Vとなっています。真空管を使った工作ならいざ知らず、上の2つの正確な校正は自分には必要がありません。もう一つ下のレンジである40Vの校正は行いたいところなんですが、40Vの正確な電圧を準備することは難しく、ひとまずその下のレンジである4Vより小さいものを校正することにしました。



 今回の製作の肝は、テスターの電圧測定精度を調べるときに使ったLM4040を基準とし、これをできる限り正確な抵抗で分圧して必要な電圧を得ることにしました。

 このシャントレギュレータの精度は、消費電流を50μA以上1mA以下にすることで4.096V±0.1%が保証されます。そこで、後置する抵抗分圧による4Vの生成部分に流す電流を考慮し、前置する三端子レギュレータを5Vとして1KΩを置きました。これで500μA程度が流れることになります。また、一連の精度±1%の抵抗は、先週都内へセミナー受講に行った序でに秋葉原に寄って購入してきました。

 生成された4Vはそのまま基準電圧とすると共に、オペアンプのブルテージフォロワを介して0.4V/0.04Vを生成するようにしました。ここには、ほぼ死蔵されていたと言って良い「741」を使い、オフセットを調整してオペアンプの入・出力電圧が一致するように調整することにしました。この「741」は自分が学生の頃に入手したものでありまだ数個残っていますが、果たして今後使うことになるんだろうか



 新発売の秋月D基板の「4穴タイプ」に組みました。直流の世界だからと特に気にせずに組んだからなんでしょうが、ICに手を近付けると測定中電圧の下方の桁がパラパラ動いてしまう現象が出たため、LM4040の出力とLM741の電源にパスコンを入れて落ち着かせました。

 さて、実際の電圧の精度・・・4V端子の精度を「神」として4Vレンジを調整した後、0.4V/0.04Vを確認するとそれぞれ0.39841V/0.03980Vと表示されました。分圧抵抗の精度がそれぞれ±1%ですから、総合的な精度として±2%弱に収まっていれば問題ないんですが、どうにも腑に落ちずに個々の抵抗値を測って逆算すると、ほぼこの値で合っていることが判りました(1.8KΩ⇒1806Ω、180Ω⇒178.7Ω、20Ω⇒19.9Ω)。

 さらに嬉しいことに、簡易的な校正方法として「フルスケール」の電圧でなくても調整自体はできることが判り、4Vを使って40Vレンジ以上の校正も行いました。よく使いそうな40Vレンジについては12V程度までの精度が問われることになるため、比較的ポピュラーな10Vの高精度レギュレータを手に入れればそこそこの校正はできそうですが、そこまでしなくても十分に使えそうです。

 何れにせよ視認性は格段に良くなった上、動かしっぱなしにできるところがGood お次は基準抵抗を用意して、さらに安心して使える活用範囲を広げたいとは思いますが、抵抗測定はテスターで十分でしょうからあまり焦らずにおこうと思います。

水晶測定アダプタの試作

2017-06-09      
 SSB/CWの自作機の受信IF周りを検討していくと、選択度を決定するフィルタを吟味する場面が出てきます。最近のメーカー機のIF回路周辺はデジタル化され、フィルタ自体もDSP処理による場合が多くなってきましたが、チープな自作機ではまだまだアナログ回路設計が主流・・・やはり、クリスタルフィルタを上手く仕立てることができれば言うことありませんよね

 クリスタルフィルタは恥ずかしながら自作したことはありませんが、今に及んで自分も過去の技術書や雑誌の製作記事を参考に「丁稚上げること」はできそう。特に、水晶発振子(以下、単に水晶)自体はかなりの廉価で入手できることから、これを使って作ることができれば一番だと思います。
 しかし、でき上がった後の性能・・・キレ味や音質に関わる部分で満足いくか否かは、作ってみなけりゃ判りません。自分で組んでみて喜んだり悲しんだりするのが、クリスタルフィルタ自作の醍醐味なんじゃよ・・・と逃げ口上するのも一興でしょうが、もう少し確実に自作する方法があれば、それに越したことはありませんよね。

 前回記事に枕が無かったためかまたしても能書きが若干増量となりました が、要は「そこらにある水晶でそこそこ使えそうなフィルタを作ってみよう」というのが、ここ暫くの記事ネタになります。

 クリスタルフィルタの自作は、個々の水晶を「LCR共振器」と見立ててこれを複数個接続して期待する帯域幅と減衰斜度(或いはシェープファクタ)を得るようにするものです。水晶の共振(発振も同じように考えられます。フィルタのネタなんで、以下は単に共振)の様子は等価回路で理解が深まります。



 この等価回路のポイントは、「LCR直列共振回路」を構成している上辺の部分です。水晶の共振周波数の殆どはLmとCmで決まります。Rmは共振に当たって生じる”損失”の部分です。クリスタルフィルタを作る場合は損失が小さければ小さい程Quが高いということになり、シャープなフィルタが作れます。
 Cpは小容量が測定できる容量計で簡単に測定できますから、上辺を構成するデバイスの個々の値が簡単に判れば話は早いんですが・・・。すると、これらの値を解き明かす方法は先駆のOM諸氏のWeb記事に幾つも見つけることができ、「ちょっとした治具」を用意した上でAPB-3を使って調べてやれば、あとは計算で求められることが判りました。

 その治具に要求される機能は、以下のようになります。

 ① 水晶の共振周波数は、SG等で外から信号を与えてその共振
   周波数を測定する。共振周波数の測定を含めたデータ採集時の
   インピーダンスは低い方がよく、標準的な測定方法では12.5Ωで
   測定する(らしい)。

 ② Cmは、対象の水晶と直列に値が判っているコンデンサを接続し、
   共振周波数の偏差を知ることにより求められる。
   これは、ポピュラーな小容量測定の仕掛けと同様の原理である
   (と思う)。Cmが求まれば、発振周波数からLmの値も計算できる。

 ③ 水晶の共振周波数の信号を与えた場合、その水晶固有の”損失"が
   生じる。これがRmである。この測定は、水晶を通した信号の出力値を
   読み取っておき、水晶の代わりに低抵抗のボリュームを通して測定
   した出力値が同じになるように調整、その時の抵抗値がRmとなる
   (という測定方法)。

 文章で書いても、あまりピンときませんね・・・ では、回路図を見てみましょうか。



 入出力に-3dBのアッテネータを介した上で変換比4:1のトランスを置いてやることで、水晶の入出力インピーダンスを12.5Ωになるようにしました。さらに小さなスイッチを組み合わせ、測定対象に合わせて回路構成を切り替えられるようにしました。解説は要らないかと思いますが、各スイッチの役割をまとめておきます。

 SW-1 水晶と直列に接続するコンデンサのオン/オフ
 SW-2 水晶の損失(Rm)を測定する際のボリュームのオン/オフ
 SW-3 APB-3を接続してキャリブレする際のショート/オープン

 試作した水晶測定アダプタはこんな感じ。



 秋月D基板に組みました。基板の裏はまたしても「カッターでパターン作り」とし、必要なスイッチも秋月の小型トグルスイッチで組みました。水晶と直列に接続するコンデンサはジャンクのセラコンで、「24pF」というあまりお目にかかれない容量のもの。20~30pF程度のものなら何でもいいと思います。
 実験用の「台」は、秋月C/D基板が収まるように穴開けして金属スペーサを取り付けたもの。この程度の造作でも安定な測定には不可欠かと思いますが、この台自体は、まだまだ工夫の余地がありそうですね

 こんなチープなアダプタでもそこそこの「諸元採り」はできそうで、クリスタルフィルタ製作に向けたデータ測定はこれで一先ずやってみようかと。続報はこの週末にまとめたいと思いますが、何やら家族イベントがあるような ま、こんなマニアックな記事の続編を待つ輩はあまりいらっしゃらないでしょうからマイペースで・・・って、いつもマイペースでしたね

修正 2017.06.13>
 奇特な読者の方から「回路図、違ってるぞぃ」というご指摘を頂いたんで確認したところ、トランスの接続が逆・・・測定対象の水晶の方がインピーダンスが高いということになってました。謹んで、差し替えさせて頂きました。ありがとうございました。
 ちなみに、回路自体は間違っていなかったことが確認できたんで、次の記事のデータは合っていたようです。フゥ・・・ヤレヤレ。

案外便利かも・・・電流測定アダプタの製作

2015-10-31      
 既に非売となった秋月テスタ「P-16」の電圧測定精度が案外イイ感じであることが判り、当面はこのテスタを使っていくことにしましたが、電流測定についてはどんなもんじゃろう・・・とネットの情報を見ると、かなり微小な電流測定では苦労はあるものの総じてmAオーダーではそこそこの精度のようです。

 この電流測定精度云々は兎も角、実は普段のヘッポコ実験で困ってしまうシチュエーションがあるんです。それは、「P-16は1つしか無い」ということです。

 ヘッポコ実験をしていると、あちこちの電圧を測りながら「そういえば、消費電流はナンボやろ」ということが多く、その度に1つしかないテスタを接続すべく、折角ワニ口付きのコードを駆使して接続した「もう二度と同じ結線は不可能」的な配線を泣く泣く外さなければならない苦労が時に発生します。事前に電流測定を意識しているときは別のテスタを準備しますが、思いつきでやることが多いヘッポコ実験ではこの「事前の準備」がうまくいかないんだなぁ

 そこで、アイディアと言えるようなものではありませんが、プチ電子工作として「電流測定アダプタ」を作ってみました。



 何やら無口なロボットのような面構えですね。テスタ棒を差し込む端子が「目」・・・「赤い目」の右下に写っているのは、DCプラグを差し込むジャックです。ここにACアダプタや電源のプラグを接続し、ワニ口側を電源出力として使います。



 プラス側のラインに1Ωの抵抗を直列に入れ、この両端の電圧を測れるようにしています。抵抗は精度1%で2Wの金皮ですが、これは秋葉ラジデパの瀬田無線さんで購入。これでMax 2Aまでは問題なく使えますが、マイナス側には(手持ちの関係で)700mAのヒューズを入れてあります。

 ブレッドボードを使ったヘッポコ実験などで電源供給を行う際にこのアダプタを介しておくと、急な消費電流測定が必要になってもこの抵抗の両端電圧を測る・・・即ち、結線をそのままにテスタのテスト棒を赤と黒の端子に差し込むことで解決 無論、この抵抗とヒューズ(実測で0.35Ωくらい)で消費する分は誤差になりますが、接続をし直す手間は省けますので案外役に立つ気がします

 どうも小物作りに傾いていますが、こうしたお手軽工作が一番楽しかったりして

週末工作レシピのまとめ

2014-06-14      
 遂にワールドカップ開幕 一戦一戦、白熱したゲームが展開されています。そして、明日は我が日本代表の初戦。ブログなんて書いている場合じゃ無い・・・って気張るほどのお年頃でもないんで()これを書いています

 既に梅雨入りを迎え、「春の工作祭り」はそろそろお終い。結果的にはまずまずの仕上がりを見せたミニ・パワーメータのみという体たらくで幕・・・なんですが、作りたいモノはそれこそ山積しています。ところが、どうもノリが悪い状態 まずまず部品も揃っており、それこそ手を付けるだけのモノもあるんですが、あれこれ目移りして結局何も進まない状態に

 そんな時、我が師と仰ぐ「ぶんきゅうさん」のブログ(リンクを見てね)で、今の自分の状況を代弁して貰ったような記事を読みました。曰く、「折角時間があってもただただ無為に過ごしてしまうという罠」・・・そう、正しくこういう感じなんですね。そして、その記事では今後の工作モノのおさらいを書かれています。そうか、一旦立ち止まって整理してみるのも「アリ」だなぁ・・・というわけで、どよよん無線技士さんも()「当面の工作レシピ」としてまとめてみようと思います。

 ◆ 周波数カウンタを何とかしようの巻

 赤いトラクター~・・・もとい ちょっと派手なケースに入れた周波数カウンタ・・・



 昔の秋月キットを自分なりにアレンジしたものですが、肝心の基準発振があまり安定しているとは言えず、どうやら数十Hz程度の誤差含みです。さらに、心臓部の「ICM7216」は10MHz程度までが1Hz直読の範囲であり、もう少し上の周波数はプリスケーラのお世話にならざるを得ず、せめて6m(=50MHz)くらいまでは「1秒待てば、1Hz単位まで読める」という風にしたいところ。以前から気になっていたこの辺りのグレードアップを進めようと考えています。

 ◆ 周波数基準をもう少し堅実に・・・

 周波数カウンタの命題は、やはり「精度」です。GHz帯の周波数の確度を保証したり様々なFSKの類に応じたりするためには、それこそルビジウムを始めとする「超高確度の原発」が必要ですが、最終的な目標は「HF帯のナンチャッテ工作」というテーマになりますから、0.1Hz程度の確度(10MHzで±0.1ppm程度)があれば十分。しかし、これだって「言うは易し、行うは難し」なわけです。
 ところが、電波時計の源である標準電波やGPSの登場で、上手くすると簡単に「そこそこの基準」が得られそう・・・ということで、とりあえずGPSモジュールモジュールの1PPS出力を使って校正された「我が家の周波数基準」を画策しています。

 ◆ スペアナもどきをこしらえる

 上記の周波数確度までは必要ないまでも、スペアナもどき構想・・・デジタルオシロを疑似スペアナに仕立てるためのアダプタ製作はそもそもあった「レシピ」なんですが、電圧検出部のAD8310の準備工作までで棚上げしています。これも、「周波数をきちんと測れる設備が要る」ということで、前述の周波数測定関連の課題が片付かないと手が付かない状態になっています。

 ◆ CWフィルタもこしらえる

 これは、オペアンプで実用的なものを作ろうという目論見なんですが、シミュレーションは終わっているんで「組めば済む」みたいな状態。ところが、この「シミュレーションが終わっている」というのが曲者で、作る前からある種の達成感があったりして「推進力」が低下している次第・・・。

 ◆ ノイズリダクションの続き

 MFJ-1025を改造しつつ、ノイズ受信用のアクティブアンテナの改良を画策している内に頓挫してしまったものです。リダクションの仕組みが解ってしまったことから、180度の位相差をきちんとフォローする回路を作ってしまえば、案外簡単にアダプタが作れてしまう模様・・・。
 こうなると、どうせなら「我が家で困っているハイバンドのノイズ除去も無理なくできるアダプタ作成」を目指したくなってきました。さらに我が家の「死蔵デバイス」でできそう。おまけにケースも買ってしまってあるんで、予備実験を幾つか済ませば良い状態にまでなっているのに・・・こいつも棚上げ中

 まぁ、ざっとこんな感じでしょう。他にも「小物」で作りたいもの・・・夜営用アンアナ、ちゃんとしたメッセージ・キーヤー、電圧を正確に測定するためのアダプタ、より正確なLC値が測定できるアダプタ、コイルのQ測定治具・・・等々、それこそ枚挙に暇がありません。が、とりあえず「周波数測定周り」を片付けたいと思っています。

 あぁ、何かちょっとスッキリ でも、ワールドカップ月間突入に加え、来週末は「All Asian」が・・・週末工作職人には、前途多難だぁ

AD8310の下拵え

2014-05-17      
 漸く週末を迎えましたが、今日、明日はプチ予定で細切れの余暇です。長めに時間が取れない分、サクッと終わる作業を・・・ということで、AD8310を「扱い易い形」にしました。

 先日まで手を染めていたミニ・パワーメータでは兄貴分のAD8307のDIPタイプを使いましたが、このIC はAD8307に比べて以下の特長があります。

 ・ ダイナミックレンジがAD9807より3dBほど広い
 ・ 出力バッファ用オペアンプを内蔵

 中華サイトでは5ピース買いで1つ6$(送料込み)程度で売買されていますが、ひとまず2ピース・・・1つ7$で注文。2ヶ月ほど前には既に手元にあったんですが、パワーメータが先となったことで放ったらかしになってしまい、今日に至ったわけです。

 そもそもこのIC にはMSOPタイプしかなく、いわゆる「2.54mm」の世界では扱いが厄介なため、勢い変換基板の世話になります。最近は様々な形の表面実装タイプのICがありますが、MSOPの8ピンをDIPの8ピンに変換する基板は入手し易く、かつピン数も少ないことからそんなに難儀な作業ではない・・・とは言え、やはりこの歳になっての細かな作業は骨が折れます。この辺り、工作意欲が減退する要因でもあります まぁ、グズグズ言っていると「細切れ余暇」が無くなっちゃう・・・と、今日は気合いを入れて準備開始。



 取りい出したるは20Wのハンダゴテ・・・と自慢しているわけではありません。今回活躍するのは、コードまとめ用の口の大きな洗濯ばさみ さぁ、お立ち会い



 こんな風に、作業机を台座に変換基板とICを挟んでしまいます。これでひとまずハンダ付けの準備OK



 手前の一本だけハンダが付けばOK。反対側の4本にハンダを思いっきり盛り、その後手前にも。そして、余計なハンダを吸取器でシュッと取り除きます。



 吸い取った後の状態はある意味無残・・・ですが、この後ハンダゴテでピンの隙間をなぞってハンダを馴らします。反対側も同様に。最後にフラックス除去液で綺麗に拭き取って完成。



 所要時間は凡そ30分。大きな洗濯ばさみで挟む際の位置決めがすんなりいけば、案外時間は掛かりません。



 後は足を付ければ完成なんですが、買ったはずの足が見当たらん 無くさないように「瓶詰め」して完了・・・と、今日はこの辺でお開きにしますか。
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
こおるさいん:JM1DPL

アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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