ナロースペースの2m用3エレ設計メモ
2020-09-25
9月半ばを過ぎると一気に秋めいて、うるさかった蝉の声と秋の鳴き虫の声とがクロスオーバーしていきました。恐らく鳴き虫の類いで自分的に上位を争う”カネタタキ”の声を聞き、そう言えば今年は”ヒグラシ”は聞かなかったなぁ・・・なんて思い返したりして、いよいよ千葉県北西部も本格的な秋を迎えつつあるようです。我が納戸シャックもエアコン無しでも日中の最高で25,6度程度までしか上がらなくなり、あれこれとやる気の出るいい季節になってきました
とはいえ、家事雑事もそこそこやることが多くなり、まだ無線関係やガラクタ工作関係になかなか時間が割けません。まぁ、本格的な夜長の秋はまだ先・・・ノンビリ行きまっしょい
今日はずらして取得している夏季休暇の内の1日・・・生憎の冷たい雨降りでモビホ固定用の金具取り付けなどのアンテナ弄りは諦めましたが、その代わりにアンテナ設計の覚書をしておきたいと思います。
IC-705を入手した8月中頃より、自宅からのコンテスト参戦向けに2mのビームアンテナが欲しくなりました。コンテスト向けに予てから狙っていたベランダ用V/UHF帯の自作アンテナとしては、最後の周波数帯用になります。
6mは真っ先に作成したロッドアンテナを使ったダイポールです。これは、2015年のALL JA直前に完成形となり、その後も何度か使用しています。まぁ、既にベランダからの運用の限界は見えたものの、天井付きベランダではフルサイズのダイポールが最大級・・・ということで、これ以上のグレードアップはしていません。
70cm用としては5エレ八木はひとまず完成したものの、その実力を確認できたのは2014年の全市全郡であり、その翌年はMコネのトラブルでNG
その後はこのアンテナでオンエアしていませんが、まぁそこそこの健闘結果(2014年参戦で48局)を記録していますから、70cmのベランダ用アンテナとしては充分と思っています。
さて、2mのビームとしてベランダに上げて少しは回せるものと考えると、エレメント数の少ない八木かHB9CVが選択し易く、自分のスキルで十分に(どう動いているのかが)理解できて再現性も良さそうなもの・・・となると、3エレ程度の八木に軍配が上がりました。
八木アンテナを設計した経験がある方はご存じのように、このアンテナは個々のエレメント長やその間隔によって利得(フロントゲイン)、ビームパターン、(共振点の)インピーダンスなどの最適値が異なるため、重視したいパラメータをどれにするかを考えなければなりません。例えば移動用に作る場合、沢山の局が入感してくることを考慮すると”ビームパターン重視”(サイドやバックを切って混信に強くする)になりますが、遠距離通信に特化すれば”利得重視”になります。これは少ないエレメント数のものでより顕著な特性になりますから、設計時点で悩ましい部分です。
一方、我が家のようにベランダ内に配置するようなものであると、ビームパターンに重きを置く必要はあまりなく専ら”利得重視”で設計して良くなりますが、利得を稼ぐために有効な「長いブーム長」(多エレメント八木だと”Long John”と呼ばれますね)にすると、簡単に回すことができなくなります。こうなると、先にブーム長を決めてベランダ内でも必要なだけ無理なく回せるようなブーム長を決め、その長さで設計していくのが現実的です。そこで、縦幅が90cmのベランダでも簡単に回転できるよう、ブーム長をとして50cmに収まるようにしました。
もう一つのパラメータであるインピーダンスも、その設計値をどの辺りに置くかが重要です。利得の大きさを追求していくと、良好なインピーダンス値は簡単に10Ω以下となり、マッチング部分での損失面で不利になります。老舗C社のVHF帯の”Long John”では、給電エレメントにフォールデットダイポールを使ってこの問題を解決しており、おまけに上手くインピーダンス設計値を設定してその後にQマッチを用いて50Ω給電にしています。まぁ、ここまでやるかは製作者次第でしょうが、自分はそこまではやりませんよ・・・悪しからず
普通のガンママッチを用いる場合、極端なショートバーの形態にならないようにインピーダンスを選んだ方が工作面で楽になります。そこで今回は10Ω以上・・・ひとまず、50Ωの1/4に当たる”12.5Ω”としました。
上記の設計条件でMMANAで基礎設計したものが、以下のデータとパターンです。


ナロースペースの3エレかつ垂直偏波ですから、いわゆる「サイドの切れ」は殆ど期待できません。逆に”利得重視”としたことから、ダイポール比で6dB近くありそうです
この後は、上記のデータを基礎データとしてマッチングを考慮した設計に変えて行くことになります。恐らく、作り易さとSWR整合の取り易さからガンママッチに落ち着くと思いますが、トロイダルコアを使った1:4のバランで直接給電というのも面白いかも知れませんね。もう暫くは、MMANAと戯れてみましょうかね


今日はずらして取得している夏季休暇の内の1日・・・生憎の冷たい雨降りでモビホ固定用の金具取り付けなどのアンテナ弄りは諦めましたが、その代わりにアンテナ設計の覚書をしておきたいと思います。
IC-705を入手した8月中頃より、自宅からのコンテスト参戦向けに2mのビームアンテナが欲しくなりました。コンテスト向けに予てから狙っていたベランダ用V/UHF帯の自作アンテナとしては、最後の周波数帯用になります。
6mは真っ先に作成したロッドアンテナを使ったダイポールです。これは、2015年のALL JA直前に完成形となり、その後も何度か使用しています。まぁ、既にベランダからの運用の限界は見えたものの、天井付きベランダではフルサイズのダイポールが最大級・・・ということで、これ以上のグレードアップはしていません。
70cm用としては5エレ八木はひとまず完成したものの、その実力を確認できたのは2014年の全市全郡であり、その翌年はMコネのトラブルでNG

さて、2mのビームとしてベランダに上げて少しは回せるものと考えると、エレメント数の少ない八木かHB9CVが選択し易く、自分のスキルで十分に(どう動いているのかが)理解できて再現性も良さそうなもの・・・となると、3エレ程度の八木に軍配が上がりました。
八木アンテナを設計した経験がある方はご存じのように、このアンテナは個々のエレメント長やその間隔によって利得(フロントゲイン)、ビームパターン、(共振点の)インピーダンスなどの最適値が異なるため、重視したいパラメータをどれにするかを考えなければなりません。例えば移動用に作る場合、沢山の局が入感してくることを考慮すると”ビームパターン重視”(サイドやバックを切って混信に強くする)になりますが、遠距離通信に特化すれば”利得重視”になります。これは少ないエレメント数のものでより顕著な特性になりますから、設計時点で悩ましい部分です。
一方、我が家のようにベランダ内に配置するようなものであると、ビームパターンに重きを置く必要はあまりなく専ら”利得重視”で設計して良くなりますが、利得を稼ぐために有効な「長いブーム長」(多エレメント八木だと”Long John”と呼ばれますね)にすると、簡単に回すことができなくなります。こうなると、先にブーム長を決めてベランダ内でも必要なだけ無理なく回せるようなブーム長を決め、その長さで設計していくのが現実的です。そこで、縦幅が90cmのベランダでも簡単に回転できるよう、ブーム長をとして50cmに収まるようにしました。
もう一つのパラメータであるインピーダンスも、その設計値をどの辺りに置くかが重要です。利得の大きさを追求していくと、良好なインピーダンス値は簡単に10Ω以下となり、マッチング部分での損失面で不利になります。老舗C社のVHF帯の”Long John”では、給電エレメントにフォールデットダイポールを使ってこの問題を解決しており、おまけに上手くインピーダンス設計値を設定してその後にQマッチを用いて50Ω給電にしています。まぁ、ここまでやるかは製作者次第でしょうが、自分はそこまではやりませんよ・・・悪しからず

普通のガンママッチを用いる場合、極端なショートバーの形態にならないようにインピーダンスを選んだ方が工作面で楽になります。そこで今回は10Ω以上・・・ひとまず、50Ωの1/4に当たる”12.5Ω”としました。
上記の設計条件でMMANAで基礎設計したものが、以下のデータとパターンです。


ナロースペースの3エレかつ垂直偏波ですから、いわゆる「サイドの切れ」は殆ど期待できません。逆に”利得重視”としたことから、ダイポール比で6dB近くありそうです

この後は、上記のデータを基礎データとしてマッチングを考慮した設計に変えて行くことになります。恐らく、作り易さとSWR整合の取り易さからガンママッチに落ち着くと思いますが、トロイダルコアを使った1:4のバランで直接給電というのも面白いかも知れませんね。もう暫くは、MMANAと戯れてみましょうかね

短縮コンデンサの初歩的な実験
2015-05-10
既にステルス君のマッチングボックス内にも具備している短縮コンデンサですが、釣竿君のマッチングにも使用する可能性があるんで、「きちんと理解するためのプチ実験」をしました。簡単な実験ですから、逆にやったことがない方も多いかも知れませんので、一応披露致しましょう
我がステルス君は、その昔、80mにオンエアするための接続点を持っていました。ダイポールアンテナの左右のエレメントをショートさせるスイッチがマッチングボックス内に具備されており、これをショートさせた上で片側のエレメントにある接続点にローディングコイルとアンテナカップラをシリーズに接続してオンエアするようなスタイル・・・これは、その後の釣竿君の台頭で廃れてしまいましたが、80m初の関東以遠の交信記録を樹立した記念すべきエントリーポイントだったんです。そして、現用のステルス君にも、そのエントリーは残されています。
ここにローディングコイルを接続しないと、4~5MHz辺りに同調点のあるロングワイヤーになります。今日は、このエントリーポイントを使って、短縮コンデンサを接続した場合の同調点の動きをトレースしてみようと思い立ったわけです。
まずは、アンアナ54号君を直接、上記エントリーポイントに接続(勿論グランド側にはカウンターポイズを接続)して同調周波数を測ると、こんな風になりました。

リアクタンス成分が-j1.8Ω分ありますから、厳密に言うと数KHz上が同調点になりますが、ひとまずこれは無視して5.152MHzとしましょう。
さぁ、コンデンサを接続してみましょう。用意したコンデンサはこれ。

Max200pFのタイトバリコン・・・実測では約215pFとなりましたが、これを使って実験です。アンテナとアンアナの間に直列に接続し、恰も「短縮コンデンサを入れた状態」にしました。

なるほど、凡そ260KHz動いた勘定になります。では、この状態で、コンデンサを接続していない時の同調周波数である5.152MHzはどうなっているのか・・・。

凡そ137Ω程度のリアクタンス値となっていますね。同調周波数である5.412MHzにおけるリアクタンス値としてこれをコンデンサの容量に換算すると、何と「214.7pF」と計算できるんです
様々に誤差含みの部分が今回の実験では上手く相殺されていい値になったことは否めませんが、適当に張ったアンテナ相手でもきちんと「理論通りに再現できる」というところが味噌・・・リアクタンス成分の測定ができれば、実際のマッチングに必要な計算が机上である程度の精度でできるということになります。これは、偶然上手くいった⇒ある程度アタリが付いてきちんと作れたという成長に繋がること・・・素晴らしいことだと思います
どうも、アンテナ回りというのは「SWRありき」で語られ、実際の調整シーンでも闇雲にSWRが下がったらそれでヨシ・・・ということが多いと思います。その上、この記事のような初歩的な実験は、アンテナ弄りの好きな諸OMには「何を当たり前のことで騒いでおる
」と一喝頂く程度のものなんでしょうが、こうした基礎的な部分は、時折振り返って自分の理解度や納得度を高める(深める)ことも、結構大切だと思っています
GW明け最初の週末は、まずまずの首尾で完了のようですね

我がステルス君は、その昔、80mにオンエアするための接続点を持っていました。ダイポールアンテナの左右のエレメントをショートさせるスイッチがマッチングボックス内に具備されており、これをショートさせた上で片側のエレメントにある接続点にローディングコイルとアンテナカップラをシリーズに接続してオンエアするようなスタイル・・・これは、その後の釣竿君の台頭で廃れてしまいましたが、80m初の関東以遠の交信記録を樹立した記念すべきエントリーポイントだったんです。そして、現用のステルス君にも、そのエントリーは残されています。
ここにローディングコイルを接続しないと、4~5MHz辺りに同調点のあるロングワイヤーになります。今日は、このエントリーポイントを使って、短縮コンデンサを接続した場合の同調点の動きをトレースしてみようと思い立ったわけです。
まずは、アンアナ54号君を直接、上記エントリーポイントに接続(勿論グランド側にはカウンターポイズを接続)して同調周波数を測ると、こんな風になりました。

リアクタンス成分が-j1.8Ω分ありますから、厳密に言うと数KHz上が同調点になりますが、ひとまずこれは無視して5.152MHzとしましょう。
さぁ、コンデンサを接続してみましょう。用意したコンデンサはこれ。

Max200pFのタイトバリコン・・・実測では約215pFとなりましたが、これを使って実験です。アンテナとアンアナの間に直列に接続し、恰も「短縮コンデンサを入れた状態」にしました。

なるほど、凡そ260KHz動いた勘定になります。では、この状態で、コンデンサを接続していない時の同調周波数である5.152MHzはどうなっているのか・・・。

凡そ137Ω程度のリアクタンス値となっていますね。同調周波数である5.412MHzにおけるリアクタンス値としてこれをコンデンサの容量に換算すると、何と「214.7pF」と計算できるんです


どうも、アンテナ回りというのは「SWRありき」で語られ、実際の調整シーンでも闇雲にSWRが下がったらそれでヨシ・・・ということが多いと思います。その上、この記事のような初歩的な実験は、アンテナ弄りの好きな諸OMには「何を当たり前のことで騒いでおる



全市全郡2013から見えてきた課題-アンテナ編
2013-10-14
今回の全市全郡で見えた課題は結構多く、これは忘れぬうちにメモしておくのが得策だと思うんで、続けて記事にまとめておきます。
与えられた環境の中での工夫とは言えど、それこそ様々に考えることができますが、運用スタイルの変化と共に変わっていく部分が大きいと思います。まぁ、当面は「ここ」に住んでいそう(ってか、宝くじが当たったり、知らなかった親戚が現れてジュラルミンケースを置いていったりしない限り住んでいそう)なんで、この狭き我が家とベランダで「上手くやる」という部分は変わりませんが、大きく気になってきたことを中心にリマインドしておきましょう。まずはアンテナ編。
◆ 6mアンテナの改善
数年前まではV/UHFが無かった(あったけど出なかった)ことやローバンドが飛ばなかったこともあって、6mにしがみついて運用することが多く「ダイポール一本槍」でも良かったわけですが、どうも6mが芳しくないのが気になり始めました。
2m/70cmはベランダ南西側の端っこに取り付けたため、そのままでも西-北西方向には飛んでいくようです。ひとまずトライバンドのモビホ(1.5m長)のため6mも乗るんですが、やはり垂直偏波の不利も手伝って、こちらはあまり飛びが良くありません。グランドとして1.5m程のACコードを裂いた奴を繋ぎSWRも1.5以下には収まってはいるんですが、多分アンテナの先がベランダの天井に近いためかなり影響を受けているんでしょう。
ただ、この場所への設置は明らかにカバー範囲が広くなるため、何とかこの南西の縁に6mの「水平系の何か」を付けたいと思います。「夜戦用」であれば、こちら側にV型にDPを張り出す方法もありかな
ロッドダイポールの転用でイケそうです
◆ 2m/70cmのアンテナはどうよ
2mはモビホでも結構イケてしまっています。交信相手もそこそこ聞こえてきますし、IC-821の良さである「シングルスーパー⇒ノイズが少ない」という部分で結構弱い局も聞き取れますから、2mは暫くこのままという手もありそう。欲を言うと3エレ程度の八木を用意しても良いんですが、今までの6m同様の設置方法(ランタンの三脚に括り付けてベランダの真ん中辺りに設置するベランダ内完全収容タイプ)では6mの二の舞になりますし、縦方向に1mのエレメント・・・案外取り回しが面倒そうな予感
一方の70cmは圧倒的な力不足でしょう。ベランダ内でも数エレの八木は簡単に設置できますから、手始めに70cmの数エレ八木をちょいと作ってみようと思っています。
◆ ステルス君周り
ここは大いに「SSN」と関連する部分であり、今秋はともかく来春のCONDXがどうなりそうかを見極めた上で、 20m以下のバンドが効率よく動くようにしたいと思います。こうなると普段は17m以上に出難くなりますが、HFハイバンドはどうせ「閑古鳥」でしょうから、ステルス君のメインバンドを下げた上で、HFハイバンドは得意の短縮コンデンサで片付けたいと思います。
◆ ローバンドは釣り竿君で満足しよう
ローバンドについては、流石に今の「5m長」より長いものを突き出す勇気はありませんから、ある意味これが限界ですが、釣り竿君の中間ローディングコイルとして「80m用」をこしらえるという方法が残っています。今のコイル径(58mm)ではざっと25cmほどの長さになりますから何かちょっと異様ではあります
◆ カウンターポイズについて
良好な「接地」ができない今の状況でも、40m/80mでかなり良好に電波は飛んでいると思っています。これは、「カウンターポイズとしての動作」(「counterpoise」って「平衡錘」のことなんですね)として、今ベランダを這っている細い2本のアルミ線が「隠れたエレメント」の役割をしているものと見立て、釣り竿君自体は「ダイポールの片側エレメントをベランダから突き出してるんだ」という解釈をしています・・・今のところ。アパマン設置方式でのモビホや釣り竿LWを1/4λのホイップ系という解釈で全部括るのには無理がある気がして・・・。
実は今日、秋月で買った「金属探知機」でベランダのあちこちを探ってみると、ベランダ部分の構造物として探知機が反応した箇所はたったの2カ所で、アルミ線を這わせている部分の床面には見あたらず・・・。一方、「建物の構造上、この辺りは鉄筋きてないと・・・」と思った箇所の幾つかで、かなり広範囲に探知する場所を見つけました(母屋の壁と言ったらいいんでしょうかね)。この辺りに何某かのプレートや銅箔テープなどを貼り付けてみて、もし大幅にインピーダンスが変わってくるようなら少し深く考えてみたいと思いますが、あんまり悩むと禿げるんで(そうなの
)ちょっと優先順位の低い課題とします。
ただ、このアルミ線が如何にも細く、足下を這っているせいで時々家人にぶった斬られられたりするんで、最低でもカウンターポイズとしてもう少し太い線を使ってきちんと固定しようと思っています。
与えられた環境の中での工夫とは言えど、それこそ様々に考えることができますが、運用スタイルの変化と共に変わっていく部分が大きいと思います。まぁ、当面は「ここ」に住んでいそう(ってか、宝くじが当たったり、知らなかった親戚が現れてジュラルミンケースを置いていったりしない限り住んでいそう)なんで、この狭き我が家とベランダで「上手くやる」という部分は変わりませんが、大きく気になってきたことを中心にリマインドしておきましょう。まずはアンテナ編。
◆ 6mアンテナの改善
数年前まではV/UHFが無かった(あったけど出なかった)ことやローバンドが飛ばなかったこともあって、6mにしがみついて運用することが多く「ダイポール一本槍」でも良かったわけですが、どうも6mが芳しくないのが気になり始めました。
2m/70cmはベランダ南西側の端っこに取り付けたため、そのままでも西-北西方向には飛んでいくようです。ひとまずトライバンドのモビホ(1.5m長)のため6mも乗るんですが、やはり垂直偏波の不利も手伝って、こちらはあまり飛びが良くありません。グランドとして1.5m程のACコードを裂いた奴を繋ぎSWRも1.5以下には収まってはいるんですが、多分アンテナの先がベランダの天井に近いためかなり影響を受けているんでしょう。
ただ、この場所への設置は明らかにカバー範囲が広くなるため、何とかこの南西の縁に6mの「水平系の何か」を付けたいと思います。「夜戦用」であれば、こちら側にV型にDPを張り出す方法もありかな


◆ 2m/70cmのアンテナはどうよ

2mはモビホでも結構イケてしまっています。交信相手もそこそこ聞こえてきますし、IC-821の良さである「シングルスーパー⇒ノイズが少ない」という部分で結構弱い局も聞き取れますから、2mは暫くこのままという手もありそう。欲を言うと3エレ程度の八木を用意しても良いんですが、今までの6m同様の設置方法(ランタンの三脚に括り付けてベランダの真ん中辺りに設置するベランダ内完全収容タイプ)では6mの二の舞になりますし、縦方向に1mのエレメント・・・案外取り回しが面倒そうな予感

一方の70cmは圧倒的な力不足でしょう。ベランダ内でも数エレの八木は簡単に設置できますから、手始めに70cmの数エレ八木をちょいと作ってみようと思っています。
◆ ステルス君周り
ここは大いに「SSN」と関連する部分であり、今秋はともかく来春のCONDXがどうなりそうかを見極めた上で、 20m以下のバンドが効率よく動くようにしたいと思います。こうなると普段は17m以上に出難くなりますが、HFハイバンドはどうせ「閑古鳥」でしょうから、ステルス君のメインバンドを下げた上で、HFハイバンドは得意の短縮コンデンサで片付けたいと思います。
◆ ローバンドは釣り竿君で満足しよう
ローバンドについては、流石に今の「5m長」より長いものを突き出す勇気はありませんから、ある意味これが限界ですが、釣り竿君の中間ローディングコイルとして「80m用」をこしらえるという方法が残っています。今のコイル径(58mm)ではざっと25cmほどの長さになりますから何かちょっと異様ではあります

◆ カウンターポイズについて
良好な「接地」ができない今の状況でも、40m/80mでかなり良好に電波は飛んでいると思っています。これは、「カウンターポイズとしての動作」(「counterpoise」って「平衡錘」のことなんですね)として、今ベランダを這っている細い2本のアルミ線が「隠れたエレメント」の役割をしているものと見立て、釣り竿君自体は「ダイポールの片側エレメントをベランダから突き出してるんだ」という解釈をしています・・・今のところ。アパマン設置方式でのモビホや釣り竿LWを1/4λのホイップ系という解釈で全部括るのには無理がある気がして・・・。
実は今日、秋月で買った「金属探知機」でベランダのあちこちを探ってみると、ベランダ部分の構造物として探知機が反応した箇所はたったの2カ所で、アルミ線を這わせている部分の床面には見あたらず・・・。一方、「建物の構造上、この辺りは鉄筋きてないと・・・」と思った箇所の幾つかで、かなり広範囲に探知する場所を見つけました(母屋の壁と言ったらいいんでしょうかね)。この辺りに何某かのプレートや銅箔テープなどを貼り付けてみて、もし大幅にインピーダンスが変わってくるようなら少し深く考えてみたいと思いますが、あんまり悩むと禿げるんで(そうなの

ただ、このアルミ線が如何にも細く、足下を這っているせいで時々家人にぶった斬られられたりするんで、最低でもカウンターポイズとしてもう少し太い線を使ってきちんと固定しようと思っています。
大雪の日のステルス君
2013-01-14
久々の関東地方の大雪・・・千葉県北西部は正午辺りから強く降り出し、あっという間に10cmほど積もっています。我が家の北側にある階段には屋根がないため、さっきコンビニに行く際には既に「決死隊の覚悟」の様相で、暮れに買っておいたグリップの良い防水スニーカーが役に立ちました。
さて、我がステルス君の欠点・・・というかアパマンハムの悩み処は、「降雨によるアンテナの同調点の変化」。これには、かなり多数の方がお悩みでしょう。勿論、ATUを使っている方はそれほどでもない話でしょうが、少なくとも我がステルス君は「雨が降ったら要調整」であり、この辺りが即座に調整できるようにするというのが、再作間近のステルス君3号の課題でもあります。
雪が積もっている状態を大雨が降っている状態と等価で考えると、この天候でSWRの挙動をしっかり掴んでおくと良さそう・・・ということで、同調点がどのくらい下がったかを調べてみました。
まず、外はこんな感じです。

ベランダの上面にもうっすらと積もるほど・・・まさに「大雨さながら」の状態ですね
この状態で、同調点(SWR最下点)を調べたら、以下のようになりました。
雨の降り始めや小雨の時、或いは止んでから乾いていく状態では、この変化幅のどこかに同調点があるといった案配ですから、もしステルス君を「全天候仕様」にする場合にはやはり「可変」の部分が必要です。
一方、短縮コンデンサで追っかけようとすると、ほぼそのエレメント長で同調しているバンドで「少しだけ上げる」(例えば、小雨が降りだして同調点が少しだけ下がってしまった)という調整場面では、容量が極端に大きくなってしまいます。
仮に20.1MHzに同調しているアンテナに短縮コンデンサを使って運用周波数である21.02MHzまで持ち上げる場合のコンデンサ容量をMMANAで解析してみると、202pF程度と計算されます(但し、自由空間です)。これが、さらに同調点が21.02MHzに近いアンテナを短縮しようとした場合・・・20.5MHzの場合は344pF、20.8MHzの場合は670pFと、かなり大きな容量のコンデンサが必要ですし、細かな調整を「セラコンの組み合わせのみ」で行うのは難しそうです。
ちなみに、20.1MHzと21.02MHzのDPにおけるエレメント長は凡そ7.34mと7.02m(給電点は、ステルス君への引き込みに模した形にしてあるため、純粋なDPの給電とはちょっと違っています)となり、自分にとってはよく見る風景である「雨天のヒゲの折り曲げ」でちょいちょいいじっているのは、実にこの調整を余儀なくされているわけです。
アパマンハムがATUに落ち着いていくのも、この辺りにもその要因があるようですね。
さて、我がステルス君の欠点・・・というかアパマンハムの悩み処は、「降雨によるアンテナの同調点の変化」。これには、かなり多数の方がお悩みでしょう。勿論、ATUを使っている方はそれほどでもない話でしょうが、少なくとも我がステルス君は「雨が降ったら要調整」であり、この辺りが即座に調整できるようにするというのが、再作間近のステルス君3号の課題でもあります。
雪が積もっている状態を大雨が降っている状態と等価で考えると、この天候でSWRの挙動をしっかり掴んでおくと良さそう・・・ということで、同調点がどのくらい下がったかを調べてみました。
まず、外はこんな感じです。

ベランダの上面にもうっすらと積もるほど・・・まさに「大雨さながら」の状態ですね

BAND | SWR最下点 | 変化率 | |
晴天時 | 今日 | ||
40m | 7.01MHz付近 | 6.7MHz付近 | -4.3% |
15m | 21.02MHz付近 | 20.1MHz付近 | -4.6% |
雨の降り始めや小雨の時、或いは止んでから乾いていく状態では、この変化幅のどこかに同調点があるといった案配ですから、もしステルス君を「全天候仕様」にする場合にはやはり「可変」の部分が必要です。
一方、短縮コンデンサで追っかけようとすると、ほぼそのエレメント長で同調しているバンドで「少しだけ上げる」(例えば、小雨が降りだして同調点が少しだけ下がってしまった)という調整場面では、容量が極端に大きくなってしまいます。
仮に20.1MHzに同調しているアンテナに短縮コンデンサを使って運用周波数である21.02MHzまで持ち上げる場合のコンデンサ容量をMMANAで解析してみると、202pF程度と計算されます(但し、自由空間です)。これが、さらに同調点が21.02MHzに近いアンテナを短縮しようとした場合・・・20.5MHzの場合は344pF、20.8MHzの場合は670pFと、かなり大きな容量のコンデンサが必要ですし、細かな調整を「セラコンの組み合わせのみ」で行うのは難しそうです。
ちなみに、20.1MHzと21.02MHzのDPにおけるエレメント長は凡そ7.34mと7.02m(給電点は、ステルス君への引き込みに模した形にしてあるため、純粋なDPの給電とはちょっと違っています)となり、自分にとってはよく見る風景である「雨天のヒゲの折り曲げ」でちょいちょいいじっているのは、実にこの調整を余儀なくされているわけです。
アパマンハムがATUに落ち着いていくのも、この辺りにもその要因があるようですね。
フィールドデーのテーマの行方:アンテナ編
2012-08-05
少し前の記事で今年のフィールドデーにテーマ設定をしました。その行方をカテゴリ別にまとめておきます。
◆ 6mのロッドダイポール
事前に少し根拠のありそうな寸法を求めて作ったヘアピンですが、少し小さ過ぎたようです。結局、以前に使っていた2エレVP八木のヘアピン(3cm×15cm)で落とし込みました。こいつでバッチリ落ちたということでこれはこれで良いわけですが、準備しておいた方は同調点のインピーダンス(約25Ω)から求めたもの・・・ちょっと勇み足でした
よく考えてみると、ALL JAでお茶を濁した「でっかいバランにヒョロヒョロのヘアピン」のロッドアンテナとバランの接続コードが長過ぎ・・・ここもヘアピンの一部として働いていたっぽいです。やはり、アンテナアナライザでリアクタンス成分も見られるようにできると良いですね。
◆ 80m用のコイル
ベランダで夜中にゴソゴソ・・・というスタイルですからできることは限られていますが、ALL JAの急造コイルを整形し直し、他に2つのものを用意しました。

真ん中が前回使ったものですが、若干コイルを密巻きにしました。右が、今回本命のコイル、左が少し「多め」のインダクタンスでどうか・・・というお試し版。
コイルの大凡の直径と巻き幅から大凡のインダクタンスを求めると、以下のようになります。
左:56φ×36mm×19回=17.63μH
中:42φ×40mm×20回=11.79μH
右:45φ×60mm×15回=5.59μH
このコイルとMIZUHOカップラの組み合わせで、結局SWRを落とせたのは真ん中のものだけでした
ALL JAの際には真ん中のコイルがもう少し粗く巻いてあり、その時のインダクタンスは「約7.8μH」と計算していますので、現状のステルス君2号の40mエレメント流用によるLWでは、10μH程度の大型コイルを用意すれば良いという結論です。残念ながら、今回本命のコイルは「寸足らず」でした・・・。
◆ 6mのロッドダイポール
事前に少し根拠のありそうな寸法を求めて作ったヘアピンですが、少し小さ過ぎたようです。結局、以前に使っていた2エレVP八木のヘアピン(3cm×15cm)で落とし込みました。こいつでバッチリ落ちたということでこれはこれで良いわけですが、準備しておいた方は同調点のインピーダンス(約25Ω)から求めたもの・・・ちょっと勇み足でした

よく考えてみると、ALL JAでお茶を濁した「でっかいバランにヒョロヒョロのヘアピン」のロッドアンテナとバランの接続コードが長過ぎ・・・ここもヘアピンの一部として働いていたっぽいです。やはり、アンテナアナライザでリアクタンス成分も見られるようにできると良いですね。
◆ 80m用のコイル
ベランダで夜中にゴソゴソ・・・というスタイルですからできることは限られていますが、ALL JAの急造コイルを整形し直し、他に2つのものを用意しました。

真ん中が前回使ったものですが、若干コイルを密巻きにしました。右が、今回本命のコイル、左が少し「多め」のインダクタンスでどうか・・・というお試し版。
コイルの大凡の直径と巻き幅から大凡のインダクタンスを求めると、以下のようになります。
左:56φ×36mm×19回=17.63μH
中:42φ×40mm×20回=11.79μH
右:45φ×60mm×15回=5.59μH
このコイルとMIZUHOカップラの組み合わせで、結局SWRを落とせたのは真ん中のものだけでした

40mアンテナのプチ追試
2012-05-29
WW WPXの2日目、食後に40mの追試・・・「ステルス君の短縮DP vs ステルス君のエレメントを使ったLW」について、少し詳細に調べました。少々煩雑だったのですが、CQ連呼の海外局(W7)と国内局(1エリアの安定した局)をサンプルに、DPとLWの切替でどの程度変わるか・・・。
まずは海外局ですが、DPでS=7-9がLWではS9でほぼ安定、QSBの谷間が浅くなる感じです。一方の国内局はDPでS=9に対しLWでもS=9・・・なんですが、LWでは時折+10dBに届くといった感じで、こちらもLWが優勢。直前の記事に記した「+10dB」はあくまで主観的な見方であり、ほぼS=9が平均となる毎度のコンテストの信号強度に比して、LWに切り替えるとS9+10dB程度振ってくる局が増えたという部分が強く印象に残ったということでしょう。
少なくともLWの方が優勢ということがはっきりしたため、暫く西海岸局を何局か呼んでみましたが応答は貰えませんでした。アンテナの可逆性から考えれば、送信にも有利なはずですが交信ならず・・・40mについてのLWの有効性の実証は、国内コンテストにひとまず譲ることにします。
まずは海外局ですが、DPでS=7-9がLWではS9でほぼ安定、QSBの谷間が浅くなる感じです。一方の国内局はDPでS=9に対しLWでもS=9・・・なんですが、LWでは時折+10dBに届くといった感じで、こちらもLWが優勢。直前の記事に記した「+10dB」はあくまで主観的な見方であり、ほぼS=9が平均となる毎度のコンテストの信号強度に比して、LWに切り替えるとS9+10dB程度振ってくる局が増えたという部分が強く印象に残ったということでしょう。
少なくともLWの方が優勢ということがはっきりしたため、暫く西海岸局を何局か呼んでみましたが応答は貰えませんでした。アンテナの可逆性から考えれば、送信にも有利なはずですが交信ならず・・・40mについてのLWの有効性の実証は、国内コンテストにひとまず譲ることにします。
40m&20mのアンテナあれこれ
2012-05-27
昨日からのWW WPXにナンチャッテ参戦していたのですが、何やらアンテナの試行錯誤に突入してしまいました。
WW WPXでは「20mの様子を中心に探る」というテーマで、現システムのステルス君をLWに見立てた「MIZUHO作戦」で挑むことにしました。
20mは、夕方から様子見を始めました。苦労した挙げ句UruguayをGetしたりと、まぁ軒下LWにしては飛ぶもんだわい・・・とほくそ笑みつつ夜を迎えたわけですが、どうも呼んでも取って貰えず信号も弱い・・・。そこで、ちょっと遊びでこの竿にビニール線を括り付け、23時過ぎに恐る恐るベランダから斜めに突き出してみました。竿の長さは5.4m、洗濯機の上に置いたカップラまでのエレメントの長さが5m程になり、ほぼ20mの1/4λ・・・これは好都合
チューニングもバッチリ取れていざRIGの前に戻ると、S7-8程度が多かった各局の信号が軒並みS9
やはり、ベランダアンテナは「建物からできるだけ離して設置するべし」というセオリーを痛感しました。が、やはり20mはパワーで圧してくる局が多く、ハイバンドではS9なら何とか拾って貰えるのに、このバンドでは殆ど空振り
SSNが60程度とそれほど高くなかったことも関係あるのでしょう(っていうか、大いにあるなぁ・・・)が、DXコンテストへの参戦の仕方には一考が必要そうです(これは別記事にしよう・・・)。
一方、40mについても発見あり。
昨晩は40mのCONDXが良かったようで、W方面も少し奥の方まで聞こえている感じ。VEが聞こえていたため呼んだら、比較的簡単に拾って貰えたことからもまずまずだったかと思うのですが、夜も更けてきて20mにスイッチする際、試しにステルス君をLWとして40mでマッチングを取り(20mへの切替途中で、ステルス君の片側のローディングコイルはショート)ザッとワッチしてみると、バンド内全体のSが上昇
それも、結構な上昇っぷりで、IC-703のSメータをどの程度信用していいのかはともかく、平均的に10dB程度上がりました。最寄りのクラブ局のかぶりがかなりうるさくなったことからも明白。ただ、飛びが確認できるような相手がいなかったため、単に指向性がブロードになっただけという不安も
その愛着から、何となくステルス君の短縮DPが(我が家のベランダ設置方法としては)最も良いだろう・・・と高を括っていましたが、ひょっとすると最適解ではないのでは
カップラを完成させたら追試してみようと思います。
ポイントをまとめておきます。
◆ 20m:釣り竿を使った1/4λGPもどきが良さそう
◆ 40m:ステルス君の片側ローディングコイルをショートしたLWの追試が必要
それにしても、釣り竿突き出しでの効果、LW+カップラも捨てたもんじゃない・・・など、やはりアンテナの工夫についてはマダマダだなぁ・・・う~ん
WW WPXでは「20mの様子を中心に探る」というテーマで、現システムのステルス君をLWに見立てた「MIZUHO作戦」で挑むことにしました。
20mは、夕方から様子見を始めました。苦労した挙げ句UruguayをGetしたりと、まぁ軒下LWにしては飛ぶもんだわい・・・とほくそ笑みつつ夜を迎えたわけですが、どうも呼んでも取って貰えず信号も弱い・・・。そこで、ちょっと遊びでこの竿にビニール線を括り付け、23時過ぎに恐る恐るベランダから斜めに突き出してみました。竿の長さは5.4m、洗濯機の上に置いたカップラまでのエレメントの長さが5m程になり、ほぼ20mの1/4λ・・・これは好都合

チューニングもバッチリ取れていざRIGの前に戻ると、S7-8程度が多かった各局の信号が軒並みS9


一方、40mについても発見あり。
昨晩は40mのCONDXが良かったようで、W方面も少し奥の方まで聞こえている感じ。VEが聞こえていたため呼んだら、比較的簡単に拾って貰えたことからもまずまずだったかと思うのですが、夜も更けてきて20mにスイッチする際、試しにステルス君をLWとして40mでマッチングを取り(20mへの切替途中で、ステルス君の片側のローディングコイルはショート)ザッとワッチしてみると、バンド内全体のSが上昇


その愛着から、何となくステルス君の短縮DPが(我が家のベランダ設置方法としては)最も良いだろう・・・と高を括っていましたが、ひょっとすると最適解ではないのでは

ポイントをまとめておきます。
◆ 20m:釣り竿を使った1/4λGPもどきが良さそう
◆ 40m:ステルス君の片側ローディングコイルをショートしたLWの追試が必要
それにしても、釣り竿突き出しでの効果、LW+カップラも捨てたもんじゃない・・・など、やはりアンテナの工夫についてはマダマダだなぁ・・・う~ん

「短縮コンデンサ」でマルチバンドアンテナはできるのか!?
2012-05-04
遠隔君を完成させるにせよ、接続するアンテナ自体が低効率では元も子もないと、このゴールデンウィークはMMANAと格闘していました。漸く、2ワイヤーで40m-20m-15m-10mを実現する方法はある程度目処が立ち、またアンテナ張りだなぁ・・・と考えていたのですが、ちょっと違ったスタンスで考えることもできそうだと思いついたので、ちょっと書いておこうと思います。
今日までのところ、今年のゴールデンウィークは初っ端のALL JA以外の日が殆ど悪天候で、小雨が降ったり止んだり。一昨日の晩から昨日にかけては本降りで、MMANAとの格闘の合間にあちこちワッチし、めぼしい局がいれば呼ぶ・・・その度にSWR調整でベランダに出るのは仕方がないとして、同じバンドでもこの「降ったり止んだり」に合わせて上下するSWRには本当に閉口します。
さて、この現象は、何もエレメントが濡れるために起きているわけではなく(何たって軒下ですからね、エレメントなんて殆ど濡れません)、建物自体が雨水に覆われる加減や建物と地面との導通の変化が、SWRにそのまま跳ね返ってくる感じです。そして、このSWRの変化は「同調点の変化」であることは判っており、雨が降ると同調点がドンドン下がるという挙動は、全バンドで認められます。
どの程度の変化が起こるかというと、21MHzに合わせた状態で土砂降りの雨が降ると、19MHzの下の方まで下がるという有様
このため、ヒゲを異常に長くしてあり、雨が降ってきたらそのヒゲを適当に折って短くして同調を取り直すという方法で凌いでいます。また、ヒゲの部分は頻々たる曲げ伸ばしで金属疲労を起こすことを考慮し、タマゴラグで本エレメントに接続してあり、撚れてきたらヒゲ毎取り替えられるようにしてあります。
ヒゲは調整のためちょん切る・・・というのが普通ですが、ヒゲを適当に折り返して電気的な長さを短くする・・・この方法、移動の際などにも結構使えますよ
上記の苦労はさておき、結局、電気的な長さが雨水によって変わるという部分を、現状は「人手」で何とかしているわけですが、「雨が降って同調点が下がる=見かけ上エレメントが電気的に長くなった」と考えると、これが遠隔から短くできれば、ベランダへの行き来が無くなるわけです
機械仕掛けで伸縮させるのはいくら何でもちょっと面倒ですが、ここで無線工学の教科書にも立派に出てくる「短縮コンデンサ」・・・これが使えないかと考えるに至りました。
現状のDPは、マッチングボックスのインピーダンス切替とエレメント長の微調整のみでSWRが比較的良く落ちていますから、インピーダンスの切替をトロイダルコア+リレーで遠隔操作する一方、短縮コンデンサもリレー切替方式で探っていくような方法で、ちょっと乱暴ですがとにかくマッチングを取ってしまうというのもありかなぁ・・・ってな案配です。

ハイバンドだけで考えると、ベランダの幅(約8m)目一杯に張れるDPは17m用(若干端をベントする感じ)であり、これで15mに合わせるとどうなるか・・・

17mのDPを元に虚数成分が「+」で小さくなるなるSWR最下点を求め、短縮コンデンサを接続して15mでマッチングが取れる容量を「最適化」で追い込みました。
我がベランダは、高周波的には本当に不自由な空間であり、MMANAで普通に設計しても全然上手くなく、この記事を書いた頃の実証で「同調時のインピーダンスが下がる傾向」を突き止めています。そのため、50Ω設計ではなくもう少し低い値での設計になるよう、エレメント近辺に「建物の鉄筋と思しきもの」をいくつか置いて、それなりの挙動に追い込んでいます。この辺りは、環境によって工夫していく必要がありますね。
何れにせよ、短縮コンデンサである程度「高い方の周波数のは出られるぞ」ということは解ったので、もう少し探求してみたいと思います。
今日までのところ、今年のゴールデンウィークは初っ端のALL JA以外の日が殆ど悪天候で、小雨が降ったり止んだり。一昨日の晩から昨日にかけては本降りで、MMANAとの格闘の合間にあちこちワッチし、めぼしい局がいれば呼ぶ・・・その度にSWR調整でベランダに出るのは仕方がないとして、同じバンドでもこの「降ったり止んだり」に合わせて上下するSWRには本当に閉口します。
さて、この現象は、何もエレメントが濡れるために起きているわけではなく(何たって軒下ですからね、エレメントなんて殆ど濡れません)、建物自体が雨水に覆われる加減や建物と地面との導通の変化が、SWRにそのまま跳ね返ってくる感じです。そして、このSWRの変化は「同調点の変化」であることは判っており、雨が降ると同調点がドンドン下がるという挙動は、全バンドで認められます。
どの程度の変化が起こるかというと、21MHzに合わせた状態で土砂降りの雨が降ると、19MHzの下の方まで下がるという有様

ヒゲは調整のためちょん切る・・・というのが普通ですが、ヒゲを適当に折り返して電気的な長さを短くする・・・この方法、移動の際などにも結構使えますよ

上記の苦労はさておき、結局、電気的な長さが雨水によって変わるという部分を、現状は「人手」で何とかしているわけですが、「雨が降って同調点が下がる=見かけ上エレメントが電気的に長くなった」と考えると、これが遠隔から短くできれば、ベランダへの行き来が無くなるわけです

現状のDPは、マッチングボックスのインピーダンス切替とエレメント長の微調整のみでSWRが比較的良く落ちていますから、インピーダンスの切替をトロイダルコア+リレーで遠隔操作する一方、短縮コンデンサもリレー切替方式で探っていくような方法で、ちょっと乱暴ですがとにかくマッチングを取ってしまうというのもありかなぁ・・・ってな案配です。

ハイバンドだけで考えると、ベランダの幅(約8m)目一杯に張れるDPは17m用(若干端をベントする感じ)であり、これで15mに合わせるとどうなるか・・・

17mのDPを元に虚数成分が「+」で小さくなるなるSWR最下点を求め、短縮コンデンサを接続して15mでマッチングが取れる容量を「最適化」で追い込みました。
我がベランダは、高周波的には本当に不自由な空間であり、MMANAで普通に設計しても全然上手くなく、この記事を書いた頃の実証で「同調時のインピーダンスが下がる傾向」を突き止めています。そのため、50Ω設計ではなくもう少し低い値での設計になるよう、エレメント近辺に「建物の鉄筋と思しきもの」をいくつか置いて、それなりの挙動に追い込んでいます。この辺りは、環境によって工夫していく必要がありますね。
何れにせよ、短縮コンデンサである程度「高い方の周波数のは出られるぞ」ということは解ったので、もう少し探求してみたいと思います。
鉄筋も味方にできるはず!
2007-05-20
先の記事で紹介したように、特に建家の鉄筋構造に関しては無視できないということがはっきりしていますので、我が家の構造を簡単に書いてみました。

左が単なるプリセットの段階です。中段の黒い太い線がアンテナ(真ん中の「○」が給電点)で、それ以外はベランダの構造。まぁ、鉄筋がきっとここら辺を・・・というところに実寸に近い値でワイヤーを引いた形です。一方、この状態で電波を出した(
)のが右側。MMANAをご存じの方は解ると思いますが、青い線が電圧の起伏、赤い線が電流の起伏です。
こうしてみると、単なるアンテナというよりも「アンテナ・システム」と呼ぶべきで、目に見えない所で、かなりの悪戦苦闘・・・というか「悪さ」をしていそうなことが解ります。また、このアンテナは15mのDPであり、平行に走っている(であろう)長さが近い鉄筋に電波が乗ってしまい、これらが見かけ上のインピーダンスの「暴れ」を作っていることも明白。ちなみに、この状態での同調点では、インピーダンスが10Ω台です。
さて、幸いにも雷に打たれずに生きていますので(
)、先の実験結果(15mのDPの同調点インピーダンスが25Ω前後であったこと)を考えてみると、以下の幾つかが類推できます。
★ ベランダに張り出している天井(軒)や手すり、或いは床部分に必ずしも
アンテナと並行の鉄筋が渡っているとは限らない
★ 建物が古い(ちなみに、築20余年)ため、中の鉄筋がかなり痛んで来ており、
十分な「導体」とは言えない状態にまでなってきているかも・・・(怖
)
ということで、これを差し引いて考えるためには、何本か横方向の鉄筋を取っ払ってしまえばよい・・・少々乱暴ですが、アンテナと並行方向の鉄筋の内幾つかを抜き差し(っていうのか
)し、測定結果である「大凡25Ω」となる組み合わせを模索したのが以下の図です。

まぁ、こんなベランダには立ちたくないようなことになってしまいましたが
これで大凡25Ω前後に収束するようになりました。
しかし、これでは全く科学的でない(只の数値合わせ)ため、軒先くんのデータ(各ワイヤー長やローディングコイルの大凡のインダクタンス値など)をプリセットしたら・・・何と、現状のヒゲの長さで「いい線行く」ということをほぼ裏付けられるような結果が出たんです
すげい発見
さらに、各バンドともインピーダンスは「低め」の方向に動き、やはり50Ω直結(バランは入ってますよ)では上手くないことも解りました。
「ホイップ+ATU」に逃げそうな予感もありましたが、俄然勇気が湧いてきました
もう少し拘ってみようと思います。

左が単なるプリセットの段階です。中段の黒い太い線がアンテナ(真ん中の「○」が給電点)で、それ以外はベランダの構造。まぁ、鉄筋がきっとここら辺を・・・というところに実寸に近い値でワイヤーを引いた形です。一方、この状態で電波を出した(

こうしてみると、単なるアンテナというよりも「アンテナ・システム」と呼ぶべきで、目に見えない所で、かなりの悪戦苦闘・・・というか「悪さ」をしていそうなことが解ります。また、このアンテナは15mのDPであり、平行に走っている(であろう)長さが近い鉄筋に電波が乗ってしまい、これらが見かけ上のインピーダンスの「暴れ」を作っていることも明白。ちなみに、この状態での同調点では、インピーダンスが10Ω台です。
さて、幸いにも雷に打たれずに生きていますので(

★ ベランダに張り出している天井(軒)や手すり、或いは床部分に必ずしも
アンテナと並行の鉄筋が渡っているとは限らない
★ 建物が古い(ちなみに、築20余年)ため、中の鉄筋がかなり痛んで来ており、
十分な「導体」とは言えない状態にまでなってきているかも・・・(怖

ということで、これを差し引いて考えるためには、何本か横方向の鉄筋を取っ払ってしまえばよい・・・少々乱暴ですが、アンテナと並行方向の鉄筋の内幾つかを抜き差し(っていうのか


まぁ、こんなベランダには立ちたくないようなことになってしまいましたが

しかし、これでは全く科学的でない(只の数値合わせ)ため、軒先くんのデータ(各ワイヤー長やローディングコイルの大凡のインダクタンス値など)をプリセットしたら・・・何と、現状のヒゲの長さで「いい線行く」ということをほぼ裏付けられるような結果が出たんです


「ホイップ+ATU」に逃げそうな予感もありましたが、俄然勇気が湧いてきました

不自由な空間・・・
2007-05-19
先日、アンテナのすげ替え(立て替えなんてできません
もう少し、周辺環境にあった感じのものに変えようかなぁとの目論見)について、少しでも性能向上を目指すのと同時に「ステルス化」を狙って、ウレタン線の太い奴を買ってきました。序でに秋葉唯一(かな
)FTシリーズが手に入るお店で、コアを2つほど購入・・・というのは、この記事で書いたように、どうやら「インピーダンス変換」(俗にアン・アン)が入り用だと解釈したためです。
それから数日は、会社から帰宅すれば、お得意のMMANAで試行錯誤の繰り返し。その内に「同じ悩みのOMさんもおるやろな・・・ひょっとして秘策もあったりして」などと他力本願丸出しで、あちこちネットサーフィンしていく内に、建家の鉄筋部分を「アンテナ」と見立ててシミュレートしている方がおり、「な~るほどぉ
」と早速真似してみたら・・・これほど影響があるとは思いませんでした。当然エレメント長をいじれば同調は取れますが、その時のインピーダンスがむちゃくちゃ
特に、ベランダの横の長さと15mの半波長がほぼ同じで、この辺りが尤も挙動がおかしいんです。ここで思い出したのが、軒下くんを張った際の15mの調整難---やはり、原因はあるんですね。それにしても10Ω以下・・・マジかよ・・・。
そこで、シミュレーションをどこまで信じられるか・・・というより、でっち上げた建家の鉄筋構造と、コンクリートの影響(きっと、鉄筋の影響が穏やかになるはず)を調べるべく、以下の手順で実験してみました。
① まず、軒下くんを軽く撤去(元に戻せる程度)
② 15mの半波長DPを適当にこしらえ、軒下くんのあった位置に仮設
③ ディップメータで同調点を調べながら、バンド中央に合わせ込み(=植木屋さん)
まぁ、ここまでは昔取った杵柄よろしく「あっという間」だったのですが、驚いたのは波長計算上、大凡6.8m弱のはずが、さらに20cmほど短いところが同調点。軒下くんの「ヒゲ」が無くなったのも無理はない・・・。さらにこの後で、アンテナアナライザーをつないでインピーダンスを測ったら、同調点辺りで25Ω前後でした。これじゃぁどう頑張っても、50Ωの同軸とは合わないはずです。
そこで、急遽「50Ω:22Ωのアン・アン+強制バラン」を作りました。③で追い込んだエレメントに接続し、アナライザーでSWRを再測定しました。結果は少し良くなる方向(目視で1.8ぐらい)・・・でも、これでMMANAのデータを少しいじり、大凡シミュレートできる所まで持って行けそうな雰囲気です。
さぁ、この時点で16時過ぎ。ところが、いきなり雷鳴が轟き、急いで撤去&部屋に待避。流石に、ベランダといってもねぇ。その後の雨が正に「にわか雨」でかなりの雨量。結果的に作業は中断・・・気づけば夜になっています。
それにしても、自由空間との差異に驚いた次第。今日も、大変勉強になりました。
上の写真は、急造バランとその他の測定治具たちです。差を取るために、6mの2ele-VP用のバランも使いました(黒い筒状の奴)。高校時代の作品の割にスマートで現用・・・そういう意味では、最も成功した自作品かも


それから数日は、会社から帰宅すれば、お得意のMMANAで試行錯誤の繰り返し。その内に「同じ悩みのOMさんもおるやろな・・・ひょっとして秘策もあったりして」などと他力本願丸出しで、あちこちネットサーフィンしていく内に、建家の鉄筋部分を「アンテナ」と見立ててシミュレートしている方がおり、「な~るほどぉ


そこで、シミュレーションをどこまで信じられるか・・・というより、でっち上げた建家の鉄筋構造と、コンクリートの影響(きっと、鉄筋の影響が穏やかになるはず)を調べるべく、以下の手順で実験してみました。
① まず、軒下くんを軽く撤去(元に戻せる程度)
② 15mの半波長DPを適当にこしらえ、軒下くんのあった位置に仮設
③ ディップメータで同調点を調べながら、バンド中央に合わせ込み(=植木屋さん)
まぁ、ここまでは昔取った杵柄よろしく「あっという間」だったのですが、驚いたのは波長計算上、大凡6.8m弱のはずが、さらに20cmほど短いところが同調点。軒下くんの「ヒゲ」が無くなったのも無理はない・・・。さらにこの後で、アンテナアナライザーをつないでインピーダンスを測ったら、同調点辺りで25Ω前後でした。これじゃぁどう頑張っても、50Ωの同軸とは合わないはずです。
そこで、急遽「50Ω:22Ωのアン・アン+強制バラン」を作りました。③で追い込んだエレメントに接続し、アナライザーでSWRを再測定しました。結果は少し良くなる方向(目視で1.8ぐらい)・・・でも、これでMMANAのデータを少しいじり、大凡シミュレートできる所まで持って行けそうな雰囲気です。
さぁ、この時点で16時過ぎ。ところが、いきなり雷鳴が轟き、急いで撤去&部屋に待避。流石に、ベランダといってもねぇ。その後の雨が正に「にわか雨」でかなりの雨量。結果的に作業は中断・・・気づけば夜になっています。
それにしても、自由空間との差異に驚いた次第。今日も、大変勉強になりました。

上の写真は、急造バランとその他の測定治具たちです。差を取るために、6mの2ele-VP用のバランも使いました(黒い筒状の奴)。高校時代の作品の割にスマートで現用・・・そういう意味では、最も成功した自作品かも
