フェーズシフトの再試
2018-06-06
今は昔・・・ってそんなに古くはないんですが、5年ほど前のヘッポコ実験(結構古いか
)でノイズ撃退の肝になるフェーズシフト回路(この辺りから辿ってください)を味見していました。まだ古いアナログオシロを使っての実験でしたが、この時に動作原理は理解して「さぁ、次のステップ
」というところで頓挫・・・というか、興味の対象が移ってしまいそのまま放置してある「ひねる回路」に満を持して(
)戻って参りました
”集合住宅&住宅密集地&変電所近傍”という過酷な運用環境でも、酷いノイズ源があって邪魔されるようなことなく過ごしてきたつもりだったんですが、「コンテストでしか波を出さない弱小無線局」(←あぁ、当局ね・・・)がジワジワと感じていたノイズの圧迫感を、そろそろ本格的に撃退せんと思い立ったのが今年のALL JAでした。やはりS7前後のノイズの中での運用は、ATTで信号を絞っても気になるもんは気になるわけです
・・・という講釈は置いといて、実際のノイズ撃退についてはMFJ1025を原本としてあれこれやった結果、いろいろと欠点を見つけた上で「こりゃ、自分で撃退装置をこしらえた方が良い結果が得られるかも・・・」と自惚れ
またしても「ノイズのないクリーンな運用環境を目指す」という難題に改めてチャレンジすることにしました。
幾記事か前に先んじて180°捻った信号を合成する部分のシミュレーションは終えており、この部分は多分実回路での再現性も高いと踏んで、フェーズシフト回路の改良・・・「減衰の少ない&周波数特性が平坦」という部分に突っ込んでみました。
CRで構成するフェーズシフト回路は、その回路構成故に位相を調整する際に入出力インピーダンスが大きく動くため、後段を受け持つバッファアンプを”ハイ・インピ”に仕立てる必要があります。そこで、以前の実験では”FET受け”(ソースフロワ)で凌ごうとしましたが、随分と減衰があることが判りゲンナリ・・・。そこで、”高インピなトランジスタ受け”(エミッタフォロワ)ではどないじゃろ・・・要は、バッファのさらに後段に対してロス無く信号を受け渡すとなったら、エミフォロの方が上手くいくんじゃないかと思ってヘッポコ実験を挙行
まずは、FETバッファの場合の特性です。周波数は21MHz、バッファを受け持つFETはJ310。

凡そ90°捻った状態・・・270°0付近の様子です。775mVの入力(0dBm:Vppでは748mVと表示されている)に対して、出力は88mVと18dB程減衰しています。
お待ちかねのトランジスタバッファの場合の特性です。周波数は上記と同じ、バッファ担当は2SC3355。

同じ入力条件に対して出力は264mV・・・2.9dB程度の減衰にまで改善
この差は大きい
シミュレーション結果もお見せしましょうか。

2SC3355の兄弟分、2SC3357のモデルを使っていますが、実波形と同様の結果が得られているのが判りますね。
こんな風にフェーズシフトは手中に収めた感じなんですが、実はこの回路一発で真逆となる180°を得るのは難しく、今いまのアイディアでは、この回路を2段重ねて”半捻り⇒全捻り”を実現しようとしています。即ち「90°捻り回路の2段重ね」という構成・・・そのためには、1段あたりの減衰量を小さくするのが命題だったというわけです。
上記の結果より、トランジスタバッファを従えたフェーズシフト回路で何とか「ノイズ撃退の心臓部」を作り上げたいと思います。




”集合住宅&住宅密集地&変電所近傍”という過酷な運用環境でも、酷いノイズ源があって邪魔されるようなことなく過ごしてきたつもりだったんですが、「コンテストでしか波を出さない弱小無線局」(←あぁ、当局ね・・・)がジワジワと感じていたノイズの圧迫感を、そろそろ本格的に撃退せんと思い立ったのが今年のALL JAでした。やはりS7前後のノイズの中での運用は、ATTで信号を絞っても気になるもんは気になるわけです


幾記事か前に先んじて180°捻った信号を合成する部分のシミュレーションは終えており、この部分は多分実回路での再現性も高いと踏んで、フェーズシフト回路の改良・・・「減衰の少ない&周波数特性が平坦」という部分に突っ込んでみました。
CRで構成するフェーズシフト回路は、その回路構成故に位相を調整する際に入出力インピーダンスが大きく動くため、後段を受け持つバッファアンプを”ハイ・インピ”に仕立てる必要があります。そこで、以前の実験では”FET受け”(ソースフロワ)で凌ごうとしましたが、随分と減衰があることが判りゲンナリ・・・。そこで、”高インピなトランジスタ受け”(エミッタフォロワ)ではどないじゃろ・・・要は、バッファのさらに後段に対してロス無く信号を受け渡すとなったら、エミフォロの方が上手くいくんじゃないかと思ってヘッポコ実験を挙行

まずは、FETバッファの場合の特性です。周波数は21MHz、バッファを受け持つFETはJ310。

凡そ90°捻った状態・・・270°0付近の様子です。775mVの入力(0dBm:Vppでは748mVと表示されている)に対して、出力は88mVと18dB程減衰しています。
お待ちかねのトランジスタバッファの場合の特性です。周波数は上記と同じ、バッファ担当は2SC3355。

同じ入力条件に対して出力は264mV・・・2.9dB程度の減衰にまで改善



2SC3355の兄弟分、2SC3357のモデルを使っていますが、実波形と同様の結果が得られているのが判りますね。
こんな風にフェーズシフトは手中に収めた感じなんですが、実はこの回路一発で真逆となる180°を得るのは難しく、今いまのアイディアでは、この回路を2段重ねて”半捻り⇒全捻り”を実現しようとしています。即ち「90°捻り回路の2段重ね」という構成・・・そのためには、1段あたりの減衰量を小さくするのが命題だったというわけです。
上記の結果より、トランジスタバッファを従えたフェーズシフト回路で何とか「ノイズ撃退の心臓部」を作り上げたいと思います。
フェーズシフトのバッファ考察
2013-06-08
さらに「ひねる」というアイディアで突き進んでいるMFJ-1025の改良ですが、今日は直前の記事で実験しているフェーズシフト回路後段のバッファ部分に対してどんな要素が必要なのか考えてみました。
まず、先の記事では単純に「フェーズシフト回路の減衰が大きい」とした部分について、どの程度のロスがあるのかきちんと測ってみました。回路は前の記事の通り・・・誤記があった部分は修正してあります(この記事の内容が解り易くなるよう再掲します)。

入力は例によって「クラニシ君@SG」で21MHz付近の正弦波を入れてやり、出力は50Ωで終端しました。これは、MFJ-1025に元からあるフェーズシフト回路に上記の回路が前置されることから、負荷として50Ω付近のインピーダンスが想定されるためです。

オシロで入出力を比較・・・何れも10mVレンジです。今回のフェーズシフト回路では、同相・・・つまり、位相差がない状態の出力が一番小さくなりますが、この時の電圧比は48mV対5mV・・・-20dB弱の減衰があると捉えられます(位相差が一番大きいときの出力が最大:この時の値は10mV)。この一要因は、上記回路のソースフォロワの出力インピーダンスが200-250Ω(2SK192AのID=9mA付近のgmは、データシートより4~5mSと読み取れる:Zo=1/gm)であり、そもそも50Ω負荷との不整合で数dB(SWR換算で計算すると-3~4dB程度)はロスしている部分です。模倣元であるMFJ-1025では、このバッファの部分にJ310を用い、多めのドレイン電流を流して不整合を補っている風に見て取れます。
ただ、残りの十数dBは何らかのアンプが必要であり、MFJ-1025は前置のプリアンプでロス分を稼ぐという形でバランスを取っているものと考えられますから、上記「フェーズシフト+バッファ回路」においても同様に、何らかの形でロス分を稼いでやる「アンプ」が必要なようです。
さて、一度まとめましょう。今回追加する回路のバッファ部には、以下のようなスペックが求められます。
① 追加するフェーズシフト回路の出力インピーダンスは非常に低く、かつ変動する(50Ω前後数十Ωは動く)ため、ハイインピーダンスで受けてやるのが望ましい。この部分だけなら、今の回路のバッファで十分通用している。
② バッファ回路の負荷として、MFJ-1025のフェーズシフト回路が直結されることから、出力インピーダンスは非常に低く、かつ変動する(50Ω前後数十Ω)。このため、もっとドライブ能力のある(低インピーダンス出力の)バッファが本当は望ましい。
③ 最終的には、総合的なロス分を補う広帯域なアンプの追加も必要になる。
即ち、「ハイ受け・ロー出し、広帯域」というコンセプトで「バッファ・アンプ」を設計する必要があるという、ちょっと難儀なことになってきました
ひとまず頭の整理はできましたが、やはりMFJ-1025を改造するより、レベル配分を考えながら「ノイズ撃退装置」をこしらえた方が良いようにも思えてきました
さて、どうしたものか・・・。
まず、先の記事では単純に「フェーズシフト回路の減衰が大きい」とした部分について、どの程度のロスがあるのかきちんと測ってみました。回路は前の記事の通り・・・誤記があった部分は修正してあります(この記事の内容が解り易くなるよう再掲します)。

入力は例によって「クラニシ君@SG」で21MHz付近の正弦波を入れてやり、出力は50Ωで終端しました。これは、MFJ-1025に元からあるフェーズシフト回路に上記の回路が前置されることから、負荷として50Ω付近のインピーダンスが想定されるためです。

オシロで入出力を比較・・・何れも10mVレンジです。今回のフェーズシフト回路では、同相・・・つまり、位相差がない状態の出力が一番小さくなりますが、この時の電圧比は48mV対5mV・・・-20dB弱の減衰があると捉えられます(位相差が一番大きいときの出力が最大:この時の値は10mV)。この一要因は、上記回路のソースフォロワの出力インピーダンスが200-250Ω(2SK192AのID=9mA付近のgmは、データシートより4~5mSと読み取れる:Zo=1/gm)であり、そもそも50Ω負荷との不整合で数dB(SWR換算で計算すると-3~4dB程度)はロスしている部分です。模倣元であるMFJ-1025では、このバッファの部分にJ310を用い、多めのドレイン電流を流して不整合を補っている風に見て取れます。
ただ、残りの十数dBは何らかのアンプが必要であり、MFJ-1025は前置のプリアンプでロス分を稼ぐという形でバランスを取っているものと考えられますから、上記「フェーズシフト+バッファ回路」においても同様に、何らかの形でロス分を稼いでやる「アンプ」が必要なようです。
さて、一度まとめましょう。今回追加する回路のバッファ部には、以下のようなスペックが求められます。
① 追加するフェーズシフト回路の出力インピーダンスは非常に低く、かつ変動する(50Ω前後数十Ωは動く)ため、ハイインピーダンスで受けてやるのが望ましい。この部分だけなら、今の回路のバッファで十分通用している。
② バッファ回路の負荷として、MFJ-1025のフェーズシフト回路が直結されることから、出力インピーダンスは非常に低く、かつ変動する(50Ω前後数十Ω)。このため、もっとドライブ能力のある(低インピーダンス出力の)バッファが本当は望ましい。
③ 最終的には、総合的なロス分を補う広帯域なアンプの追加も必要になる。
即ち、「ハイ受け・ロー出し、広帯域」というコンセプトで「バッファ・アンプ」を設計する必要があるという、ちょっと難儀なことになってきました


さらに「ひねる」回路
2013-06-02
我が家は、アパマンハム共通の悩みの筈であるローバンド・ノイズが昨今減る方向で、強く振っている日でもS=3程度。これだとあまり邪魔にならないし、MFJ-1025のリダクションでほぼS=0まで抑え込めるため困っていないんですが、ハイバンドは「ジャー」という感じの連続的な汚いノイズがS=5・・・酷い日にはS=7程度振ってきますから、少し弱めの信号受信には邪魔になります。勿論、QRP運用で「弱い局」を呼んでも殆どの場合は無視されますから放っておいてもいいんですが、やはりクリアな受信を目指して少しでも改善しようとしています。
これまで画策してきたノイズアンテナとMFJ-1025の若干の改良で、ノイズフロア(って言えるのか
)がS=4程度までの改善は常態化したんですが、結局それ以上は落ちないことが判りました。これは、ひょっとするとMFJ-1025のノイズ除去の肝である「フェーズシフト」が完全な180度まで位相をずらすことができないからではないか・・・と推測するに至り、「じゃぁ、もう少しひねってやればいいじゃん」と子供の如く思い立ち、以下のような回路をで試してみました。

モロにMFJ-1025のパクりです
トランス部分はFB801-43にバイファイラ5回巻き、後続のバッファは「2SK192A-GR」のソースフォロワで受け、設計上は10mAほど流そうと思ったら9mAでした。

例によって「秋月紙エポ+銅箔テープ」でサクっと組み立てて実験開始。回路上は、入力した正弦波がずれるだけですから、これも例によってオシロで観測してちゃんと動くことを確認。その上で、MFJ-1025のフェーズシフト回路に前置する形で組み込みます。

これはネットにあったMFJ-1026の回路図の一部ですが、MFJ-1025も心臓部は同じです。回路図上の「C14」を外して、今回作った回路を挿入。さて、結果は・・・結論から言うと「減衰が大き過ぎて15mでは確認できず」でした
40mは、ノイズアンテナの感度とMFJ-1025自体の感度が高いため、前置した回路で少しひねってやると、MFJ-1025のフェーズ調整ボリュームのノイズ最低点がずれてきて、普段はほぼ回しきったような状態だったのが、ボリュームの真ん中の方に持ってこられるようになりましたから、「ひねり足し」自体は上手くいっているようです。ノイズ除去効果としてS=3⇒0は確認できましたが、そもそもノイズが減ってきてしまっている40mでは、改造前と同じ結果ですから比較できず
そして、本命の15m・・・なんですが、この前置回路での減衰が相当に大きく、ある程度の強度でノイズが受信できないとキャンセルできない仕掛けであることから上手く行きませんでした。上記バッファ回路の後続にある程度ゲインのある増幅回路を入れてやり、減衰分を補うのが解決策かと思いますが、位相を逆転させずに・・・となると、ゲート接地の広帯域アンプの出番でしょうかねぇ
今日は午後遅くから旧友との飲み会でお出かけ、来週日曜日は結婚式、再来週はALL Asian・・・続きは、少し延びそうです。
修正 2013/06/08>
回路図が間違っていた(FETのゲートのコンデンサが抜けていた)ため差し替えました。
これまで画策してきたノイズアンテナとMFJ-1025の若干の改良で、ノイズフロア(って言えるのか


モロにMFJ-1025のパクりです


例によって「秋月紙エポ+銅箔テープ」でサクっと組み立てて実験開始。回路上は、入力した正弦波がずれるだけですから、これも例によってオシロで観測してちゃんと動くことを確認。その上で、MFJ-1025のフェーズシフト回路に前置する形で組み込みます。

これはネットにあったMFJ-1026の回路図の一部ですが、MFJ-1025も心臓部は同じです。回路図上の「C14」を外して、今回作った回路を挿入。さて、結果は・・・結論から言うと「減衰が大き過ぎて15mでは確認できず」でした

40mは、ノイズアンテナの感度とMFJ-1025自体の感度が高いため、前置した回路で少しひねってやると、MFJ-1025のフェーズ調整ボリュームのノイズ最低点がずれてきて、普段はほぼ回しきったような状態だったのが、ボリュームの真ん中の方に持ってこられるようになりましたから、「ひねり足し」自体は上手くいっているようです。ノイズ除去効果としてS=3⇒0は確認できましたが、そもそもノイズが減ってきてしまっている40mでは、改造前と同じ結果ですから比較できず

そして、本命の15m・・・なんですが、この前置回路での減衰が相当に大きく、ある程度の強度でノイズが受信できないとキャンセルできない仕掛けであることから上手く行きませんでした。上記バッファ回路の後続にある程度ゲインのある増幅回路を入れてやり、減衰分を補うのが解決策かと思いますが、位相を逆転させずに・・・となると、ゲート接地の広帯域アンプの出番でしょうかねぇ

今日は午後遅くから旧友との飲み会でお出かけ、来週日曜日は結婚式、再来週はALL Asian・・・続きは、少し延びそうです。
修正 2013/06/08>
回路図が間違っていた(FETのゲートのコンデンサが抜けていた)ため差し替えました。
逆につなぐと180度!?
2013-05-22
自分のドジにいちいち突っ込むのもどうかと思うんですが・・・。
ここ数日、フェーズシフト回路と仲良くやっています(
)が、自分でアップしたフェーズシフト回路の動作の様子の記事について何かおかしいなぁ・・・と気付き、今日早めに帰宅したんで早速確認。すると、やはり「おっちょこちょい炸裂」が判明
もう、何も言い訳せずに、回路図を刷新することにしました。

何が違ったかというと、要は「PHASE OUT」の極性を逆にして測定していたんです。つまりは、勝手に180度逆になっていたというオチ・・・。オシロで確認して3分で判りました
結局、ボリューム最大(ほぼ1KΩ)では大凡180度の位相差が生じ、逆にボリューム最小(ほぼ0Ω)では位相差無しということになります。
まぁ、間違いが判っただけでも良しとしましょうかね・・・
ここ数日、フェーズシフト回路と仲良くやっています(



何が違ったかというと、要は「PHASE OUT」の極性を逆にして測定していたんです。つまりは、勝手に180度逆になっていたというオチ・・・。オシロで確認して3分で判りました

まぁ、間違いが判っただけでも良しとしましょうかね・・・

ノイズ除去装置の「心臓部」に迫る!
2013-05-18
ナンチャッテな題名ですが、今いまの課題であるノイズ除去(まぁ、「軽減」がいいところかな
)について、案外原理は簡単そうなんで、「どんな風に動くんだろう」という部分をオシロで覗き見してみました。
回路はご覧の通り超簡単です
MFJ-1025の定数をそのまま引っ張ってきました。この装置の場合、AUX端子からの信号・・・つまりノイズピックアップ用のアンテナで受信した信号の位相を、この回路を通して遅らせ、MAINのアンテナの信号と合成することで「ノイズ信号だけ逆位相で打ち消しちゃえ
」という仕様で作られています。例えば、あるノイズに対し、ノイズ受信を受け持つアンテナとMAINのアンテナが、全く同じ位相でそのノイズを受信できれば「180度遅らせれば消える」という当たり前な話なんですが、実際には違った位置にあるアンテナが各々自分の役割を果たすために設置されますから、真逆の位相で消えるばかりとは限らないため、いい頃合いになるようにボリュームで位相調整するんだぞ・・・となるわけです。
今回は、入力に「クラニシ君@SG」(お、お洒落なネーミング
)をつないでその波形を二現象オシロのCH1、「PHASE OUT」をCH2で観測しながらボリュームを回してみました。測定周波数は10MHz付近です。
まずはボリューム最大・・・1KΩの場合の波形です。下がCH1、上がCH2ですが、同相の出力・・・ほぼ位相差無しの状態です。
これがボリューム最小の状態です。ほぼ180度の位相差が確認できています。位相の変化は「対数チック」な動きになりますから、実際には「真の180度」までにはならないと思うんですが、この周波数では結構行けているように見えますね。MFJ-1025では、この後に入力インピーダンスが高いポストアンプを置いて凌いでいますが、単にオシロで見たのとは様子が違うかも知れません・・・。
この対数チックな動きは、ノイズを消す作業の時によくある「ノイズのヌル点が、何だかPHASE可変ボリュームの端っこの方に偏るなぁ・・・」という風な形でしょっちゅう体験しますが、お遊びでボリュームをAカーブに替えたら、回転と位相差の関係がかなりリニアに調整できる感触がありました
ただ、これも「この周波数では・・・」といった形になるかも知れず、このリニアリティ改善については、MFJ-1025に手を加える際に考えたいと思います。
さて、この回路はCとRの組み合わせにより同調周波数が可変され、その周波数と入力された周波数との関係で位相差が変化しますから、消したいノイズの位相差を「最適」に消すためには、コンデンサの値も動かした方が良いわけです。実際、たまたまSGがクラニシ君であることから「反射」の形で回路のインピーダンス変化が見られるんですが、かなり大きな変動があります。クラニシ君でこの反射を見てみると、この回路定数では14MHzを超えるとボリュームの位置によってはSWR>3となり、出力振幅(つまり、位相差を持った信号の振幅)が小さくなってしまいました。
また、この組み合わせでハイバンドの上の方になればなるほど、その周波数に対するコンデンサの容量が大きくなり過ぎ、上の写真のようには位相差が稼げなくなっていきました。ハイバンドではこの辺りも「ノイズのヌル点が浅い」という現象になるのかも知れず、さらに上記の反射も重なって生じてきますから、総じて周波数が高くなると話は加速的に悪い方向になるようです
弱くなってしまう振幅はアンプで誤魔化せそうですが、位相差の可変範囲が狭くなるのはやはり不味いでしょう。
ハイバンドのノイズ撃退に向け、昨日のMFJ-1025の受信感度測定結果を含め、どんな対策が必要かをまとめてみます。
対策2については、MFJ-1025のリレー作動音・・・これが結構でかいんで、その対策の一環にもなります
実は、この辺りは前々から気になっていたため、それなりに部品は集まっていたりするんで着手は容易・・・なんですが、ここまで来ると、上記のコンセプトに合わせて自前で「ノイズ撃退君」を作っても良いかも知れんませんね。メインアンテナ側にも、位相をある程度可変できるような工夫をしてしまえば結構使えそう。でも、随分遠回りの気もするし、どうしよう
追記 2013.05.21>
ひょっとして、ボリュームの最少と最大が逆かも・・・近いうちに追試します。
追記 2013.05.22>
やっぱ逆でした・・・新しい記事で懺悔


回路はご覧の通り超簡単です


今回は、入力に「クラニシ君@SG」(お、お洒落なネーミング


まずはボリューム最大・・・1KΩの場合の波形です。下がCH1、上がCH2ですが、同相の出力・・・ほぼ位相差無しの状態です。

これがボリューム最小の状態です。ほぼ180度の位相差が確認できています。位相の変化は「対数チック」な動きになりますから、実際には「真の180度」までにはならないと思うんですが、この周波数では結構行けているように見えますね。MFJ-1025では、この後に入力インピーダンスが高いポストアンプを置いて凌いでいますが、単にオシロで見たのとは様子が違うかも知れません・・・。
この対数チックな動きは、ノイズを消す作業の時によくある「ノイズのヌル点が、何だかPHASE可変ボリュームの端っこの方に偏るなぁ・・・」という風な形でしょっちゅう体験しますが、お遊びでボリュームをAカーブに替えたら、回転と位相差の関係がかなりリニアに調整できる感触がありました

ただ、これも「この周波数では・・・」といった形になるかも知れず、このリニアリティ改善については、MFJ-1025に手を加える際に考えたいと思います。
さて、この回路はCとRの組み合わせにより同調周波数が可変され、その周波数と入力された周波数との関係で位相差が変化しますから、消したいノイズの位相差を「最適」に消すためには、コンデンサの値も動かした方が良いわけです。実際、たまたまSGがクラニシ君であることから「反射」の形で回路のインピーダンス変化が見られるんですが、かなり大きな変動があります。クラニシ君でこの反射を見てみると、この回路定数では14MHzを超えるとボリュームの位置によってはSWR>3となり、出力振幅(つまり、位相差を持った信号の振幅)が小さくなってしまいました。
また、この組み合わせでハイバンドの上の方になればなるほど、その周波数に対するコンデンサの容量が大きくなり過ぎ、上の写真のようには位相差が稼げなくなっていきました。ハイバンドではこの辺りも「ノイズのヌル点が浅い」という現象になるのかも知れず、さらに上記の反射も重なって生じてきますから、総じて周波数が高くなると話は加速的に悪い方向になるようです

ハイバンドのノイズ撃退に向け、昨日のMFJ-1025の受信感度測定結果を含め、どんな対策が必要かをまとめてみます。
対策 | 内 容 |
1 | MFJ1025/1026定番の保護回路取っ払いによるロス改善を行う |
2 | MFJ-1025は「受信専用」とし、外出しで制御ボックスを設けリグと連動させる |
3 | MFJ-1025のT/R Delayは取っ払い、ロータリースイッチを入れ、拡張性を高める(フェーズシフト回路のコンデンサ切替など) |
4 | ハイバンドを含めてAUX側に大人しめのプリアンプを入れて全体的な利得バランスを改善し、ノイズアンテナの負担を軽くする |
対策2については、MFJ-1025のリレー作動音・・・これが結構でかいんで、その対策の一環にもなります


追記 2013.05.21>
ひょっとして、ボリュームの最少と最大が逆かも・・・近いうちに追試します。
追記 2013.05.22>
やっぱ逆でした・・・新しい記事で懺悔
