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発掘したSWR計の復元

2014-03-23      
 考古学者は、発掘された様々な遺産を当時のままに復元するのが使命。ところが、我々電子工作学者・・・は言い過ぎ、電子工作引き籠もり爺ぃは、懐かしいぶっ壊れ品をそのまま復元することを望まず、何か新しい個性を与えてしまうものです。そして、それがまた上手く行かずもう一度埋め戻したり、もう二度と復元できないような致命的な損傷を与えたりすることが常です。嗚呼、無情なり・・・と、能書きはこれくらいにしますが、今日は昨日掘り出された小さなSWR計を改良して動くようにするという流れになりました。

 今回直すターゲットとなったちっこいSWR計は、トロ活にも載っている追試の多い回路ですから、普通に組んでいけば絶対に動く代物・・・「春の工作祭り」(いつからやるんだ)のウォーミングアップには打って付けなんですが、やはりそこは「Mr QRP」を標榜する(え、えぇ)が故に、そこそこ小さな電力で動くことを念頭に改良を進めました。

 まずは「発掘品」を分解し、心臓部となるピックアップ部分を組み上げ、この「ピックアップしか無い状態」でSWRを測定してみました。



 ピックアップから出ているコイルの線はそのまま解放して、クラニシ君とダミーをつないでSWR測定。最初6mで測ったら、SWRは1.05。HF帯を上から舐めていくとベタ落ちでシメシメ・・・と思ったら、最下端の160mで1.3程度になっています そこで、この解放されているコイルの線をショートしたら、見事にSWRがベタ落ち。つまり、ロー側ではこのピックアップ部分が何らかの悪さをしていることが判りました。まぁ、コレが判ったところで、回路的に落ち着けてしまえば問題はなさそうですが、下の方の周波数ほど影響が出るという部分がちょっと意外でした。

 さて、今回の改良では「どこまで小さな電力で測定できるか」という部分に無い知恵を絞りました。

 ◆ よりVf の小さなダイオードを採用する
 ◆ メータに行く直流ラインでできるだけ損失を減らす

 この二点の処方箋はこちら。



 左は型番が見えていますが、最近秋月に入庫して再販されている1SS108、右は470μHのマイクロインダクタです。1SS108は非常に高感度なショットキーで、他のショットキーは勿論、0.2V程度から検波を開始する1N60をも凌ぐ特性を持っています。今回は、こいつの低Vf 部分の特性を買った次第。
 マイクロインダクタは、メータに直流を届ける過程で直列に接続される抵抗の代わりとして使い、高周波の遮断も任せてしまおうという魂胆です(この辺りの回路的な部分は、トロ活を始めとする書籍やOM諸氏の製作記事を参照して下さい)。

 途中、いろいろと寄り道をしながら、時間をかけて作り上げました。最終調整風景をご覧下さい。



 QRP仕様への改良結果は、0.5Wで80m以上、1Wで160m以上のSWR測定が可能という結果に・・・いやぁ、思いつきにしては案外上手くいったようです

 序でに今回の改良では、メータの文字盤にも少し凝ってみました。



 メータのメモリは、SWR値から逆算した反射電圧を計算してメータに与えてやり、それをペンでトレース。この情報を元にパワポで作った原稿を少しずつ縮小してサイズを合わせ、インクジェット用の用紙・・・即ち、QSLカード印刷用の白い紙に印刷して両面テープで貼り付けました。勿論、絶対値が読めるわけではありませんが、「SWR監視用」としては十分に事足りるでしょう。

 三連休が終わろうとしています。抵抗の整理以外はほぼSWR計関連に終始した感じもありますが、工作三昧の充実した3日間でもありました さぁて、明日から頑張ろう

徒労と発掘

2014-03-22      
 天気は良かったものの昨日に引き続いて北風が強めな朝を迎え、ゴミ出しと朝食を済ませて早速引きこもって工作・・・ターゲットは「中華クロスメータ」を使ったSWR計です。

 午前中はこのメータの振れ具合についてチェック。まぁ、所詮は「お化けラジケータ」ですから針がリニアに振ることはありませんので、この辺りの「曲線の模様」をExcelで描いていました。頃合いのボリュームがどういうわけか見当たらず、1MΩのもので微妙~な合わせ込みを行い、データ取りは直ぐに終了。そして、折角の文字盤の印字が意味をなさないことが判り、文字盤の写真を撮ってこれをPCで実際の針の振れに合わせて修正することに。

 ちょっとふざけて白黒反転で撮影したら、何やらいい感じの文字盤の雰囲気になりました。



 昼食後はSWR計の検出部に使うケース加工。実はこの時の迷いが「徒労」の誘因になったんですが、そもそも検出部用に用意した小さなアルミケースよりさらに小さなケースに入るだろうと踏んで、そちらのケース加工を進めました。



 ゴムブッシュが付いているまん真ん中に開けた穴・・・この穴に同軸を通すわけですが、中に配する部品をどんな風に詰め込んでも通した同軸が邪魔になってしまい、結局上手く入りません。午後の作業はほぼ無駄に・・・。勿論、元々用意したケースで作り直せば済みますし、このケース自体はインピーダンスブリッジでも組んでやればいいんですが、かなりの「草臥れ儲け」になってしまいました

 結構手間の掛かる奴やのぉ・・・と暫しクールダウンしていると、出し抜けに、随分前にちっこいSWR計を作ったことを思い出しました。先週の大掃除で、あれこれ引っ張り出し易い状態・・・直ぐに発掘。



 3mmネジやトグルスイッチの大きさから判ると思いますが、非常に小型。確か、最初の15mのSSBリグ(もう分解してしまい、VFOしか残っていません・・・)を作った際に、数Wで動くモノを・・・と思って作ったんだったと思います。早速、中身見参・・・。



 何やらグチャリンコと作ってありますね・・・お恥ずかしい ピックアップ用のコイルが巻き過ぎ、調整もどうなっているか判りませんから、一度分解して作り直しが良さそうです。その上で、メータの文字盤をきちんと作れば(って、結局文字盤かぁ・・・)、そこそこ使えるモノにはできそうです。

 さぁ、こんなモノを掘り出してしまうと、クロスメータのSWR計でなくても「SWRの監視」程度の使い方ならコレで十分な気がしてしまいます。折角「輸入」までしたSWRメータですから何とか実用に・・・とは思うものの、このちっこい奴も重宝しそう さて、どうしたものか・・・。

SWR検出部の追試

2014-03-09      
 昨日の土曜日は、少し遅めに始めたSWR計関連の事前確認でちょいと夜更かし・・・ってか、朝方まで起きていましたが、何となく形にはなりそうな手応えです。備忘録としてまとめておきましょう。

 まずは現役の「REVEX W560」の検出部を見てみようと分解。



 ピックアップは芯線ワンターンに対して二本の線が10ターンほど巻いてあり、さらにFWD/REFのそれぞれにコイルが配してあります。今回採用しようとしている回路とはかなり違っていましたので、証拠写真を撮って元戻し。
 参考になったのは、ピックアップ部がシールドケースにかっちり収められており、貫通コンで検出した電圧を引っ張り出しているところ・・・やはり、安定な測定を行うためには、こうした「造り」の部分がモノを言いそうだということです。

 さて、今回作ろうとしているSWR計では、以前に作りかけた「半自動カップラ」のSWR検出部を使おうとしています。既に「素調査」は終わっていたんですが、「SWR検出部としてのSWR」が10m以上で芳しからずの状態でした。ただ、当時使っていたダミーロードがちょっとブタだったんで()、もうちょっとまともなダミーで測定し直しました。
 ところが、残念なことに相変わらず10mで1.2、6mで1.3くらいのSWRがあり、どこか別の部分に問題があるものと試行錯誤・・・まぁ、これで超夜更かしモードに至ったわけですが、これといった解決策も思いつきません ひとまず全バンドの検出電圧と、先に入手したクロスメータの調整に必要な抵抗値を測定して

 朝を迎えて朝食を済ませたら、引き続き試行錯誤大会の筈だったんですが、案外早めに原因が判明。百聞は一見にしかず・・・採った対策はこちら。



 FWDとREFの検出部の間にシールドを施しました。単純な発想ですが、「ひょっとしてFWD向きの信号を直接的にREF側が拾っているのでは」といった思いつきから、動かせる範囲で個々のピックアップ部を手で少し引き離したところ、REF側の検出電圧が小さくなったため、銅箔シールを適当な大きさに切って半田付けしました。これが効果覿面 こんなバラックの状態で、以下のような案配に。

BandFWDREFSWR
17m以下1.778
-1.803
0.0001.000
15m1.8180.0011.001
12m1.8340.0161.032
10m1.8490.0021.002
6m1.8500.0471.052
※5Wで測定
※FWDの理論値(mVp)は2.24V、0.3-0.4V程度のダイオードの順電圧(降下)
※ローバンドのFWD電圧低下は、ピックアップコイル(FT50-77 10T)の特性に依存

 このバラックの状態ではSWRの「暴れ」もこれぐらいで上等かと思います。12mの暴れの原因はよく判りませんが、まぁ許容範囲でしょう。とにかく、組み上げる際にはピックアップ部のFWDとREFをできる限り離して配置し、間にシールドを施すような造りに仕上げた方が良いようです。いやぁ、先に実験しておいて良かったかも

横長のケースがない・・・

2014-02-27      
 忙しさに加えてちょっと別の趣味に手を出し始めてしまい、無線熱が冷め気味です それでも折角入手したクロスメータでSWR計を作ろうという計画は地味~に進めています。

 今回作ろうとしているSWR計はメータ横にボリューム1つというシンプルな構成なんで、できれば横長の小さなケースがいいわけですが、これが案外見つかりません。過日、秋葉原ラジデパ内のケース屋さんで「カクカクシカジカくらいの大きさの横長ケースないですかぁ」と聞いたら、「昔はあったんだけどねぇ・・・」と歯切れの悪いお返事を頂きました メーカのHPを覗いたり通販サイトをサーフィンしたりしましたが、結局良さげのものが見つからず・・・。そこで、検出部分とメータケースがセパレートになるようにこしらえることにして、必要な物を買ってきました。



 メータの右のアルミケースが検出部用、左の黒いプラケースにメータを収めます。メータ部は直流を測るだけになりますから、シールドは不要のため、加工が楽な「プラ」に落ち着きました。
 序でに、秋月で暫く売り切れだった1SS108を買ってきました。買い置きの1SS97と合わせたら、暫く検波関連は賄えそう。

 検波部の実験は済ませてありますから、あとはやる気だけです。来週には仕事も一山越えそうですし、流石に室内で手がかじかむことも減ってきましたから、「春の工作祭り」()はこの辺りを皮切りにしようかと思います。

チャイニーズ・クロスメータ入手

2014-02-18      
 毎度オンエア毎に、或いはバンド切り替え毎に調整するアンテナ達は、やはりSWRを常時モニタしていないと落ち着きません。特に小雨の中で運用していると、知らぬ間にSWRが上がって来てしまいますから、このモニタリングは大切なんです。まぁ、TS-590にせよ、その前の愛機IC-703にせよ、本体にSWR計が付いていますからそいつを見てりゃいいんですが、何となく頼りなく思ってしまいます

 2007年の再開時に引っ張り出してきたREVEXのSWR計は、手頃な大きさでメータも大きくて見易く、ひとまず事足りていたんですが、2m/70cmの登場でもう一つSWR計が欲しくなりました。どうせなら作ってしまおうと、高感度な電流計を2つ揃えたものの何だか面白くなく後回しにしていたある日、昨年から使い始めた中華ショップサイト「AliExpress」で、正に手頃な「SWRメータのみ」を見つけました。



 自称「100μA」のクロスメータです。日本では「製品」としてよく見かけますが、メータのみというのはちょっと見ませんよね 自称を信じれば高感度・・・メータの端子がホッチキスの針のようなものでショートしてあるのにはちょっと感心しました。

 以前に入手したVCO(そういえば、こっちを先に「完成品」にしなくては・・・)は、3つの内1つが動作させず終いでちょっとゲンナリしましたが、さらにメータとなると運送中の故障を含めて心配が増します。早速テスト



 単四電池に47KΩの抵抗を直列につないでチェックしましたが問題なし いやぁ、正直ホッとしました

 このメータ、よく見るとQRPにベストフィットで、フルスケールが10Wという「まさかの代物」です。勿論、検出電流をボリュームで加減してやれば、100W、1KW・・・と使えると思いますし、逆に1Wでもイケそうです とりあえず、HFから6mまでのSWR計をこしらえてみようと思います。

追記>
 ちなみに、このメータの型番は「SZ-70」、メータ面の外形が70mm角、メータ部の透明カバーの大きさが「縦45mm×横65mm」でした。
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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