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どよよん的コンデンサ容量の決め方

2020-02-23      
 納戸シャックの改装(じゃなくて片づけ)をほんの少しずつ進めていますが、部品の仕分けに寄り道して細かな定数表示を見たり、何より「こんなん、持ってたんや」的な発見で余計なこと(主に導通検査やHFE測定、簡単な動作確認など)を始めてしまったり・・・どんどん遅延しています。
 特に先週末は、見失っていた古いバックアップHDDの中に、消してしまったと思われた音楽データがセーブされているのを発見 以来、ユーミンが"荒井"だったころの楽曲やまだ”ディスコ”の頃の洋楽に聞き入ってしまって、何やら優しさに・・・じゃなくて懐かしさに包まれて、まぁ幸せな時間を過ごしています

 こんな駄文にお付き合いを頂いた上、さらに時々コメントまで頂いているbachさんより、直前の記事について「容量の決め方も解るとよいかも」というご要望を頂きました。なるほど、これはまとめておいた方が良いと思い、自分が今いま信じている()コンデンサ容量の決め方について、できるだけ証拠を示しながらご紹介することにします。

 注:例によってこの記事はどよよん無線技士の備忘録、屁のツッパリにもならないかも知れないんで、読んでガッカリしても自業自得と心得給え、アーメン。

 前回記事では個々のコンデンサに必要な耐圧を、LTspiceのシミュレーション値から拾ってきています。勿論、殆どのポイントはオームの法則で概算を計算できるような簡単なものですが、これを含めて考えてもLTspiceは優れモノで手間いらず・・・どうしても横着になってしまいます。今回もLTspiceを使いながら、どよよん氏はどんな風に容量を決定しているか晒していきましょう。

 まず、基となる低周波アンプの回路を。



 前回記事の初段に配置したオーソドックスな電流帰還増幅回路を抜き出してきました。C4とRL以外の抵抗、それにコンデンサの値は、それぞれ前回記事の回路定数を入れてあります。C4は特に意味はありませんが、RLは後段に控える増幅回路の入力インピーダンスをバイアス回路の抵抗2本の合成抵抗値としています。
 本当は、後段の入力インピーダンスとこの回路の付加抵抗であるR3は合わせておいた方がよろしいんですが、ま、既に記事に上がってしまっていますし大目に見て下され

 コンデンサC1,C2は段間の結合コンデンサですが、何れも”直列つなぎ”になっていることは自明ですね。では、この部分だけを抜き出してさらにシミュレートしてみましょう。



 一気にまとめちゃったグラフになっていますが、順に説明します。
 C1は低周波アンプの初っ端にあり、その前段にはヘッドホン出力やLINE出力の接続が想定されます。これらの出力インピーダンス(代表例として8Ωや600Ω)が「C1にとっての入力インピーダンス」(Zin)になります。

 逆にC1の出力側はエミッタ接地増幅器の入力インピーダンスになり、この程度の小さな電流で動くエミッタ接地回路は、バイアス抵抗R1,R2の合成抵抗値程度に収まります。合成抵抗値は「47KΩ∥10KΩ≒8.2KΩ」ですね。これが「C1にとっての出力インピーダンス」(Zout)になります。
 このように、小型の(Icが数mAまでの)エミッタ接地増幅回路の入力インピーダンスは数KΩになることが多いため、ひとまずC1にとっての出力インピーダンスを、代表例として3KΩに仮定してシミュレーションしました。

 今回のシミュレーションでは、コンデンサの容量として0.1μFと1μFを使っていますが、その差はご覧の通りです。0.1μF(破線)では1000Hz位から下の周波数は、低い方に向かってどんどん減衰していくのが判ります。いわゆるHPFですね。
 一方、1μF(実践)の方は、上の項から見て凡そ100Hz位までは減衰していません。つまり、低周波域をどの程度透過させるかによって、コンデンサ容量を選択することができます。
 今回の回路は、小さなスピーカーを鳴らすミニアンプの初段ですから、勿論100Hz以下の低い周波数まで欲張ってもいいんですが、小さなスピーカーに重低音をくべてもどうせ再生できませんし、逆に悪さ(スピーカーボックス自体が揺れるなど)をするんで、まぁ1μF程度でも大丈夫なんですが、ちょいと余裕を見て10μF・・・もう一声で22μFとしたわけです。

 続いてC2について。C2の入力インピーダンスは、低周波アンプの負荷抵抗R3そのものです。出力インピーダンスは、後続のトランジスタアンプのバイアス回路になるため数KΩとなります。従って、この場合にはグラフ上のZinが3KΩのもの・・・入出力インピーダンスが同程度のものが参考になりますね。ここでも0.1μFでは役不足ですから、ひとまず1μFと決めました。もう一声で10μFとしても良さそうです。

 さて、このシミュレーションでは、コンデンサの入力インピーダンスを8Ω,600Ω,3KΩと振っていますが、このときの挙動もお判りになるでしょう。簡単に丸めてしまえば、要はインピーダンス整合が取れている方が、周波数の低域への伸びが良くなるということです。

 少し話が変わりますが、音質を追求するオーディオアンプでは、これらの結合コンデンサによくフィルムコンデンサが選ばれます。音がピュアに伝わり歪みも少ない・・・というのが専らの評判ですが、フィルムコンデンサは大容量のものをそこそこ小型に作ることが難しいようで、フツ~に手に入る廉価なものでは精々数μF程度以下になります。
 こういった場合には、FETやオペアンプを使って入力インピーダンスを100KΩ程度まで持ち上げてやると、小さな容量のコンデンサでも大丈夫・・・というわけで、このグラフに入力インピーダンス8Ω、出力インピーダンスを100KΩとして、0.1μFのコンデンサによる周波数特性を1点鎖線で入れてあります。

 さぁ、残るはC3。実はここが非常に重要です。

 C3の役割は、交流成分の増幅を助けるために、エミッタ抵抗の200Ω分のところにコンデンサを入れて交流はこのルートで接地し、直流はさらに1KΩの抵抗を経て接地するようになっています。これによって交流の増幅率は直流のものを上回り、そこそこの増幅率を維持することができます。
 エミッタの200Ωとコンデンサによってグランドに落とす部分をHPFに見立て、擬似的にシミュレートしてみました。





 傾向はよく現れていますね。高域から100Hzまでフラットな周波数特性を実現できそうなのが47μF以上であり、あとは回路実現時に許されるコンデンサの大きさで考えればいいということでしょう。

 C3については、念には念を入れてもう一つシミュレートしました。



 これは、この低周波アンプの周波数特性についてC3の値だけを振ってみたグラフです。やはり、47μF以上でないと100Hz程度までのフラットな特性にはなりません。

 さらにもう一つ・・・低周波アンプでは、交流利得をもっと稼ぐためにエミッタ直下にコンデンサを接続して接地することが結構あります。即ち、上の回路ではR4を0ΩにしてR5を1.2KΩにする感じ・・・これが点線で示した特性です。この場合、100μFでも低域の利得が下がっていることが判りますね。低域を100Hz程度まで引っ張るためには、330μF以上の容量のものが必要になります。結構大きな容量になりますね。簡易なマイクアンプなどでは注意が必要かも

 つらつらとまとめてきましたが、これはあくまで低周波アンプ、かつIcが数mA程度の場合の話です。高周波アンプやIcが数十mAになるアンプでは様子が変わってきますよ。以上、どよよん的低周波アンプのコンデンサ容量の決め方でした。

ちょいと古い広帯域アンプの低域拡大

2017-03-22      
 暇を持て余していらっしゃるそこの自作派の旦那ぁ、今回はまたしても「ちょいと古いシリーズ」・・・ちょい古広帯域アンプの低域特性を改善しようってな試みだぁ、さぁ、お立ち会い、お立ち会いぃ・・・とまぁ変な口上はさておき、今回の趣向は、きっと暇を持て余していらっしゃるそこの自作派の旦那が部品箱に眠らせていそうな広帯域アンプICを、使い易いように少しアレンジして使ってみようという試みです

 NEC製の広帯域アンプICには、随分お世話になった気がします。とりわけμPC1651G・・・ペケポン型のミニモールドは在りし日の「亜土電子」で何個か購入し、FM受信用のプリアンプや周波数カウンタの前置バッファなど、いろいろお世話になりました。そして、まだ実験途上であるノイズ・キャンセル用の広帯域アンプでも使ってみようと思うデバイスです。無論、こいつは既にディスコンですが、若松通商さんなど国内でもまだチラホラ見られますし、自分自身も随分前に追加購入した奴を在庫しています。

 μPC1651Gの数年後に登場したμPC1677Cは8ピンのDIPタイプで、これも大勢の自作派OM(そんなに居たっけか)に恩恵を与えたICでしょう。自分も1つだけ持っており何れどこかで使ってやろうと思っていたんですが、「最後の1個」となるとなかなか手付かずとなり、結局「死蔵」の運命に・・・。その後「中華取引の使い手」()となり、何気に広帯域アンを物色していると、次のシリーズであるμPC1678Gを日本円で70円くらいの単価で発見 ひとまず10個を購入したもののそうそう広帯域アンプの出番はなく、単に死蔵在庫を増やす格好になってしまいました

 このところのヘッポコ実験で部品をひっくり返していたら、この「半死の1678」を発見。丁度ちょっとしたアンプが入り用になるかも・・・と漫然と考えていたこともあり、実は一昨日、密かに小さな基板に組んでみました。

 μPC1678Gを含め、この頃の広帯域アンプには出力がオープンコレクタになっているものがあり、終端として適当なインダクタを接続する必要があるんですが、これを逆手に取った「得意な周波数帯が調整できる」というメリットを持っています。自分が使う周波数帯はHF帯ですから、概ね30MHz以下の周波数特性が良好であれば、ちょいと愛でてやろうという気になるわけです では、カタログ値としての利得の様子はというと・・・



 10MHzから100MHzくらいまでの利得は平坦ではなく、とりわけ10MHz辺りはたったの10dB程度の利得に留まっています。それより低い周波数帯では殆ど役に立たないことは明白。ただ、これは推奨回路としての代表的な特性であり、終端用のインダクタのインダクタンス値と入出力コンデンサ容量を大きくすれば、もっと低域まで引っ張れる筈なんですね。そこで、そもそもUHF帯に重きを置いたICに中短波帯を任せられるのか・・・この辺りの実験をやってやろうというのが、今回のヘッポコ実験です。

 まずは回路図。



 何やら三端子が大威張りの回路図ですが、とにかく出力にインダクタンス値がかなり大きいインダクタ(100μH程度)を置いて低域への周波数延ばしを図ろうとしています。さらに、入出力コンデンサの容量もカタログ値よりかなり大きくしています(0.1μF)。



 メインの基板は、少し前から秋月で売っている「Dタイプ」にしました。回路が簡単なためこの基板の大きさでも十二分であり、上手くいかなかった時の"秘策"の部分までパターン化しましたが、どうやら必要なかったようで・・・というわけで、どんな特性になったのか、早速ご披露。



 40MHzまでの特性です。測定データとして、この範囲で一番低いゲインの所と高いところ(但し、40MHz付近の跳ね上がりの部分は避けています)の差を取ってみましたが、0.17dB程度の差・・・まずまず平坦と言っていいでしょう。また、HF帯域内の一番ゲインのある所(15MHz付近)との差は0.1dBでした。

 さらに怪しげな下の方はというと・・・



 5MHzまでのクローズアップです。中波帯の下端付近に赤いアンカーを置いていますが、この辺りまでは十分な利得があり、かつHFの下の方との差が殆どありません。ローバンドを超え、中波帯までカバーする広帯域アンプとしても抜擢できそうですね

 今回は、インダクタとして秋月で味見入手した小さなトロイダルコアも使ってみました。周波数特性的には、元祖トロイダルコアたるアミドン・・・ではなくFair-RiteのFT37-43と差異はなく、単価30円のコアも使いようであることが確認できました。#43材は各社のものが市場に出回っており、個々にAL値が違っていますから「巻いて実測」が必要ですが、この仲間に安価な(得体の知れない)コアも入れてやった方が現実的(リーズナブル)かも。無論、シビアな歪み特性を追求するような場面では、IMD特性等も実測した方が良さそうですがね。

 IFアンプ製作合間の「つまみ食い」にしては、案外良さげな結果が出て大満足です

ゲート接地アンプの特性(2SK125編)

2016-12-31      
 往年の大ヒットデバイス「2SK125」は、自分も多用したデバイスの1つ。パラ接続のGGアンプが定番であり、ゲインも10dBそこそこで扱い易く、広帯域のバッファから単一バンドのプリアンプまで活躍して貰いました。初めて製作した15mのモノバンドSSBトランシーバでも、受信トップとDBMのバッファとして使いました。此度の「冬休みの宿題」では、このデバイスのコピー元となったJ310を使ってGGアンプの性能を纏めましたが、使っていた実験基板に単に載せ替えればそのままデータ採りができるため、今朝からヘッポコ実験に取り掛かりました。

 例によって回路図から。



 J310の実験基板への換装のみのつもりが、実験手順の都合でソースに接続されているRFCはマイクロインダクタにしています。RFCの差異については、既にその「挙動」が判っていますからこのまま実験へ。

 ◆ 周波数特性

 まぁ、そんなに驚くべき結果ではありません。



 J310の結果とほぼ同様ですね。10MHz辺りに少し利得が高い帯域がありますが、まぁ「どんぐりの背比べ」ってな感じ。ただ、この辺りが「J310との親和性」と語られてきた1つの要因でしょう。

 ◆ 入出力インピーダンス

 入出力インピーダンスはどんな塩梅か・・・まずは入力から。



 HF帯としては、35Ωから50Ω弱の値に収まっています。SWR換算で1.5以下になりますから、J310と同様に50Ωに対する整合性は申し分ありませんね。一方の出力インピーダンスは・・・



 トロ活にある通り、シングルの場合の700Ωの丁度半分がピーク値になっています。なるほど、入出力何れも想定通りというか、面白くないというか・・・

 ◆ IMD特性

 これもJ310の実験同様のまとめになります。



 J310の様子とはかなり違います。Gainのピークは50mAから上にありそうですが、IIPの良さげなドレイン電流は30mA付近の模様。まぁ、Gainとの折衷ポイントとして40,45mAに設定するのは「有り」でしょう。

 この結果をJ310のものと比較すると、IIPが概ね2.5dBほど低くなっています。そこで、1dBコンプレッションについても測定することにしました。



 J310のものと比較すると0.5dBほど低いようです。OIPがこの1dBコンプレッションポイントの10dB上としGainを10.6dBとすると、22dBm台がIIP値と計算されますから、一つ上のグラフの「24.5dBm」も納得できる値かと思われます。そして、J310の実測値の方が若干ではありますが優位と言えそうですがほんの数dBの差ですから、これも「どんぐりの背比べ」でしょう。

 ◆ まとめ

 「何となく高IP」という過去の記憶や諸OMのデータや発言はこれで十分理解できましたし、今後も使っていきたい回路ではありますが、ディスコンになって久しいが故にかなり高値で取引されている2SK125に拘る必要はなさそうで、今後はJ310 or E310(チップタイプ)で十分だということが判りました。ただ、自分の部品箱にはまだ20本程の2SK125が眠っていますから、死蔵せぬよう使っていきたいと思っています。

 おぉ、2016年もあと3時間弱・・・今年のヘッポコ実験はこれにて終了ですね

ゲート接地アンプの特性(パラレル編)

2016-12-31      
 直前記事に引き続いては、ゲート接地アンプの「パラ接続」についてのまとめです。多分、自作するための要素としては、「シングル」に比べてこちらの方が有益になると思いますよ

 まずは回路図です。



 シングルと大差はありません。出力トランスはトリファイラ巻きで、出力インピーダンスを450Ωと想定したものとなっています。さぁ、どんなデータが採れるかな

 ◆ 周波数特性

 ドレイン電流を40mAとして周波数特性を採ってみました。



 HF帯でみると、利得は9,10dB程度取れているのが判ります。シングルの時と同様にRFCの換装、出力トランスの巻数も4回巻きと5回巻きで試してみましたが、これも大差なし・・・もう少し広帯域になるんじゃないかと期待していましたが、ひとまずはこのデータで納得。

 ◆ 入出力インピーダンス

 入力インピーダンスは以下のような感じ。



 HF帯の下から上に向かって、40Ωから60Ω程度まで上昇しています。シングルの半分ぐらいのインピーダンスになるのかと思いましたが、ちょっと予想外れ。

 一方の出力インピーダンスはというと・・・。



 これは、シングルの半分くらいのインピーダンスになっているようで、当たり前なんですが「なるほど~」と感心してしまいました

 ◆ IMD特性

 これもシングルの時と同様、ドレイン電流との関係でまとめました。



 GainとIIPのピークは一致していませんが、まぁ45mAくらいのところがベストポイントでしょうか。IIPはAPB-3で例の「角」を観測して計算で求めています。

 IIPの値は「OIPからGainを引いた値」として計算しましたが、何となく過去に聞いた値より高い気がしたため「1dBコンプレッションポイントから凡そ10dB上にOIPがある」というアプローチで考えてみようと思い立ち、1dBコンプレッションポイントを実測してみました。



 これは、SGからの信号出力値を頼りに、入出力の電力差(Gain)がリニアの関係にある部分の「10.2dB」から外れて、1dB少なくなった「9.2dB」のところを見つけたものです。この10dB上にOIPがあると仮定すると「+34dBm辺り」がOIP、そこからGain(10.2dB)を引いたところがIIP・・・「+24dBmにIIPがありそう」という風に考えられ、上記の計算で求めた27dBmとかけ離れてはいませんので、「どよよん無線技術研究所」としては(はぁ)これで納得することにします

 ただ問題も・・・。直前記事に記したIIPは実はどうやら間違っていそうです。この点については何れ確認したいとは思うものの、あの回路はあまりに利得不足で使わないと思われるんで「今更感」もあったりして

 ◆ まとめ

 受信のトップやミキサーの受け、その他「ちょいとバッファ」に多用されるこのパラレルタイプのゲート接地アンプは、確かに高IPのアンプであることが解りました。入力インピーダンスについては、ある意味「整合回路不要」と言えるほど50Ωとの親和性が高いことが確認できましたが、出力側は少し工夫が要りそうですね。

 さぁ、冬休みの宿題は未だ続くんですが、既に0時を回って大晦日に突入。今回のお休みは短いためどこまで進められるのか・・・乞う、ご期待(って、誰が期待するんぢゃ

ゲート接地アンプの特性(シングル編)

2016-12-29      
 今日は冷え込みが厳しくなりました。やはり宵の明星が煌びやかな冬の翌日は冷え込むことが多く、北風優勢な気圧配置では仕方が無いところでしょう。とは言え、買い物以外は部屋に閉じこもっていた一日ですから、実はあまり寒さは感じませんでした 明日は年末・年始向けの買い出し予定・・・ちょっと厚着して出かけようと思います。

 昨夕から今日の午前中にかけて、ゲート接地アンプの諸元を取り纏めました。まずは回路図。



 シンプルなゲート接地アンプです。回路動作的なものも難しくありませんので、詳細はもっと格式の高いWeb記事等で確認して下さい。特徴的な要素も殆どありませんが、ドレインに入れている抵抗はパラ止めです。また、チョイスしたJ310自身のIdssはおよそ42mAです。



 実験基板は安物万能基板に組んでいます。ランド面に銅箔テープを貼り、入出力はSMAコネクタとして、HF帯メインの測定としては不安要素を排除したつもりです。

 ◆ 周波数特性

 まずは、ドレイン電流を30mAとして周波数特性を取りました。



 よく見ると青と赤の2本の線が描画されていますが、これはRFCの種類によって差が出ないかを確認しました。

 青:FB801-43 11T(実測で約200μH) @50円
 赤:マイクロインダクタ 47μH       @10円

 実はこの2種で低域(1MHz以下)の様子が全然違うのではないか・・・と予想していたんですが、実測すると、マイクロインダクタの方が1MHz辺りから、FB801-43の方が500KHz辺りから(低い周波数に向かって)利得が減衰するといった微妙なものでした。少なくとも160mバンドくらいまでは何れのRFCでも使えるようで、こうなると「単価的」にマイクロインダクタに軍配。
 さらに出力トランスですが、バイファイラの巻き数を4回と5回で試したところ、これも殆ど変わらなかったため測定データの貼り付けは省略・・・というわけで、以下の実験では「FB801-43のRFC」と「5回巻きの出力トランス」にしています。

 追記しておきますが、40MHz以上の利得の様子はAPB-3の測定精度の問題で、かなり跳ね上がって見えています・・・悪しからず。

 ◆ 入出力インピーダンス

 最初に入力インピーダンスの様子。



 55Ω辺りを中心にHFの上から下に向かって下がっていきますが、SWR換算では50Ωに対して±1.3程度とかなり優秀です。

 一方の出力インピーダンス・・・これは、2つの方法で測定しました。まずは、出力開放と終端した場合の電圧差からインピーダンス値を導き出す方法です。数式は以下の通り。

 Zo =Vo - VL
VL
 × RL

 Zo:出力インピーダンス、 Vo:解放時電圧、 VL:終端時電圧、 RL:終端抵抗



 電圧はオシロで読み取りました。かなり暴れているのが判りますね。もし、後段にさらにアンプを接続する場合には注意が必要になりそう。

 さて、ここで満足してもよかったんですが、折角リターンロスブリッジがあるのに・・・。実は、ブリッジを使った場合にどうやって測定すればいいのか判らず、Webをあちこち彷徨って調べていたら、単純にブリッジのDUTにアンプの出力を繋げばよいということが判りました。アンプの入力にはひとまず50Ωのターミネータを繋いで測定してみると・・・。



 おおっ 同じようなデータが採れました。ただ、少し周波数がズレていますね この記事では一旦ペンディングし、今後の測定で再度確認したいと思います。

 ◆ IMD特性

 さぁ、お待ちかねの()IMD測定結果です。これはドレイン電流に対するGainとIIPをグラフに纏めました。



 先にも記した通り、今回の回路は非常にシンプルであり測定誤差以外の不確定要素は少ない・・・得られたデータはある程度信じていいと思っています。入力電力は凡そ0dBm、上記のGainの様子から出力は+4,5dBm程度です。そして、IIPのピークは35mAほどドレイン電流を流したところにあります。

 ただ、このピークの所には少し問題がありそう。まずはドレイン電流を30mAとした場合のIMDの様子から。



 これはよく見る奴・・・3次IMDまでは視認できますが、5次より高次のものはノイズに埋もれています。では、35mAでは如何に



 3次歪みは確かに小さくなりますが、新たに5次の歪みが見え始めました。ここからドレイン電流をさらに上げていくとさらに歪みが増えていき、7次、9次が見えてきます。この回路を「少し余裕を持って使う」ということにするなら、ドレイン電流は30mAくらいが限度と考えるべきでしょう。また、NFに気を配るのであれば、さらにドレイン電流は小さくすべきであり、このあたりの説明は我がバイブル「トロ活」に詳説されています。

 ◆まとめ・・・この回路、使えるのか

 J310を1つ使ったゲート接地回路としての特性は上記の通りだとして、ではこの回路に使い道があるかというと殆ど無いと思います。まずは何といっても利得が小さすぎで、置くべき場所が無さそう。入力部分のインピーダンスは(50Ω使いとしては)申し分ないですが、もう少し利得がないとねぇ・・・。ゲート接地は、入力と出力のインピーダンス比が利得になるため6dB近くは取れるかと思いましたが、この回路では難しいようです。
 逆に狭帯域なアンプとしては、出力インピーダンスをもう少し高く・・・例えば今回の結果で設計するなら800Ωくらいの出力インピーダンスにすれば、10dB程度のアンプは簡単に作れそう。ちょっとしたバッファアンプとしての使い道は出てきますね。

 次のヘッポコ実験は・・・そう、もうお分かりですよね

トランジスタのIMDのIc依存性

2016-08-12      
 今日の午前中は爆睡・・・昨日の親戚一同の寄り合いでくたびれたのか、朝のゴミ捨てを終えたら二度寝してしまいました。この間まで宇宙人語をしゃべっていた孫娘が日本語と思しき言葉を話すようになり、元気に動き回るのをちょっと飲み過ぎの身体で追っかけていたら結構疲れたようで、都合12時間くらい寝てしまいました

 午後になって漸く動き出し、2トーンジェネレータのバッファアンプとして採用するであろう2SC2407の最適動作ポイント・・・というほど大袈裟ではありませんが、コレクタ電流に依存しがちなIMDについて、ちょっと調べてみることにしました。



 直前記事に掲載した回路そのままですが、コレクタ電流を調整するために、ベースのバイアスを決めるRA,RB、さらにエミッタ抵抗REを少し調整し、20,30,40mAのIMD特性を調べてみました。その他の機器構成(各部のアッテネーション等)は同じです。



 初めてのIMD測定では、測定対象が広帯域アンプだったため9次までの角が見えていましたが、漸くよく見るデータが採れています。お待ちかねの測定結果は表に纏めました。折角ですから、2SC3355も同様に測定・・・自分的には「かなりイイ感じ」の結果が出たと思いますよ



 まず、2SC2407,3355共にコレクタ電流Icが大きくなるほどIP3は上昇しています。しかし、この2つのデバイスの差・・・20mAではドッコイドッコイだったIP3が電流増加によって特徴的な傾向を示しています。簡単に丸めると、2SC2407は電流増加に追随する形でIP3が大きくなりますが、2SC3355の方は30mAから電流を大きくしてもIP3がリニアには増加しません。
 一方のPG(利得)については、30mAが何れのデバイスでも頭打ちとなり、その後のコレクタ電流増加には追随しません。これには負荷の関係なども考慮すべきですが、この2つのデバイスにこれ以上の利得を追求すべきでもないでしょう。

 これらの結果から、IMDのコレクタ電流への依存性は、各種の技術書に謳われている通り「大きい(多い)ほど有利」と言えますが、個々のデバイスが持つ特性として「最適値」は存在し、無碍に「多けりゃいい」ということではない・・・当たり前ですが、この辺りを考慮して組み立てていくことが、高周波回路の肝であることが解りました。
 特に、今回製作するつもりのジェネレータ用の2SC2407使用バッファアンプとしては、コレクタ電流の設定を30mAにしようか40mAにしようか迷うところですが、40mAでは発熱量が結構ヤバ目で、暫く動かしているとかなり熱くになります。ケースに収める前提とした安全サイドでは、Pc=600mWクラスのトランジスタとしては、やはり30mA(@12V)が限度でしょうか。また、今後重用しそうな2SC3355は「コレクタ電流として30mAを上限とした設計」が好ましいようで、この辺りをキチンと踏まえておくのが良さそうです。

 さぁ、そろそろケーシング・・・一気に気が重いです

小信号トランジスタのIMD測定(仮)

2016-08-10      
 昨日に比して-4℃・・・千葉県北西部の今日は、33℃弱の最高気温で勘弁して貰うことができました。ただ、昼過ぎにちょっと出かけた時間帯が一番暑かったようで、さっき(19時頃)田舎から帰ってきた母を迎えにバス停まで行ったときには、そこそこ過ごせる程度になっていました。

 さて、今日も今日とてIMD測定絡みに執着して過ごしました。初めて見る世界ですから、時間さえあれば偶数本の「角」を観察・・・まぁ、流石にそろそろ飽きてきましたが、やがて「実用品」として完成するであろう(って、自分で頑張って組み立てないといつまでもバラックな)2トーンジェネレータのバッファ部に採用するトランジスタ探しを行うべく、今日は手持ちの小電力トランジスタのIMDを測定してみました。

 まずは測定機器の構成・・・簡単なブロック図を作成しました。



 現状の構成では、APB-3への入力が-15dBmを超えないことが条件になることから、測定対象となるトランジスタの利得を凡そ知っておいてから、途中に挿入するアッテネータの配分を決めました。目的はツートーンジェネレータのバッファに使える素子探しですから、細かな値の正確性ではなく「どれが最適なのか」を探す測定です。きっと、ゆくゆくはもう少し整理された形で再測定しようという意図で、記事の題名に『(仮)』を付けました。



 測定用のバッファアンプ回路は、オーソドックスなものになりました。実験の前提として、コレクタ電流は出力数十mWを仮定して20mA程度流れる感じにしています。タンク回路は7MHzに同調することを条件に手持ちのコンデンサの容量で簡単に組め、かつQLが10以上となるような値としました。T37-6に15回巻きでは若干インダクタンス不足ですが、まぁ調整の範囲でしょう。



 回路図通りにブレッドボードに組みました。入力はキチンとBNCコネクタ受けできましたが、これ1つしか持っていません(毎度「秋月に言ったら買わなきゃ・・・」と思っては、忘れて帰ってくる代物の一つ)。仕方なしにボードの上方に突き刺した貧弱なリード(抵抗かコンデンサの足)で取り出すことに まぁ、ヘッポコ実験ですからヨシとしましょう

 チョイスしたトランジスタはいわゆる「TO-92」タイプで部品箱に仕分けされたものから・・・と思いつつ、自作QRP機の終段によく登場する1Wクラスのものも、お巫山戯で測定してみました。また、低周波用と目されるものも織り交ぜ、その差異をみてみることまで欲張ってみました。早速、結果をお披露目。



 3次IMDをIP3、その時の利得をPGとして纏めています。IP3は軒並み20dBm後半・・・27dBm辺りに集中しています。そして、1等賞に輝いたのが定番中の定番・・・2SC1815(ランクはGR)という結果には驚きました。このトランジスタは、自作向けの最高傑作であることは多数の製作事例が証明していますが、「HF帯で数十mW出したい」という場面ではもっと重用されるべきものかも知れませんね。
 高周波製作でポピュラーな2SC1906もほぼ同様なIMD特性ですが、違うのが出力電力・・・と目線をずらしていくと、fTの高いトランジスタがPGの部分で優位になります。そして、IMDも軒並み27dBm以上を叩き出していることから、2SC2407より老番のトランジスタが台頭します。そして、2SC3355が利得でトップ&IP3でもまずまず・・・ということで、このトランジスタの実力がトップかな

 ちょっと視点を変えて・・・20mAくらいのIcでは100mWくらいの出力が期待できることになりますが、ここまで出力しようとするとそのトランジスタ自体の最大損失(Pc)を考慮しなければなりません。表中の2SC945はPcが250mWしかありませんから、既にこの実験でもヤバ目。2SC1906も流石に100mW連続では可哀想でしょうね。
 逆にPcが500,600mWのものはへっちゃらでしょうから、QRPpの終段やQRPのヤンガーステージには、やはり2SC2407より老番のものをチョイスするのが無難なようです。

 低周波用と目されるトランジスタとして、2SC945,1959,2120をチョイスしました。fTの低さでPGが振るわないことは一目瞭然ですが、HFの低い方で30dBくらいのゲインを無理なく稼ぎたい・・・となれば、fTが300MHz程度のものでも上手くチョイスすれば使えます。流通在庫として大量に残っている低周波用のものを上手く使うことも、今後の部品チョイスの妙味としては「有」でしょう。

 表の下方に1W出力クラスのトランジスタの測定結果を記しています。スペックとして圧倒的にIcが足りない状態での動作ですから、まともに動いているとは言い難いのは勿論ですが、PGについては30dB弱取れています。そこでエミッタ抵抗を33ΩとしてIcを30mA程度に上げたところ、IPがそれぞれ2~3dB上昇することが判りました(PGはあまり変わらず)。ただ、これでも圧倒的に電流不足ですから、やはりこれらのデバイスは「リニアアンプ然とした回路」でキチンと測定してやる必要があると痛感しました。

 表の最右列にあるのは、そのトランジスタにとって「最適」と思われるIcの値です。これらはデータシートからの類推ですからあくまで参考ですが、Pcとの兼ね合いを考慮しながら探るIc最適値の目安として追記しました。

 今回の測定の結果、35dB超のゲインとできるだけ低歪みであることが条件になることから、ツートーンジェネレータのバッファアンプは2SC2407か2SC3355にすることにしました。数的には2SC3355を90本余り持っていますからこちらで・・・と思うものの、今回の測定結果でほぼ同様なスペックと言えそうなことから、ジェネレータには残り少ない2SC2407を使って「死蔵回避」したいと思っています。

初めてのIMD測定

2016-08-08      
 今日はサッカー日本代表試合---オリンピック1次リーグを午前中はTV観戦していました。結局、HK(Colombia)とはドロー。良い試合をしていたように思いますが、一瞬の気の緩みや迷いを強豪国は許してくれません。それでも首の皮一枚で決勝トーナメント進出の可能性はありますから、何としても次のSM(スウェーデン)戦では勝利を掴んで欲しいと思います。

 午後からは、作り始めた2トーンジェネレータのバッファアンプの試行錯誤実験敢行・・・と、小さなブレッドボードを取り出して準備を始めたところで、「そう言えば参考になりそうなアンプ、持っとるやん」と思い出し、「クラニシ君@SG」・・・クラニシのアンアナに接続して簡易なSGに仕立てるためにこしらえたバッファアンプを測定対象として、こいつのIMDを測ってみることにしました。



 クラニシ君@SGは、かなり長い間我がヘッポコ研究室の「重要な高周波信号源」として君臨してきたわけですが、中華SGにその座を脅かされ、ついには今年の梅雨入り前に弟子入りした「本物のSG」(HP-8648B)にその座を奪われた感が否めません。それでも、HFから60MHzくらいまでの「広帯域13dBアンプ」としては素性の知れた可愛い奴 今後も出番はありそうですが、今日は「被験者」として頑張って貰うことになりました。

 このアンプの詳細はデビュー時の記事に譲りますが、2SC3776×1石のシンプルな広帯域NFBアンプです。12Vで14mAくらいの消費電流、負荷インピーダンスはFB801-43にトリファイラ巻きですから450Ω相当・・・となると、クリッピングが生じない出力は+14~15dBm程度、IP3(3次IMD)は+24~30dBm程度に収まるはずです。 逆に入力は、このアンプのゲインである13dB分マイナスになりますから、+1~2dBm程度が限界で、それ以上は多分「歪み増量」ということになるでしょう。

 こんな風に予測を立て、いざ測定に突入 さぁ、初めてのIMD測定は如何に



 それらしいスペクトルは取れました。例によってAPB-3の入力歪みが生じないよう、基本波(7.010MHzと7.030MHz)が-15dBm以下になるようアンプの出力とAPB-3の入力の間にはアッテネータを入れていますから、この分は考慮しなければなりません。

 IMDの計算方法については先人のサイトを参考にして頂くとして、基本波の電力をP0、3次高調波の電力をP3とすると(共にdBmでよい)、IP3に特化した公式は・・・

 式1 IP3(dBm) = P0 + ((P0-P3)  /  2)

となります。これに上記のアッテネーション値を勘案しながら計算します。アッテネーション値をATとすると・・・

 式2 IP3 = (P0 - AT) + (((P0 - AT)-(P3 - AT))  /  2)

 ※ATはマイナス・・・例えば、アッテネーション値が3dBの場合は「-3」

それでも簡単な公式ですね・・・助かりました 式2に実測値、測定時のアッテネーション値「23dB」を代入して式2を解くと・・・

 IP3 = (-16.49 - (-23)) + (((-16.49 - (-23))-(-49.29 - (-23)))  /  2) = +22.91(dBm)

 実は、このアンプに対する入力として、バラック状態のジェネレータ出力は少々大き過ぎ(+3dBmくらい)であり、発振部の結合(出力コンデンサのトリマ)を調整して何とか-1dBmくらいまで押さえ込んでいますから測定誤差は必至の状況。上記計算結果は予測下限の+24dBmを下回っていますが、バラック&個々の測定精度の「誤差」として考え得る値でしょう。

 事程左様に、IMD(IP3)の測定は上手くいきそうな予感・・・夏休み3日目もどうやら順調なようですね

ついに決定版! ソースフォロワ実験終了

2015-12-23      
 我ながら長いこと拘りましたが、漸くソースフォロアの決定版に辿り着いた感じです。用途は、周波数カウンタの入力アンプやノイズアンテナの初段(一般にPA0RDT考案の「Mini-Whip」の通り名で有名)など、比較的微小信号を扱う部分でしょうか。

 今回は、もう既にいろいろな形で記事にしてきたことから、自分の覚え書きとして回路図と特性をサクッとアップしておきましょう。



 入力にあたるゲートのバイアス抵抗は、実用時のハイインピを想定して2MΩ分圧・・・大凡1MΩの入力抵抗にしてあります。Rsはボリュームで追いかけましたが、286Ωとなりましたので、270-300Ωくらいが目安になります。Idssがもう少し大きい場合には、直前の実験結果より330Ωくらいがよさそうですね。

 この実験では、Rsの部分に(1)同じ程度のIdssのFETを入れてみる、(2)定電流ダイオードにしてみる・・・という実験を併せて行いましたが、出力インピーダンスを「50Ω終端」としたため、大きめの電流が必要だったことからイイ感じの組み合わせを探し切れませんでした。定電流ダイオードで上手くいけば、余計なFETを使うこと無く処理できていいなぁ・・・と思ったんですが、もっと別のシチュエーションの時に改めて検証したいと思います。



 結果的に-3.5dB程度のロスに納めることができました。もう少しVgsを小さくできれば・・・と思いますが、手持ちのFETのバリエーションや「残り数」の塩梅を考えても、もうこれでいいや・・・といった感じです

 いよいよ、年の瀬が迫ってきました。周波数カウンタとしての製作にこの冬休みを当てたいと思っていますが、なんか「寝正月の雰囲気」・・・勿体なく過ごさないように気をつけないと

また間違えた・・・ソースフォロワの追試

2015-12-20      
 昨日はちょっと強めの寒風の中、浅草を漫ろ歩きしてきました。帰りには、かれこれ6,7年振りに田原町の「染太郎」へ・・・入店時間が夕飯の時間より早かったことから丁度空いていて、のんびりと鉄板焼きとビールで至福の時間を過ごしてきました。

 昨日のブログにも書いたように、ソースフォロワで躓いて何となく方針めいたものを決めましたが、今日我が師匠の旧ローカル”とおちゃん”からコメントあり、曰く「ソースフォロワの実験、間違ってないかいカットオフしてないVgs低すぎない」との有り難いお言葉。で、実験回路を見てみると、またしてもバイアス回路がおかしいことに気付きました。この失敗、昨日の記事に書いた以前に製作したノイズアンテナのエラーと同じ・・・書いた時点で自分で気付きそうなもんなんですが 早速、再実験です。



 ゲート電圧を作り出すためのゲートとドレインの間の抵抗が抜けていました ソースフォロワの場合、VDDの中点辺りに電位を置けばよいことから、1MΩを1本追加しての実験です。また、電源のパスコンは前回実験の回路図には明記していませんでしたが、今回の回路図にはバッチリ書き込んでおきました。



 ソース抵抗を2種類用意して試しています。終端は50Ωです。ご覧の通り-6,7dB程のロスまで改善しましたが、結構な消費電流になりますから、ポータブルな機器製作ではちょっと不利です。今回完成を目指す周波数カウンタは、電池とACアダプタの両用で考えますが、何れにしても消費電流少なめが吉・・・ちょっと悩み所になりそうです。

 そこで、昨日出かける前に書き置きした・・・って、まぁ直前記事ですが、2SK161を使ったソースフォロワの測定も行いました。回路は上記のものと同じで、単にFETを入れ替えています。



 ソース抵抗は半固定抵抗で追い込み、固定抵抗の近い値のものに置き換えています。これで-4.5dB程度のロスに収まりそう。消費電流も6mAあまりでありお手頃・・・ソースフォロワの実験としてはこれで幕が引けそうです

 このソースフォロワを初段とし、後置に20dB程度のエミッタ接地アンプを置いてトータル+15dB程度のアンプを周波数カウンタの入力にしてもよさそうですが、やはりもう一声欲しいところ・・・もう一捻りするか否かは、次の実験で決めたいと思います。
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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