ツートーンジェネレータ、漸く完成!
2016-12-18
夏休みの工作だった筈が、二学期の期末テストの補習のようになってしまいましたが、漸く「2ジェネ」・・・ツートーンジェネレータを完成まで持っていくことができました。
まずは回路をご披露。

個々の部位は簡素な回路でできていますから特に詳説はしませんが、補足的に幾つか記しておきます。
◆ 発振部
・発振にはJ310を用い、発振安定化のため9Vの三端子レギュレータで
電圧供給
・バッファには2SC2407を用い、40mA程のIcで動作、このため小さな
放熱器を被せた
・発振回路とバッファの間のVR(500ΩB)の中点-GND間に抵抗
(62Ω)を入れ、擬似Aカーブ化して出力調整を楽にした
◆ 6dBコンバイナ+15dB ATT
・APB-3の入力歪みが発生しないレベルを「-15dB」とし、この調整が
簡単にできるよう6Pトグルスイッチを使ったやや正確なATTを具備
◆ 電源部
・ノイズフィルタとしてFT50-77を使った差動・同相のフィルタを具備
さて、面構えと中の様子はスナップで。


面構えはパワポの設計通りな感じに仕上がりました。ケース内はかなりスカスカですが、まずまず上手く収納できました・・・とここまでは納得。そして、最終的な出力特性は如何に
まずは高調波の様子。

各トーンの出力を、内蔵した-15dBのATTをオンにしてそれぞれ-15dBに調整した状態で測定しています。第二高調波が70dBダウンでまずまず。それではIMD特性を見てみましょう。

ケースに入れることでやはり相互の影響が出てしまい、-80dBくらいのIMD確保がやっとでした。トロ活の2ジェネでも-80dB程度と謳われていますから、まぁこんなもんでしょう。バラックの実験では、2つの発振部を影響が出ない程度に離して置くことができましたから、期せずしてバラックの方が有利だったと言えそうです。
今回の2ジェネ製作の狙いは、受信系のIMD測定をある程度の確度で調べたいというもので、一般的な解釈となっている「S9+60dB = -13dBm」という電力の基準に少し拘って設計しました。-15dBのATT具備は、APB-3の安全な測定(APB-3の入力で歪んでしまわない電力)と共にこの「-13dBm」も視野に入れたもので、この辺りの部分では上手く動作しそうです
出力レベルによるIMDは以下のようになりました。
※出力レベルは、2つの信号の出力レベルをそれぞれ合わせ込んだ値
出力レベルの調整は「バッファに与える入力電力をボリュームで調整」という仕掛けですから、入力インピーダンスがかなり動きます。出力レベルが大きい方は、バッファ部の出力歪みが大きくなっていくためにIMDが悪化していく様子をトレースしていますが、少なくとも0dBmまでは大丈夫なようです。
出力レベルの低い方のIMD低下は原因がよく判りませんが、バッファの動作点と入力レベルの関係ではないかと邪推しています。ひとまず-15dBm以下にするときには、外部ATTで必要電力に調整したいと思います。
さぁ、今年の仕事納めは27日。暫くは「忘年会行脚」が続きますが、この2ジェネの完成で「受信回路のヘッポコ実験」が冬休みの宿題ということになりそうです。
まずは回路をご披露。

個々の部位は簡素な回路でできていますから特に詳説はしませんが、補足的に幾つか記しておきます。
◆ 発振部
・発振にはJ310を用い、発振安定化のため9Vの三端子レギュレータで
電圧供給
・バッファには2SC2407を用い、40mA程のIcで動作、このため小さな
放熱器を被せた
・発振回路とバッファの間のVR(500ΩB)の中点-GND間に抵抗
(62Ω)を入れ、擬似Aカーブ化して出力調整を楽にした
◆ 6dBコンバイナ+15dB ATT
・APB-3の入力歪みが発生しないレベルを「-15dB」とし、この調整が
簡単にできるよう6Pトグルスイッチを使ったやや正確なATTを具備
◆ 電源部
・ノイズフィルタとしてFT50-77を使った差動・同相のフィルタを具備
さて、面構えと中の様子はスナップで。


面構えはパワポの設計通りな感じに仕上がりました。ケース内はかなりスカスカですが、まずまず上手く収納できました・・・とここまでは納得。そして、最終的な出力特性は如何に

まずは高調波の様子。

各トーンの出力を、内蔵した-15dBのATTをオンにしてそれぞれ-15dBに調整した状態で測定しています。第二高調波が70dBダウンでまずまず。それではIMD特性を見てみましょう。

ケースに入れることでやはり相互の影響が出てしまい、-80dBくらいのIMD確保がやっとでした。トロ活の2ジェネでも-80dB程度と謳われていますから、まぁこんなもんでしょう。バラックの実験では、2つの発振部を影響が出ない程度に離して置くことができましたから、期せずしてバラックの方が有利だったと言えそうです。
今回の2ジェネ製作の狙いは、受信系のIMD測定をある程度の確度で調べたいというもので、一般的な解釈となっている「S9+60dB = -13dBm」という電力の基準に少し拘って設計しました。-15dBのATT具備は、APB-3の安全な測定(APB-3の入力で歪んでしまわない電力)と共にこの「-13dBm」も視野に入れたもので、この辺りの部分では上手く動作しそうです

出力レベルによるIMDは以下のようになりました。
出力レベル (dBm) | IMD (dB) |
8 | 53 |
5 | 78 |
0 | 81 |
-5 | 83 |
-10 | 81 |
-15 | 82 |
-20 | 77 |
-25 | 75 |
出力レベルの調整は「バッファに与える入力電力をボリュームで調整」という仕掛けですから、入力インピーダンスがかなり動きます。出力レベルが大きい方は、バッファ部の出力歪みが大きくなっていくためにIMDが悪化していく様子をトレースしていますが、少なくとも0dBmまでは大丈夫なようです。
出力レベルの低い方のIMD低下は原因がよく判りませんが、バッファの動作点と入力レベルの関係ではないかと邪推しています。ひとまず-15dBm以下にするときには、外部ATTで必要電力に調整したいと思います。
さぁ、今年の仕事納めは27日。暫くは「忘年会行脚」が続きますが、この2ジェネの完成で「受信回路のヘッポコ実験」が冬休みの宿題ということになりそうです。
ツートーンジェネレータのケース加工に着手
2016-12-10
12月に入り例年の如くの忙しさを凌いでいます。やはり飲みの機会が増え、ちょっとグロッキーな日もありますが、残り3週程で冬休みに突入しますから、何とかそこまで駆け抜けたいと思います。
漸くツートーンジェネレータのケース加工に着手しました。今回の加工には四角い穴などの"超億劫"な部分はなくドリルとリーマーの作業ですが、まぁ相変わらずの亀の歩みで進めています。
今回のジェネレータの肝は、2つの発振回路が妙な結合を起こしてIMDが無碍に悪化せぬようにする必要があります。そこで、Lアングルを用いて個々の発振回路の「部屋」を作っていくようなイメージで作業を進めています。これは、現有唯一の実用自作機である「クリームちゃん」(6mのSSB-TRXですが、ネーミングセンスはもう諦めて下さい・・・)も同様の手法で作り、IFへのキャリア信号の回り込みや異常発振などが起き難かったことから気に入った工法です。
工法と言っても、別に特別なことではありません。百聞は一見にしかず・・・スナップを撮りました。

これだけでは解りませんよね・・・では、裏側からパチリ

2つの発振回路はシンメトリックになるように組み立て、Lアングルをシールド板と見立てて組んでいます。スペーサーは3mmのものを使用してできるだけ厚みが出ないようにしています。Lアングルの幅が取り付ける基板の大きさとケースの高さに関係しますが、このLアングルは秋葉原ラジオデパートのエスエス無線さんでケースの高さ(60mm)より少し幅が狭い(55mm)ものを購入し、適当に切って使っています。
そうそう、序でに。このスナップの真ん中に辺りに黒いデコボコした板状のものが見えると思いますが、これはTO-92用のヒートシンク。高さを低くするために少し曲げて使っています。RSオンラインで売っていますよ。
今日はこの辺りでお終い。明日は朝から続きに着手しようかな
漸くツートーンジェネレータのケース加工に着手しました。今回の加工には四角い穴などの"超億劫"な部分はなくドリルとリーマーの作業ですが、まぁ相変わらずの亀の歩みで進めています。
今回のジェネレータの肝は、2つの発振回路が妙な結合を起こしてIMDが無碍に悪化せぬようにする必要があります。そこで、Lアングルを用いて個々の発振回路の「部屋」を作っていくようなイメージで作業を進めています。これは、現有唯一の実用自作機である「クリームちゃん」(6mのSSB-TRXですが、ネーミングセンスはもう諦めて下さい・・・)も同様の手法で作り、IFへのキャリア信号の回り込みや異常発振などが起き難かったことから気に入った工法です。
工法と言っても、別に特別なことではありません。百聞は一見にしかず・・・スナップを撮りました。

これだけでは解りませんよね・・・では、裏側からパチリ


2つの発振回路はシンメトリックになるように組み立て、Lアングルをシールド板と見立てて組んでいます。スペーサーは3mmのものを使用してできるだけ厚みが出ないようにしています。Lアングルの幅が取り付ける基板の大きさとケースの高さに関係しますが、このLアングルは秋葉原ラジオデパートのエスエス無線さんでケースの高さ(60mm)より少し幅が狭い(55mm)ものを購入し、適当に切って使っています。
そうそう、序でに。このスナップの真ん中に辺りに黒いデコボコした板状のものが見えると思いますが、これはTO-92用のヒートシンク。高さを低くするために少し曲げて使っています。RSオンラインで売っていますよ。
今日はこの辺りでお終い。明日は朝から続きに着手しようかな

バラック実験中のツートーンジェネレータ
2016-11-20
昨日の土曜日は午後から毎年恒例のピアノの発表会を観に行き、帰りは夕餉を奮発して帰ってきたらクタクタ。そして今日は珍しく寝坊をしてしまいましたが、ツートーンジェネレータ製作を少しだけ進めました。
6dBコンバイナと2台の発振部を1.5D2Vで接続し粗調整を済ませると、見慣れた波形がAPB-3に映し出されました。

この粗調整では、二信号が合成された信号レベルを丁度0dBmにした上で-15dBのアッテネーションを噛ませています。3rd IMDが凡そ90dBダウンとなっていますが、流石にバラックですから基板の位置やケーブルの引き回しを少しでも弄ると、簡単に10dBほど悪化します。
また、両発振部の出力を最大にするとバッファが飽和してしまい、3rd IMDが-60dB台まで悪化します。バッファ部のトランジスタ(2SC2407)のIcは30mA程になるようにバイアスしており、もう少し流して余裕を持たせようかと考えていますが、ひとまず0dBmがきちんと出せればいいか・・・とも思っています。
ここまで来ると、後はケースに入れてきっちり仕上げるということになります。ケースはちょっと大きめですが、IDEALの「CA-60W」をチョイスし既に購入済み。そして、前面パネルのイメージは毎度お馴染みパワポでチャチャッと作りました。

パワポでも1mm単位での図面は簡単に作れます。自分のように簡単なケース加工しか必要がない自作派には、きっと強力な武器になりますよ
今週は水曜日がお休みですが、翌日までの資料作成で結構時間が潰れそう
続きはやはり土日・・・と思ったら、WW DX CWですから、また暫くは手を染めるのは難しいかも。いやいや、コンテスト当日のCONDX次第では、案外完成しているかも
6dBコンバイナと2台の発振部を1.5D2Vで接続し粗調整を済ませると、見慣れた波形がAPB-3に映し出されました。

この粗調整では、二信号が合成された信号レベルを丁度0dBmにした上で-15dBのアッテネーションを噛ませています。3rd IMDが凡そ90dBダウンとなっていますが、流石にバラックですから基板の位置やケーブルの引き回しを少しでも弄ると、簡単に10dBほど悪化します。
また、両発振部の出力を最大にするとバッファが飽和してしまい、3rd IMDが-60dB台まで悪化します。バッファ部のトランジスタ(2SC2407)のIcは30mA程になるようにバイアスしており、もう少し流して余裕を持たせようかと考えていますが、ひとまず0dBmがきちんと出せればいいか・・・とも思っています。
ここまで来ると、後はケースに入れてきっちり仕上げるということになります。ケースはちょっと大きめですが、IDEALの「CA-60W」をチョイスし既に購入済み。そして、前面パネルのイメージは毎度お馴染みパワポでチャチャッと作りました。

パワポでも1mm単位での図面は簡単に作れます。自分のように簡単なケース加工しか必要がない自作派には、きっと強力な武器になりますよ

今週は水曜日がお休みですが、翌日までの資料作成で結構時間が潰れそう


基板をシンメトリックに・・・ツートーンジェネレータ作り直し
2016-11-14
ちょっとブログを見直したら、ツートーンジェネレータの製作に手掛けたのが「夏」でした。流石にちょっと時間が掛かり過ぎですが、漸く形になってきました。

夏に作っていたものは1枚の基板に発振回路を2つ組み込みましたが、個々の発振出力が基板上で混ざってしまうという「当たり前の不具合」に見舞われ、グランドのパターンがループしないようになどあれこれ工夫(この記事には詳しく書きませんが、1点アースの効果を目の当たりに)しました。上手く調整するとセパレーションは確保できたものの、さらに1段アンプを噛ますとすると少々扱い辛いことになるため、思い切ってスナップの通り作り直しました。
詳細は改めて記しますが「発振+バッファ」の構成、さらにLPFを1枚の基板に押し込んで、2次高調波以降が大凡-70dBダウンの発振器を2台製作しました。ケース組み込みを意識していわゆる「線対称」に組みましたが、ほぼ同じ特性(出力、高調波など)のものができました。
あとはミックス部分・・・6dBコンバイナを小さな基板に組んで完了しますが、今週末は予定があったりして。来週末はビッグなコンテストもありますから、うっかり気を抜いて「年越し」とならぬよう気をつけたいと思います

夏に作っていたものは1枚の基板に発振回路を2つ組み込みましたが、個々の発振出力が基板上で混ざってしまうという「当たり前の不具合」に見舞われ、グランドのパターンがループしないようになどあれこれ工夫(この記事には詳しく書きませんが、1点アースの効果を目の当たりに)しました。上手く調整するとセパレーションは確保できたものの、さらに1段アンプを噛ますとすると少々扱い辛いことになるため、思い切ってスナップの通り作り直しました。
詳細は改めて記しますが「発振+バッファ」の構成、さらにLPFを1枚の基板に押し込んで、2次高調波以降が大凡-70dBダウンの発振器を2台製作しました。ケース組み込みを意識していわゆる「線対称」に組みましたが、ほぼ同じ特性(出力、高調波など)のものができました。
あとはミックス部分・・・6dBコンバイナを小さな基板に組んで完了しますが、今週末は予定があったりして。来週末はビッグなコンテストもありますから、うっかり気を抜いて「年越し」とならぬよう気をつけたいと思います

夏休みの工作・・・ツートーンジェネレータ製作中
2016-08-07
昨日から夏期休暇に突入しました。関東地方の猛暑到来と共に休暇に入った感じで、11日に親戚一同での食事会を開く計画があるだけ・・・恒例の旅行は猛暑を嫌い、季節が良くなってからのお楽しみにしました。
夏休みを迎えて早速「小物」の製作に取り掛かりました。直前まで水晶発振に拘ってプチ実験を重ねてきて、実は未だもう少し追い込み実験をしたかったんですが、まぁ何となく傾向は解ったことにして棚上げ(えっ
)・・・以前から作りたかったツートーンジェネレータに着手
回路的には簡単なんで組み立ては順調。最終形までにはもう一捻りする予定ですが、ひとまず組み上げてバラック実験を開始。

スナップの左側が発振部です。7.010MHzと7.030MHzの水晶をJ310でそれぞれ発振させています。本当はそれぞれの周波数発振部として基板を独立させた方がリークが少なくていいんですが敢えて強行。すると、やはりかなりのリークがありちょっと焦りました。これはグランド面を広く取るべく回路全体をグランドで一周囲むようにしたためで、グランドの一端を切り取ってループを切ったらリークが激減しました。
右側は2段LPFと6dBコンバイナ。コンバイナはトロ活の受け売りですが、2信号を上手く混合してくれます。この基板もグランドをループにするとNG、やはり一端を切って漸くまともに動作しました。
仮調整を済ませたこのジェネレータの実力をまずはご披露しましょうかね。

9次IMDまで見える筈のスパンで観測しています。RBWが1KHzになっているためノイズフロアが-110dBmくらいですが、IMDらしきものは見当たらず、まずまずの感触を得ました
ちなみにツートーン発振部の個々の出力を最大に調整すると、このジェネレータ内で生じる3次IMDが観測できるようになります。

発振出力の最大ポイントは、発振方式と回路構成によりますが波形の綺麗さ・・・高調波の量が最小とは限らず、こうした作りものでは調整が重要になるという典型例と言えますね。まぁそれでも、基本発振と3次IMDの差は-75dB程度ありますから、そう目くじらを立てなくても良さそうなレベルではあります。
さて、ここで以前から確かめておきたかった実験をしました。それは「APB-3で生じる歪みが、本当に-15dBm以上の入力レベルで顕在化するか」というものです。
このジェネレータの出力は-3dBm程度(ミニ・パワーメータで確認)で、上記の測定は-10dBから-15dBのアッテネーションを咬まして、入力レベルが-15dBmを超えないようにしています。そこで、このアッテネータを外して(つまり、直接-3dBmを入力して)測定した結果が以下の画像です。

ご覧の通り大きく歪んでいるのが判ります。ここから-1dBずつ落としていくと、丁度-10dBになったところで歪みが見えなくなります。即ち、-13dBm以下になれば大丈夫・・・-15dBmの見立てはほぼ正解といっていいでしょう。今後もこのレベルを超えないような測定を心がけようと思います。
このツートーンジェネレータは、発振部とLPFの間にバッファを入れてもう少し高出力(+10dBmくらい)を狙いたいと思っていますが、どんなバッファで受けるか・・・トロ活にはベース接地の例が記述されていますが、そこまでゴージャスな(複雑な)回路が必要なのか検討中です。始まったばかりの夏休み、ヘッポコ製作の滑り出しは順調なようです
夏休みを迎えて早速「小物」の製作に取り掛かりました。直前まで水晶発振に拘ってプチ実験を重ねてきて、実は未だもう少し追い込み実験をしたかったんですが、まぁ何となく傾向は解ったことにして棚上げ(えっ



スナップの左側が発振部です。7.010MHzと7.030MHzの水晶をJ310でそれぞれ発振させています。本当はそれぞれの周波数発振部として基板を独立させた方がリークが少なくていいんですが敢えて強行。すると、やはりかなりのリークがありちょっと焦りました。これはグランド面を広く取るべく回路全体をグランドで一周囲むようにしたためで、グランドの一端を切り取ってループを切ったらリークが激減しました。
右側は2段LPFと6dBコンバイナ。コンバイナはトロ活の受け売りですが、2信号を上手く混合してくれます。この基板もグランドをループにするとNG、やはり一端を切って漸くまともに動作しました。
仮調整を済ませたこのジェネレータの実力をまずはご披露しましょうかね。

9次IMDまで見える筈のスパンで観測しています。RBWが1KHzになっているためノイズフロアが-110dBmくらいですが、IMDらしきものは見当たらず、まずまずの感触を得ました


発振出力の最大ポイントは、発振方式と回路構成によりますが波形の綺麗さ・・・高調波の量が最小とは限らず、こうした作りものでは調整が重要になるという典型例と言えますね。まぁそれでも、基本発振と3次IMDの差は-75dB程度ありますから、そう目くじらを立てなくても良さそうなレベルではあります。
さて、ここで以前から確かめておきたかった実験をしました。それは「APB-3で生じる歪みが、本当に-15dBm以上の入力レベルで顕在化するか」というものです。
このジェネレータの出力は-3dBm程度(ミニ・パワーメータで確認)で、上記の測定は-10dBから-15dBのアッテネーションを咬まして、入力レベルが-15dBmを超えないようにしています。そこで、このアッテネータを外して(つまり、直接-3dBmを入力して)測定した結果が以下の画像です。

ご覧の通り大きく歪んでいるのが判ります。ここから-1dBずつ落としていくと、丁度-10dBになったところで歪みが見えなくなります。即ち、-13dBm以下になれば大丈夫・・・-15dBmの見立てはほぼ正解といっていいでしょう。今後もこのレベルを超えないような測定を心がけようと思います。
このツートーンジェネレータは、発振部とLPFの間にバッファを入れてもう少し高出力(+10dBmくらい)を狙いたいと思っていますが、どんなバッファで受けるか・・・トロ活にはベース接地の例が記述されていますが、そこまでゴージャスな(複雑な)回路が必要なのか検討中です。始まったばかりの夏休み、ヘッポコ製作の滑り出しは順調なようです
