SSB復調アダプタの完成と諸元の確認
2017-06-01
いつもはつらつらと能書きを書いてから始めるヘッポコ記事ですが、今回は趣向を変えて、漸く完成したSSB復調アダプタのまとめをいきなり始めたいと思います。

外観は全く面白くありません。電源スイッチを省略して何とか前面パネルに必要なものを詰め込むつもりが、うっかり出力端子(3Pのミニジャック)を失念してしまい、慌てて背面に取り付けたという茶番・・・実験機材ですからこれでも十分と言えますが、まぁ大失敗ですね
このアダプタはIFアンプに後置するものとして作りましたから、入出力の諸元が判っていないと使えません。キャリア注入量は復調IC (LM1496H)のカタログスペックである「300mVrms」を守ることにして、IF信号と低周波出力の関係・・・周波数特性とゲインについてデータ採りをしました。
局発は、VR製DDSにクラニシ君@SG用のアンプとアッテネータを接続して凡そ300mVrmsになるように調整して準備、後はジャン測SGからIF出力電力として今のところ前提にしている-13dBm・・・50mVrmsの出力設定で、局発周波数から10Hz離れた所を始点に手動でスイープし、10000Hz離調までの出力の様子をオシロで読み取りグラフにしました。なお、この時のボリューム設定は「最大」にしていますので、オペアンプで10dB程度は稼いでいることが前提になります。

多く語る必要はないと思います。このグラフでは、周波数特性を電圧利得で表現した格好にしていますが、いわゆる可聴周波数域では、ほぼフラットな特性になっていることが判ります。また、このアダプタを作ろうと思い始めた際にシミュレートした周波数特性ともよく一致しており、直前記事に記した「文化放送を聞いてみた感触」からも、復調アダプタとして上手くこしらえられたと思います
今日の所は2MHzと7MHzでデータを採ってみましたが、これも復調ICのデータシートにあるように低い周波数ほどゲインが大きくなっています。ボリューム最大の状態でヘッドホンで聴くとちょっと耐えがたい大きな音がし、普通の音量で聴くにはかなりボリュームを絞らなければなりませんが、この辺りもちょっと余裕を持たせた設計(このアダプタ全体で20dB程度のゲインを見込んだこと)で上手くいったようです。
IFアンプの実験をする前にはもう一つのヤマ・・・CW用のクリスタルフィルタの製作が待っています。実はこの部分にも作りものが絡むんで、目指す「デジタル制御のIFアンプ完成」までの道のりは未だ相当に長そうだということですね。モノ好きの御仁は、気長にお付き合い下され・・・ナムアミダブツ、ナムアミダブツ

外観は全く面白くありません。電源スイッチを省略して何とか前面パネルに必要なものを詰め込むつもりが、うっかり出力端子(3Pのミニジャック)を失念してしまい、慌てて背面に取り付けたという茶番・・・実験機材ですからこれでも十分と言えますが、まぁ大失敗ですね

このアダプタはIFアンプに後置するものとして作りましたから、入出力の諸元が判っていないと使えません。キャリア注入量は復調IC (LM1496H)のカタログスペックである「300mVrms」を守ることにして、IF信号と低周波出力の関係・・・周波数特性とゲインについてデータ採りをしました。
局発は、VR製DDSにクラニシ君@SG用のアンプとアッテネータを接続して凡そ300mVrmsになるように調整して準備、後はジャン測SGからIF出力電力として今のところ前提にしている-13dBm・・・50mVrmsの出力設定で、局発周波数から10Hz離れた所を始点に手動でスイープし、10000Hz離調までの出力の様子をオシロで読み取りグラフにしました。なお、この時のボリューム設定は「最大」にしていますので、オペアンプで10dB程度は稼いでいることが前提になります。

多く語る必要はないと思います。このグラフでは、周波数特性を電圧利得で表現した格好にしていますが、いわゆる可聴周波数域では、ほぼフラットな特性になっていることが判ります。また、このアダプタを作ろうと思い始めた際にシミュレートした周波数特性ともよく一致しており、直前記事に記した「文化放送を聞いてみた感触」からも、復調アダプタとして上手くこしらえられたと思います

今日の所は2MHzと7MHzでデータを採ってみましたが、これも復調ICのデータシートにあるように低い周波数ほどゲインが大きくなっています。ボリューム最大の状態でヘッドホンで聴くとちょっと耐えがたい大きな音がし、普通の音量で聴くにはかなりボリュームを絞らなければなりませんが、この辺りもちょっと余裕を持たせた設計(このアダプタ全体で20dB程度のゲインを見込んだこと)で上手くいったようです。
IFアンプの実験をする前にはもう一つのヤマ・・・CW用のクリスタルフィルタの製作が待っています。実はこの部分にも作りものが絡むんで、目指す「デジタル制御のIFアンプ完成」までの道のりは未だ相当に長そうだということですね。モノ好きの御仁は、気長にお付き合い下され・・・ナムアミダブツ、ナムアミダブツ

SSB復調アダプタの味見終了
2017-05-27
既にWW WPX CWが始まっており、開始から5局程15mでQSOしました。午後からはエアコンの掃除などして、ちょっと本腰を入れようと思っているのは夜間の40/20mと決め、ちょっと手が空いたんで製作中のSSB復調アダプタの中間報告を記しておきましょう。
まずは回路図です。

図中左側のLM1496H周辺の”*”はデータシートのサンプルと違う値のもの・・・手持ちのE12系で近い値で代用したものですが、まぁ、許容範囲だろうという程度。また、ゲインの調整ができるよう半固定抵抗を置いています。
右側はオペアンプで大凡10dBのゲインを稼ぎます。±電源は2つの抵抗(1KΩ)で分圧した中点をグランドとし、2つのオペアンプの+端子に与えた簡易なものです。左右何れも調整箇所はありませんから、この辺りは配線ミスがなければ動くはず。

こんな具合に必要なものを接続しました。キャリア入力には300mVの局発を与えればいいんですが、肝心の信号ソースを何にしたかというと、中波放送・・・我が家で最も強く入感する文化放送をターゲットにすべく1134KHzの信号をキャリア入力に入れ、ステルス君をロングワイヤーに見立ててワニ口クリップで同軸の芯線のみを接続。そして通電・・・いやぁ、思った通り(
)ウンともスンともいいません。基板をひっくり返して確認すると、接続ミスが3カ所もありました。簡単な回路なんでナメて掛かったのが不味かった・・・。直ぐに処置して再度接続すると、見事に文化放送が聞こえてきました
音量も十分で音質もそこそこ良く、復調回路としてキチンと動いていることが確認できました。
暫く聞いていると、3秒程の長い周期のQSBがあることに気付きました。これは、局発として与えているSGの周波数と放送周波数のズレが原因であり、SGと文化放送との周波数差が数百ミリHzズレているということ。中波放送の周波数精度は定かではありませんが、トンでもなくズレていることもないでしょうから、我がジャン測SGの周波数確度もそこそこのレベルと言えそうですね。
後はケースインしてから入出力の特性(ゲインと周波数特性)を測定して完成・・・コンテストと併走して組み立てちゃいたいと思っていますが、上手くいくかどうかは「春風任せ」ということにしておきましょうかね
まずは回路図です。

図中左側のLM1496H周辺の”*”はデータシートのサンプルと違う値のもの・・・手持ちのE12系で近い値で代用したものですが、まぁ、許容範囲だろうという程度。また、ゲインの調整ができるよう半固定抵抗を置いています。
右側はオペアンプで大凡10dBのゲインを稼ぎます。±電源は2つの抵抗(1KΩ)で分圧した中点をグランドとし、2つのオペアンプの+端子に与えた簡易なものです。左右何れも調整箇所はありませんから、この辺りは配線ミスがなければ動くはず。

こんな具合に必要なものを接続しました。キャリア入力には300mVの局発を与えればいいんですが、肝心の信号ソースを何にしたかというと、中波放送・・・我が家で最も強く入感する文化放送をターゲットにすべく1134KHzの信号をキャリア入力に入れ、ステルス君をロングワイヤーに見立ててワニ口クリップで同軸の芯線のみを接続。そして通電・・・いやぁ、思った通り(


暫く聞いていると、3秒程の長い周期のQSBがあることに気付きました。これは、局発として与えているSGの周波数と放送周波数のズレが原因であり、SGと文化放送との周波数差が数百ミリHzズレているということ。中波放送の周波数精度は定かではありませんが、トンでもなくズレていることもないでしょうから、我がジャン測SGの周波数確度もそこそこのレベルと言えそうですね。
後はケースインしてから入出力の特性(ゲインと周波数特性)を測定して完成・・・コンテストと併走して組み立てちゃいたいと思っていますが、上手くいくかどうかは「春風任せ」ということにしておきましょうかね

SSB復調アダプタ組み立て中・・・
2017-05-15
先週は飲み会が多かったことからちょっとグロッキーだったため、一昨日の土曜日は「半日半寝」で時間を浪費してしまったものの、日曜日は何とかあれこれ片付けつつ、古いIC利用の「SSB復調アダプタ」を秋月C基板に組み付けました・・・と言いたいところなんですが、またしても片手の
が邪魔して捗らず(
)、終盤の作業である基板の大きさに似つかわしくないケミコンの取り付け直前で挫折してしまいました
今日は定時帰りで時間が取れたことから、ひとまず基板を完成まで持っていきました。

漸く秋月C基板に、例の”タコ星人”こと主役のLM1496Hが右側、今日取り付けたちょいと奮発したケミコンが左側に収まりました。ケースはタカチのYM-100・・・これ、何のために購入したのか覚えていませんが、手狭な実験机にはお誂え向きの大きさです。あとはパワーランプと音量調整用のボリュームです。これにコネクタ類が揃えば、ケース加工して納めて終了なんですが、平日の作業進捗としてはそんなに進まないでしょうなぁ
逆に、ケースイン以前のバラック状態で基板に組んだ回路の諸特性を確認しちゃった方が良さそうですから、明日以降の帰宅後はこの辺りに手を染めたいと思うものの、果たして早く帰れるんでしょうか
そうそう、我が定番の秋月C基板、紙エポとガラエポとで「ABCDマーク」の位置が違っています。ご愛用の皆さん、お気を付け下さいね(って、既にご存じでしょうね・・・
)。



今日は定時帰りで時間が取れたことから、ひとまず基板を完成まで持っていきました。

漸く秋月C基板に、例の”タコ星人”こと主役のLM1496Hが右側、今日取り付けたちょいと奮発したケミコンが左側に収まりました。ケースはタカチのYM-100・・・これ、何のために購入したのか覚えていませんが、手狭な実験机にはお誂え向きの大きさです。あとはパワーランプと音量調整用のボリュームです。これにコネクタ類が揃えば、ケース加工して納めて終了なんですが、平日の作業進捗としてはそんなに進まないでしょうなぁ

逆に、ケースイン以前のバラック状態で基板に組んだ回路の諸特性を確認しちゃった方が良さそうですから、明日以降の帰宅後はこの辺りに手を染めたいと思うものの、果たして早く帰れるんでしょうか

そうそう、我が定番の秋月C基板、紙エポとガラエポとで「ABCDマーク」の位置が違っています。ご愛用の皆さん、お気を付け下さいね(って、既にご存じでしょうね・・・

古いICで復調回路作りを画策
2017-05-07
この連休はALL JA参戦に始まり、途中出勤日があったことに加えて「我が愛しの宇宙人」・・・否、漸く「ほぼ地球人」に成長した孫娘の所へ遊びに行ったり、伯父の所に「我が血族の歴史」を聞きに行ったりしていたため、工作関係は殆ど手付かずで最終日を迎えました。
ジャン測カウンタの修理と並行して進めていた「水晶発振テスタ」は、ブレッドボードでも良好に動作したためそのまま万能基板にでも組んでしまえば良かったんですが、IFアンプの本格的な実験に必要となるもう一つ組んでおきたい回路部分の検討に手を染めてしまいました
それは、SSB/CWの復調部。低周波アンプも一緒に組み込んでキチンとケースに入れておけば、後々の「受信系の評価」にも使えるものになるだろう・・・ということで、どんなデバイスを使おうか検討を始めました。
本当は、今後よく使いそうなNJM2594を味見がてら使ってみようかと思ったんですが、少し前に部品箱を整理していたら出てきたかなり古いDBM用の超有名(だった)ICを採用することにしました。

LM1496H・・・これは、自分が高校時代に50MHz⇒21MHzのダウンバータを作成する際にローカルから分けて貰ったものです。1つしか持っていないことからなかなか実用品に採用することができず、部品箱でいじけていた次第。丸いCanタイプですが、足を上手く曲げてやれば万能基板にも収まります。これを復調部のメインデバイスとし、後段にオペアンプでちょっとした低周波アンプを組んでしまえば、そこそこ質の良い復調アダプタになるでしょう。
このICに着目して、データシートから回路図を抜き取りました。

実はLM1496Hのデータシートには、12V単電源で動作するSSBのプロダクト検波回路は載っていません。そこで、NJM1496Dのものを参考に抜き取ってきました。ポピュラーな14ピンのものとCanタイプの10ピンのものとではピンアサインが違うため、この部分を修正しています。
キャリア入力のインピーダンスは青色で囲んだ抵抗で決めますが、原本に抵抗値が書かれていなかったことからひとまず51Ωとしました。同様に、SSB入力はオレンジで囲んだ抵抗が入力インピーダンス・・・1KΩが入力インピーダンスとなります。
2,3番ピンの間に挿入される抵抗により、変換ゲインがある程度調整できます。回路図の値としている100Ωではゲインは高く、1KΩ辺りとしてゲインを抑えている回路もありますから、この辺りは組んだ際の調整要素でしょう。
赤で囲んだ抵抗とコンデンサはいわゆるE12系列には無く、自分としては新たに購入する必要がありますが、別にE12系列の近似値で納めてしまっていいようにも思います。
着目すべきさらなるポイントは、AF出力にRCでLPFが組まれている点です。実際の受信機にする際には、この辺りが「聞き易さ」に寄与する部分ですが、IF信号を復調したオーディオ出力をピュアに評価するには邪魔になるかも知れない・・・ということで、AF出力のインピーダンスを10KΩとしてこの部分をシミュレーションしてみました。

SSB(3KHz)或いはAM(6KHz)は遜色ない程度に透過させ、それより高い不要なオーディオ信号・・・即ちノイズを軽減する様な形になっています。まぁ、それ程目くじらを立てなくても良さそうですね
後段のAFアンプを含めた回路図は既に作成済みですが、こいつはきっと完成まで持って行きますから「次回」のお楽しみ・・・ってことで、GW休みの工作関連作業はこれにて。
修正 17/05/09>
LPFのシミュレーションの際、抵抗値を間違えました。グラフを差し替え・・・かなり広域まで減衰なしのようです。
ジャン測カウンタの修理と並行して進めていた「水晶発振テスタ」は、ブレッドボードでも良好に動作したためそのまま万能基板にでも組んでしまえば良かったんですが、IFアンプの本格的な実験に必要となるもう一つ組んでおきたい回路部分の検討に手を染めてしまいました

本当は、今後よく使いそうなNJM2594を味見がてら使ってみようかと思ったんですが、少し前に部品箱を整理していたら出てきたかなり古いDBM用の超有名(だった)ICを採用することにしました。

LM1496H・・・これは、自分が高校時代に50MHz⇒21MHzのダウンバータを作成する際にローカルから分けて貰ったものです。1つしか持っていないことからなかなか実用品に採用することができず、部品箱でいじけていた次第。丸いCanタイプですが、足を上手く曲げてやれば万能基板にも収まります。これを復調部のメインデバイスとし、後段にオペアンプでちょっとした低周波アンプを組んでしまえば、そこそこ質の良い復調アダプタになるでしょう。
このICに着目して、データシートから回路図を抜き取りました。

実はLM1496Hのデータシートには、12V単電源で動作するSSBのプロダクト検波回路は載っていません。そこで、NJM1496Dのものを参考に抜き取ってきました。ポピュラーな14ピンのものとCanタイプの10ピンのものとではピンアサインが違うため、この部分を修正しています。
キャリア入力のインピーダンスは青色で囲んだ抵抗で決めますが、原本に抵抗値が書かれていなかったことからひとまず51Ωとしました。同様に、SSB入力はオレンジで囲んだ抵抗が入力インピーダンス・・・1KΩが入力インピーダンスとなります。
2,3番ピンの間に挿入される抵抗により、変換ゲインがある程度調整できます。回路図の値としている100Ωではゲインは高く、1KΩ辺りとしてゲインを抑えている回路もありますから、この辺りは組んだ際の調整要素でしょう。
赤で囲んだ抵抗とコンデンサはいわゆるE12系列には無く、自分としては新たに購入する必要がありますが、別にE12系列の近似値で納めてしまっていいようにも思います。
着目すべきさらなるポイントは、AF出力にRCでLPFが組まれている点です。実際の受信機にする際には、この辺りが「聞き易さ」に寄与する部分ですが、IF信号を復調したオーディオ出力をピュアに評価するには邪魔になるかも知れない・・・ということで、AF出力のインピーダンスを10KΩとしてこの部分をシミュレーションしてみました。

SSB(3KHz)或いはAM(6KHz)は遜色ない程度に透過させ、それより高い不要なオーディオ信号・・・即ちノイズを軽減する様な形になっています。まぁ、それ程目くじらを立てなくても良さそうですね

後段のAFアンプを含めた回路図は既に作成済みですが、こいつはきっと完成まで持って行きますから「次回」のお楽しみ・・・ってことで、GW休みの工作関連作業はこれにて。
修正 17/05/09>
LPFのシミュレーションの際、抵抗値を間違えました。グラフを差し替え・・・かなり広域まで減衰なしのようです。