タンタル追加で落ち着いた未完のGPSDO
2018-09-11
今日は涼しさ大爆発の1日。明日も涼しいようで、少しは秋に近付いたんでしょうか。新生サッカー日本代表も面白い試合を見せてくれて、久々に美味い酒が飲めました
ケーシングするか迷っているGPSDOですが、どうも出力周波数が暴れるんで調べてみたら、GPSモジュールの電源ラインに8MHzくらいの正弦波が乗っていることが判りました。

基板に組む前にRFCを入れて処置したつもりでしたが、この対策だけでは足りず・・・といった案配で、GPSモジュールの電源ラインに10μFのタンタルを突っ込みました。

この黄色頭のお陰で周波数の揺らぎがグッと小さくなり、1Hz出力の際に1μsオーダーでちらついていたものが±20nsまでに落ち着きました。ただ、衛星の捕捉数が8機以上でないと、この精度は出ないようだということが判りました。
今暫く、バラックのままあれこれ遊んでみようと思います。

ケーシングするか迷っているGPSDOですが、どうも出力周波数が暴れるんで調べてみたら、GPSモジュールの電源ラインに8MHzくらいの正弦波が乗っていることが判りました。

基板に組む前にRFCを入れて処置したつもりでしたが、この対策だけでは足りず・・・といった案配で、GPSモジュールの電源ラインに10μFのタンタルを突っ込みました。

この黄色頭のお陰で周波数の揺らぎがグッと小さくなり、1Hz出力の際に1μsオーダーでちらついていたものが±20nsまでに落ち着きました。ただ、衛星の捕捉数が8機以上でないと、この精度は出ないようだということが判りました。
今暫く、バラックのままあれこれ遊んでみようと思います。
GPSDOっぽいのを製作・・・でも課題が!?
2018-09-09
夏休みに”大型休肝日”を過ごして以来、毎週金・土曜日は引き続き休肝日にしています。勿論、第一には身体の養生のためですが、時に昼間っから飲んじゃって「ダランダランな週末になってしまう体たらくからの脱出」でもあります。お陰で、あれこれ予定通りに進むことが多くなりました。「酒は百薬の長」と言われていますが、やはり「過ぎたるは及ばざるが如し」ということですね
今週末はタイトルの通り、”GPSDOっぽいもの”を得意の”秋月C基板”に組んでみました。まぁ、途中途中であれこれ躓きましたが、何とか動作するようになりました
回路図は以下の通りです。


躓いたのは、ロジック部のRFC・・・当初このRFCは入れていませんでしたが、ブレボ実験中に衛星の捕捉が芳しくなくなり、試行錯誤の末に「電源ノイズ」であることを突き止め、基板化する際にも入れることにしました。

実験中の様子です。GPSモジュールの電圧供給のリード線にFT37-61に4回巻きしたRFCです。これで、衛星の測位までの時間が格段に上がりました。巻数から換算して1μH弱でしたので、とりあえず少し多めの3.3μHとしています。
その他、PIC用のクロック発振周波数を測定し易いようにTPを設けました。これで随分PICのクロック合わせは楽にできますから、特にPICのクロック精度が必要なものは、端からこうしたピックアップを設けておいてもいいでしょう。
設計時点で既に入れ込んであった対策は、電源回りの余裕設計・・・5Vの三端子レギュレータに500mA使用の”M”を採用したことです。
アマ無線関連で自作する場合、12Vが主電源の電圧として設計することが勢い多くなりますが、ロジック回路等に必要な5Vを単純に三端子レギュレータで降圧して得ることが多くなります。その際、必要な電流を加味しないと、簡単にレギュレータの定格電力を超えてしまいます。今回の回路の5V部分は消費電流80mA程度であり、これを鵜呑みにして”78L05”を用いるとヤバい・・・レギュレータに必要な電力消費量は、「(12V-5V)×80mA=560mW」と見積もる必要があるわけで、ここは経験的に先回りすることできました。

2つの回路を各々秋月C基板に組んで完成を見たわけですが、この回路構成では「10mHzオーダで動いてしまう」ということが判りました。これはブレボ実験中にも気付いていたことですが、GPSモジュールからMHzオーダの出力を無理矢理に引っ張り出すと必然的に起こります。今回は、手持ちのOCXO(結構、安定度は高いです)を基準として観察しましたが、最大±60mHz程度は動いているように見えています。
これは別に今回の製作物の精度がどうのこうのではなく、MHzオーダの出力ができるGPSモジュールには付きまとう問題であり、直接的な解決策はありません。ただ、この10MHzに追随するようにOCXOを制御できれば、そこそこ高精度の信号源に仕立てることはできます。この辺りも当初より視野に入れていましたから、今回製作した”2枚の基板”をケーシングするか否かを非常に迷っています。
週明け1週間が過ぎると3連休が2回連続で来ます。この辺りでGPSDO関連は卒業したいところですが、果たしてどうなるんでしょうね

今週末はタイトルの通り、”GPSDOっぽいもの”を得意の”秋月C基板”に組んでみました。まぁ、途中途中であれこれ躓きましたが、何とか動作するようになりました



躓いたのは、ロジック部のRFC・・・当初このRFCは入れていませんでしたが、ブレボ実験中に衛星の捕捉が芳しくなくなり、試行錯誤の末に「電源ノイズ」であることを突き止め、基板化する際にも入れることにしました。

実験中の様子です。GPSモジュールの電圧供給のリード線にFT37-61に4回巻きしたRFCです。これで、衛星の測位までの時間が格段に上がりました。巻数から換算して1μH弱でしたので、とりあえず少し多めの3.3μHとしています。
その他、PIC用のクロック発振周波数を測定し易いようにTPを設けました。これで随分PICのクロック合わせは楽にできますから、特にPICのクロック精度が必要なものは、端からこうしたピックアップを設けておいてもいいでしょう。
設計時点で既に入れ込んであった対策は、電源回りの余裕設計・・・5Vの三端子レギュレータに500mA使用の”M”を採用したことです。
アマ無線関連で自作する場合、12Vが主電源の電圧として設計することが勢い多くなりますが、ロジック回路等に必要な5Vを単純に三端子レギュレータで降圧して得ることが多くなります。その際、必要な電流を加味しないと、簡単にレギュレータの定格電力を超えてしまいます。今回の回路の5V部分は消費電流80mA程度であり、これを鵜呑みにして”78L05”を用いるとヤバい・・・レギュレータに必要な電力消費量は、「(12V-5V)×80mA=560mW」と見積もる必要があるわけで、ここは経験的に先回りすることできました。

2つの回路を各々秋月C基板に組んで完成を見たわけですが、この回路構成では「10mHzオーダで動いてしまう」ということが判りました。これはブレボ実験中にも気付いていたことですが、GPSモジュールからMHzオーダの出力を無理矢理に引っ張り出すと必然的に起こります。今回は、手持ちのOCXO(結構、安定度は高いです)を基準として観察しましたが、最大±60mHz程度は動いているように見えています。
これは別に今回の製作物の精度がどうのこうのではなく、MHzオーダの出力ができるGPSモジュールには付きまとう問題であり、直接的な解決策はありません。ただ、この10MHzに追随するようにOCXOを制御できれば、そこそこ高精度の信号源に仕立てることはできます。この辺りも当初より視野に入れていましたから、今回製作した”2枚の基板”をケーシングするか否かを非常に迷っています。
週明け1週間が過ぎると3連休が2回連続で来ます。この辺りでGPSDO関連は卒業したいところですが、果たしてどうなるんでしょうね

GPSDOのモジュール監視部の実験
2018-09-02
今夏はやはり異常気象と言って良さそう・・・何やら落ち着かない天候が続いていますね。スマホを身近なところに置いていますから急な雨や雷には備えられますが、それでもほんのちょっとした予想範囲のズレで当たり外れがあって、「まだ平気だな・・・」と傘を持たずに買い出しに出るとそこそこの雨量で濡れてしまったり、逆に傘を持って出ると降らなかったり
先週末のハムフェアは、初日の午前中に野暮用が発生して出鼻を挫かれ、午後から行こうかと思ったものの暑くて億劫になり、実験途上のGPSDOのフィルタやらバッファやらの組み立て実験の方に力が入ってしまい結局行かず終い。そのお陰で、この部分は上手く動作するようになりました。そこで今週末は、GPSモジュールからのメッセージを受け取ってきちんと衛星捕捉数を監視する部分をPICに組み込み、ブレボで実験することにしました。
この監視部には、以下の機能を具備することにしました。
◆GPSモジュールとのシリアル通信、受信のみ行う:1ポート
◆GPSモジュールからメッセージ”GNGGA”を受信したら、LED(赤)をブリンク:1ポート
◆”GNGGA”のパラメータから衛星捕捉数を拾い、捕捉数に応じてLED(緑)を点消灯:1ポート
3機未満:消灯、4~6機:点滅:7機以上:点灯
◆シリアル通信の取りこぼしを極力減らすため、クロック発振には水晶を使用:2ポート
通信速度:38400bps、クロック周波数:9.8304MHz
上記の機能具備のために必要なPICのポート数は単純計算すると5ポートになることから、ミニエレキーをこしらえたときに多めに買い込んだPIC12F1822をチョイス。ところが、シリアル通信を行うと(使わなくても)送信ポートも取られてしまい、都合6ポート必要であることに気づき、入力にしか使えないMCLRを考慮するとどうしても入らない
そこで、何とかこのMCLRを出力ポートっぽく使えないかとネットサーフィンしてみると、お誂え向きの記事を”EDN Japan”のWebサイトで見つけました。このアイディアを採用
土曜日の午前中にササッと回路図を完成させ、プログラムをこれまたササッと組んで実験へ・・・とその前に、回路図をご披露。

今回のブレボ実験は、点線で囲んだ部分です。PICのRA3はI/Oポートの入力として設定しますが、弱プルアップの制御ができるようにします。弱プルアップをオンにすると、見かけ上、数十KΩから数百KΩを介してこのポートから電圧(ほぼVCC)が出力されるため、これをエンハンスメント型のFETで受けてやります。これでスイッチがオン。逆に弱プルアップをオフにするとポートから電圧がでなくなりスイッチがオフ。こんな風に、MCLRのポートが恰も出力ポートのように利用できるというわけです。
ソフトの規模が小さいことから、例によって毎回躓くコンフィグ設定には躓いたもののバグ無し
あっという間に動きました。下の動画は、4から6機の衛星を捕捉している時の様子です。手持ちのスマホで撮ったため目が回ってしまうかも知れませんが、20秒程お付き合いを。
LEDには高輝度のものを使いました。電流制限用の抵抗は3.3KΩとかなり大きいですが、それでも「もう少し暗くてもいいかなぁ
」と悩むほど。画面右下の赤いLEDのブリンク(と言うか、消灯時間)を20msとしてあるためこの動画では目立ちませんが、毎秒キチンと”GNGGA”を受信していることを示しています。
これでブレボ実験は無事終了。後はこいつを基板に組み、フィルタ&バッファ部と接続すれば回路部分は完成・・・ケース加工は気が重いですが、何とか完成には持って行けそうです。頃合いのケース候補も見つけたんで、明後日の都内移動の途中でちょっくら秋葉原に寄って買ってきましょうかね

先週末のハムフェアは、初日の午前中に野暮用が発生して出鼻を挫かれ、午後から行こうかと思ったものの暑くて億劫になり、実験途上のGPSDOのフィルタやらバッファやらの組み立て実験の方に力が入ってしまい結局行かず終い。そのお陰で、この部分は上手く動作するようになりました。そこで今週末は、GPSモジュールからのメッセージを受け取ってきちんと衛星捕捉数を監視する部分をPICに組み込み、ブレボで実験することにしました。
この監視部には、以下の機能を具備することにしました。
◆GPSモジュールとのシリアル通信、受信のみ行う:1ポート
◆GPSモジュールからメッセージ”GNGGA”を受信したら、LED(赤)をブリンク:1ポート
◆”GNGGA”のパラメータから衛星捕捉数を拾い、捕捉数に応じてLED(緑)を点消灯:1ポート
3機未満:消灯、4~6機:点滅:7機以上:点灯
◆シリアル通信の取りこぼしを極力減らすため、クロック発振には水晶を使用:2ポート
通信速度:38400bps、クロック周波数:9.8304MHz
上記の機能具備のために必要なPICのポート数は単純計算すると5ポートになることから、ミニエレキーをこしらえたときに多めに買い込んだPIC12F1822をチョイス。ところが、シリアル通信を行うと(使わなくても)送信ポートも取られてしまい、都合6ポート必要であることに気づき、入力にしか使えないMCLRを考慮するとどうしても入らない


土曜日の午前中にササッと回路図を完成させ、プログラムをこれまたササッと組んで実験へ・・・とその前に、回路図をご披露。

今回のブレボ実験は、点線で囲んだ部分です。PICのRA3はI/Oポートの入力として設定しますが、弱プルアップの制御ができるようにします。弱プルアップをオンにすると、見かけ上、数十KΩから数百KΩを介してこのポートから電圧(ほぼVCC)が出力されるため、これをエンハンスメント型のFETで受けてやります。これでスイッチがオン。逆に弱プルアップをオフにするとポートから電圧がでなくなりスイッチがオフ。こんな風に、MCLRのポートが恰も出力ポートのように利用できるというわけです。
ソフトの規模が小さいことから、例によって毎回躓くコンフィグ設定には躓いたもののバグ無し

LEDには高輝度のものを使いました。電流制限用の抵抗は3.3KΩとかなり大きいですが、それでも「もう少し暗くてもいいかなぁ

これでブレボ実験は無事終了。後はこいつを基板に組み、フィルタ&バッファ部と接続すれば回路部分は完成・・・ケース加工は気が重いですが、何とか完成には持って行けそうです。頃合いのケース候補も見つけたんで、明後日の都内移動の途中でちょっくら秋葉原に寄って買ってきましょうかね

GPSモジュール再び
2018-08-14
予定通り、先週末より夏季休暇を取ることができました。初っ端に当たる土曜は毎年恒例の「一族の寄り合い」があって終日酔っ払いでしたが、翌日曜からは原則「休息日」として過ごしています。無論、ここのブログ主の休息日は原則「ヘッポコ実験・工作日」ですが、アニメ視聴やゲームにやや気を取られつつも何やら怪しいヘッポコ実験をウダウダ進めています。
我が家周辺の日中温度はここ数日35℃は超えないものの、我が納戸シャックは30℃近くに上がってしまう時間帯である14時から2,3Hは工作や実験にはNGですが、それ以外の時間帯は何とか活動できます。とは言え、ちょっと重めの工作は置いて、ノンビリしながらできそうなことに取り掛かりました。
今から4,5年前に”高周波工作マニア”の間で俄にブームに火が付いたGPSによる周波数標準・・・当初は1秒刻みの正確なパルスを取り出して、それを周波数カウンタのゲートにして安定度の高い発振源(オーブン式のTCXOなど)を校正する方法がポピュラーでしたが、今ではGPSモジュール内のコンフィグデータを弄ることで、直接的に正確な高い周波数パルスを得る方法が定番となりつつあります。
コンフィグデータを弄れるモジュールは限られていますが、特にU-Blox社の新しいモジュールでは、同社のソフトツール”u-center”を使うことで簡単に各種諸元を調整できます。
実は、GPSによる周波数標準ブームが本格化し始めた2014年の中頃に1PPSパルス出力付きのGPSモジュールを手に入れ、シリアル通信で味見をしていました。そして、かなり安定度の高そうなOCXOとの組み合わせでGPSDOモドキ(GPSDO:GPS Disciplined Oscillator)を作ろうと考えていたら、その直後に周波数カウンタのジャン測を手に入れ、その心臓部の基準発振を比較的高安定なものに換装したらそこで満足してしまいまして・・・
じゃぁ、なんで今更GPSDOに工作意欲が傾いたかというと、2016年の中頃に手に入れたSGのジャン測と上記の周波数カウンタがそれぞれ「10MHzの外部基準で動作する仕様」になっており、SGを手に入れてからずっと10MHzの周波数基準が欲しかったんですね。この周波数基準の出力を二つに分けてぶち込めば、この2装置の周波数精度が一気に上がるわけです。
そこで、この夏季休暇中はアンテナの立て替え待ちのノイズキャンセラをペンディングして、さらにAGCのデジタル処理や安定化電源の製作・・・等々を差し置いて(宿題は一杯あるのよね
)「GPSDOの製作」に手を染めることにしました。
この工作に先立っては手持ちのGPSモジュールを引っ張り出してきて、以前の味見の通りブレボにRS232のレベル変換を置いて配線し、PCでひとまず衛星の様子を見てみることにしました。これ自体は何の問題も無く上手く行ったんですが、数時間放っておいた後にふっとモジュールに触ってみると結構な発熱
確認のため消費電流を測ってみると、何と350mAほどになっています。同等なモジュールの消費電流をネットで調べると、大食らいなものでも70mAほど・・・これはちょっと異常です。その上、どうせGPSDOを作るなら、できるだけ新しいGPSモジュールの方が良いかと思い、U-Bloxのチップを積んだ安いものを”Aliナンチャラ”で適当にチョイスして注文、休暇に入る直前に届きました。

”GB-1803”・・・あまり詳細な情報がネットに上がっていませんが、現状で二番目に新しいU-Bloxの”m8シリーズ”のチップが搭載されています。価格も700円ほどでPPS出力も具備。こんなにちっこくてまともに動くのか心配でしたが、無事に”u-center”に接続できました。
まずは衛星の様子。GPSモジュールはある程度の時間、衛星の位置を記憶していますが、長時間通電されないと何もない状態から位置情報を作り始めます。これにはある程度時間が掛かります。我が納戸シャック(3F建てマンションの奥の部屋)では、最初の衛星の捕捉に数分、位置情報が確定する「4つの衛星捕捉」には20分から30分掛かるようです。通電から2時間後の衛星の様子は以下の通り。

いわゆるGPS衛星はアメリカが打ち上げた衛星で、Gxxというのがそれ。その他、ロシアのRxxとSBAS(測位誤差を補正する静止衛星:Sxxx)が見えています。測位に使われているのが緑色のもので、この状態で8つの衛星で測位されています。
衛星の位置はほんの少しずつ動きます。そして、衛星の位置や信号の強弱で測位に使われる衛星数が変化します。我が納戸シャックで多めに衛星の信号を拾っている時の様子を以下に。

全部で14機が緑色ですね(S128の後ろにも1機います)。この図では、衛星に国旗を追加してみましたが、とりわけ目立つのがQxの番号で示される日本の衛星”みちびき”です。この衛星は、このGPSモジュールのディフォルトでは見えませんが、"QZSS"という衛星側のプロトコルを生かしてやると見られるようになります。この辺りもコンフィグを弄ることで可能。ただ、今回NMEAの通信仕様で使用するGNxxxには、”みちびき”の測位情報は反映されず、この状態で12機で測位されていることになります。ま、何れにせよ十分ですね
”u-center”ではこうした衛星の情報以外にも多彩なアプリケーションが組み込まれていますが、自分の目的には不要・・・それでも、あれこれ見ていると飽きませんよ
さて、今回はGPSモジュールのコンフィグを弄って10MHzの信号を取り出せるかが課題です。まずは、自分の備忘録用にコンフィグの調整画面を掲載(クリックすると別窓で大きく表示されます)。

この画面は、”u-center”の上部のタブ”View”⇒”Configuration View”を押下し左側のメニューの”TP5”を押すと現れます。赤い部分が測位が確立していない状態でのクロック出力(=周波数があまり高確度でない状態)、青い部分が測位が確立した後のクロック出力(=周波数が高確度な状態)です。ここを適宜設定して画面下部の”Send”を押します。この状態ではGPSモジュールのメモリ上の設定しか変更されていませんので、電源を切ると消えてしまいます。そこで、上記の”Send”を押したらメニューから”CFG”を押し、ラジオボタン”Save Current Configuration”を選択して画面下部の”Send”を押すと、GPSモジュールのセーブデータが更新されます。
また、GPSモジュールとのシリアル通信速度(ディフォルトは9600bps)もこのメニューの”PRT”を押して現れる画面上で設定し直すことができますから、必要に応じて変更します。勿論、これも”CFG”の操作を忘れずに。
上記の設定変更で1秒周期のパルス出力が「10MHzのデューティー比50%のパルス出力」になりました。波形を見てみましょう。

同期が取れないためデジカメで撮影しましたが、こんな感じでOKです。この出力信号を適当なフィルタに通せば、10MHzの綺麗なサイン波になるでしょう。この辺りは、先駆の諸OMが既に試されていますから、今回の我が測定システムに必要な2出力・・・折角作るんですから、さらにもう1つ追加して3出力が十分な電力で得られるように回路設計したいと思います。
夏季休暇はまだ半ばですが、他にもやりたいことがあったりするんでノンビリながらもテキパキと・・・って、そんなことできるんかいな
我が家周辺の日中温度はここ数日35℃は超えないものの、我が納戸シャックは30℃近くに上がってしまう時間帯である14時から2,3Hは工作や実験にはNGですが、それ以外の時間帯は何とか活動できます。とは言え、ちょっと重めの工作は置いて、ノンビリしながらできそうなことに取り掛かりました。
今から4,5年前に”高周波工作マニア”の間で俄にブームに火が付いたGPSによる周波数標準・・・当初は1秒刻みの正確なパルスを取り出して、それを周波数カウンタのゲートにして安定度の高い発振源(オーブン式のTCXOなど)を校正する方法がポピュラーでしたが、今ではGPSモジュール内のコンフィグデータを弄ることで、直接的に正確な高い周波数パルスを得る方法が定番となりつつあります。
コンフィグデータを弄れるモジュールは限られていますが、特にU-Blox社の新しいモジュールでは、同社のソフトツール”u-center”を使うことで簡単に各種諸元を調整できます。
実は、GPSによる周波数標準ブームが本格化し始めた2014年の中頃に1PPSパルス出力付きのGPSモジュールを手に入れ、シリアル通信で味見をしていました。そして、かなり安定度の高そうなOCXOとの組み合わせでGPSDOモドキ(GPSDO:GPS Disciplined Oscillator)を作ろうと考えていたら、その直後に周波数カウンタのジャン測を手に入れ、その心臓部の基準発振を比較的高安定なものに換装したらそこで満足してしまいまして・・・

じゃぁ、なんで今更GPSDOに工作意欲が傾いたかというと、2016年の中頃に手に入れたSGのジャン測と上記の周波数カウンタがそれぞれ「10MHzの外部基準で動作する仕様」になっており、SGを手に入れてからずっと10MHzの周波数基準が欲しかったんですね。この周波数基準の出力を二つに分けてぶち込めば、この2装置の周波数精度が一気に上がるわけです。
そこで、この夏季休暇中はアンテナの立て替え待ちのノイズキャンセラをペンディングして、さらにAGCのデジタル処理や安定化電源の製作・・・等々を差し置いて(宿題は一杯あるのよね

この工作に先立っては手持ちのGPSモジュールを引っ張り出してきて、以前の味見の通りブレボにRS232のレベル変換を置いて配線し、PCでひとまず衛星の様子を見てみることにしました。これ自体は何の問題も無く上手く行ったんですが、数時間放っておいた後にふっとモジュールに触ってみると結構な発熱


”GB-1803”・・・あまり詳細な情報がネットに上がっていませんが、現状で二番目に新しいU-Bloxの”m8シリーズ”のチップが搭載されています。価格も700円ほどでPPS出力も具備。こんなにちっこくてまともに動くのか心配でしたが、無事に”u-center”に接続できました。
まずは衛星の様子。GPSモジュールはある程度の時間、衛星の位置を記憶していますが、長時間通電されないと何もない状態から位置情報を作り始めます。これにはある程度時間が掛かります。我が納戸シャック(3F建てマンションの奥の部屋)では、最初の衛星の捕捉に数分、位置情報が確定する「4つの衛星捕捉」には20分から30分掛かるようです。通電から2時間後の衛星の様子は以下の通り。

いわゆるGPS衛星はアメリカが打ち上げた衛星で、Gxxというのがそれ。その他、ロシアのRxxとSBAS(測位誤差を補正する静止衛星:Sxxx)が見えています。測位に使われているのが緑色のもので、この状態で8つの衛星で測位されています。
衛星の位置はほんの少しずつ動きます。そして、衛星の位置や信号の強弱で測位に使われる衛星数が変化します。我が納戸シャックで多めに衛星の信号を拾っている時の様子を以下に。

全部で14機が緑色ですね(S128の後ろにも1機います)。この図では、衛星に国旗を追加してみましたが、とりわけ目立つのがQxの番号で示される日本の衛星”みちびき”です。この衛星は、このGPSモジュールのディフォルトでは見えませんが、"QZSS"という衛星側のプロトコルを生かしてやると見られるようになります。この辺りもコンフィグを弄ることで可能。ただ、今回NMEAの通信仕様で使用するGNxxxには、”みちびき”の測位情報は反映されず、この状態で12機で測位されていることになります。ま、何れにせよ十分ですね

”u-center”ではこうした衛星の情報以外にも多彩なアプリケーションが組み込まれていますが、自分の目的には不要・・・それでも、あれこれ見ていると飽きませんよ

さて、今回はGPSモジュールのコンフィグを弄って10MHzの信号を取り出せるかが課題です。まずは、自分の備忘録用にコンフィグの調整画面を掲載(クリックすると別窓で大きく表示されます)。

この画面は、”u-center”の上部のタブ”View”⇒”Configuration View”を押下し左側のメニューの”TP5”を押すと現れます。赤い部分が測位が確立していない状態でのクロック出力(=周波数があまり高確度でない状態)、青い部分が測位が確立した後のクロック出力(=周波数が高確度な状態)です。ここを適宜設定して画面下部の”Send”を押します。この状態ではGPSモジュールのメモリ上の設定しか変更されていませんので、電源を切ると消えてしまいます。そこで、上記の”Send”を押したらメニューから”CFG”を押し、ラジオボタン”Save Current Configuration”を選択して画面下部の”Send”を押すと、GPSモジュールのセーブデータが更新されます。
また、GPSモジュールとのシリアル通信速度(ディフォルトは9600bps)もこのメニューの”PRT”を押して現れる画面上で設定し直すことができますから、必要に応じて変更します。勿論、これも”CFG”の操作を忘れずに。
上記の設定変更で1秒周期のパルス出力が「10MHzのデューティー比50%のパルス出力」になりました。波形を見てみましょう。

同期が取れないためデジカメで撮影しましたが、こんな感じでOKです。この出力信号を適当なフィルタに通せば、10MHzの綺麗なサイン波になるでしょう。この辺りは、先駆の諸OMが既に試されていますから、今回の我が測定システムに必要な2出力・・・折角作るんですから、さらにもう1つ追加して3出力が十分な電力で得られるように回路設計したいと思います。
夏季休暇はまだ半ばですが、他にもやりたいことがあったりするんでノンビリながらもテキパキと・・・って、そんなことできるんかいな
