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TS-590とIC-705の受信性能比較 (2/2)

2021-01-05      
 IC-705の受信性能についての記事連投です。

 今回は、直前記事に記した「② Sherwood Engineering Inc.の受信性能データ」に基づき、TS-590シリーズとの比較を行います。TS-590のアップコンバージョンのバンド(ルーフィングが広いバンド)についてもデータがあったんで、これも比較できるようにまとめ直しました。



 このデータの左の方には、前回記事の「① PA1HR局(HANS REMEEUS氏)がまとめられているQSTマガジンのサマリーデータ」には無かった受信特性がまとめられています。
 昨今、ノイズフロアが極端に高いなどの問題を起こすような無線機はほぼ販売されていないとは思いますが、プリアンプのON/OFFでノイズフロアがどの程度変化するか、或いはその隣のAGCの"利き始め"などは、他の無線機と比較しても面白いでしょう まぁ、総じてTS-590シリーズとIC-705の差はそれほど大きくありませんね。

 "100KHz Blocking"は、①にも出てきた強信号によるブロッキングです。特にこっちは100KHz離調時の測定を行っていますから、凡そ目的信号の受信帯域外の強い信号がどの程度の影響を与えるかという見方であり、案の定TS-590シリーズが優秀です。このブロッキング特性も、IFフィルタを具備する強みと考えることができます。
 一方で、RFダイレクトサンプリングでは、サンプリングを担当するA/Dコンバータの入力過大を起こすポイントが必ずあって、それを超えるような信号は処理ができなくなります。IC-705は狭帯域(直前記事の"Blocking Gain Compression"の2KHz/20KHz離調時が共に124dB)でも広帯域(この記事の表で122dB)でも大きく変わらないのは、120dB超え辺りでA/Dコンバータの入力限界に達するという風に考えることができます。
 逆に、この値をノイズフロア(-127dBm)からのダイナミックレンジとして試算してみると、およそS9+68dB(-5dBm)くらいの信号でこの値に達するようです。TS-590Sはさらにその20dBくらい上になりますから、10mWくらいの信号を直接与えても大丈夫そうな勢い・・・

 "Sensitivity"は受信感度を示すものです。昔から、無線機の受信部の諸元には必ず表記されていますね。先にも書いたように、受信感度不足は昨今では全く問題になりませんから、これも数値を眺めて楽しめばいいと思います

 "LO Noise"は、ローカル発信源の"綺麗さ"を表しています。こいつが汚いと、ミキシング段で不要な混合が行われてしまいノイズや抑圧が増え、結果的に目的信号を聞き辛くしてしまうものです。狭い帯域にたくさんの強信号がひしめき合うような場合には特に問題になります。
 この数値は高いほどよく、ここ十年程度は普及機でも140dBc/Hz程度のものが多く作られたようですが、昨今の高級機の類は150dBc/Hzを超えているものもあり、ある意味メーカーの腕の見せ所なのかも知れません。ちなみに、その隣の"Spacing"はLOからどのくらい離調した測定かを示しています。

 "Front End Selectivity"は、フロントエンドのフィルタ方式です。今回の比較では、アナログ系のTS-590シリーズとDSP処理でフィルタを実現するデジタル系のIC-705なので、ここを比較しても意味がありませんので省略。

 "Filter Ultimate"はあまりよく解っていませんが、「フィルタの出来の良さ」と解釈しています 水晶発振子を並べて作ったラダー型などのフィルタでは、主にその素子数によって帯域幅が決まったり帯域内の特性が決まったりしましたが、昨今はこの辺りはデジタル処理されているものが多くなってきました。
 数値的にはIC-705の方が優秀です。技術革新・・・というか、流石に「凡そ10年前の無線機との比較」といった結果でしょうか。

 右のほうにDR(Dynamic Range)の20KHz/2KHz離調時のデータがあります。20KHz離調時は、明らかにTS-590シリーズに軍配。アップ/ダウンコンバートに関わらず、IFフィルタが入っている強みです。
 一方のIC-705では、2KHz離調時は殆ど変わらない結果・・・TS-590Sのアップコンバンドよりは明らかに勝っています。

 さぁ、これらの結果から何が分かったかというと、直前記事のほぼ焼き直し。IC-705は狭帯域(数KHz)の受信性能は"イイ線"だけど、もう少し広い帯域の特性(数十KHz以上)ではTS-590に負けている・・・まぁ、そんな感じですね。何れにせよ、然して強力局に悩まされていない今の自分にとってはIC-705でも運用上は全く困りませんし、手軽に取り回せるという意味で今後の主力機は明らかにIC-705になるような気がしています・・・。

 この2連投記事は2つのデータ値を鵜呑みにしていますが、測定誤差などの要素含みではあるものの、何れも”絶対値”をあてにしなければ相対的な比較には十分役立つと思います。ほんの一部の方にでもお役に立てれば、この2連投記事も浮かばれるってことですね

TS-590とIC-705の受信性能比較 (1/2)

2021-01-04      
 2021年の仕事が始まりました。今日は未だ本格的な通勤ラッシュに至っておらず、なんと最寄駅から都内の本社までの乗車時間約1時間をずっと座ることができました。こんなの初めて・・・まぁ、明日からは元の混雑っぷりになると思います

 寝正月を過ごしたとはいえ流石にネットサーフィンくらいはしましたし、最終日にはプチ工作まで手を出したと直前ブログでお知らせしましたが、そのネットサーフィンで時々チェックしていたIC-705の受信性能データがアップされているのに気づきました。

 自分が受信性能データをチェックしているのは、以下の2つです。

 ① PA1HR局(HANS REMEEUS氏)がまとめられているQSTマガジンのサマリーデータ
 ② Sherwood Engineering Inc.の受信性能データ

 ここには、多数の(殆どの?)アマチュア無線機に関する性能データが掲げられており、受信性能の客観的な比較には非常に便利です。リンクは張っていませんが、すぐに見つかると思います。

 この記事では、①のデータを読み易いように(というか、このブログで表示し易いように)まとめました。この表をクリックすると少し大きいのが現れます。



 左端に"3rdorder Dynamic Range"の2KHzの値(黄色でハッチングしたところ)で降順に並べて順位を付けていますが、自分の主力機であるTS-590S(自分が持っているのは50W機のため"D")が26位、IC-705が36位となっています。

 さて、最初のデータである"Reciprocal Mixing Dynamic Range"(RMDR)は、昨今のSSB/CW無線機器には欠かせない指標です。「近接する強信号の影響で、受信感度がどの程度の影響を受けるか」というものであり、このQSTのまとめでは小さい数字ほど良いということになります。特にコンテストなどの狭い範囲が極端に混んでいる場面では、この数値がモノを言うでしょう。
 残念ながら、TS-590Sの方は測定データがないものの、IC-705の2KHz離調時で"-110dB"という値は、兄貴分のIC-7300を超えてIC-7610にも引けを取らない値です。特にRFダイレクトサンプリングを採用した機器ではこの値が良好なものが多く、いわゆるスーパーヘテロダイン方式のものより優秀なようです。
 参考に、TS-590Sの後継であるTS-590SGのデータを下の方に付記していますが、RMDRに関して言えば、IC-705の方が優秀と言うことができそうです。

 次の"Blocking Gain Compression"も、目的信号が他の信号に抑圧されてしまう度合いを示すものです。目的信号より俄然強い信号を受信してその強い信号で受信アンプが直線性を失うような時、受信アンプのゲインが見かけ上小さくなり、目的信号が弱められてしまうというものです。
 この値は大きいほど良いというものですが、IC-705は結構奮闘しており、2KHz離調時の測定値はTS-590を若干上回っていますね。しかし、20KHzまで離調した場合はTS-590Sには及びません。

 続く"3rd Order Dynamic Range"は、他局の強い信号の合成により、実際には存在しない周波数にその信号が現れる度合いです(もっと詳しく説明したいんですが、JAIAから分かり易い説明ドキュメントが提供されていますのでご覧あれ~)。混雑しているバンド内には様々な強さの信号が無数にあり、それらが複雑に組み合わさるため、この”幽霊”のような架空の信号が目的信号に影響を与える場合があるわけです。
 この指標も大きい方が良いわけですが、これはTS-590Sに軍配。IFフィルタを具備する強みで、ある程度離調した信号は入ってきませんから、その恩恵が反映した測定値だと思います。
 残念ながら、IC-705では2KHz離調時と20KHz離調時に差はなく、満遍なく影響を受ける・・・そんな感じでしょうか

 最後の指標は俗に"IP3"などと略される"3rd Order Intercept"・・・これは、前述の"3rd Order Dynamic Range"の数値版と捉えていいと思います。目的信号以外の2つの信号が"幽霊"を作り出し、その信号が丁度目的信号と重なった場合に、その"幽霊"が目的信号と同じ強さになる点のことです。
 この指標は、IC-705では測定されていないため何とも言えませんが、その傾向は"3rd Order Dynamic Range"で推察できそう・・・TS-590Sに軍配でしょう。

 閑話休題。昔はフロントエンドの石にパワーMOSFETを使ってアイドリングをたくさん流して歪みを極力抑えたり、そのやや下のグレードでは"2SK125"に代表されるFETをゲート接地で動作させ、できるだけフロントエンドやそのあとのミキサー段で飽和しないように回路設計しました・・・って大昔の出来事のように言っていますが、アナログ好きの自作派はまだまだ「ゲート接地アンプで何とかしよう」という御仁も多いことでしょう。というか、自分は簡単なアナログ回路辺りまでしか手が出ません

 さぁ、大凡の受信性能の傾向は判りました。IC-705は狭帯域(数KHz)の受信性能は”イイ線”ではあるものの、コンテスト指定の周波数帯域(数十KHz以上)に多くの局がひしめき合うような状況においてはTS-590Sに軍配・・・という感じでしょうか。
 確かに、IC-705で初参戦した全市全郡でも、近接局が気になるという場面より少し離れた周波数にいる強力局の方が気になる感じでした。最近は、同市内の超強力局(コンテストステーション)が出現しないんで、過去のTS-590”D"での経験との比較ができませんが、大凡100K¥ちょいの小っこいリグにしたら、IC-705は「上出来中の上出来」かも知れません

 受信データチェックの②については、次回に回すことにしましょうかね

序でに購入・・・IC-705に使えそうな電源

2020-12-27      
 本当は明日が今年の仕事納めなんですが、”有給休暇取得奨励日”たる会社の計らいでお休み・・・というわけで、一足先に冬期休暇に突入しました。都合9日間の連続休暇となり、昨日はノヘ~っと過ごし、今日もほぼノヘ~っと過ごしてしまいました

 とある作り物を計画しており、必要な部品をRSオンラインに注文しようと思って幾つかの部品を選んだものの送料に見合うような金額にならなかったため、何か必要なものは・・・と考えた挙げ句、IC-705用の手頃な電源を用意する気になりました。
 事前のチェックで、IC-705の最大出力時の消費電力は(一番大きくなる430MHzのFMでも)13.8Vで2Aちょいしか要らないことが判っていましたから、用意する電源は最大で3A程度のものがあれば十分、その上電圧可変や凝った表示は不要ですから、スイッチング電源の頃合いのものを購入してタッパーにブチ込めばOK・・・ということで、購入した電源がこちら。



 側面のスナップ・・・”XP Power”の型番”VCS50US15”です。幅が78mm、高さが35mm、奥行きが110.5mmで、超小型とまでは行きませんが、小さなタッパに収まる程度のものです。



 早速ご開帳・・・というわけで中を覗いてみました。まぁよくあるタイプのスイッチング電源ですね。これで15V3.3Aということで、野口英世×2枚+ちょいでの入手ですからコスパもそこそこ ただ、電解コンデンサ群は予想通り全て”中華もの”でした マニュアルによると、過電流防止用に”ポリスイッチ”(リセッタブルヒューズ)が具備されているようで、横着を決め込むなら特に外付けにヒューズを用意する必要は無いと思います。ノートPCなどの電源と同じように考えれば良いでしょう。

 この電源を無線機の標準である13.8Vの電圧に調整するのは簡単で、上のスナップの中央下部に見えるポテンションメータを弄れば簡単に調整できます。実際にこいつを回してみると、最低13.1V、最高16.8Vに調整できることが判りました。

 さて、この電源のノイズ波形を”デジオ君”(デジタルオシロ)で観てみました。が、あまりショッキングな波形()は得られず、AC測定で20mVp-p程度のギザギザ波形しか観測できません。そこで、HFの下の方・・・というか、中波から160m辺りをあれこれワッチしてみても、バッテリーでの受信に比して若干ノイズフロアが上がるものの、手持ちのDM-330MVで経験するようなスポッティーな強いノイズは確認できませんでした。まぁ、合格と言えそうですがここ暫くは”追試”しないと・・・。

 今日は夕餉の買い出しの序でに、近くの百均でとりあえずこの電源が入る大きさのタッパーを買ってきたんで、適当に穴を開けてこの電源を取り付けたいと思います。ショートさせてぶっ壊すと夢見が悪いですからね

遂にトランシーバーになった新Rig

2020-08-19      
 直前のブログ記事でも吐露した通り、この暑さの中、毎日働いてますぜ・・・かなり真面目に 明日は束の間の休息よろしく”在宅勤務”なんですが、やることは決まっていてある意味”缶詰”の様相。まぁ、明日と明後日はかなり気温が上がりそうなんで、明日だけでも在宅で仕事できるのはラッキーかも

 面白くもなんともない仕事の話はさておき、今日は朗報が舞い込みましたんで証拠残し・・・ではなく思い出として()記しておきたいと思います。それは・・・



 やっと、新Rigの免許が下りました。審査終了は昨日だったようですが、今朝電車の中で気付いた次第。結局、いわゆる”お盆休み”等の影響があってか1ヶ月弱の期間を要しましたが、免許状記載事項は変更がないので取りに行く(或いは郵送して貰う)手間は掛かりません。

 これで漸く、新Rigが本当に”トランシーバー”として使えるようになりましたんで、近いうちにちょっくら”On the Air”してみようかしら・・・いえいえ、9月最初の週の会社的イベントが終わるまでは”高性能受信機”でいて貰いましょうかね

 ※特に注:電子申請画像の”ようこそ どよよん無線技士 さん”の部分は洒落です、洒落・・・

徐々に準備が整ってきた新Rig

2020-08-11      
 梅雨が明けたら灼熱地獄・・・てな塩梅で、急に暑くなってしまいました。今年は会社イベントの兼ね合いで自分の出番が夏から秋に集中してしまい、今のところは”暦通り”に働いています。恐らく夏季休暇は9月に取ることになるため、この暑さとも付き合っていかなければならないばかりか何やら”内部監査員”としても暗躍しなければならず、コロナ禍の”2nd season”の真っ只中、毎日通勤していたりして
 その上、先週始め(4日の火曜)には、またしても入院患者を身内から出してしまい(コロナじゃないですよ、念のため)、幸いにも軽い症状に収まって週末には帰還・・・本当にいろんなことが起きます。

 さて、7月23日に入手した”新Rig”ことIC-705の免許が下りないため、ワイドバンド受信機のまま味見をしていますが、まぁちょこっとずつ”実運用”に近づけるべく準備をしています。

 まずは液晶パネル。これは、百均の画面シートを必要な大きさに切って貼り付けることに。



 何と言っても安いんで貼り付けに失敗してもあまりめげずに再チャレンジできますし、このシートで3枚は取れますから安心です。まだ貼っていませんが今度の休みにでも

 既にIC-705を入手した局長さんはお判りかと思いますが、このRig、本当に小型であることと”足”が数ミリのゴムの滑り止めであることから、机の上に直置きだと少々使いづらい代物・・・ちょっとチルト(傾き)が欲しくなります。カメラの雲台や三脚のネジが、底面のねじ切り穴と合致しますんで、まずは大枚叩いて火傷せぬよう、ネジが合う吸盤式のドライブレコーダーの台座を手に入れて確かめてみました。



 自分の机はそこそこ平坦なんで、こんな吸盤でもイケるかしら・・・と思いましたが、装着するIC-705が結構な重量のため支え切れないことが解りました。千円足らずの火傷で済んで良かった

 本格的にあれこれ探してみると、ビデオの固定撮影で重宝しそうなちょっとしっかりとした台座を発見 早速手に入れました。



 この手の台座、アマ〇ンで”Z型台座”で検索すると山ほど見つかります。自分は”水平器”が付いたあまり高くないものを・・・って、結局は適当に選びました。ところが細工は上々で、Z型の継ぎ目を添付の小さな六角レンチで強めにかしめると、思った角度で固定できました。これなら、運用時に好きなように角度が変えられて超便利です
 また、買ってから気付いたんですが、台座の底面に滑り止めがちゃっかり付いており、Rig前面ボタンを押しても後退りすることはありません。これも気に入った点です

 こんな風にRig回りはFixしてきました。免許が下りたらアンテナを整備して、HF帯の実践に出向きたいと思います。

瓦煎餅から始まる新Rig

2020-07-24      
 梅雨が長引くやら新種のウイルスが長引くやらで、自分的なアクティビティはオチ気味・・・だったんですが、昨年のハムフェアで一目惚れした例の奴が入手できました。それも、ネット価格より幾分安く

 普通ならオープニングレビューをしでかすところですが、まぁそれは他局さんに任せてしまいましょう。どういうわけか「記念品」には言及が無そうなので、そっちを”1st Impression”としてどよよん的にIC-705をお披露目。



 ね、本当に買ったでしょ

 今日まで多忙と悪天候でアンテナ云々は弄っていなかったんですが、ひとまずVU帯のホイップは動かせるようにしました。Eスポが出ていて、50MHzやFM帯はそこそこ盛り上がっていましたが、やはりHFが聞きたいな・・・明日からの課題となりました。
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
こおるさいん:JM1DPL

アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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