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遠隔君のマッチング部分の再考-前編

2011-11-18      
 そもそも遠隔君の当初のコンセプトは、「雨降りの日や寒い季節にベランダをウロウロするのは嫌だ」・・・要はバンド切替毎にベランダに出てあれこれ弄くり回してSWRを落とさなければならないところがウザい、これを解消しようではないか というのが発端に当たります。紆余曲折の挙げ句、超古いカップラを参考に回路定数を求めてひとまずコイルは巻いてみたものの、「トロ活」の記述や諸OMのユニークな記事を拝読するに、どうも話が本末転倒になってしまうのではないか・・・という疑念が、この間から少しずつ湧いてきました。PIC関連が落ち着いたんで、漸く他のところにも気が行くようになったというか・・・。

 勿論、これまでの実験全てが無駄ということではありません。現在使用中のマッチングボックス(こいつだけ愛称がないのも可哀想ではありますが、訳が分からなくなるんでひとまず後回し)でも案外行けていることや、カップラによる整合の仕方・・・Qが高いところでマッチングが取れても「熱になっちゃう無駄」といったQRPに大敵な話を考えると、今のπ型カップラの定数で本当に良いのか という不安、いや大いなる疑問になってきたという感じ。

 特に、これからチャレンジしたい80mバンドで使うであろうロングワイヤー(多分、かなり低いインピーダンス)や、ステルス君2号の40mのインピーダンス整合が「12.5Ω」で取れることなどを考慮すると、低い方に結構行ってしまうわけで、これは、

 ① トランスのステップアップで引き上げておいて・・・
 ② さらにSWRを追い込むべくπマッチを使う

といった二段構えが結構有効な気がしてきました。

 純抵抗成分だけで考えた場合、SWR値は抵抗の大きさの比になります。従って、例えば上記の「12.5Ωでマッチング」ということは50Ω:12.5Ω・・・SWR=4となり、それをマッチングボックスがSWR=1に落としたことになるわけです。まぁ、リアクタンス成分も含めて漸く普通のアンテナですから、なにもこのことだけで「よし遠隔君はマッチングトランスのみで」とまで思考はショートしませんが、このインピーダンス変換トランスとの組み合わせで考えると、案外πマッチの部分で調整してやらなければならない範囲は狭まり、極端な大容量コンデンサは不要になる・・・ここまで考えると、「トロ活」に載っている根拠ある値で再設計ができそうです

遠隔君のコマンド仕様

2011-11-16      
 遠隔君の制御は、シリアル通信によるコマンド制御です。基本的に、ANT側は常に受信状態であり、RIG側からのコマンドに従って処理を行う格好になります。

 シリアル通信には様々な手順がありますが、大きく分けると半二重通信と全二重通信があります。
 半二重は、丁度トランシーバーと同じで、自局が送信中は相手局が受信中・・・というように、「送り」と「受け」がある時点では決まっているという通信方法です。一方の全二重は、双方向で自由に通信できるもの・・・その代表例が「電話」ですね。
 遠隔君の仕様を考えると、ANT側がコマンドを常に受け付けられるような準備をし、コマンドを処理した後にその結果を返す、RIG側はコマンドを送信したら受信状態になってその応答を待つという形になりますから、正に半二重通信で良いわけです。

 さらに、送受信するデータ量はいくらでも・・・なんですが、どこで送信データが終わるのかを受信側が認識できないと、いつまで受信していたらいいのか解りません。これを知る方法もいくつか考えられますが、基も簡単なのが固定長にするか終了符号(ターミネーターと言います)を決めておくかの何れかです。

 その上で、送信データが相手側にきちんと伝わったか・・・これもできる限り確認できるようにしておく方がよく、一般に送信データを1バイトずつ「ある計算式」で計算してその答えを送信データの末尾に付けて送り出し、受信側は受信データを「ある計算式」で計算して、その結果と最後に受信したデータが一致したら「きちんと受信できた」といった確認方法をよく使います。この計算結果として送るデータを「チェックサム」と言います(他の名称もあります)。

 ・・・と、このようにいろいろ考えなければならないのですが、今回は以下のようにエイヤで決めました。

 ・ 送受信文字はASCII文字の英数字(英字は大文字)
 ・ ターミネータとしてCR(キャリッジリターン)を付ける
 ・ チェックサムはひとまず付けない

 さて、コマンドとレスポンスは、以下のようにしました。

コマンド名ANT側の動きコマンドレスポンスパラメータ
動作確認単に応答を返すCS↓RS↓
リレー切替指定された番号に
リレーを切り替える
CRnnnnn↓RR↓nnnnn=
00000-FFFFF
SWR測定進行電圧と反射
電圧を返す
CW↓RWxxxyyy↓xxx=進行
yyy=反射
000-3E8
 ※ 「↓」はCR

 ANT側もRIG側もターミネータまで受信した後、先頭から2文字目で「何のコマンド」「何のレスポンス」を判別する形になります。

 ANT側は、受信したコマンドが(つまり先頭から2文字目が)S/R/Wのいずれでもない場合、そのコマンドを無視します。また、リレー切替コマンドのパラメータ部分は設定される値が決まっていますが、もし範囲外の文字を受信した場合も無視します。つまり、RIG側にとって「レスポンスが返ってこない」という事象が存在するため、コマンド送出後は「レスポンス待ちタイマ」を設定し、その間に応答がなければ同じコマンドを再送します。 再送間隔は1秒程度で良いでしょう。
 RIG側も同様に、レスポンスの先頭から2文字目のチェックNG、SWR測定レスポンスのパラメータが範囲外の場合、そのレスポンスは無効として扱います。

 キャラクタ+CRの形の形式にしておくと、Windows添付のハイパーターミナルやフリーソフト(TERATERMというソフトが有名です)を使って相手側の「フリ」をさせ、デバッグを楽に進めることができます。

遠隔君のソフト処理機能のまとめ

2011-11-16      
 そろそろ遠隔君の設計に入るべく、ソフトで実現する最終的な機能のまとめをしておきます。

 まずは、ANT側。

 ① USART通信処理
 ② A/D変換によるSWR用電圧読み取り
 ③ RIG側からのコマンドによるリレー制御とSWR電圧返送

 そして、RIG側。

 ① USART通信処理
 ② リレー制御コマンド、SWR電圧読み取りコマンド送出
 ③ BAND毎の設定値セーブ(→EPROM)
 ④ コンパレータによるIC-703バンド切替読み出し
 ⑤ LCD表示
 ⑥ ロータリーエンコーダ制御
 ⑦ SWの読み取り
 ⑧ メニュー処理

 この記事では、SWR測定時の小電力への切替(=ATTを咬ませる動作)を含めていますが、この機能は具備しないことにしました。理由はこの記事に書いてあります。

 共通的に使えるのは①のUSART制御部分のみですが、ANT側は自律的には動かず全て「コマンド制御」になりますら、実験ボードで殆どデバッグできそうです そしてRIG側はある程度デバッグが進んだところで「実機」に移す感じかな

Nigeria on 15m !

2011-11-15      
 つ・・・ついに、AfricaをGet

 今日は、午後から外出→早めの直帰。家人が買い物でおらず、10mのワニ口DPをセットしそそくさとRigの前へ。いつになくNoisyだったため、そのまま15mを何気にワッチしていると、珍しく下の方に誰か出ています。結構強く入感していたんで、「また東欧のどっかだな・・・」とか考えつつも、RST交換のみのQSOだったため呼んでみようとコールサインをコピーしてHamlogに打ち込むと・・・「Nigeria」って、おい早速、ワニ口DPを外して臨戦態勢へ。

 時間的にはロングパスになるのでしょうが(無論、我がステルス君では方角は分かりませぬ)とにかく強い信号で、我が愛機の「DXボーダー信号強度」のS=7を超え、S=8くらいで比較的安定に入感。試しにコールすると、2回目のコールで拾ってくれたんですよ とにかく驚いたのと同時に、直前の記事で書いたように15mのDPはどうも指向性がきちんと出ていて、サイドのEUがダメなのも本当にそのせいかも知れないなぁ・・・と思った次第。

 残るは南米。LU/PYに振られっぱなしです。信号も強いんですが、QRZかコールサインのミスコピー・・・。でも、南米はやはり15mが良さそうですから、やはり我がメインアンテナのステルス君に頑張って頂きましょう。

今週末の交信記録

2011-11-14      
 今週末は、OK-OM DX Contestにちょびっと参加しました。10mで「Czech Rep.」と「Slovak Rep.」を1局ずつGetしましたが、15mは空振りの連続・・・挙げ句、コールサインのミスコピーでENDが1局という有様。我が家の15mは、 SWRの挙動を含め、どうも上手くないようです・・・。12m/10mは仮設DPでも結構行けてますから、15m用のDPは指向性が「きちん」と出てしまい、サイドになるEU方向に上手くないとも考えられます。

 今日(昨夕か・・・)の締め括りは「Netherland」。かなり強力に入感していましたが、やはり一発ではコールサインをコピーして貰えなかったものの、何とかQSOできました

無線三昧の週末

2011-11-14      
 今週末は、本当に題名通りの週末になりました。

 最近のCONDX・・・特にハイバンドの異常なほどの良好さでQSOの数がじりじりと増え、かつコンテストにも顔を出していますので、それなりに未発行のQSLカードが溜まってきました。この週末も勿論、各バンド状況のマメなチェック・・・クラスタを見ながらスイープワッチを駆使しつつ、あちこち呼んでは一喜一憂していました。6mのCONDXもかなり良く(といっても、夕方のTEP)、5W+DPで久しぶりのVKとちょい珍しいV6(Micronesia)をGet

 一方、ここ最近仕分けをきちんとしていなかった、受け取ったQSLカードの収納を考えつつ、受け取りマークをHamlogに叩き込んだり、新しいデザインの考案をしながらQSL定義ファイルをウニョウニョいじったり。

 さらには、カップラ製作準備に入るべく要るものと要らないものを分けて、大凡「手の届く範囲に全てが揃っている状態」に持って行きました。ただ、これで満足してしまいなかなか手を付けないという悪癖も持っており、今後が注目されるわけです()。もう少し、CONDXが落ちてくれないと・・・

 さぁて、交信記録はこの後すぐ・・・

RIG側のPICポート設計

2011-11-09      
 続いてRIG側のポートアサインです。

PINI/OAssignPINI/OAssign
1VDD20VSS
2RA5R/W19RA0BAND
3RA4RS18RA1HSEND
4RA3MCLR17RA2E
5RC5LCD516RC0ENC0
6RC4LCD415RC1ENC1
7RC3BTM014RC2BTM1
8RC6LCD613RB4NC
9RC7LCD712RB5RX
10RB7TX11RB6NC

 ここで、ENC0/1はエンコーダ、BTM0/1はPUSHボタン、LCD4から7とR/W,RS,EはLCD関連のデータ/制御ポートです。LCD表示の実験で作ったドライバは、ポート上位4ビットで動く仕様ですので、PORTCの上位をアサインしています。

 NCは1つ・・・こちらはANT側と違い「LCD」という強力な武器が付きますから、デバッグ上は問題なさそうです

ANT側のPICポート設計

2011-11-09      
 遠隔君の設計を少しでも進めたいと思います。

  ANT側に配するPICであるPIC16F886は既に購入してありますので、ひとまずこれを使うとして、内部クロック8MHz動作を前提に目一杯ポートを使えるように考えてみましょう。基になる回路はこれです。

PIN I/O Assign PIN I/O Assign
1 RA2 RL15 28 RA1 SWRB
2 RA3 RL16 27 RA0 SWRF
3 RA4 NC 26 MCLR
4 RA5 NC 25 RB7 RL14
5 VSS 24 RB6 RL13
6 RA7 RL17 23 RB5 RL12
7 RA6 NC 22 RB4 RL11
8 RC0 RL1 21 RB3 RL10
9 RC1 RL2 20 RB2 RL9
10 RC2 RL3 19 RB1 RL8
11 RC3 RL4 18 RB0 RL7
12 RC4 RL5 17 VDD
13 RC5 RL6 16 VSS
14 RC6 TX 15 RC7 RX

 ここで、RL18は省略してあります。というのは、IC-703のパワーコントロールは簡単な操作で行うことができ、かつ遠隔君のコンセプトとして、記憶した「SWR最下点の情報」をBAND切替に連動して動作させるため、猛烈に高いSWRの状態で高出力(といっても5Wでしょうが・・・)で送信することは少ないと踏んだためです。つまり、-10dBATTは具備しない方向で考えています。
 RC6,7には、USART・・・すなわちシリアル通信が入ります。レジスタとして「PORTC」でコントロールしますが、RL1~6も同居しますので、この部分の処理には注意が必要かも知れません。

 上記の表で「NC=Non Connect」の部分が余ったポート。デバッグ用に1ポートはLEDを付けることになると思いますが、3ポートはまだ余裕がありますので、πマッチになるように用意してあるコンデンサ・・・RL15,16の2つで足りないようなら増設しても良いかも知れませんね

 ※ 2011/11/21 設計変更し、ポートのアサインを変えました

プチ参加・・・Ukrainian DX Contestの様子

2011-11-07      
 「Ukrainian DX Contest」を覗いてみました。

 日付が変わったんで一昨夕・・・すなわち11/5の夕刻にはハンガリーを捕まえるなど、結構CONDX良好に思えた上にSSNも120程度とかなりいい感じでしたので、それなりに期待していました。

 どういう訳か、朝早くから目が覚め(6時起床)、そのまま15m以上をワッチすると、ARRL主催の「November Sweepstakes, CW」の最中で、北米から強力な信号が飛び込んできました。無論、指を咥えて観ている(聞いている)しかないばかりか、普通のQSOが埋もれてしまうほどの賑わいよう。その合間に、ペディ局のスプリット指定なら・・・と粘って1局Getしたりしながら午後を待ちました。

 14時を過ぎると、漸くカスカスながら「Ukrainian Station」が聞こえるのは良いのですが、CONDXもそれほど良くない感じ・・・といっても聞こえているんですから、普通の設備の局だったら関係ないでしょうけどね しかし、15時を回るとCONDX上昇、23分から5分間にウクライナ国内局を3局立て続けにGet 流石にコンテストですから、向こうも普段と違う「」のようで、我が愛機のSメータで拾ってくれるボーダーである「S=7」がギリギリといった局が、案外簡単にコピーしてくれたのはちょっと痛快でした。
 この調子でいくと、それこそ国内コンテストのようなレートで局数稼ぎができるのかなぁ・・・などと夢想していると、OHが入感しており、S=5だったのですが呼んでみると、なんと一発でコールバックあり ナンバー交換にちょっと手こずりましたが、ひとまず交信成立。で、直ぐさまネットを調べたら、60mほどのタワーに八木さんがスタックしてある写真に出くわしました

 その後、ワッチするも強く入感するのは「Asiatic Russia」ばかりであり、あまりに強力なUA9と、何故かこれまで交信できずに抜けていたYBを1局ずつGetした頃(17時過ぎ)にはバンドもクローズ。実はYBには思い出があって、つたない英語での初海外QSOが実はYBのクラブ局だったんですよね・・・何か、感無量でもありました

 というわけで、3時間余りの参戦で都合6局・・・局数云々というより、東欧とは言えEUのコンテストに出てQSOできるなんて、結構まだまだ夢心地です

あとはラトビア!?

2011-11-06      
 2年前のGW辺り・・・SSN最低期で、そろそろ上がってくるような兆しはないものか とあちこちのブログに散見されていたような時期にこんな記事を書いていますが、昨夕ようやくハンガリーをGet ついでにラトビアも聞こえていて、こちらは振られまくりでしたが、昨日はかなりCONDXが良かったように思います。QSOしてもらったハンガリーの局はエコーがひどくて手こずりましたが、突然S9までパッっと信号が強くなったところで運良く拾って貰えました。12mにもその傾向がありますが、10mの正に「開けた瞬間」は、Esに近い感覚で「ガツン」と入感します。根気も要りますが、やはりこの「一期一会」が快感なのであります

 まぁ、たったの5Wとワニ口DP(12m/10m)ですから多くは望めないわけですが、10/13に好CONDXを発見)してから20日余りでDX交信局数が31 勿論、お隣さんやら環太平洋やらもあるわけですが、EU(13局)とDXペディ(2局)もそこそこに入っています。
 最近は、帰宅後では完全な日没後となってしまい上手くありませんし、これから冬に向かっていくわけですから、ハイバンドのこのCONDX自体どこまで持つのやら・・・。

 それにしても、来年春のシーズンはかなり期待してよいかと思っています。それまでに、電波の「出入り口周り」を再考し、もう少し効率よくしたいなぁ・・・しかも、目立たないように
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
こおるさいん:JM1DPL

アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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