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涼しさついでにもう一丁!

2012-07-21      
 随分以前の記事に残しておいた「ノイズ対策」・・・これは電源に内蔵してお茶を濁した「気休めフィルタ」だったわけですが、今回のリグ購入と同時に電源も大容量のものに変えたため、もう少し真っ当な方法でACライン対策をしようと、コモンモード対策兼ノイズ対策・・・ってなわけで、ラインフィルタを急造しました。



 FT140-43に11回キャンセル巻きを咬ませたラインフィルタ+電源スイッチです。線径はひとまず「50W機だけを接続する」という前提であれば、商用100Vなら3Aもあれば十分ですので「0.5SQ」にしています。勿論、今後も5W運用でしょうから超余裕の設計です
 先にきちんと巻数を求めれば良かったのですが、「二連」を前提にFT140-43をもう一つ+プラケースも買ってきたものの、線材が細い分巻数が稼げたため、横着にも「一連剥き出し」で済ませてしまいました

 効果のほどはよく判りません(別にノイズが減ったわけでもないし・・・)が、お守りのようなものだと思って暫く使ってみます。

TS-590用の短い電源ケーブル作り

2012-07-21      
 ここ2週間ほど暑かったのが嘘のように、今日はちょっと寒いくらいの気温です。それでも納戸住まい故に扇風機は稼働中・・・開け放した居間の窓からの風を送り込んでいます。

 さて、こうなるとはんだ付けも苦にはなりませんから、購入時から気になっていたTS-590用の長~いケーブルを排除すべく、入手しておいたコネクタとフューズホルダで短いケーブルを作りました。



 コネクタは、以下の部品の組み合わせです。IC-703の時と同様、梅澤無線電機さんに注文しました。

 ソケット本体 :VLP-04V × 1
 リテーナ   :VLS-02V × 2 (ケーブルの留め具)
 ピンコンタクト:BVF-61T-P2.0 × 4

 一応、50W運用に備えてヒューズは20Aとし、ケーブルは直径2mm(これを通称3.5SQと呼ぶのかな)の撚り線のもの・・・昔々、オーディオセットのスピーカーコードとして使っていたものですが、保存状態が良かったのかサビもきていなかったため「廃品利用」です。まぁ、20A程度までは問題無さそうです。



 大凡1mほどのケーブルの完成です。今のレイアウトでは30cmもあれば足りるのですが、とりあえず長めにしておきました。

 TS-590の電源ソケットは、100W機との流用ということもあって「余裕設計」になっており、4ピン中2ピンずつをプラスとマイナスにつなぐようになっていますので、ひとまずコネクタ手前で「二股」にして接続しています。二股部分の絶縁とケーブルの「開き止め」に熱収縮チューブを使っています。

 各社のリグの電源ケーブルは少し長すぎることが多く、かつ特殊なコネクタが使用されることが多いため(多分、誤接続防止などの安全上の配慮もあるんでしょうね・・・)ちょっと部材集めは手間ですが、オプションや市販の代替品を購入するよりずっと安上がりですから、無用なノイズを拾わないため、或いは無用なコモンモード放射を少しでも減らすためにも自作してみては如何でしょうか なお、安全性についてはご自分でご判断くださいね。

追記>
 ICOMの幾つかの機種もこのコネクタが使われているようですよ。

地磁気嵐と弱いEスポ

2012-07-16      
 一昨日の晩から「IARU HF World Championship」だったのですが、その少し前にまたしても地磁気嵐発生・・・12日のフレアによるものですが、折角のコンテストがまたしても「持って行かれた」感じですね。まぁ、このコンテストに参加するつもりは無かったものの、この季節(=夏)にそれなりのSSN(100を軽く超えています)だとどんな案配なのか聞いてみたかったんですが、この間のALL Asian同様、なんかショボかったです

 今日は40mも朝からまるっきり元気が無く、ノイズの間からポツポツとCWが聞こえている程度。ハイバンドは完全に死んでいる様子で、この時期にはまだ出ても良さそうなEsも弱~い感じです。こうなると、ガラクタ作りに精を出しても良いのですが、今日は今年の最高気温を記録しそうな陽気・・・エアコンは絶好調ですが、室温も上昇気味で現在28.9度と微妙な有様。何と言っても、身体自体がまだまだ「夏仕様」になっていないため、結局ウダウダと三連休最終日を消化してしまいそうです。

 ところで、そもそも太陽活動サイクルのピークについては、過去6mメインだった学生時代に北米が聞こえてぶったまげ、「ふ~ん、黒点ピークだと6mがHF並みになるワケね・・・」といった程度の知識しかなかったことから、サイクル上昇期の有様なんてちっとも知らず、あんまり太陽がハッスルすると伝搬障害につながるということを今頃体感しているわけです。
 その一方で、Esの発生は、太陽活動とは殆ど無縁に「蕩々と」続いてきた5月辺りからから夏場にかけての突発事象といった風に理解していましたが、なんか今年のEsって弱っちい気がして仕方がありません。勿論毎日ワッチはできないし、平日は「重視」(おい、仕事しろよ)で帰宅が遅い場合も多く、Es発生状況自体を見逃している部分も多々あると思うのですが、千葉北西部から15mで浜松辺りがS9++で聞こえるような感じ、或いは3エリア辺りとQSBの少ない「隣町」のように安定したQSOができることが希だった(少なかった)気がします。所詮「気がする」だけですから科学的な根拠はありませんが、な~んかおかしいなぁ・・・と感じてしまいます

 追い打ちを掛けるように、NICTから先ほどメールが来ました。

> 15日18時00分(JST)の臨時情報でお伝えした地磁気嵐の追加情報です。
> 14日18時10分(UT)に発生したSC型(急始型)地磁気嵐による地磁気
 水平成分の変化量は約202nTで、現在も継続中です。

 ・・・というわけで、今年比較的多くなっている地磁気嵐と弱いEs・・・地磁気嵐とEsって関係あるのかしらんと、素人無線家はこの因果律を結構本気で考えています。どなたか専門の方、教えてちょうだい

追記 12/07/19
 この記事をアップして暫くしたら、段々とCONDXが回復。夕方には、弱いEsが出ていました。その後、NICTから地磁気嵐が15時頃に終了とのメールがありました。

TS-590雑感シリーズ 4:ノイズの消え具合は如何に!?

2012-07-15      
 都会のど真ん中というわけではありませんが、数十m先の高圧線と数百m先の鉄道、さらにはマンション群に囲まれ、自らも「マンションで運用」という無線環境では、ノイズと同棲しているようなもの 強力局のカブり以前に、この疫病神に対抗する手段が必要になります。今回入手したTS-590のノイズ除去機能・・・これも購入の決め手の一つだったわけですが、入手までの試聴経験はあくまで「秋葉原の都会ノイズ」・・・そういう意味で、最も期待の高いドキドキ機能でもありました

◆ NB2は使えそう・・・

  まずはノイズブランカ。これは、アナログ系とデジタル系の2つを具備していて、アナログ系(NB1)は「尖突波形をブロック」という古式所縁()のものですが、デジタル系は「チャイナドラゴンをも黙らせる」という代物。さて、その効き目は如何に というわけで、初の試みとして動画撮影してみました

 ★TS-590 NB TEST★

 夕方の17/15mでよく出くわす連続性ノイズです。18時を過ぎると収まるんで、近くの商店が出しているノイズかと思われます。20KHzくらいの帯域にノイズが不規則に出るためちょっと厄介だったのですが、NB1は効果無し→NB2のブランキングレベルを目一杯に設定しておき、このノイズと出会したらON・・・これで消えてしまいます この動画では、NB2をONにするとSが3つほど落ちていますが判りますか
 で、チャイナドラゴンの方・・・こいつの実害を被ったことはないのですが、先日40mでS9+10dBほどの奴を見つけたため、ここぞとばかりにNB2をON・・・ところが全く効果なし まぁ、もっと悩ましいノイズが消えたので良しとしています。

 ◆ NRは効くぞぉ・・・

 さて、真打ちは何と言ってもノイズリダクションの方 AF処理のものが2つ入っています。徹底解説集によると、NR1はPHONEとCW(FSK)で異なる方式のものが入っているようですが、CW用は今や定番となりつつあるリダクション論理のもの・・・体感的にもNR付きスピーカと非常によく似た動きをします。一方のNR2の方は一捻りされた新論理だそうな・・・これも実際に聴いてみて下さい。
 なお、以降NR1のリダクションレベルは「4」、NR2は「20」(ms)にしています。

 ★TS-590 NR1/2 TEST★

 この動画では、まずBW=1500Hzでノイズギリギリの信号を拾い、NR1をON→NR2をONの順に操作、そしてBW=500Hzに切り替えて同じように操作しています。

<BW=1500Hz>

 NR1はオールマイティに効き目があると言ってよい感じで、普段もしょっちゅう使います。ノイズを抑えて信号を浮き上がらせる効果がありますが、信号自体が弱いとノイズと一緒に落ちてしまうため、AFボリュームで若干補う場面が多いです。
 NR2は信号のエッジがはっきりとなる反面、ノイズ自体も変調されてなんだかブクブク、ブリュブリュという妙な音が目立つようになります。BWが広いとS/Nが悪くなるため、この得体の知れない音が大きくなってしまい、肝心の信号が聞き取りにくくなる場合があります。

<BW=500Hz>

 BWがこれより狭いとSN比が良くなってきますので、NR1の効果がBWを狭めれば狭めるほど低くなります。また、リンギングが酷くなると信号がなまってきますが、NR1はこれに拍車を掛ける方向になりますので、なんだかフワフワした歯切れの悪い音に聞こえます。
 NR2は逆にCW信号のエッジをはっきりさせてくれるため、ノイズの中から目的信号を拾い上げる能力が発揮され、了解度が上がります。BWを狭めることによる信号のなまりとは逆に作用するため、この点でもNR1とは違います。

◆要するにNRの使い方は・・・

 NR1は、BWが広い場合に効果が高いことから、バンド内をスイープして相手局を見つける場面など、普段の運用で気楽に使えます。リダクションレベルを下げて「入れっぱなし」でも良いかも。一方のNR2は、BWを狭めて目的局の信号を浮かび上がらせる際には強い味方になってくれます。
 参考に、信号が強い場合のNRの利き具合を聴いてみて下さい。

 ★TS-590 NR1/2 TEST-2★

 信号が強ければそもそもNRは不要なんですが、NR1が「バックノイズは任せろ」と言わんばかりの素晴らしい威力を発揮し、殆どノイズを感じさせない信号音になるのがよく判ると思います。普段の運用で「疲れないリスニング」には打って付けでしょう。

◆ 余談

 結局NR付きスピーカは、NR1のお陰であまり活躍しなくても済みそうですが、AM放送試聴時の効果については「NR1<NR付きスピーカ」となりました。 これで、AF関連のノイズリダクションシステムはひとまず「完成」としました。
 また、MFJ-1025でそもそものSN比を稼いでおくと後が(つまり、リグ側が)楽になりますから、やはりノイズ源に近い方の対策が重要ということですね。

TS-590雑感シリーズ 3:アップコンの実態に迫る!

2012-07-09      
 途方もない広大な大地の真ん中でポツンと無線をやっている人・・・こんな人生もどうかと思うし、きっとそんなに沢山はいませんよね。どちらかと言えば「くそぉ・・・またカブってきた・・・」という方が多いと思います。K3が一石を投じて以来、高級機を含めて「ダブルスーパー&ダウンコンバージョン+狭帯域ルーフィング」が今や受信部のトレンドだと思いますが、コンテストではカブり・・・即ち「近接した強い信号の影響」が気になる場面があります。
 幸いなことに、近場に悪質な電波を高出力でばらまくような下品なOMさんはおられませんから、大きな被害を被ったことはないのですが、やはりメジャーコンテストで同一バンドにいれば影響を受けるときがあります。勿論、逆も真なりなわけですが、救われるのはQRP故に相手局への悪影響は少ない・・・かな

 さて、IC-703の運用経験では、近場の局が(多分)こちらにビームを振ったとき、CWの「カツカツ」「カリカリ」という抑圧を±10KHz程度受ける・・・ということが時々あって、暫し待避したりすることがありました。SメータでS9+40dB超・・・まぁ、無理もない強さです。その上、CWの復調音は綺麗でキークリックっぽいところはないため、IC-703の抑圧特性だろうと考えていました。そしてTS-590を入手するに至り、この辺りが如何に改善するのかを知るチャンスが、何と購入後一週間を待たずしてやってきました 今週末に開催された6m&Down・・・お誂え向きのコンテストの到来です。
 無論、近場の強い局が現れるかは判らなかったのですが、とにかくIC-703との受信性能比較には打って付けのチャンス。その上、6mはTS-590がイマイチ評価されない「アップコンバージョン」(トリプルスーパー)のバンドですから、ある意味での「最低ライン」が解るわけです。

 コンテストを前にして、以下のようにセッティング。同軸切替器で6mのアンテナを切り替えられるようにしました。ヘッドフォンの付け替えが厄介でしたが、これは我慢、我慢。



 コンテスト開始後は聞き味比べをしつつ(これは別途)、チョコチョコ参戦しながら強い局が現れるのを待つと、そのチャンスはコンテスト開始後2時間を待たずして訪れました。聞き慣れたカツカツ音登場・・・CQを出しています。直ぐさま周辺をワッチし、どの程度離調するとカツカツ音が聞こえなくなるかサーベイ。そして、もう一方のリグにアンテナを切り替えて同じようにサーベイするという超原始的な方法です。が、結局これが運用スタイルに最も近いわけで、どんなに精度の高い測定値より、自分にとっては有益な情報になるわけです。

 結局、最初の遭遇ではS9+30dB・・・ちょっとビームが余所を向いている感じ でしたが、それでもひとまずデータを記録。その後カツカツ音に気づけばデータ取りを続け、最終的には都合6回のチャンスが巡ってきました これらのデータをまとめてみたのが下表です。S9+40dBは二回あったため悪い方のデータを使用し、表上の有効データは5つにしてあります。

強力局
運用
周波数
信号
強度
(S9+
影響が出なくなる周波数(離調:KHz)
TS-590IC-703
LOWHIGHLOWHIGH通り抜け
50.285.025dB
280.8
(4.2)
288.1
(3.1)
277.0
(7.0)
295.7
(10.7)
50.258.830dB
254.9
(3.9)
262.5
(3.7)
253.3
(5.5)
??
50.255.535dB251.2
(4.3)
258.0
(2.5)
250.2
(5.3)
?
249.0
(6.5)
50.271.440dB265.1
(6.3)
274.6
(3.2)
263.8
(7.6)
274.5
(3.1)
281.0
(9.6)
50.287.045dB
281.1
6.9
292.0
5.0
10KHz
以上
10KHz
以上

(15.0)
 TS-590 BW:1.0KHz、 IC-703 BW:2.2KHz 
 ※何れもプリアンプ=ON

 カツカツ音を聞きに行くと丁度他の強い局がいてきちんと確認できず(定かには判らず)、この辺りだろうと推測してしまった部分があります。さらに、今後の主力機であるTS-590を主体に確認したため、IC-703の方が等閑になっていることは一目瞭然です

 IC-703のデータとしては、信号強度が一番弱かった時(+25dB)の測定は、丁度バンドが空いた時間帯であったためかなり念入りに確認できていますので、データとしても信頼性は高いです。通り抜けが始まると、その音自体がカツカツ音以上になってしまうためよく判らない・・・という感じです。S9+30dBが上手く取れてないところが悔やまれます また、過去の経験である「±10KHzが使えない」・・・というイメージは、通り抜けを含めて信号強度がS9+40dBあたりから始まり、☆については通り抜けが酷過ぎてカツカツ音どころではない・・・といった案配でした。が、15KHzも離れれば大丈夫・・・そうそう、こんな感じだったなぁと、記憶が蘇りました。

 一方のTS-590ですが、+35dB以上は大凡線形に結果が出ています。即ち、信号強度が上がればその分影響範囲が広くなるという当たり前な話ですね。そして、信号強度が最も強いS9+45dB・・・IC-703では±10KHzが全く使えない状態でも、6,7KHz離れれば使えるという結果です 面白いことにLOW側に影響が出易い傾向にあるようです。DSP処理の筈なんですが、スカート特性の偏りがあるんでしょうか
 ちなみに、BWを絞っても影響周波数範囲としては特に差はなく、やはりアップコンのルーフィングフィルタ内での出来事であることに間違いないでしょう。

 TS-590のファームVer 1.06の改善項目に「アップコン時の抑圧特性の改善」がありましたが、購入したものは既にVer 1.06にアップされていますので、ひとまずこれが最低性能ということで納得しています。さらなる改善に期待・・・といっても、ハード要素でない部分での追い込みには限界があるでしょうから望み薄かと思っていますし、今回の結果程度であればバンドの端っこまで逃げる必要もないでしょう。
 さらに、ダウンコンのバンドでは10dBほど改善方向(QSTの評価などに詳細が出ています)になるということは、コンテスト時の40mや80mでかなり良い感じな気がします。今から楽しみです

 以上、あんまり科学的ではありませんが、少しはアップコンの実態に迫れたかな・・・う~ん

補足 2012/07/11
 IC-703には、ある程度以上強い信号になると、その信号がIFを通り抜けてしまう(逆サイドに信号が聞こえてしまう)という欠点があります。S9+20dB以上になると始まり、信号強度に比例して酷くなります。狭帯域フィルタを入れるとかなり改善します。

 ※ 2012/10/08 よく考えたら、キャリアポイント分はずれますね・・・。とりあえず、誤解の無いように消しておきます。

TS-590雑感シリーズ 2:「GENE」・・・ゼネカバ部分はどうよ!?

2012-07-08      
 まだ、長時間聴いたわけではないため、ひとまず触りだけにしておきます。

 ミドルレンジの実戦機であるTS-590のゼネカバ部分・・・あまり触れられていないようですが、折角付いている機能ですから聴いてみました。

 そもそも、無線をやる前(って、ガキンチョの頃ですが・・・)は「BCL野郎」だったため、何にせよゼネカバ受信は有り難いわけです。海外短波放送・・・それも何語か解らないのに結構いい感じの音楽がかかっていたりする雰囲気は、ノスタルジー効果も併せて本当によい気分転換になる時があり、特に懐かし気なステーションジングル(放送前に、その放送局独特のチャイムや音楽を繰り返し流す)を聴いたりすると、当時の記憶が蘇って・・と、この話は長くなるので止めます

 実は、IC-703は結構「BCLラジオ」として人気があるようです。ネットの下馬評では「抜群に音がいい」ということですが、それまで使っていたFRG-7(現役ですが、ハイバンドが怪しい・・・)を受信性能では圧倒したものの、音の良さという部分はあまり遜色がない気がした記憶があります(FRG-7はAFのホワイトノイズが結構あって、これが気になる程度)。
 今回のIC-703とTS-590の「ゼネカバ対決」は41mバンド・・・完全な同調はしないものの、我がステルス君2号の守備範囲とも言えるこのバンドで行いました。このアンテナを切り替えながら、同じヘッドフォンで試聴というルール。

 まずは受信感度。これは、入門機・普及機の感度がかなり高いこともあり特にどちらが優れているという部分はなく、両者とも同じような信号強度で受信できます。ノイズの中から信号を拾うというアマ無線の受信スタイルでは、個々の受信能力差を別次元で云々する必要がありますが、海外短波の珍局を追いかけるような用途でない限りは「どっちも同じ程度」と言えるでしょう。ちなみに、いわゆる「中波」についても殆ど感度差はありません。

 一方、混信に対する能力についてはTS-590の勝ち。そもそも最大5KHzしか受信帯域がないため、AM混信の特徴であるビートが全体に少ない(そもそも高いビートが聞こえない)のと、IC-703では単純な「AMナロー」(SSBのフィルタを通して受信する)しかありませんので、機能の差を含めて軍配はTS-590に上がります。かなり混信がある状態でも、目的局のアナウンサーの声だけに狙いを定めれば、何を言っているかは(勿論、何語か解らない時もあるけど)聞き取れます。
 逆に言えば、ある程度受信状態の良いAM放送の聴き易さ・音の良さは、IC-703の圧倒的勝利です。帯域内の音の再生が全て「アナログ処理」といった感じで、ちょい昔の高級BCL受信機の「ワイド」に近い音表現。ナローにすると、流石に高音域が無くなってしまいますが、TS-590では、例え最大帯域の5KHzの音調でも何か平べったい感じの音になってしまうのに比べ、随分豊かな音と言えます。

 2003年に発売されたIC-703をして互角に戦えるわけですから、昨今のゼネカバ受信は「入門機でも十分」と言えると思います。この部分を購入の決め手にはしないにせよ、付いている機能を使い倒すことも「無銭家」には大事なファクターですしねぇ ただ、アマチュアバンド外の能力が高いということは「推して知るべし」(バンド外からの抑圧に弱くなる)の部分もありますから、高級機には求められない(不要な)性能とも言えるでしょう。

TS-590雑感シリーズ 1:ちょっと変わった「First Impression」

2012-07-08      
 発売から2年近く経っていますから、軒並み「First Impression」みたいな部分は語り尽くされている感じがありますので、まだ得体の知れないうちに()慣れたら忘れてしまうような部分について、我流で少しまとめておこうと思います。

 ◆ スピーカ端子経由ではヒスノイズが多い

 本体前面にはヘッドフォン端子がありますが、昔からこの端子の抜き差しがあまり好きでなく(なんか、接触不良を引き起こしそうで・・・)、裏のスピーカ端子⇒スピーカに付いているヘッドフォン端子⇒ヘッドフォンという接続で過ごしてきました。IC-703を購入してからは、スピーカで音を聞くような習慣が無くなったのですが、先日これを入手してからまた昔の習慣に戻りました
 TS-590を購入してセットアップする際に上記のような接続を施し、いざ「初試聴」をしたのですが、ボリュームを絞り込むとかなり大きなヒスノイズ・・・。これが非常に気になるため、止む無く前面のヘッドフォン端子を出力としたところ、ヒスノイズはほとんど無し・・・。それぞれ最適な出力方式が勿論あるのでしょうが、これにはちょっとがっくり

 ◆ CW用にはグライコ調整が必須

 音を大事に考えるメーカーですから、原音に忠実な再生を・・・ということで、低周波部分はかなり良い特性を持っているんだと思います。そして、空電ノイズを始めとした「聞きたくない音」については、内蔵DSPで実現しているグライコでお好きにどうぞ という作りなんですが、CW運用のみを考えた場合このグライコ調整をしないと辛いです。IC-703には明らかにLPFが入っていて、CWモードでは高音がかなり切られていますが、こうした入門リグからの乗り換えだと最初は(グライコ無設定の場合)面食らうかも知れません。さらに、その調整範囲が少し狭い感じがします。結局、「謎の小箱」で解決しましたが、どうせグライコに託すならもう一工夫欲しかったなぁ・・・と思いました。

 ◆ NRの操作性

 NR(ノイズリダクション)については、OFF⇒NR1⇒NR2⇒OFFの順で操作します。NRの効き目は絶大で、このリグを買ったポイントの一つでもあるのですが、CW受信でも結局使い勝手が良いのがNR1。ただ、どうしても「DSP音」になるため、時にはOFFにしたくなるのですが、必ずNR2を経由してOFFに至るんでちょっと面倒。たったの1プッシュ・・・されど無駄な1プッシュなんですね・・・。

 ◆ 惜しい・・・PF A/B

 制御部分のソフト構成を考えれば致し方ないのはよく解るのですが、折角ユーザーライクに操作できるPFボタンを2つも用意したのですから、もっときめ細かい設定ができるといいなぁ・・・と思いました。例えば、受信グライコのON/OFFをしようと思っても、PFに設定できるのは「受信グライコの設定に進むor戻る」というアクションであり、「ワンタッチで受信グライコのON/OFF」とはなりません。この辺りは、メイン処理とはあまり関係ない無駄なプログラムを詰め込む必要があるため、メニューへのショートカットが関の山だったのでしょうが、もう一捻りできなくもなかったのでは・・・と「ソフト屋」として思ってしまいました

 ◆ HFと6mの運用状態を知る簡単なI/Oがない

 HFと6mの切替検出は、リニアアンプコントロール機能の論理を使ってリレーをカチカチさせて知る方法(これもプリセットが必要)で実現可能ですが、「6m運用時(或いはHF運用時)にメーク」といった端的な論理のリレー出力(或いは電圧出力)されているといいなぁ・・・と思いました。各種のアクセサリーを自作して運用するような場合に結構重宝すると思います。
 このリグのコンセプトのまま考えれば「2つの同軸コネクタがあるんだから使い分ければいいじゃん」・・・なんでしょうが、アパマンハムには同軸の本数が少ない方がいい人もいるわけで・・・って無茶の押し付けか
 
 ◆ 送信時のアクセサリー端子への12V出力電流が小さい

 これもアクセサリー自作には欠かせない端子であり、具備されているだけ有り難いのですが、どうせなら小さなリレーが動かせる程度・・・せめて50mAくらい出力できてもいいと思います。Max10mAって・・・。まぁ、2SC1815辺りで受ければ造作もないのですが、ミニリレーが直接駆動できれば便利この上ないと思いました。

 ◆ 時計って要らないかなぁ・・・

 TCXOまで積んでいるのですから、月差数秒程度の時計は組み込めるはずです。コンテスト前に時刻を合わせて、まぁ48時間くらいならまずまず正確という程度で良いんですけどねぇ・・・。或いは、カウントダウンタイマでも良いんですがねぇ・・・。皆さんは要りませんか
 電池の問題があるんでしょうが、大容量コンデンサで持つ程度のキープ(数日持つ程度が良いけど・・・最悪、発々にガソリン入れる間だけとか)でどうでしょう・・・だめかなぁ

 下の3つは、本当に我流のインプレッションでした

TS-590にしたワケ

2012-07-08      
 随分長い間「無線従事者免許」は保持していますが、「無線機歴」は案外短いかも知れません。

 本格的な「固定RIG持ち」だったのは高校の時のFT-625D(これで結構、年齢バレるよね・・・)。こいつを手放してから長いブランクの後に「自作機」で幾年か過ごし、次がTM-455・・・これは、コンテスト用に入手した70cmのオールモード機(死蔵中・・・)。その次が我が愛するIC-703
 HF機をいじり倒したのは、学生時代のクラブ局経験(FT-901)が殆ど。ですから、IC-703を手にしたときには「こんなちっこい奴で大丈夫なのかなぁ・・・」と半信半疑でもあったのですが、まぁアパマンハムという括りの中では、十分満足できるリグだと言えます。おまけのようなIF-SHIFTとDSP-NR・・・それでも、価格を考えれば大したもんだと思います。

 ここ数年IC-703で運用してきて、徐々に不満になってきたのが「ノイズ除去能力」と「混信除去機能」、そして「抑圧特性」です。これらは別々に考えるべきファクターなのですが、そろそろこれら受信能力全体をもう少し改善し、「より疲れないオペレート」がしたい・・・というのが今回のリグ買い換えのきっかけです。即ち「HF機初心者」をそろそろ卒業して中級者にならん・・・ってな案配。勿論、一気にもう少し上位機種を狙っても良いわけですが、アパマンハム故の「アンテナの制限」などを考えると、いわゆる「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性があるし、QRP志向の強い自分にとっては、普及機の価格帯で最適なものをチョイスすればよい・・・という結論になりました。

 同価格帯にはYAESUとICOMからも魅力的なリグが発売されていますし、噂の「FT DX-3000」もこの秋以降には発売の気配・・・慌てることもなかったのですが、どうも覚束ないサイクル24の太陽活動が活発なうちに楽しんでおきたいという焦りもあって、夏の賞与が出たら購入しようと決めていました。最後の最後まで「完全なダウンコンバージョンに非ず」という部分が気になりましたが、結局OM諸氏のネット記事の評判、最終的には「ロケットでの試聴」(その後も何回か行きました)を頼りに、TS-590購入に踏み切りました。発売2年目の安定性と価格のこなれ具合(税込みで170K¥台中盤)も、この決定を後押しです

 IC-703からの乗り換えですから、直前の記事に書いたように「かなりよろしい筈」という先入観バリバリでしたが、果たして実際はどんなものなのか・・・今後、暫くはこのリグについて掘り下げていきたいと思います。

TS-590入手也!

2012-07-03      
 ここ数ヶ月悩みましたが、結局コスパの良さを理由にTS-590Dを入手しました。生憎の小雨でしたが、少々重くてでかい段ボールにウキウキ 濡れるのを嫌って最寄り駅からタクシーで帰ってきましたが、慌てていたため下りしなに蹌踉け、段ボールもろともひっくり返りそうになりました



 6年前に購入したIC-703の実売価格のほぼ2倍・・・まずまず安く買えたかな ざっと聞き比べてみましたが、CWで評価が高いのは頷けます。勿論、IC-703からの乗り換えですから、個人的にはさらに評価が上がってしまいますが、ゴチャッとした40mのCWがきちんと分離して聞こえるところに唸ってしまいました

 当分はワッチ用とし、まずは操作に慣れていきたいと思います。

eQSLとlogger32と模様替えと・・・

2012-07-01      
 複数の物事に一度に手を染めると不味いのは解っているのですが、どうもこの悪癖は治りません

 前々から気になっていたのですが「電子QSL」なる世界があって、当初は「QSLは紙ですよ、紙」みたいな気持ちだったのですが、ひょんなことからeQSLにどのくらい自分宛のQSLが届いてるんだろう・・・と覗いてみたら、何と100を超えていました その中には苦労したSAやらEU連合やらのQSLが結構あり、これはConfirmしないと何となく損した気分・・・ってな感じで、諸OMの記事を参考にしてeQSLに登録してみました。
 唯一「アンカバーじゃないよ」という証明を貰うために局免をデジカメで撮って送るところがちょいと面倒でしたが、手続き自体は非常に簡単であっという間 暫し頂いたQSLとログを見比べて唸っていましたが、自分もログデータをアップしないと・・・と言うことでADIFフォーマットのお勉強をしながら、300余りのDX-QSOのログを順にアップしようという計画でした。

 ところが、ここで欲が出てきました。

 昨秋の好コンディションに助けられたことを皮切りに、QRP特記のWACやDXCCへのチャレンジなど、少し前まで考えもしなかった「楽しみ方」が見つかり、ロギングソフトとしてDX用にやはり「もう一声」欲しくなりました。そして、散々逡巡した挙げ句、「logger32」を使ってみようと思い立ちました。このソフトの機能を使い倒せるような設備・腕も無いのですが、QSL交換の種類がビューロー+eQSL、そのうちLoTWも・・・となると、その管理だけでもきちんとしておきたいという準備です。

 この週末は、eQSLへのログ登録を含め、実際にやりとりされるQSLカード(といっても、電子データですが・・・)をデザインしてアップしたり、不慣れからlogger32への過去データ登録を何度もしくじりながら進めたり・・・。そんなにCONDXが良くなかったことも手伝って、昨晩は02時過ぎまでせっせと各種作業に没頭していました。そして、今日の午前中には各種の作業を終えて一段落。

 そして午後。思うところがあって無線機周辺の模様替えを敢行。何やらおもちゃの国のようなシャックが完成しました。



 こうしてみると、IC-703ってかなりちっこいですね

 TV置きにあった無用の「地アナTV」とビデオを撤去し、機材を横並びに置いてみました。VDSLへの飛び込みがなかなか改善しないため、コモンモードを押さえる意味で「金属の百均シャック」を卒業した次第。ついでに、PCにありったけのパッチンコアを取り付けました。特にPC間の接続に使うリモートケーブルには、RIGの根っことPC側にそれぞれケーブルを巻けるだけ巻いてパッチンしました。これまで、PCのノイズが気になったことは少ないのですが、まぁこれでひとまず「精神的免罪符」にはなったと思います。
 ただ、オペレートするには高さが合わないのと、前にテーブルがないとちょっと具合が悪いため、旧友に相談してまたも「オーダーメイド」のテーブルを作って貰おうと画策しています

 結局、無線関係三昧の休日でした。
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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