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TS-590雑感シリーズ 2:「GENE」・・・ゼネカバ部分はどうよ!?

2012-07-08      
 まだ、長時間聴いたわけではないため、ひとまず触りだけにしておきます。

 ミドルレンジの実戦機であるTS-590のゼネカバ部分・・・あまり触れられていないようですが、折角付いている機能ですから聴いてみました。

 そもそも、無線をやる前(って、ガキンチョの頃ですが・・・)は「BCL野郎」だったため、何にせよゼネカバ受信は有り難いわけです。海外短波放送・・・それも何語か解らないのに結構いい感じの音楽がかかっていたりする雰囲気は、ノスタルジー効果も併せて本当によい気分転換になる時があり、特に懐かし気なステーションジングル(放送前に、その放送局独特のチャイムや音楽を繰り返し流す)を聴いたりすると、当時の記憶が蘇って・・と、この話は長くなるので止めます

 実は、IC-703は結構「BCLラジオ」として人気があるようです。ネットの下馬評では「抜群に音がいい」ということですが、それまで使っていたFRG-7(現役ですが、ハイバンドが怪しい・・・)を受信性能では圧倒したものの、音の良さという部分はあまり遜色がない気がした記憶があります(FRG-7はAFのホワイトノイズが結構あって、これが気になる程度)。
 今回のIC-703とTS-590の「ゼネカバ対決」は41mバンド・・・完全な同調はしないものの、我がステルス君2号の守備範囲とも言えるこのバンドで行いました。このアンテナを切り替えながら、同じヘッドフォンで試聴というルール。

 まずは受信感度。これは、入門機・普及機の感度がかなり高いこともあり特にどちらが優れているという部分はなく、両者とも同じような信号強度で受信できます。ノイズの中から信号を拾うというアマ無線の受信スタイルでは、個々の受信能力差を別次元で云々する必要がありますが、海外短波の珍局を追いかけるような用途でない限りは「どっちも同じ程度」と言えるでしょう。ちなみに、いわゆる「中波」についても殆ど感度差はありません。

 一方、混信に対する能力についてはTS-590の勝ち。そもそも最大5KHzしか受信帯域がないため、AM混信の特徴であるビートが全体に少ない(そもそも高いビートが聞こえない)のと、IC-703では単純な「AMナロー」(SSBのフィルタを通して受信する)しかありませんので、機能の差を含めて軍配はTS-590に上がります。かなり混信がある状態でも、目的局のアナウンサーの声だけに狙いを定めれば、何を言っているかは(勿論、何語か解らない時もあるけど)聞き取れます。
 逆に言えば、ある程度受信状態の良いAM放送の聴き易さ・音の良さは、IC-703の圧倒的勝利です。帯域内の音の再生が全て「アナログ処理」といった感じで、ちょい昔の高級BCL受信機の「ワイド」に近い音表現。ナローにすると、流石に高音域が無くなってしまいますが、TS-590では、例え最大帯域の5KHzの音調でも何か平べったい感じの音になってしまうのに比べ、随分豊かな音と言えます。

 2003年に発売されたIC-703をして互角に戦えるわけですから、昨今のゼネカバ受信は「入門機でも十分」と言えると思います。この部分を購入の決め手にはしないにせよ、付いている機能を使い倒すことも「無銭家」には大事なファクターですしねぇ ただ、アマチュアバンド外の能力が高いということは「推して知るべし」(バンド外からの抑圧に弱くなる)の部分もありますから、高級機には求められない(不要な)性能とも言えるでしょう。

TS-590雑感シリーズ 1:ちょっと変わった「First Impression」

2012-07-08      
 発売から2年近く経っていますから、軒並み「First Impression」みたいな部分は語り尽くされている感じがありますので、まだ得体の知れないうちに()慣れたら忘れてしまうような部分について、我流で少しまとめておこうと思います。

 ◆ スピーカ端子経由ではヒスノイズが多い

 本体前面にはヘッドフォン端子がありますが、昔からこの端子の抜き差しがあまり好きでなく(なんか、接触不良を引き起こしそうで・・・)、裏のスピーカ端子⇒スピーカに付いているヘッドフォン端子⇒ヘッドフォンという接続で過ごしてきました。IC-703を購入してからは、スピーカで音を聞くような習慣が無くなったのですが、先日これを入手してからまた昔の習慣に戻りました
 TS-590を購入してセットアップする際に上記のような接続を施し、いざ「初試聴」をしたのですが、ボリュームを絞り込むとかなり大きなヒスノイズ・・・。これが非常に気になるため、止む無く前面のヘッドフォン端子を出力としたところ、ヒスノイズはほとんど無し・・・。それぞれ最適な出力方式が勿論あるのでしょうが、これにはちょっとがっくり

 ◆ CW用にはグライコ調整が必須

 音を大事に考えるメーカーですから、原音に忠実な再生を・・・ということで、低周波部分はかなり良い特性を持っているんだと思います。そして、空電ノイズを始めとした「聞きたくない音」については、内蔵DSPで実現しているグライコでお好きにどうぞ という作りなんですが、CW運用のみを考えた場合このグライコ調整をしないと辛いです。IC-703には明らかにLPFが入っていて、CWモードでは高音がかなり切られていますが、こうした入門リグからの乗り換えだと最初は(グライコ無設定の場合)面食らうかも知れません。さらに、その調整範囲が少し狭い感じがします。結局、「謎の小箱」で解決しましたが、どうせグライコに託すならもう一工夫欲しかったなぁ・・・と思いました。

 ◆ NRの操作性

 NR(ノイズリダクション)については、OFF⇒NR1⇒NR2⇒OFFの順で操作します。NRの効き目は絶大で、このリグを買ったポイントの一つでもあるのですが、CW受信でも結局使い勝手が良いのがNR1。ただ、どうしても「DSP音」になるため、時にはOFFにしたくなるのですが、必ずNR2を経由してOFFに至るんでちょっと面倒。たったの1プッシュ・・・されど無駄な1プッシュなんですね・・・。

 ◆ 惜しい・・・PF A/B

 制御部分のソフト構成を考えれば致し方ないのはよく解るのですが、折角ユーザーライクに操作できるPFボタンを2つも用意したのですから、もっときめ細かい設定ができるといいなぁ・・・と思いました。例えば、受信グライコのON/OFFをしようと思っても、PFに設定できるのは「受信グライコの設定に進むor戻る」というアクションであり、「ワンタッチで受信グライコのON/OFF」とはなりません。この辺りは、メイン処理とはあまり関係ない無駄なプログラムを詰め込む必要があるため、メニューへのショートカットが関の山だったのでしょうが、もう一捻りできなくもなかったのでは・・・と「ソフト屋」として思ってしまいました

 ◆ HFと6mの運用状態を知る簡単なI/Oがない

 HFと6mの切替検出は、リニアアンプコントロール機能の論理を使ってリレーをカチカチさせて知る方法(これもプリセットが必要)で実現可能ですが、「6m運用時(或いはHF運用時)にメーク」といった端的な論理のリレー出力(或いは電圧出力)されているといいなぁ・・・と思いました。各種のアクセサリーを自作して運用するような場合に結構重宝すると思います。
 このリグのコンセプトのまま考えれば「2つの同軸コネクタがあるんだから使い分ければいいじゃん」・・・なんでしょうが、アパマンハムには同軸の本数が少ない方がいい人もいるわけで・・・って無茶の押し付けか
 
 ◆ 送信時のアクセサリー端子への12V出力電流が小さい

 これもアクセサリー自作には欠かせない端子であり、具備されているだけ有り難いのですが、どうせなら小さなリレーが動かせる程度・・・せめて50mAくらい出力できてもいいと思います。Max10mAって・・・。まぁ、2SC1815辺りで受ければ造作もないのですが、ミニリレーが直接駆動できれば便利この上ないと思いました。

 ◆ 時計って要らないかなぁ・・・

 TCXOまで積んでいるのですから、月差数秒程度の時計は組み込めるはずです。コンテスト前に時刻を合わせて、まぁ48時間くらいならまずまず正確という程度で良いんですけどねぇ・・・。或いは、カウントダウンタイマでも良いんですがねぇ・・・。皆さんは要りませんか
 電池の問題があるんでしょうが、大容量コンデンサで持つ程度のキープ(数日持つ程度が良いけど・・・最悪、発々にガソリン入れる間だけとか)でどうでしょう・・・だめかなぁ

 下の3つは、本当に我流のインプレッションでした

TS-590にしたワケ

2012-07-08      
 随分長い間「無線従事者免許」は保持していますが、「無線機歴」は案外短いかも知れません。

 本格的な「固定RIG持ち」だったのは高校の時のFT-625D(これで結構、年齢バレるよね・・・)。こいつを手放してから長いブランクの後に「自作機」で幾年か過ごし、次がTM-455・・・これは、コンテスト用に入手した70cmのオールモード機(死蔵中・・・)。その次が我が愛するIC-703
 HF機をいじり倒したのは、学生時代のクラブ局経験(FT-901)が殆ど。ですから、IC-703を手にしたときには「こんなちっこい奴で大丈夫なのかなぁ・・・」と半信半疑でもあったのですが、まぁアパマンハムという括りの中では、十分満足できるリグだと言えます。おまけのようなIF-SHIFTとDSP-NR・・・それでも、価格を考えれば大したもんだと思います。

 ここ数年IC-703で運用してきて、徐々に不満になってきたのが「ノイズ除去能力」と「混信除去機能」、そして「抑圧特性」です。これらは別々に考えるべきファクターなのですが、そろそろこれら受信能力全体をもう少し改善し、「より疲れないオペレート」がしたい・・・というのが今回のリグ買い換えのきっかけです。即ち「HF機初心者」をそろそろ卒業して中級者にならん・・・ってな案配。勿論、一気にもう少し上位機種を狙っても良いわけですが、アパマンハム故の「アンテナの制限」などを考えると、いわゆる「宝の持ち腐れ」になってしまう可能性があるし、QRP志向の強い自分にとっては、普及機の価格帯で最適なものをチョイスすればよい・・・という結論になりました。

 同価格帯にはYAESUとICOMからも魅力的なリグが発売されていますし、噂の「FT DX-3000」もこの秋以降には発売の気配・・・慌てることもなかったのですが、どうも覚束ないサイクル24の太陽活動が活発なうちに楽しんでおきたいという焦りもあって、夏の賞与が出たら購入しようと決めていました。最後の最後まで「完全なダウンコンバージョンに非ず」という部分が気になりましたが、結局OM諸氏のネット記事の評判、最終的には「ロケットでの試聴」(その後も何回か行きました)を頼りに、TS-590購入に踏み切りました。発売2年目の安定性と価格のこなれ具合(税込みで170K¥台中盤)も、この決定を後押しです

 IC-703からの乗り換えですから、直前の記事に書いたように「かなりよろしい筈」という先入観バリバリでしたが、果たして実際はどんなものなのか・・・今後、暫くはこのリグについて掘り下げていきたいと思います。
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
こおるさいん:JM1DPL

アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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