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エレキーの「エ」

2013-07-29      
 使用するPICを決めてから徐々にエレキーの設計を加速し始めました。昔は手書きでノートにあれこれ書いて進めていた設計作業も、必要事項はExcelファイルにまとめる方式にすることで「修正」が楽になり、もうこの方法から元に戻ることはできないんだろうなぁ・・・と思いつつ、ポートアサインやら送信速度毎のクロック設定値などをまとめていき、漸く「設計」はほぼ完了・・・エレキーの「エ」くらいまでは進んだでしょう

 機能的には、5つのファンクションボタンによるメッセージキーイング機能を中心に、長・短点メモリ+メモリ禁止時間設定ができるようにし、いわゆる「モードB」のスクイーズ動作で動くもの、速度調整は15WPMから40WPM程度で良いかなぁ・・・ってな具合で特に何にもひねりはないんですが、TUNE機能(長時間のキーON)と送信中のスピード可変(これは、秋月のエンコーダで十分でしょう)を必須とし、さらにファンクションボタンを多めに付けることで後から気づいた機能追加にも対応できるようにしようと思っています。

 基本クロックは消費電力的には遅い方が有利です。今のところ内蔵クロック使用で500KHzと考えていますが、PICのプログラム動作クロックは、基本クロックの1/4ですから1命令=8μs・・・1秒間に12万5千ステップも動くわけで、もっと遅くても良さそうですがひとまずこれで。また、基本的な処理は割り込みにキックされて動くまで「寝て待つ」ような構成にすれば、ちょっとした「間」にも寝ているような省エネ処理ができそうです。
 ただ、メモリ入力等にLCDは具備しておきたく、動作時に2,3mAは食ってしまうこいつのON/OFFについても一工夫要りそうで、今のところは空いたポートを電源供給に使い、LCDが要らないときは切っておく作戦で行こうと思っています。

 一昨日の土曜日にはプログラム開発環境を整え、例によって「些末」なチェック・・・コンパイラの展開形を吟味しながら、使いそうな型定義やマクロをこしらえつつ、初期処理っぽいところには着手しました。全市全郡までには、少なくとも「スクイーズ動作できるエレキー基本部分」までは作ってしまいたいと思っていますが、はてさて、どうなることやら

PIC16F1829に決定!

2013-07-23      
 秋の全市全郡に向けての準備・・・結構間があるとはいえ、ボンヤリ過ごすとあっという間に近づいてくるこのコンテスト向けに、外付けのエレキー製作を画策しています。「目移り症」であることは前から判っていて、ローカルノイズの撃退工作やトランスバータの製作等々宿題は沢山あれど、やはり「期日が決まっているもの」の方が気になります。さらによく考えたら、この夏休みは家族旅行で埋まってしまい製作時間が案外少ないこともあって、ちょっと焦ってきました。
 エレキー作成では、自分的には勿論PICの出番なんですが、少し前にあれこれ味見していた「XC8」の気になる不具合が直ったことも製作に向けて動ける原動力に。さらに、アセンブラより生産性で圧倒的に有利なC言語で作ろうと、先週辺りからあれこれ悩み始めていました。

 エレキーの単機能としては長・短点メモリの付いた小型のもので十分であり、それならPIC12Fシリーズでも良いんですが、逆に「納得できる機能を具備したもの」を作ってみるのも一興。ファンクションスイッチによるメッセージ・キーイング機能付きのものを捻り出そうと、このところ思案を続けてきましたが、具体的な形に持っていこうとプログラミング準備に入る傍ら、必要機能を実現するためのI/O数などを考え始めました。そして、18本のI/Oが制御できるPIC(=20ピン)、それも拡張ミッドレンジのもので、ある程度の量作り込んでもメモリがパンパンにならないものを探していたんですがなかなか見つからず そこで、常套手段である本家Microchipのホームページから順を追って探していったら、PIC16F1828/1829を発見しました。

 このPIC、秋月の「PIC16Fの20ピン」という辿り方では見つからず(秋月のホームページの仕分けが上手くないです)、かなり遠回りをしました・・・が、結局秋月にも売っていて、よりメモリの多いPIC16F1829が150円也 これで行くことにしました。



 エレキーの入出力をざっと分けると、入力にはパドルやエンコーダ、スイッチ類が居並び、出力はLCDとキーイングTR程度・・・圧倒的な「入力マシン」であるエレキーは、殆どの時間を「入力待機状態」で過ごす代物です。即ち、何らかの入力が無いときはほぼ「待ち状態」ですから、入力トリガの割り込みで起き上がるような仕掛けができれば、かなり省電力の(ひょっとしたら、電源SWが不要になるぐらいの)エレキーができそう。そこで、入力ポートの変化で割り込む仕掛けが欲しいなぁ・・・と、このPICのマニュアルをしげしげ眺めていたら、「INTERRUPT-ON-CHANGE」という機能を発見 これぞ、PICの「スリープを呼び覚ます入力割り込み」として利用でき、省電力対策は万全となりました

 一方、スイッチ操作に付きものである「チャタリング」には、それを取り除く仕掛けが付いて回ります。これは、ルックイン方式のタイミング論理(プログラム論理)により解決できて造作もないんですが、結果的に「ルックイン=間欠動作」となるため、省エネ的には不利。まぁ、次回のルックインまでタイマ割り込み待ちで寝るっていう方法もあるんですが、とにかくスイッチ数が多く面倒・・・何とか複数回のリードをせずに済む「CR+シュミットトリガ」辺りで抑え込みたく、PICの外にシュミトリ(74HC14辺り)でも並べるべか・・・と思いつつこのPICのマニュアルを眺めていたら、何と全てのポートをシュミトリ仕様に設定できることが判りました。つまり、CRのパッシブ部品で時定数だけ作ってやれば何とかなるということに

 今回のPIC選定でPIC16F18xxシリーズのマニュアルをかなり眺めることになりましたが、ピン数もさることながら個々の具備機能が少しずつ違っていることを含め、結構様々な用途に使えることが判りました。特に今回選定した「1829」は、プログラム空間が8Kワード、自由に使えるSRAM領域(GPR)が1Kバイトもありますから、C言語で開発しても1Kライン程度(無論、乗除算等が多いと厳しいですが・・・)は組み込めてしまいそうです。クロックも最大32MHzですから、かなりの用途に使えるのではないかと思います。

電源に温度計を付けて完了!?

2013-07-21      
 我が家のある千葉県北西部も6月末から先々週までの暑さがウソのように引っ込み、先週は一気に涼しくなり、週末に向かって漸く初夏らしいまともな暑さになりました。最高気温が30度程度では流石にダレているわけにいかないんですが、昨日はイベントがあって朝から晩まで飲んでいたため、今日は「へばりモード」。昼食前にノロノロと起き出しました。

 先週は、仕事の合間にサトー電気さん(川崎店)や秋葉のあちこちに寄って細々した買い物をしたんですが、秋月に寄った折りに店頭で安いデジタル温度計を発見・・・1つ買ってきました。この間処置を講じた電源の常温下げ対策の最中に「温度計入れちゃおうか」と、あれやこれやと重宝している手持ちのデジタル温度計の取り付けを考えたんですが、この温度計は今後も実験で使う気がしたため諦め、まぁ機会が有ればと思っていたところに安い温度計を発見した次第。
 この手の温度計の殆どはそのセンサー部分が「金属棒」のようになっていますので、これを電源内のヒートシンクにくっつければいいだけですから取り付け作業自体は至極簡単なんですが、このセンサー部が些か大きくそのままでは取付が難しいことからちょいと細工しました。



 まずは、温度計をばらしてセンサー部のケーブルの接続部を外し、ケーブルを一旦抜いてセンサーをその状態で取り付け、ケーブルを電源の裏パネルのスリットから表側に通して温度計に付け直す作業です。
 センサーのプラ部分を少しずつ輪切りにして外していき、うまく填る所まで短くして押し込みました。シリコングリスで埋めても良かったんですが、案外がっちり密着したんでひとまずこれで様子見。右に見えるパワトラの近くに配置できましたから、測定場所としてはかなりイイ感じでしょう。
 この作業はものの30分ほどで完了。序でに、さびが出ている電源の外ネジを一緒に買ってきた化粧ネジに替えてちょっと見栄え良くしました

 作業が終わって、早速温度測定開始です。



 時計の温度計が室温、その下が電源の筐体外の温度、一番下が今回取り付けた電源内ヒートシンク温度です。測定開始から40分くらいに撮影しています。



 ヒートシンクの温度は結構長時間安定せず、ズルズルと上昇していきますが、概ね2H程度で落ち着く感じのようです。筐体外の温度は前回測定時よりかなり低く、室温+1℃程度をキープ・・・取り付け位置が微妙に違うせいかとも思うんですが、ちょっと不思議な感じです。また、この間の室温変化は0.1℃(測定開始時点では27.3℃)ですから、データとしてはまずまず「本物」が取れたと言えるでしょう。
 この後、家人の部屋の出入りで室温が上昇してしまい(27.9℃)、それに連れてここの温度も上昇しました(筐体外が29.1℃、ヒートシンクが47.2℃)が、この条件でもほぼ安定していますので、「室温30度程度で概ね50℃以下」の温度管理ができそうです。

 何れにせよ、これで「中の温度はどうなっているか」という部分は常に確認できるようになりました。内部温度が分かるだけでも、かなり安心して運用できそうです。
 本当はシャント抵抗を入れて電流計も付けてしまおうかと思ったんですが、購入したセメント抵抗(0.01Ω2W)のラジアルが細くてちょっと気になったため、この取り付けは諦めました。何れ電流計は取り付けようかと思いますが、ちょっと飽きたんで暫くはこれでいこうかな

電源の「常温」を下げるプチ改造

2013-07-14      
 漸く手にした「QRPメインの50W機用電源」でコンテストにも参戦できてご満悦・・・だったんですが、昨日、先週の猛暑疲れを癒やそうと、ノイズが少なくなったTS-590で民放(AM)を聴きながら半分昼寝気味で涼んでいたとき、何となく気になって電源の横っ面を触ってみると、結構熱くなっていることに気づきました



 電源の収納はこんな感じでかなり窮屈、かつ周りは「木」ですから保温性は抜群 このラックのバックボードは、前にここに入れていたHDビデオの裏配線をし易くするべく適当に切って穴開けしてあるんで、まぁ空気を流通させようと思えばできるんですが、この電源のファンはある程度温度が上がらないと(中のヒートシンク温度が60℃以上にならないと)回らないため、ほぼ「どよよ~ん」と暖まった空気が電源を包んでいるような感じになってしまうわけです。

 電源の横っ面を手で触って少し熱く感じるということは多分40℃近くにはなっているだろうと思い、例によって先日もヒートシンク温度を測った温度計(これ、結構大活躍だなぁ・・・)のセンサー部を手で触った辺りにセロテープで貼り付けて様子見。すると、グングン表示値が上がってあっという間に39℃超・・・電源の筐体外部温度ですから、中のヒートシンクはさらに高温になっているのは確か ただ、電源に を近づけても内蔵ファンが回っているような音はしてきませんでしたから、「40℃以上60℃未満」で安定しているんでしょう。まぁこの程度なら気にせんでも良いんでしょうが、あまり気分は良くありません
 そこで、PCの「クロックアッパー」だった頃に筐体内温度を下げる工作を幾度もしてきた経験()で、小型の低速・静音ファンを取り付けてしまおうと思いつき、amazonでそれらしいファンを物色、プレミア会員特権の「翌日配送」を使って注文したら、何と今朝起き抜けの09時過ぎに到着しました。

 この手のファンは、チビっちゃいものの方が取付には有利なんですが、静音性については大きい方が有利。一方、電源の高さが10cmしかありませんから「口径8cm」と決めた上で、失敗しても痛い目に遭わない「安くて静かそう」なものを選びました。



 500円でお釣りがくるこのファン・・・自慢気に「Silent」と書いてあります 早速、安定化電源につないで回してみると、確かにかなり静かでイイ感じ ただ、今回の取付は内蔵ではなく「吸い出し」の形で筐体の裏面に付けるため、スリットとの関係で風切り音がどうなるかは付けてみないと判らないという「賭け」になりました。
 また、このくらいの口径のPC向けファンは12V仕様が殆どであり13.8Vではちょいと電圧が高めになるため、80mAで回るこのファンに対して22Ωの抵抗を直列に入れてみました。これで大体12Vになる勘定・・・電圧はテスターで当たって確認、若干回転数は落ちたものの正規の動作ですから、これで準備は完了です。



 取付はスリット部分を少しこじって3mmビスが通るようにし、下部の2穴分で固定しました。さらに、元々のACケーブル固定ブッシュが大変大きくそのままではファンの取付ができなかったためこれを外したところ、ちょうどACコードとファンのケーブルが引き込める程度の隙間ができたため、両方をここから引き込みました。このファンのケーブルはどういう訳かきちんと「保護ネット」を被っていて、何か「これ用」みたいな案配で直接引き込んでも安心、ACケーブルの方は熱圧縮チューブを三重に重ね、金属接触部分と擦れないよう保護しました。

 さて、この改造の結果ですが、昨日のように民放聴きっぱなしの状態で1時間半ほど放っておいたところ、同じ測定条件で「室温+3℃」程度で安定しました。例の横っ面を触ってみた感触も「ぬるい」といった程度・・・明らかに昨日とは違います
 また、ファンの回転音については入れてある場所が場所だけに殆ど聞こえず、電源前に を寄せて10cmくらいの距離で漸く「何か回っている音がする」といった程度ですから合格でしょう

 以前は灼熱の納戸たる我がシャックも、エアコンの掃除と途中の部屋のドアを取っ払ってエアフローを改善したため、滅多に30℃以上にならなくなりましたが、この改造自体も思いつきにしてはまずまずの成果と言えそうですね。

全市全郡に向けた2mと70cmの覚書

2013-07-11      
 先日の6m and Downにはモビホで2mと70cmに参戦しましたが、全市全郡への対策として、この2バンドのQSO数なんぞをまとめておきます。

BAND局数マルチ
6m9012
2m5611
70cm399
合計18532

 感覚的ですが、8mHのモビホにしては良く稼いだ方だと自画自賛・・・なんですが、全市全郡ではもう少し移動局等が減ってしまう反面、特に「電離層」やら「地磁気」は関係ないんで、HFで暇になるような時間帯にオンエアできると「局数稼ぎ」はできそうです。この2バンドで50-60局くらいの増量は見込めるかな 6mも序でに表に入れてありますが、どうやらこのバンドは100局程度というのが定番になりましたね。
 しかしこうなると、やはり「仮眠」をどう取るかが課題になります。夜中や朝方には、流石に70cmは閑古鳥でしょうし、2mだってきっとデュープだらけでしょうから、夜中は80mで踏ん張りつつ朝5時に納竿して仮眠開始⇒朝7時台に起きて再開・・・というのが良さそうです。

 また、この2バンドは「八木系にグレードアップ」という手もあります。北にはビームが振れませんが、設置の仕方によっては埼玉・群馬・長野の方向には向けられるかも。或いは「スカイツリー反射」なんていう方法も・・・って、お前はQRPじゃろがぁぁぁ

 総じて、200局超から「目標300局」というのが今秋の全市全郡の目標になるでしょう。まだ随分先ですが、今から楽しみになってきました

赤いノズル

2013-07-11      
 機械好きの工作マニア・・・とは言わずとも、「なんかちょっとさび取りしたいなぁ」とか「ドアのきしみ音が気になるなぁ」といった方々は既に手にしているであろう「CRC 5-56」。確か自分が小学生の頃(だから、ずぅ~っと前)に出現したように思う。

 それまでの潤滑油はいわゆる「機械油」で、何だかいろんなものをダメにした記憶があるが、5-56のお陰でかなりシュールに潤滑できるようになった。チャリンコのスポークを磨いたりハンドドリルのきしみを除去したりと、それこそ重宝した。そして、当時買ったものがまだ現役で我が家に存在していたりする。スプレーを振って確かめてみると、まだ半分くらい残っていそうな雰囲気・・・良く変質しないなぁと思うんだが、実は変質しているのかしらん

 このスプレー式の缶には10cmほどの赤いノズルが付いていて、回転軸への充填など、細かい箇所への噴射にはこのノズルが欠かせないんだが、いつしか姿が見えなってしまった このノズルが無いと、潤滑剤が余計なところにも付着してしまうんでちょっと扱いが厄介になった。仕方なしに家族愛飲の豆乳のストローでお茶を濁していたが、過日DIYの行くと、なんとこのノズルだけが売っているのを発見



 今日は、ガタが来始めた扇風機の補修をせんと、帰宅後に扇風機を分解して軸部分に噴射 本当は、もう少し粘性がないとダメなんだろうが、週末には扇風機を新調しても良いかなぁ・・・と思っており、要は2日間持てばいいんで応急処置した次第。回転もスムーズになり、我が納戸に涼風を運んでくれるようになった。

 ただ、こうなると、きっと新調せずに夏を乗り切っちゃったりするんだろうね

TM-x55兄弟のQRP化

2013-07-08      
 海外では、リグの回路図を含めた事細かな詳細仕様が「Service Manual」として発行されます。相変わらず「Made in Japan」のリグが席巻するアマ無線界で、お膝元の日本では滅多に出会うことができないサービスマニュアル・・・。しかし、ネットの普及によって、海外の詳細マニュアルが比較的簡単に入手できてしまうわけです。
 今回は、2mと70cm用の10W機「TM-x55」についてQRP化を施すべく、このリグの「LOW POWER」に注目、パワー調整用の半固定ボリュームをいじって「5W機」に仕立ててみました。

 入手したマニュアルでは、「LOW POWER」時(このリグには出力のHIGH/LOW切替があって、10W/1Wの切替がワンタッチになっています)の調整ボリュームが「VR-401」となっており、これで5Wまで出力を上げればよいだけです。



 このボリュームは内蔵スピーカの下にあるんですが、マニュアルの図があまり親切でなく、少々迷ってしまいました。写真は、リグ内部のスピーカを外した状態であり、その穴手前のオレンジの奴がVR-401です。これを、パワー計を見ながら頃合いに調整しました。



 「SWR計+ダミー」で測定したため、心持ち5Wよりちょい低め・・・4.7Wくらいに設定しておきました。ひとまずこれで、QRP部門への参加が「1タッチ」でできるようになりました。

2mと70cmのコンテスト対策@CW

2013-07-08      
 今年の「6m and Down」は2mと70cmの味見としての参加で、課題が沢山見つかりました。忘れないうちにまとめておきましょう。

 何と言っても「TM-x55兄弟」という古めの(いや、結構古い)リグでの参戦ですから、普段の運用では大丈夫でも、コンテストでは近接局の混信・相互変調には脆いことは解っていましたが、「ベランダのモビホ運用」という決してバリバリ入感するような状態でない場合にどんな風なのか・・・という部分が今回の味見の中心です。HFでは、この上に「ローカルノイズ」という課題が乗っかってくるんですが、まぁそこは流石にクリアでしょう・・・という予測でのコンテスト参戦でした。

 この記事の目的は「備忘録」ですから、箇条書きでまとめてみます。

 1) S9+20dBの信号で、既に周辺10KHz程度は使えない
 2) IF-SHIFTで高域をカットすると、逆サイドバンドで通り抜けが発生(整備不良
 3) CW用には外付けのちょっと狭いオーディオフィルタが必要
 4) 外部スピーカ端子はモノラルのため、ステレオヘッドフォンでは片耳運用
 5) 外付けのエレキーが必要(手打ちでは限界が・・・)
 6) ロギングソフトとの親和性は(CWキーイング以外)皆無

 上記3)~5)は対策できそうですが、その他は簡単にはできず・・・。6)は我慢するとしても、致命的なのは1)と2)です。この点は、自作のトランスバータをHFリグにつないだ方が良さそうで、今後少しずつでもトランスバータの組み立て(だって、部品はある程度揃っていたりしますからねぇ・・・)にシフトしていった方が良さそうですが、こんなのいつになることやら TS-2000などの「HF~UHFオールインワン」のリグならこの辺りは解決しちゃうわけですが、HFの受信性能が犠牲に・・・。我がTS-590の6mはアップコンなんで、このバンドにトランスバータでは「悪いトリプルスーパー」にもなりかねず、だったらTM-x55兄弟の方がマシかも知れんし、ダウンコンの最も高い周波数である15mでは、「親機」としてはちょっと難しいし・・・と、良い答えが出ません。
 まぁ何れにせよ、全市全郡までにトランスバータを完成させるなど無謀以外の何者でもないんで、上記3)~5)の解決が関の山でしょう。

 もう一つの大きな課題は「バンド切替」。リグ云々ではないんですが、HF+6m,2m,70cmという「3つのリグ」に対して、アンテナとヘッドフォンとキーヤーを切り替える必要があります。HF+6mはセッティング済みですから、その他の2バンドへ如何に早くQSYできるようにするか・・・仕掛けは簡単ですが、結構面倒な「スイッチの固まり」の製作も必要になりそうです。

 まだ3ヶ月前・・・されど3ヶ月しかないとも言えますから、あまり悠長に構えず順に課題解決したいと思いますが、何かFT-817みたいなリグを買っちまった方が早い気もします。まぁ、買わないだろうけど

6m and Down 2013 参戦記

2013-07-07      
 副題:下手な「手打ち」で恥を晒しても、丁寧に拾ってくれる有り難さ

 普段のコンテストは、それなりにきちんと準備して迎えるんですが、正直このコンテストは2m,70cmの「味見」が主目的。この新たなバンドは、ステルス君の横にセットしたモビホ・・・つまり、マンション3Fのベランダに設置しての運用ですから「まぁ、知れてる」と思いつつも、果たして何局ぐらいQSOできるのか、一体どこまで飛ぶのか(これは流石に、関東近県でしょう)という部分はちょっと興味が湧きます。
 また、6mは新たに導入した電源が比較的長時間運転することでどうなるか・・・端的には、どの程度の熱を孕んでファンが回り出すのか(出さないのか)を確認したいという部分もあります。
 まぁ、何れにせよ「味見は味見」ですから、開始日の昼間は「デジカメを見立てて欲しい」という娘に引っ張られ、秋葉原を一周してきた挙げ句、あろう事か、帰ってきてから「TM-x55兄弟」のQRP化を施すのをすっかり忘れていたことに気づく始末・・・。それでも、単に半固定ボリュームを回すだけですから、何とかギリギリ間に合いました(この様子は、後で別記事に書きます)。

 スタートはやはり6mにしました。ひとまず1Hほど流して盛況ぶりをチェックしようと毎度のペースでS&Pしてみると、結果的に20局/Hという比較的ハイペースです。弱いEスポの沖縄、ちょっとパイルチックになっていた長野の移動局に時間を浪費(何れもQSOできず)していますから、ひょっとするともう少しいけたかと思いますが、このコンテスト特有の盛況ぶりが窺えました。

 さぁ、22時に70cmへQSY。TM-455にヘッドフォンを差し込むとステレオミニジャックに非対応で片耳しか聞こえず、「嗚呼、事前準備不足」と若干凹むも、とにかくデビュー優先とばかりに強めの局を呼び出すと、流石に一発応答・・・はいいんですが、やはり「手打ち」では高速キーイングもままならず、かつ力むんで「ド下手」もいいところ この苦行を一昼夜以上続けるのか・・・と、少し気が重くなりました。
 手打ちの場合、自分は短点が多いのが苦手です。綺麗な間隔と長さで連続的になかなか打てず、「59912P」の「5」が全然ダメ 結局「ゆっくり打つ」しか打開策がなかったため、まだ始まったばかりとも言えるコンテストで、相手局にちょっと迷惑になるほどの「低速キーイング」のお相手になって貰う羽目に・・・。それでも、丁寧な「ご挨拶」を頂いたり、「FB QRP」などと応援頂いたり(って解釈でいいんですよね)と、ガツガツしたコンテストモードの雰囲気でない部分に救われました
 それにしても、やはり「片耳受信」はちょっと難儀で、「何か解決策があるべなぁ」と思案。すると、以前に購入したNRスピーカが確か上手くやっていたのを思い出し、リグとヘッドフォンの間に挿入・・・難なく解決し、これで一段落。45分間で15QSOとなり、大体様子が分かったんで2mにQSYしました。

 2mも傾向は同じです。ややノンビリとした雰囲気で、ヘタクソオペのお相手をして頂きました。参加局数は70cmより多いイメージです。絶対的な局数もさることながら、案外「アンテナの指向性」みたいな部分があるのかも知れません。70cmの方が「YAGI率」が高そうですもんね。交信局数は、50分間で21QSO 6mを凌ぐ勢いです。やはり、局数が多ければそれだけ「稼げる」というわけで、このバンドも捨てがたいものなんだなぁ・・・と痛感しました。マルチも6mと似たような傾向で増えていきますから、Eスポを除けば「VHF帯」なんですね。
 23:50を過ぎて6mに戻りましたが、ここまでのQSO数が既に57QSO・・・大凡20局/Hのハイペースで進んだわけです。全市全郡の対策として考えると、2mと70cmは局数稼ぎのバンドとも言え、「本番」たる今秋の全市全郡に気合いが入ります

 さて、ここまで6mは初っ端だけの参戦ですから、未交信局が結構いるものと踏んで下りていくと、やはり結構なレートで局数が伸びます。その後の1Hで19QSOですから、スタート時点からほぼ同じペースで局数が伸びていく感じ。また、この後も2mと70cmを覗き見しながら過ごしていると、結果的に「仮眠は3時から」と決めていた開始6Hで100局を超えてしまいました これは思った以上のハイペースです。まぁ、このコンテストも移動局が多いため一概には言えませんが、全市全郡の自己ベスト交信のためにも是非活用すべきバンドであることはよく解りました。
 仮眠前には、不敵にも2mでCQを出してみました。メッチャ遅い手打ちの「CQ TEST」に数局からの呼び出し有り。V/UHFで5Wは最早QRPに非ず・・・ですね。

 計画的に2Hほどの仮眠を取り、5時半には復帰。「味見」だったはずの参戦が、局数の意外な伸びに結構マジモードになってしまい、恒例のEスポ待ちです。NICTのイオノグラムと睨めっこしながら、朝方の2mと70cmの様子探り。流石に70cmは静かになっており数局QSOしましたが、相変わらず2mは、06時台でも10局/Hの比較的ハイペースです。
 Eスポ自体は、出るときゃ夜中にでも出るわけですが、まぁ午前中と夕方がメイン。従って、午前中タイプの出現を待ち構える格好になるわけですが、これがなかなか出ません。勿論、毎日出現するものでもないんですが、昨年は23マルチでしたから、「最悪、九州辺りは埋まるべ・・・」と高を括っていました。ところが、09時、10時・・・と時間はまさに「Eスポタイム」たる時間になっても、移動局がGWやスキャッターで拾っている程度の様子で、我がシャックには欠片も聞こえてきません
 基本的に6mはダイポール、他の2バンドがモビホになるわけですが、もう切り替えるのも面倒になって6mもモビホで運用・・・しかし、応答率は良くありません。それでも暫く6mでモビホ運用していると、普段は絶対に聞こえない岐阜が入感 それこそカスカスで、漸くコールをコピーしたところで「やっぱ、ダイポールでしょ」と勇んで切り替えると、何と聞こえなくなってしまいます・・・。慌てて元に戻すと、相変わらずカスカスですが時折S=2くらいまでフワッと浮かんできます。とにかくQSO・・・ということで、QSBの「山」を利用しながらちょっと苦労しましたが、何とかQSO成立
 確かにモビホの方が岐阜県に3mほど近いわけですが、そのお陰というより(って、当たり前だ)「到着時点の偏波」が垂直に近かったというところでしょうか。近場とEスポはダイポールの方が良さそうですが、垂直系でも様子を見てみる作戦は「有り」かも知れません。

 その後も強いEスポは出現せぬまま、終了時間が迫ってきます。昼前には厚かましくも、そしてまたしても「ヘタクソ手打ちCQ」を70cmで出して5局ほど呼んで頂いたり、漸く沖縄だけ6mで拾ったりしました。14時過ぎに一度、鹿児島や長崎がちょっと浮かんできたものの、QRP故の悲しさでパイル負け そして15時・・・終了を迎えました。

 記憶に留めておきたい課題は別記事にするとして、やはり今回も記念撮影で幕にしました。



 今回の主役はTMM-x55兄弟 いえいえ、HIMONDの電鍵でしょうかね・・・Eスポが出なかったのは悔やまれますが、何だかんだで総QSO数が185・・・と、結構楽しめたコンテストでした。

自分の運用スタイルに合う電源

2013-07-05      
 我が愛機TS-590Dは勿論「純正50W機」ですが、殆ど99%以上「QRP運用」しかしていないため、同時に買ったALINCOのスイッチング電源のフル稼働は事実上「無い」と言えます。
 一方、この電源は小型で非常によい代わりにスイッチングノイズが結構酷く、若干対策したこと(ラインフィルタを入れた)で80mでは何とか使えるものの、160mはいちいち、電源本体のノイズオフセットボリュームをいじる羽目になります。さらに中波帯は壊滅的で、まともに聞こえるのは文化放送とNHK第二くらい もう少し広いシャック、かつアンテナがリグから離れているならならいざ知らず、この「ノイズの猛者」には手を焼いていました。

 多分、余程の生活の変化で引っ越すことにでもならない限り今の「アパマンハムライフ」は続くと思われ、移動局免許の範疇ではQROといっても「50W」でしょうから、少し前から電源のすげ替えを画策していました。本当にQRPに徹するなら、勿論4,5Aくらいの電源が有れば余裕。以前にIC-703とのコンビで使っていたDIAMONDの電源・・・これは定格5Aなんで行けなくはないんですが、やはり「いざとなったら50W」(いざってなんだ)ということもあり得るなぁと「20Aクラス」の電源を探していました。勿論、既製品には頃合いのものも存在するし、逆に30Aのトランス式の電源も万券1枚半くらいで入手可能・・・なんですが、今のシャックの構造から「高さが10cm程度のものでないと収納できない」という制限もあって、ずっと後手後手になっていました。

 先週、何気にネットをウロウロしていたら、一世代前のKENWOODのリグ用電源が目に留まりました。電源は結構長く使うものですから、しっかりとしたメーカーのものが安心・・・そう言う意味では合格であり、高さも11cm弱でこちらもクリア。しかし、少々古いなぁ・・・と思い暫し逡巡。ところが、「回路図さえ入手できれば多少古いものでもメンテしながら使えるんじゃね」という悪戯悪魔の囁きに導かれて回路図を探すと、何と見つかってしまうわけです 結局、手に入れてしまいました。内部の掃除をしつつケミコンの具合を見ましたが、特に目立った変形もなく、まだまだ使えそうな雰囲気です。
 早速リグにつないで、ローバンドや中波のノイズのチェック・・・当たり前ですが見事に解消 民放各局に混じって、久しぶりにお隣HLとBYの放送が聞こえてきてニンマリ これで電源ノイズとの戦いは終わり、また一歩「クリーンオペ環境」に近づきました。

 さて、この電源内部には、パワトラのヒートシンクに直付けのサーミスタで温度検知し、一定以上になると回り出すファンが付いています。こいつが煩かったら弱るなぁ・・・受信ノイズが減って室内ノイズが増えたんじゃぁ、あんまり面白くありません そこで昨晩帰宅後、SWR計にダミーを装着して様子を見ながら50W連続送信し、この機能がきちんと動くのか、さらにはファンの音はどうか確かめてみました。



 ケースの隙間からヒートシンクにセンサー棒の部分が当たるように温度計を差し込み、サーミスタの両端電圧を測りつつ長めに送信していると(途中、リグの負担も考えて少し間欠的にした)、7,8分を経過して丁度60度を少し超えた辺りでファンが回転し始めました。かなりの静音設計で、フタをしたら聞こえないかも知れないほどです。室内ノイズとの戦いは「不戦勝」と言ったところでしょうか この電源の定格は、6Aまでが定常状態でファンは駆動しない仕様を謳っており、そう言う意味では「QRPでまだまだ行くぜぃ」の自分としては、そもそもこのファンの騒音を気にする必要はなかったわけですが、それでも大いに安堵しました。
 この状態でさらに送信を続けると、流石にファンの風力だけでは温度上昇が鈍くなる程度ですが、送信を止めるとどんどんと温度が下がっていきます。そして、45度辺りまで下がるとファンが自動的にオフになりました。

 ちなみに、以前に測定したTS-590Dの50W出力時の電流量から、50W送信時の各バンドの平均電流量である凡そ15Aを消費している状態でどれだけ持つか・・・という部分は、「1分送信、1分受信」を保証していますから、まぁ普通の運用では困らないでしょう。因みに100W出力を仮定した場合の20A程度の電流量では、デューティー比25%を保証しているようで、まぁそこそこ余裕もありそうです。

 今年の夏ボーは「民族大移動」(家族揃っての旅行です)で殆どパーなんで、ひょっとしてこの買い物が唯一の「自分へのご褒美」になるかも知れませんが、まずまずの買い物ができたんじゃないかな
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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