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釣竿アンテナお手軽実験結果

2014-10-26      
 オール千葉コンテスト移動を利用して釣竿君の「地ベタ特性」を測定し、我が常置場所・・・約8mHのベランダ設置の実測データと比較してみました。

 千葉コンでは、地面に無造作にビニール被覆線を這わせてそれをグランドに見立てた形で設営。場所は駐車場の端っこの方で、下は主に砂利なんですが雑草も結構生えていたため、所々砂利から浮いています。そういう意味では、「平均地上高が数センチのカウンターポイズ」とも言えます。
 このビニール線の引き回しとラジエターの関係は、大凡以下のような格好です。



 とりあえず大凡の波長を意識して、40m用に2本、80m用に1本用意した感じです。これをMMANAでシミュレート・・・引き回しが適当なため、どんな風な挙動になるのか興味津々だったわけですが、地上高1cm~10cmでは大凡15Ω程度の純抵抗値となりました。直前の記事でシミュレートした「仮想釣竿君」(4本のラジアルに釣竿君のラジエターを乗っけた形)とほぼ変わらない感じです。

 さぁ、お待ちかねの()測定結果・・・意に反してと言うか何というか、とりあえず我がベランダ設置時と並べてみました。



 同調周波数は殆ど変わらないと言っていいでしょう。同調点の純抵抗分は、ベランダでは67Ω、地面では58Ω・・・何れも、MMANAのシミュレーション結果とはかけ離れていますが、そもそも論として、MMANAの「波長に対して地上高がかなり低い場合に、インピーダンスがかなり低くシミュレートされる」という部分も考慮しなければならず、ローバンドで低い地上高のアンテナでは「傾向を知るためのシミュレータ」と考えた方が良さそうです。そこで、シミュレータを替えてみて・・・と、この先はちょっと別のアプローチになりそうなんで、この記事には書きません

 もう一つのバンドである80mも同様に比較しましょう。



 こちらは、ベランダ設置の方が安定しているように見えます。同調周波数の違いもさることながら、純抵抗分が同調点でベランダが41Ω、地面が75Ωと大きく違っています。やはり80m用として準備した1本のビニール線では、効率の良いカウンターポイズとして動作していない様子。逆にベランダの方はそこそこの値に落ち着いているように見て取れますが、やはり「どのくらいのインピーダンスが妥当なのか」がハッキリしないと・・・。

 では、ちょっとまとめてみましょう。

 ◆ 地ベタアンテナのインピーダンス

 今回の地ベタアンテナについては、カウンターポイズとして用意したビニール線が貧弱・・・というか本数が少な過ぎたため、きちんとした比較はできませんが、40m においてはベランダと同様、80mではやはり少な過ぎたということが解ります。逆説的にベランダ設置から見ると、我が家の8mHのベランダでは、40mの場合は無造作に投げ出した地面のカウンターポイズ程度、80mではそれよりは良さそうであるものと考えます。
 また、地ベタアンテナに期待されるインピーダンス値は、良好なグランドが地面に設置できた場合には「ほぼバーチカル」となるはずですから、バーチカルアンテナの大凡のインピーダンスである「36Ω程度」というのが一つの目安になるはずで、その他の要因を含めて「40Ω台前半」というところに落ち着けばヨシとする・・・というのが納得できる線でしょう。今回は40mで58Ωでしたから、カウンターポイズ用の線をあと数本追加すればいけそうな気がしますので、今後の移動運用の参考にしようと思います

 ◆ ベランダ設置の場合の適正インピーダンス

 これは、今回の実験では解りませんでしたが、少なくとも適当~な地面ラジアルとベランダの極端なインピーダンス差は見受けられませんでしたから、常識的な数値(極端に数Ωでも無ければ数百Ωに達することも無い)で考えていいと思います。
 ただ、GPに見立てた場合の8mHにおけるインピーダンスは20-25Ω程度、さらに40mの場合はラジエターの真ん中、80mの場合は真ん中と袂(って・・・給電部の近く)にそれぞれローディングコイルが入りますから、かなりインピーダンスは低くなるはず・・・。MMANAの試算では、前の記事で示した通り40mで10Ω程度になるという結果になりましたから、今のベランダにおける実測値よりさらに一段下を目指してベストなカウンターポイズを設置し直せ ということでしょう。

 ◆ 80mがヒントになるか・・・

 80mにおけるベランダの測定値は、他のデータと比べてもかなり素直な特性を示していると思います。インピーダンスも同調点で41Ω・・・現時点では最も優秀といえるかも知れません。
 自慢するわけじゃないんですが、80mのコンテスト参戦に於いて今年のALL JAでは86QSO、ACAGで77QSOと、5m程の釣竿君@QRPとしてはかなりイケてる方だと思っています この要因の一つが「今のベランダのカウンターポイズがそれなりにきちんと機能していること」ということであれば、40mなどはまだ工夫の余地がありそう・・・。ひとまずのインピーダンス値上限をこの「41Ω」と仮定して様々にカウンターポイズを張ってみて、改善度合いを見極めていくのが現実的な今後の作業課題になるでしょう。

 まだあまりスッキリしませんが、ひとまず千葉コンで採れたデータのお披露目と考察はここまでにしたいと思います。

釣竿アンテナの実験結果・・・の前に

2014-10-26      
 先週のオール千葉コンテスト参戦移動では、コンテストを楽しむ以外にもう一つの目的がありました。それは、どうせ持って行くことになる釣竿君・・・5mあまりの釣竿アンテナの地上高0mにおける各種パラメータをアンアナで測定して、我が家で実測した釣竿君のものと比較してみたら面白そうだという試みです。
 データはきちんと採れたんで、早いところ自慢げに()記事をアップすればいいんですが、その前段として「カウンターポイズやラジアルのある垂直系アンテナの高さによる変化」をある程度知っておかないと、単純にデータをぶつけ合っても無意味でしょう。そこで、標準的なGPが高さによってどんな風な挙動を見せるのか、MMANAでシミュレートしてみました。



 なるほど、高さが高くなるとインピーダンス(R)が減っていくことが解ります。流石にHF、特にローバンドでは、波長に対して高さが稼げませんから、このような挙動になるんでしょうね。ちなみに、このアンテナの挙動も20m以上の高さになると落ち着いてきて、概ね22Ω程度のところに収束します。
 我が家のベランダにもしこのGPを上げた場合(無論、物理的に無理ですよ)、ゲインと打上角はまずまずではないでしょうか・・・と、ここで聡い方は気づいたかも知れませんが(って、色付けてあるジャン)、地上高13m以上の打上角が異常に高くなっていますよね。そこで、8mHと20mHの垂直方向の様子を比べてみました。



 一目瞭然、8mHの方がメインローブが低くなっています。ゲイン差がありますから何とも言えませんが、高さが低いからといって強ち捨てたもんじゃない・・・ってなところでしょうか。

 さて、ベランダに上げるには物理的に無理なフルサイズの40mGPの挙動が解ったところで、ラジエター部分を釣竿君と同様・・・5.2m程のワイヤーの中間にローディングコイルが入ったものをラジエターにしたらどんなもんだろうと思い、再度MMANAでシミュレートしてみました。



 ローディングコイルを入れただけで、これだけインピーダンスが違います 概ね1/2より少し小さいかな・・・といったところでしょうか。全体の傾向は同じようですね。
 薄黄色にマークしたところが大凡ベランダの高さである8m。一方、勝手知ったる釣竿君の40mのインピーダンスは60Ω近いですから、現状のカウンターポイズは、きちんと張ったラジアルには遠く及ばないことが解ります。ただ、40Ω以上の損失を孕んでいるとはちょっと信じられない・・・というのが、このシミュレーションの「感想」です。

 果たして、千葉コンで採集したデータがこの謎解きに結びつくのか・・・ちょっと不安ですが、次の記事ではそこら辺をまとめたいと思います。

今年はピーカン!オール千葉コンテスト参戦記

2014-10-20      
 副題:絶好の移動日和・・・そうそう、移動運用はこうでなくっちゃ

 今年も数週前に「千葉コン、どうよ」と、ぶんきゅうさんことJL1VNQ局にお誘い頂きました。昨年はまさに嵐の中の参戦、「物好き、ここに極まれり」といった様相でしたが、今年は週間予報からして余程のことがない限り大丈夫だろう・・・といった塩梅で、前日の土曜日にはJ-WaveをBGMに余裕の準備
 今回の参戦では、アンテナを若干工夫して「昨年より飛ばす」を念頭に置くと同時に、我が家のカウンターポイズとの比較を行うべく計画しました。100m巻きのビニール被覆線から10m×3本、20m×1本を用意し、10m×1本をエレメント用、残りをグラウンド用に誂えました・・・って、この辺りは別記事にまとめます

 さぁ、当日。6時頃にお迎えして頂くことになり、5時過ぎには起き出して430MHzのメインで待機。すると、首都高の加平辺りを走行中のぶんきゅうさんが入感。応答したものの、全てのリグが「QRP仕様」(5W以下)になっている我が設備からの信号は弱かったようで、「もう少し近づいたら呼びますね~」・・・ちょっと迂闊でした が、暫くしたらガツンと入感し、我が家の隣のコンビニで「お久~」となりました。
 目的地は「勝浦湖」・・・我が家からは2時間余りの長旅になりますが、ぶんきゅうさんの駈る高級乗用車は快調に飛ばします。無論、車内の会話もヒートアップ またしても「自前で作るPCBは如何程」などなど、貴重な情報をお聞きすることができました。
 目的地に近づくと、何やら「ダートコース」のような林道を通り抜けます。先週の台風による倒木がもしこの道を塞いでいたら・・・という懸念もありましたが、昨年の苦労を何某かの神さんが見ていてくれてのでしょう、無事通過することができ、丁度9時に現着しました。



 湖面を見下ろすところに駐車場があり、そこが今回の運用場所です。管理事務所の許可もぶんきゅうさんが事前に取り付けてくれましたから、安心して大っぴらに運用できます

 設営をしていると、移動運用に来た方が現れました。久々に40mのテスト運用を兼ねてオンエアしたい・・・ということで、コンテスト開始の少し前までなら運用して頂いて結構と話が付き、我々二人は設営を続行。とは言え、自分はロングワイヤーを張るだけですから、10時半頃には設営完了。



 5.4mの釣竿・・・というか、釣竿君の真ん中のローディングコイルをショートさせ、先端から10mのワイヤーを水平に張っています。設営中に一度倒れてしまいましたので、水平エレメントと反対方向にビニールロープで引っ張りましたが、上げ下ろしが面倒になるため、後にもっと下の方で引っ張る形に変えました。これで、高さ4.5m程度、水平方向に10mほどのいわゆる「逆L」ができました。事前のMMANAの試算では・・・おっと、これは別記事でしたね

 その後、今回張ったアンテナシステムのデータ取りを持参したアンアナ54号(AA-54)で行い、何やらフムフムと納得し、開始までの一時間程度をのんびり過ごそうとぶんきゅうさんの準備を眺めていると、持参の測定器が動かないご様子。そこで、データを取り終わった54号を・・・と思い立ったんですが、「待てよ、これ、135KHz帯って測れるんだっけか」と、スマホで仕様を確認。「ほうほう、測定範囲なのね」・・・ということで、ひとまずお貸ししました。そして、虚数成分を確認しながらコイルのインダクタンスを調整、インピーダンス変換のトランスをつなぐと・・・



 まぁ、ざっとこんな感じ・・・素晴らしい 自分にとっては珍しい「2200mの測定表示」ということで、スナップを撮らせて貰いました。

 さぁ、12時開始。スタートダッシュはひとまず聞こえる局をS&Pで片付け、12:44からCQにチェンジ。すると、昨年とは全く違う感じで「QRPなのに呼ばれ続ける」という快挙 やはり、昨年はスタート時間に乗り遅れてしまったということでしょう。とは言え、あの天候ではそれこそ仕方が無かったんですが、何はともあれ今年は打って変わっての局数稼ぎ状態へ。
 そうそう、ここでちょっとアクシデント。開始早々、我が愛する自作エレキーがどういうわけか誤作動を起こすんです。先週の全市全郡では元気だったんで「ひょっとして回り込み」とも思ったんですが、符号の途中で送信できないことが多発。そこで、電池ボックスを覗いてみると、電池が抜けかけていました 無造作にバッグに放り込み、道中揺られてきたわけですから、こういったアクシデントは「想定内」に入れておくべきだなぁと、一つ勉強になりました。

 13時を回って20mを覗くと、こちらも結構な盛況ぶり。全市全郡の時と同様に、3エリアなどの比較的近距離からも呼ばれ、マルチが結構増えました。ところが、13:40を過ぎるとパッタリと呼ばれなくなり、再度40mへQSYすると、こちらも昼ガレの真っ最中。それにしても、かなり酷いなぁ・・・と思ったら、これ「デリンジャー現象」だったようで、帰宅後にメールを見たらNICTから「臨時ニュース」が着ていました。

> 19日4時17分(UT)に、太陽面においてX1.1フレアのLDEフレア(継続時間の長いX線フレア)(5時3分(UT)に最大、5時48分(UT)に終了)が発生しました。
> SDO衛星の極端紫外線画像(AIA094)によると、このフレアは活動領域2192(S13E56)で発生したものと推測されます。
> このフレアに伴い、19日4時30分(UT)頃から19日5時45分(UT)頃にかけて日本各地でデリンジャー現象の発生が確認されました。
 
 4:30Uから5:45Uということは、13:30Jから14:45J・・・まさに「ドンピシャ」ですね。

 急速にCONDXが回復して14:51からまた呼ばれ出し、ここから16:38までずっとCQ連呼で、レートはそれほどではないものの呼ばれ続けました。その間ぶんきゅうさんは、我々の運用に興味を持たれた一般の方の質問攻めに長いこと丁寧に答えられていました。偉いなぁ・・・。

 この一連の長時間CQで流石にオペ疲れ。ちょっと記念撮影を。



 ぶんきゅさんの背中が随分小さく見えるでしょ これだけ引いても、135KHzのアンテナ全景は撮影できませんでした そこで近景もパチリ。



 流石は12mポール・・・釣竿君とは全然違いますね

 さぁ、ここからは80m の時間です。今回はTYPE-Ⅲを持参したため、このバンドにも余裕でオンエアできました。呼び回りを一通り終えれば、やはりCQを出して呼んで貰う・・・常置場所では味わえぬ「呼ばれる快感」で幕を閉じようという寸法です。そして、ラスト10分は息切れしましたがそこそこの局数稼ぎができ、18:00・・・「DE JM1DPL CL TU E E」で閉局しました。閉局間際の記念スナップをパチリ。



 「お疲れさま~」「さて、撤収だ・・・」と声を掛け合い、お片付けに突入です。既にとっぷりと日が沈み、ほぼ「暗闇」の中の作業です。小さな懐中電灯とミニランタンの光を頼りに、せっせと片付けます。暗闇に目が慣れてくると頭上の星空が気になり、さらに時間が経つと、何とうっすら「天の川らしきもの」が見えてきました。二人で歓声を上げ暫しの星空観望も束の間、寒さと空腹が勝り、手早く片付けていきました。
 19時半頃には撤収が終わって帰路につきました。行き同様、またしても会話に花が咲き、「解禁間近の475KHz帯の中途半端な運用規則の話」など、やっぱりマニアックな話題に終始。そして、これも去年と同様に家まで送って貰うことになり、家の近くのファミレスへ。コーラで乾杯した後は「腹ごしらえ大会」。このときばかりは、去年と同様無口に・・・とにかく腹ぺこでした

 名残惜しいまま、家の隣のコンビニで「またね~」と別れ、ビールを一本だけ買って帰宅したのが22時半過ぎ。片付けるのが億劫で、結局そのまま玄関の隅にバッグと例の黄色い練習用クラブバックを置きっ放しで納戸シャックへ。そして、ビールを飲みつつ1時間ほどで床につきました。
 寝しなにログを見返したら、やはり昨年とは全く違う局数・・・80,40,20m しかオンエアしませんでしたが、大凡昨年の倍程度のスコアは刻めそう その上、アンテナのデータ取りができたこと・・・これは、常置場所運用(=我が家空のオンエア)で活躍中の「釣竿君」のカウンターポイズを考える際、その挙動を見極めるための「良いヒント」が得らる貴重なものとなりそうです

 またしても大変お世話になったぶんきゅうさん、来年も宜しく・・・って、ちょっと図々しいかな とても充実した、秋の一日でした。

あと一息だった全市全郡2014から見えてきた今後の課題

2014-10-14      
 コンテストにドンピシャで来なくて良かった台風19号が接近中ですが、猛威は衰えてきたようです。このまま夜中に通過してくれれば、朝のラッシュアワーは大丈夫でしょう。後は、折角補修したステルス君がぶっ壊れぬよう祈るのみ・・・。

 来年も最低限「昨年の自分」には勝つべく、忘れないうちに全市全郡コンテストの反省・課題をまとめておきたいと思います。

 ★ 結果から見た運用面

 ◆ 目標の妥当性

 目標の300QSOに届かず・・・ということで、まずは各バンドの結果を。

目標結果
局数マルチ局数マルチ
80m807577
71
40m858062
59
20m101033
31
15m556
6
10m555
5
6m30252019
2m50464841
70cm35312826
300277279257
得点83,10071,703

 まずまず妥当だな・・・と思われるものは、バンドの文字をピンクに変えてあります。差が大きなところに自分なりの解釈を与えてみます。

 40m:18時以降の出竿後にもっとQSOできるつもりでいた。
 20m:好CONDXが全て
 6m:昨年と同じくらい・・・現設備の限界
 70cm:「八木参戦」への期待でちょっと欲張り過ぎた

 どうやら検討が必要なのは、40mと6mということになりそうです。目標値の見直しネタとして、来年の参考にしたいと思います。

 ◆ V/UHF帯の運用

 バンド別に昨年の実績と比較してみました。やはり、大きく違っていたのはV/UHF帯。



 仮眠後のパーセンテージを求めたのは、開始直後に上手くオンエアできなかった場合の「取り返し」が可能か否かを見るためです。もし、開始時点で他のバンドに時間を割いてしまいオンエア時間が少なかった場合、仮眠後に、開始時点でオンエアしていた局とQSOできるか否かは測る術がありませんが、その内の何局かはまだそのバンドに留まっていてQSOできる・・・要は取り返せるはずです。

 6m/2mは幸い、昨年との局数の差は殆どありません。そして、今年の結果では凡そ半数を仮眠後にQSOしています。このことから、6m/2mの開始直後の運用は「ざっと流す」といった程度で良さそうです。但し、昨年度の2mは「仮眠前にやり尽くした」という感じ・・・要は、取り返す云々以前に、仮眠前のQSO数をある程度勘案して仮眠後の運用に割く時間を考えることが必要です。結構難しそう

  一方、70cmに関しては昨年も今年も仮眠後のQSO率が低くなっています。局数は丁度倍。これは、やはり開始後の(70cmへの)早期バンドチェンジが奏功したということでしょう。「八木参戦」の効果があったかどうか・・・これは、実際にこのバンドに割いた時間が判らないため何とも言えませんね

 ◆ 40mに着目した考察

 昨年との比較グラフからは、40mに関する考察をしてみたいと思います。



 10月頃の40mは、夜間帯の国内CONDXが良い日には「夜遅くまで使えるバンド」ですが、総じて19時頃には出感していきます。特にQRPにとっては、この落ち際のCONDXの中でQSOを成立させるのは難しくなります。

 グラフで昨年と比較してみると、仮眠までの時間帯の差異はそれほど大きくありません。何れも3時頃に局数減が著しくなります。これは「眠さで集中力低下」もさることながら、相手がいなくなる感じです。この原因は、コンテスト開始から数時間はV/Uへのオンエア優先で40mへのオンエア時間が上手く割けないという部分にその一端がありそう。つまり『40mでの局数稼ぎがほぼできない⇒その分、23時頃から80mで稼ぐ⇒2時を回ると流石に80mはデュープが殆ど』という感じでしょう。

 一方、朝になれば40mも生き返るわけですが、この時点では既に釣り竿君は「納竿した後」・・・ステルス君へのスイッチで、交信できる局数が大きく減ってしまいます。そして、日没後の40mは、その日のCONDX如何によっていけるかどうかが決まる、言わば「CONDXに支配される」ということになりますから、出竿しても必ずしも上手くいくとは限りません。

 こうなると、「早めに仮眠を取り完全に日が昇った06時くらいに40mをスタートさせる」というプランが考えられます。さらに、「開始直後と日没後の出竿からのCONDXを意識した40m覗き」を行うことで、その日のCONDXに合わせた運用ができるように思います。この2点が、次回の運用プランに組み込みたいポイントです。

 ★ ハード面の改善ポイント

 ◆ 2mと70cmのシステムアップ

 2mのモビホ、70cmの5エレ共、上手いことセットアップできていると思っています。特に70cm の八木については、ベランダで無理なく回転できるギリギリの大きさですから、これがひとまずの「最低設備」と考えていいと思います。
 また、コンテスト当日のみの5DFBの引き込みでHF/6mと分離できたことで、6m以下と2m以上の同時運用(といっても、同時に電波は出しませんが・・・)が可能になったメリットが大きく、ここも今年のグッドポイントでしょう。
 ただ、2mと70cmの「即時バンド切り替え」は、1本の5DFBでは無理・・・もう一本、引き込み用5DFBを誂えて2本引き込むことは造作も無いですから、来年までに用意して「コネクタの付け替え作業」も無くしたいと思っています。

 ◆ 2mと6mのアンテナ再考

 2mはモビホでもそこそこの局数を稼げますが、2エレのHB9や3エレのナロースペース八木なら、何とかベランダ内でも使えそうですから、ここら辺りの改善を目指すのも一考。
 一方、6mは直前まで「2エレ化」を検討していましたが、エレメント長から考えると回せず、それ以上にメリットがあまりないかも・・・という躊躇で改善を見送りました。ALL JA を含めてもう一段何とかしたいところです。

 ◆ 釣り竿君のカウンターポイズ

 細いアルミ線でベランダを1周するような作りになっている現在のカウンターポイズ。直前に、家人に蹴り切られた部分をつなぎ直しただけの補修で何とか持ちましたが、夜中に1,2度、接触不良を起こした場面がありました。
 他に良い方法があまり見つからないんですが、逆に「踏ん付けられること」を考慮してアルミ箔のテープを敷いてしまうのも有りかな 3Mの10mもので800円くらいのようですから、ベランダの「あっち側」と「こっち側」に敷いてみましょうかねぇ・・・。

 特に2番目、3番目は、このところずっと課題のまま棚上げしている部分も含んでいます。コンテスト直後は「何とかせにゃ・・・」と思うものの、日が経つと忘れてしまうのが悪い癖

 ★ ソフト面

 ◆ 直前のアンテナチェックが奏功

 実はコンテストの数日前の晩に意を決して(って、そんな大袈裟なもんじゃないんですが・・・)釣り竿君の同調具合を見直し、80m用のコイルの微調整をしました。その際に40mの同調もチェックし、結果的に動作確認することができました。
 さらに、ステルス君を台風18号が接近した際に下ろしたため、コンテスト開始当日の午前中に再度きちんと上げ直した際にSWRの「下がり具合」を確認。一通り全てのアンテナをチェックした形でコンテストを迎えました。
 今回は「たまたま」といった感じですが、今後は1週間前の休日などを利用したアンテナ回りのチェックを心がけたいと思います。

 ◆ ミニ・エレキーへの事前設定忘れ

 ミニ・エレキーに入れておく固定メッセージが、以前に使ったままの設定になっていました。まぁ、自分で作ったエレキーですから設定し直せばいいわけですが、実は「あれ、スペースを空ける入力ってどうやるんだっけ・・・」と忘れてしまっており、慌ててプログラムを見直すという体たらく マニュアル作っておけば済むんですが、何れにせよこんなの「事前にやっとけ」でしょう。

 以上、これを全部やったら来年も「去年の自分」に絶対勝てるかどうかは判りませんが、そろそろ限界が見え始めたスコアに対し、運用スタイルと設備の向上には努めていきたいと思います。あ~ら、結構真面目な反省記事になっちゃった

全市全郡2014 参戦記

2014-10-13      
 副題:昨年の自分は超えたものの我が設備で300QSO超えは難しいのか

 70cmの「八木参戦」以外はそもそも昨年と大きくは変わっていない今年のACAGの目標は、昨年の自分超えは勿論、さらに欲張って「未踏の300QSO達成」ということにしました。コンテスト開始前までには全ての準備を終え、落ち着いてリグの前に着席。気合いのリポDを飲み干し、定番ミントの「MINTIA白」を口に放り込んでスターティングバンドをどうするか・・・「定番の6m or 新参八木に期待の70cm」と最後の最後まで悩んだ挙げ句、開始4分前に「やっぱ、6m」に決定。

 ◆ 序盤はV/U混合

 21時開始から6m の呼び回り開始。特に躓くことなく15分くらいしたところで、やはりどうしても堪えきれずに70cmへQSY 前回との大きな差がある「はず」のこのバンドには早い時間帯に参戦したかったためなんですが、やはり昨年は時間帯を間違えた感じで、22時までの45分で12QSOとまずまず。CQへの応答も結構ありましたので、この時間帯でのQSYは成功したようです。ただ、「八木にしたからなのか」というところがよく判りませんでした・・・ってダメじゃん、これじゃ
 22時台は2mにしました。こちらはベランダの端に常設の「コメット SB-15」で昨年既にある程度手応えを掴んでいましたが、ハイペースで呼び回って23時までに14QSO。まぁこんなもんでしょう。開始2時間で都合38QSOになりました。

 ◆ 80mのペースはおよそ20QSO/H

 23時を回り既に出感しているであろう40mを蹴って、お待ちかねの80mへ。例の「250Hz作戦」(IF帯域幅を250Hz程度の絞ってS&P)で次々に呼びます。今年のALL JAで記録した「40mで28QSO/H」より若干効率は落ちるものの、80mはアベレージとして20QSO/H程度で過ごすことができる「夜中バンド」ですから、安心して呼び回りましたが、流石に丸2Hのノイジーな中のS&Pに疲れ、01時を回って再度2m/70cmへ。何と結構な深夜にも関わらず、この2つのバンドで45分間で17QSO増量。02時に戻ってきて1Hで22QSOを叩き出しました。やはり80mは案外(QRP、超短縮5m 釣り竿アンテナにしては)相性が良いよう・・・ってか、主戦力バンドと言っていいかも
 結局、途中ちらっと40m,6mを覗いた以外は、アンテナ切り替え作業の時間ロスを嫌って80mに張り付いて04時半まで奮闘。この時点で、昨年の記録と比較しても十分なアドバンテージがあったため、早めに納竿して05時過ぎに仮眠タイム

 ◆ ノープランの午前中と好調だった20m

 8時半に復帰・・・今年は計画的な仮眠に成功です 20mが面白くなる時間帯は11時過ぎ辺りからと目星を付け、起床後の3H程度はまだ殆どオンエアしていない40mとV/Uを中心に呼びに回りました。40mはステルス君、6mは閑散、2m/70cmはデュープが一杯とあまりパッとした状態にありませんでしたが、昨年の自分は夢の中だった時間にさらにQSO数増量 そして、11時半過ぎに20mへ。
 20mは昨年に比してかなり良いCONDXで、6,8エリアもさることながらさらに近距離が入感・・・さながら「プチ40m」と化していました。「呼べば拾って貰える」とは限らないものの、このオープンは非常に面白く、20mとしては異例の33QSOとなりました。
 途中、放っておいた()15m/10mの「今年の目標値」をクリアしにこれらのバンドへ。すると、10mで沖縄が入感しておりこれをGet。その後、15mでCQを出していたら別の沖縄局に呼ばれてちょっとビックリ

 ◆ 結構良好だった夕方の40m、しかし・・・

 20mが出感気味となった15時半過ぎから40mへ。この時点で206QSOを数え、昨年の自分超えは達成同然・・・しかし、夢の300QSOには遠く、ちょっと諦め気味になってしまいましたが、ここからステルス君タイムとなる出竿できる18時頃までの時間でどの程度稼げるか、今後の参考として気を抜くわけには行きません 16:26に昨年の自分記録を塗り替え、16時半までの1Hに16QSOとまずまずの戦果 どうやら、CONDXは良さそう。そのままさらに出竿時刻まで粘りました。
 18時前に出竿、応答率が上がります。ところが、気をよくしてS&Pを続けていると、18時半を回った頃からにわかにQSBが深くなってきました。この季節、良いCONDXの日には夜半頃まで国内が強力に聞こえていたりするんですが、今日は「普通」のCONDXだったようです

 ◆ あまり閉まりのよくないエンディングへ

 40mに見切りを付け、19時を回って80mへ・・・ところが、こちらはデュープの嵐と近隣TVのバズ・ノイズが酷く、あまり芳しくありません。3H弱を残して300QSOまであと39・・・これはちょっと厳しいことになってきました。
 残る「票田」は2m。このバンドで20時までの45分間で9QSO、70cmで3QSO、さらに舞い戻った80mで1QSOとなり、ラスト1Hであと28・・・これはもう絶望的です。実際、早じまいまで考えたほど
 しかし、何といっても「ACAG新記録」であることに変わりはありません。昨年の記録をどこまで更新できるか・・・「最後の足掻き」で6m/2mで粘り、ラストは6mでCQラン・・・20時50分に呼ばれた後は「電気の無駄遣い」となりましたが、何はともあれ2014年の全市全郡コンテストが終わりました。

 実はもう、「今回のスナップ」のネタが尽きてしまっていますが・・・



 どうです、このこぢんまりとしたシャック・・・っていう自慢ではありません。右上の方に注目して下さい。よく見えないですか



 今回は、コンテスト時のみ2m/70cmのアンテナ接続用に5DFBを別に1本仕立てて引き込みました。これにより、これらのバンドの減衰が・・・という真っ当な話では無く、単に「アンテナ切替の手間が格段に減った」という、このブログをお読みの皆様にはちっとも面白くもない、ど~でもいい話。こうしておくと、HFを運用しながら2m/70cmの様子が聞けて即QSYできるという、納戸シャックにとっては実に画期的なシステムアップになったという「自分的グレードアップの証し」・・・結局、スナップもあんまり閉まりがよくないようですね

 終わったばかりですが、来年も「昨年の自分」を相手に頑張りたいと思います

全市全郡2014の目標設定

2014-10-11      
 台風19号が沖縄の横辺りでモタモタしてくれたお陰で、コンテスト時間中の影響がなくなった我がご当地の千葉県北西部は、朝から晴れと薄曇りを繰り返すまずまずの天気です。外の温度も23度くらい・・・まぁ、我が納戸シャックは27度を超えており、扇風機+ランニングシャツというまだ夏真っ盛りの様相ですが、じっとしていれば過ごせないこともない感じ。明日に掛けても同じような天気・気温のようですから、コンテストを楽しむには絶好のコンディションです。

 今日は朝からステルス君周りの整備・・・先週の台風18号到来時に完全に下ろしてしまった状態から、給電部の断線を直してセッティングし直しました。40,20,15,10mのSWR測定を行ったところでは、ひとまず動いているようです。



 残る作業は、2m/70cmの引き込み用5DFBケーブルにコネクタを付ける作業、2日ほど前の夜に80m用に調整したコイルの末端処理(コイルのアルミ線の先に圧着端子を付ける)、そして夕暮れが近づいたら、ごそごそと70cmの八木と6mのダイポールをセッティングして完了です。ベランダには、家人のご厚意により洗濯物はなし・・・2日間の占領

 さて、毎度お馴染み・・・「昨年の自分がライバル」となる今年の目標を以下に記しておきます。

2013年目標
局数マルチ局数マルチ
80m736880
75
40m494985
80
20m111110
10
15m885
5
10m445
5
6m18183025
2m43395046
70cm14143531
220209300277
得点45,98083,100

 序でに頭の整理のために、バンド毎の特徴にフォーカスしながら「傾向と対策」をまとめます。

 ◆ 80m

 昨年の結果が73QSO、今年のALL JAで80QSO超えを経験しましたが、明らかな「豊漁バンド」になりました。夜中のロングランは勿論、昨年は終了間際にもオンエアしており、他のバンドでのクロージングが不味そうなら、特に20時以降のオンエアもOKということで記憶しておきましょう。

 ◆ 40m

 今年のALL JAでは100QSO超えとなりましたが、全市全郡では様子が違い夜間の早い時間に近距離がスキップし始めることから、控えめ設定に。ただ、昨年は稼ぎ時間である午前中を「爆睡」で潰してしまったため、その分(30QSO程度の増量)は考慮に入れています。寝るなよ、自分

 ◆ HFハイバンド

 殆ど「おまけ」といった塩梅ですが、唯一20mは日中の正規伝搬によるQSOで九州辺りを捕まえたいと思っています。ここはCONDX次第でしょう。

 ◆ 6m

 どうもこのところ冴えないこのバンド 昨年は他のことに気を取られ過ぎだったことと、スタートダッシュがあまりにも効かなかったという「思い込み」で、最初の1H以外は知らん顔にしてしまったことで、幾ら何でも・・・というQSO数です。流石に今年は、もう少し腰を据えたいところです。

 ◆ 2m

 モビホでどこまでイケるのか・・・という感じですが、昨年より少しだけ目標を上げています。

 ◆ 70cm

 昨年はオンエア時間をしくじってしまったようで、やはりコンテスト開始後早めに・・・というのが正解のような気がしています。が、それ以上に「八木で参戦」という部分がどのくらい寄与するか、興味津々です

 またしても総QSO数を300に置いてしまった今年の目標。ALL JAでも樹立できなかったこの目標に届けば、国内メジャーコンテストの締めくくりとしては申し分ないことでしょうね

後継TS-590Gからのおこぼれ頂戴

2014-10-05      
 いやぁ、まさかマイナーチェンジで続くとは・・・TS-590Gシリーズが11月から発売のようですね。現行機種たる「Gなし」は既に「生産完了」となり、ラインナップから消えています。少々寂しい感じ このニュースはKENWOODのメルマガで知りましたので、同様に「Gなし」でユーザ登録されている方は詳細情報をご存じかと思いますが、どうやら「おこぼれ」がありそうなんですよね

 本題に入る前に、カタログ情報から「どこが大きく変わったのか」をどよよん無線技士風(なにそれ)に読み解いてみると、やはりその筆頭は「近接ダイナミックレンジの大幅な改善」ではないかと思います。2KHz 離調時のダイナミックレンジが10dBほど「Gなし」より改善し107dB也 QST調べのスペック値では、K3、FTDX3000をも凌ぐということになりますね。これが本当なら、かなり強力な近接した信号の影響も少なく、「コンテストの40m」といった大混雑シーンで威力を発揮するでしょうね・・・いやぁ、羨ましいです。

 さらに横道に逸れますが、「Gなし」の1st Mixerは、2SK1740という石を4つ使ったいわゆる「クワッドミキサ」です。この石自体、50mA程度のIDSSを前提にしているようですが、2SK125やJ310に多めに電流を流したクワッドミキサと同じようなものです。これでも、IP3は(カタログ値として)+30dBmを超えていますから、「Gあり」の方はどんな回路構成なのか興味津々です。参考に「Gなし」の方のミクサ周辺回路の切り抜きを貼っ付けておきます。




 さて、この受信部の改善以外の大きなグレードアップ部分は、実はそう多くなさそう。さらに、「Gなし」でもファームウェアのアップグレードで実現可能な機能については、何と来年1月末に新しいファームウェアがリリースされる予定というビッグなニューイヤープレゼントが 詳細は本家の情報を見て頂くとして、どよよん無線技士的(これもなんだ)に気に入った改善機能をチョイスしました。

 ◆VFO A/BにFIL A/Bの状態を独立して設定できるようになる
 これはスプリット呼び出しの際、自分の送信周波数近辺の状態を確認するのに使用するフィルタの方の帯域を広げておくなど、非常に有効です。

 ◆RXイコライザー / TXイコライザーが、モードごとに設定可能になる
 これ、わざわざ改善要望まで出していたもの・・・漸く言うことを聞いてくれたのね そもそも、SSBとCWを交互に運用するシーンなど想像に難くない筈で、なんでモード毎設定になっていないのかが「超疑問」でした。改善と言うより修正

 ◆475.5KHz対応
 まぁ、ゆくゆくチャレンジしたいという程度ですが、このタイミングでの追加はGoodです

 このマイナーチェンジで劇的に売れるかどうかは謎・・・「相変わらずダウンコンバンドが限定的」「SDR等に使えるIF出力がない」など、他との差別化の点で疑問は残りますが、近接局とのせめぎ合いになり易いローバンドのコンテストマシーンとしては、価格・大きさから言っても選択肢の一つになりそうですね。

 期せずして恩恵を被ることになった「Gなし」、 特にグライコの改良については、CW受信への恩恵がかなりありそう・・・今から期待しています

IC-821のキャリアポイント調整

2014-10-05      
 以前に2mのCWロールコールにチェックインした際、我がブログのコメント隊長のぶんきゅうさんから周波数ズレを指摘されたことがあります。キー局はUSBで送信していますから多少のズレは仕方がないにせよ、どんな具合かは知っておきたいところ・・・と思っていたらリグを買い換えてしまい、その後はあまりチェックインしていませんでした。先々週だったか、久方振りにチェックインしたんですが、IC-821では初のチェックイン。ところが、USB受信周波数とCWの送信周波数のズレがどの程度か解らぬまま呼んだところ、キー局にRITで追わせてしまう始末 これでは迷惑が掛かりますからきちんとせねば・・・と、TM-255を相手に周波数合わせを試みました。

 まずは、CWのキャリアポイント・・・と思い、IC-821の回路図とサービスマニュアルを精査すると、どうも30.2MHzの発振信号をPLL等々で上手いこと分周してUSB/LSB/CWのローカル周波数を作り出しているよう。こうなると、大本の発振器を調整すればよいぞとばかりに、昔取った杵柄・・・というか、素人の浅はかさでぶっ壊した時の記憶を頼りに、ひとまずその発振器の在処が露わになるようネジを外し始めました。



 開いた様子です。支え棒として割り箸を使うとこなんぞ、正に「経験が生きた」と言える・・・って自慢するほどでもないですね リグの下敷きになっているカウンタはある程度正確に校正済みですから、まぁ何とかなるべし。



 真ん中に鎮座している白銀の小箱(言い過ぎか)が調整対象のTCXO。夏休み前にカウンタ心臓部の移植手術を行って以来、どうもTCXOには縁があるようですが、ひとまずこれを30.2MHzに合わせ込めばよいわけです。絶縁ドライバでチョチョイノパ・・・なんですが、案外クリティカルな調整が必要でした。
 さぁこれでCW送受信の周波数を確認したわけですが、どういうわけか100Hz程度ズレています そこで、暫し思案・・・結局、送受交互に行いながら「耳」で追い込むことにしました。サイドトーンとのうねりが一番小さくなるところ・・・と詰めていき、最終的に20Hz以内の差異に落ち着きました。IC-821が10Hz単位のため、ピッタリというわけには行きませんでしたが、実用上は全く問題ないでしょう。

 USBとの周波数差については、CWモードでCWをゼロインした後、USB音声を受信してRITで追う形にしました。調整中でひっくり返っていますが、3時少し前の方向のようです。



 何となくスッキリして蓋を閉めました。今晩、これからロールコールが始まりますので、ちょっとチェックインしてみたいと思います。

70cm用5エレ八木の最終形

2014-10-05      
 来週末はACAGです。今週末はしっかりした準備をしたいところですが、台風接近によりベランダを闊歩できるのが土曜日一日になりそう・・・というわけで、昨日は一番手間が掛かりそうなカウンターポイズを直そうとチェック。すると、思いの外メチャメチャにはなっておらず、ベランダのサッシの縁に沿わせた方が断線していたのをつなぎ直した程度で終了(って、何のことやら解らんでしょうけど、説明は省略)。気をよくして、70cmの5エレの最終調整を行いました。

 まずはガンママッチ部分の改良。これは、あまりにもスマートではない給電部を綺麗にしたいというプチ改造です。当初より、マッチングバーを銅パイプとしてその中に「絶縁された導線」を差し込んでコンデンサとする方法で納めたいと思っていたため、早速この「銅管コンデンサ」を実測。



 10cmほど差し込んで少しずつ抜きながら測定していきました。結果は以下の通り。



 「絶縁された導線」には1.5D2Vを使いました。4mmの銅パイプにピッタリサイズ。必要な容量は10pF程度であり、20mm程度挿入してやれば、「邪魔にならないコンデンサ」の出来上がりです



 ショートバーの方の銅パイプは、3.5mmのゴムブッシュで絶縁しました。ちょっと窮屈ですがガタが無く、ジャストフィットした感じ。



 同軸ケーブルの芯線は、1.5D2Vのアミ線にハンダ付け。一方、同軸ケーブルのアミ線側は、タマゴラグにスズメッキ線を使ってハンダ付けしてブーム(アルミアングル)にネジ止め・・・上の写真では、丁度隠れてしまっていますね。これで改造は終わり、早速アンテナを架設して調整です。



 今回、この八木アンテナを架設するために、またしても「ランタンスタンド」を購入しました。今回は敢えて「重くて安定している奴」を探し、NorthEagleというメーカのものを購入しましたが、これが小型アンテナの架設タワーとしては実にいい感じ。重さがあることで安定するのは勿論、ポールの伸縮部分が自在ストッパになっており、これを緩めるとアンテナが簡単に回転できます。おまけに三千円でお釣りが来ます 片指示ブームはDIAMONDの「KB430R」を購入しました。

 さぁ、SWRの味見・・・ちょっと高め(といっても、430.1MHzで1.5くらい)だったため、幾度かコンデンサを形成する1.5D2Vの挿入長を変えてみましたが大きな変化なし。そこで、並列にトリマコンデンサをつないで調整したら、総容量40pFくらいでSWRが1.0まで落ちました。
 ところが、この状態でワッチしてみると、何やら今まで聞こえていた局が、いやいや近場のレピータまで聞こえなくなってしまいました いわゆる「マッチングが取れているように見えるだけ」の状態・・・V/UHFのアンテナ製作でこの手のマッチング方式を使うと陥り易いエラーです。この状態で深く考えずに自作アンテナを持って移動に行った苦い経験から、直ぐにステップバック。



 マッチングバーを1.6mmのスズメッキ線に戻してゴムブッシュをくぐらせ、5pFのセラコン(LCRメータ実測で4.9pF)を接続しました。マッチングバーは少し長めにしないとSWRが落ち切らず、ブームの中心から60mmのところに落ち着きました。これでSWRは1.05・・・洗濯物干しで仮実験した時の値に戻り、結果的にかなりシンプルなマッチング構造となりました。近場のレピータもきちんと聞こえ、バンドスイープするとあちこちでQSOが・・・これでOK ただ、ラジエターには元のマッチングバーをハンダ付けしていた部分に「ハンダメッキ」が残ってしまいましたが、ご愛敬ということで

 この後、埼玉県秩父移動の局をターゲットにフロント-サイドの比較を行いました。フロントでフルスケールのS9+40dBが、サイドではS9丁度・・・40dBの差がありました。勿論、この辺りのリグのメータ指示をそのまま鵜呑みにはできませんが、そこそこのビームパターンには出来上がっているようです。
 また、去年のACAG参戦で使用したモビホとの比較でもS1の信号がS7に上がるなど、はっきりとした差が確認できました。「最も強く入感する方向を探せる」というメリットは十分にありそうです。

 この改造と味見に時間を取り過ぎてしまい、残るアンテナ周りの補修作業であるステルス君の断線修復まで手が回らず、とりあえず台風到来でさらに酷くならないよう、一旦ステルス君のエレメントをベランダの端に下ろして作業を終えました。これなら、どんなに強烈な台風が来ても大丈夫・・・そもそも落ちているわけですからね
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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