CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その10:濡れ衣晴らして大団円!)
2017-08-26
なんか納得がいかないまま直前記事の題名に「本当に了」と宣ってしまいましたが、どうやらここのブログ主はまたしてもやらかしてしまったようです
こうして実に自然に記事ネタを作り出すところなんぞ、図って止まぬ三流雑誌より”巧み”なのかも知れません・・・と、何やら怪しげな口上はさて置き、直前記事の測定結果が”The スットコドッコイ”だったことを告白したいと思います
何がスットコドッコイだったのかというと・・・実は、前回記事では試作フィルタの”入力側”の特性を測定していたんです(無論お解りでしょうが、出力側を測定しなければなりません)。つまり、クリスタルフィルタの「反射」を見ていたんですね。天晴れ、どよよん無線技士
まぁこれも貴重な失敗談ではありますが、やはりちゃんとしておかないと、そこそこ苦労して作った試作フィルタに何やら「汚名のレッテル」を貼りっ切りになってしまいますんで、キチンと測定し直しておきましょう。

約50msのバースト信号を与えた上で、ちゃんと”出力側"を観測・・・どうです、これなら自慢げに記事にしてもいいでしょう
与えているバースト信号のタイミングを青線(Ch2)で補足しています。
入力先頭の”粘り”の部分・・・まぁ、遅延といってしまえばそれまでですが、7msくらいのところにピークとして現れています(敢えて・・・横軸の一目盛が5msです)が、その後は大人しく収束していき、15msが経過するまでには落ち着いています。
一方、お尻の方も信号断から7msくらいのところで一旦収束した後に反射が見られます。これが落ち着くのに凡そ(信号断から)15ms程度掛かっていますが、入出力で凡そ同じような”暴れ”があるものの大きく破綻していない・・・やはり、実際に聴いてみた感触で「なんだ、スルーに比べて遜色ないじゃん」というのは間違っていなかったようです

アナログオシロでも見てみました。ちょっとピンボケ・・・この方がそれっぽい感じもありますが、逆にデジタルオシロでも十分再現できていると言っていいでしょう。
これで漸く腑に落ちた感じです。やはり、”Dishal”による設計とLTSpiseによるシミュレーション、さらに少しの治具と「粘り性」でかなりイイ感じのCWフィルタが設計・製作できることが判りました
やっと大団円でしょうか・・・さぁ次はIFアンプだぁ


何がスットコドッコイだったのかというと・・・実は、前回記事では試作フィルタの”入力側”の特性を測定していたんです(無論お解りでしょうが、出力側を測定しなければなりません)。つまり、クリスタルフィルタの「反射」を見ていたんですね。天晴れ、どよよん無線技士

まぁこれも貴重な失敗談ではありますが、やはりちゃんとしておかないと、そこそこ苦労して作った試作フィルタに何やら「汚名のレッテル」を貼りっ切りになってしまいますんで、キチンと測定し直しておきましょう。

約50msのバースト信号を与えた上で、ちゃんと”出力側"を観測・・・どうです、これなら自慢げに記事にしてもいいでしょう

入力先頭の”粘り”の部分・・・まぁ、遅延といってしまえばそれまでですが、7msくらいのところにピークとして現れています(敢えて・・・横軸の一目盛が5msです)が、その後は大人しく収束していき、15msが経過するまでには落ち着いています。
一方、お尻の方も信号断から7msくらいのところで一旦収束した後に反射が見られます。これが落ち着くのに凡そ(信号断から)15ms程度掛かっていますが、入出力で凡そ同じような”暴れ”があるものの大きく破綻していない・・・やはり、実際に聴いてみた感触で「なんだ、スルーに比べて遜色ないじゃん」というのは間違っていなかったようです


アナログオシロでも見てみました。ちょっとピンボケ・・・この方がそれっぽい感じもありますが、逆にデジタルオシロでも十分再現できていると言っていいでしょう。
これで漸く腑に落ちた感じです。やはり、”Dishal”による設計とLTSpiseによるシミュレーション、さらに少しの治具と「粘り性」でかなりイイ感じのCWフィルタが設計・製作できることが判りました


CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その9:本当に了)
2017-08-23
夏休みが終わった途端に暑くなってきました。今の予報では今週が我慢といった気候のようですがどうなることやら・・・というのは放っておいて、バースト信号による試作フィルタの「音響」的な部分の確認をしたんで、この辺りをサラッとまとめておきましょう。
まず、バースト信号がどんな具合かという部分・・・直前記事で紹介したアダプタとダイオードDBMを使って、どんな塩梅に間欠信号が出てくるのか見てみましょう。

SGから与えたフィルタ周波数の信号が、アダプタ+DBMで凡そ100msにぶった切れている様子です。エッジ部分をもう少し詳細に見てみましょう。


結構イケてるようですね・・・と自画自賛
では、この信号をフィルタに通してみましょう。

おお、初めて見る波形・・・先っちょの方がウニョウニョしているのが判ります。横軸の1目盛が10msですから、10ms+α程度の時間が暴れています。逆にお尻の方はスパッと切れていて、残響は残していないようですね。

先頭の16msを引き延ばしています。さながら”ラッパムシ”のようですが、10ms以内の部分はやはり”問題あり”に見えます。ただ、ザックリ100ms以上に及ばなければ音響的にはその善し悪し(歪んでいるとか、大きい・小さいとか)が、人間の耳では分からないらしいと”仕事”で教わったことがあるんで(実は15年前くらいまで、音声系の装置開発をしていたんです)、まぁ大丈夫かな・・・としたいところですが、もう少しミクロに覗いてみました。

立ち上がりの部分は確かに少し波形が大きくなっていますが、大きな破綻を来していないようです。同様にお尻の方も確認しておきましょう。

こちらは本当にスパッと切れています。問題ないでしょう。
実際の”音”についても確認しました。これは、SSB復調アダプタに接続して聞いてみたんですが、フィルタを通してないときと殆ど変化がないことが確認できました。このテストの様子(っていうか、音)をmp3でアップしようとも思ったんですが、この辺りは実際のハムバンドを試聴した方がよさそう・・・というわけで、ちょっとお預けにしようと思います。IFアンプを仮組みした辺りで披露しましょうかね
・・・というわけで、試作フィルタ単体での試験を含め、一連の”試作フィルタができるまで”の物語(
)はお終いにしたいと思います。長い間お付き合い頂き、ありがとうございました。
まず、バースト信号がどんな具合かという部分・・・直前記事で紹介したアダプタとダイオードDBMを使って、どんな塩梅に間欠信号が出てくるのか見てみましょう。

SGから与えたフィルタ周波数の信号が、アダプタ+DBMで凡そ100msにぶった切れている様子です。エッジ部分をもう少し詳細に見てみましょう。


結構イケてるようですね・・・と自画自賛


おお、初めて見る波形・・・先っちょの方がウニョウニョしているのが判ります。横軸の1目盛が10msですから、10ms+α程度の時間が暴れています。逆にお尻の方はスパッと切れていて、残響は残していないようですね。

先頭の16msを引き延ばしています。さながら”ラッパムシ”のようですが、10ms以内の部分はやはり”問題あり”に見えます。ただ、ザックリ100ms以上に及ばなければ音響的にはその善し悪し(歪んでいるとか、大きい・小さいとか)が、人間の耳では分からないらしいと”仕事”で教わったことがあるんで(実は15年前くらいまで、音声系の装置開発をしていたんです)、まぁ大丈夫かな・・・としたいところですが、もう少しミクロに覗いてみました。

立ち上がりの部分は確かに少し波形が大きくなっていますが、大きな破綻を来していないようです。同様にお尻の方も確認しておきましょう。

こちらは本当にスパッと切れています。問題ないでしょう。
実際の”音”についても確認しました。これは、SSB復調アダプタに接続して聞いてみたんですが、フィルタを通してないときと殆ど変化がないことが確認できました。このテストの様子(っていうか、音)をmp3でアップしようとも思ったんですが、この辺りは実際のハムバンドを試聴した方がよさそう・・・というわけで、ちょっとお預けにしようと思います。IFアンプを仮組みした辺りで披露しましょうかね

・・・というわけで、試作フィルタ単体での試験を含め、一連の”試作フィルタができるまで”の物語(

簡易型のバースト信号アダプタもサクッと・・・
2017-08-20
このところ東日本は不安定な天候が続いていますが、昨夕は我が家周辺(千葉県北西部)も篠突く雨、どころかかなりの土砂降り
丁度外出から帰ってきた娘は上手いこと降られなかったようでしたが、雷を伴う強い雨で久々にBSが映らなくなりました。夕飯を終えたら外の気温が一気に下がって我が納戸シャックも過ごし易くなり、次なるプチ製作・・・簡易型のバースト信号アダプタを作りました。
このアダプタは、フィルタの過渡特性やAGCのゲイン制御の様子を測定するために”あって邪魔にならないツール"であり、高周波ゲートとなるスイッチを矩形波でON/OFFできればよいという代物。
高周波スイッチとしてはPINダイオード等で組む方法もありますが、ダイオードDBMをスイッチに見立てて実現するのが簡単です。お誂え向きに、ダイオードDBMのIMD測定で使った治具が取ってあります・・・っていうか、このために取っておいたというか
矩形波の発振はいろいろな方法が考えられますが、そこそこシャープなエッジにしないと測定に影響が出ます。とは言え、普通にロジックICで成形できれば良いという程度ですから、ここはインバータで発振と波形整形を一挙に片付けるような回路を考えました。

インバータを2個使ったCR発振で10msから1.7s程度までカバーするように時定数を組んでいます。流石に少し広い時定数になるため、抵抗を二段階で切り替えています。調整は100KΩのボリュームで大凡の設定をした後、4.7KΩの方で合わせ込む形にしています。
発振波形は5-6ピン間のインバータで成形され、残り3つのインバータはバッファとして動作させます。DBMに流し込む電流は、予備実験で8mA以上ではON/OFFのアイソレーションがあまり変わらないことから620Ωとしました。因みに、このDBMスイッチのアイソレーションは-5dB程度の入力で50dB以上は取れていますので、普通の測定には困らないでしょう。

測定中の様子です・・・って、別に面白くも何ともないですね
先日まで躍起となって試作したクリスタルフィルタの様子見に着手しましたんで、そちらにバトンは渡しましょうかね。近々にまとめたいと思います。

このアダプタは、フィルタの過渡特性やAGCのゲイン制御の様子を測定するために”あって邪魔にならないツール"であり、高周波ゲートとなるスイッチを矩形波でON/OFFできればよいという代物。
高周波スイッチとしてはPINダイオード等で組む方法もありますが、ダイオードDBMをスイッチに見立てて実現するのが簡単です。お誂え向きに、ダイオードDBMのIMD測定で使った治具が取ってあります・・・っていうか、このために取っておいたというか

矩形波の発振はいろいろな方法が考えられますが、そこそこシャープなエッジにしないと測定に影響が出ます。とは言え、普通にロジックICで成形できれば良いという程度ですから、ここはインバータで発振と波形整形を一挙に片付けるような回路を考えました。

インバータを2個使ったCR発振で10msから1.7s程度までカバーするように時定数を組んでいます。流石に少し広い時定数になるため、抵抗を二段階で切り替えています。調整は100KΩのボリュームで大凡の設定をした後、4.7KΩの方で合わせ込む形にしています。
発振波形は5-6ピン間のインバータで成形され、残り3つのインバータはバッファとして動作させます。DBMに流し込む電流は、予備実験で8mA以上ではON/OFFのアイソレーションがあまり変わらないことから620Ωとしました。因みに、このDBMスイッチのアイソレーションは-5dB程度の入力で50dB以上は取れていますので、普通の測定には困らないでしょう。

測定中の様子です・・・って、別に面白くも何ともないですね

小型AFアンプをサクッと・・・
2017-08-19
長かった夏期休暇が終わり、残すはこの週末のみとなりました。何といってもこの休暇の収穫は、普段の不摂生を正すべく「禁酒」を成功させたこと。普段の酒量がかなり増えてしまったことから一念発起
・・・という程でもありませんが、お陰で夜中にトイレに起きることも無く、かなり深く眠ることができました。これ、休み明けも続けたいところですが果たして
さて、休暇中のもう一つのノルマだった(のか・・・)、小さなAFアンプをこしらえました。これは、結構手間を掛けて自作した外付けスピーカを無線やラジオ受信以外に活用するために、前々から作ろうと思っていたものです。単純なAFアンプで十分、かつ出力もそれ程要らないことから、今後あまり活躍場面が無さそうなLM386の”消費”を前提に検討していましたが、少し前に流行ったLM380/386の帰還アンプの自作記事を参考にしながら、ほぼ受け売りの回路をでっち上げました。

特徴的な部分を以下に列挙。
・帰還の方式は負帰還(NFB)とし、高入力インピーダンスを確保
・入力のオフセットノイズを除去するためのパスコン(入力の+と
-を数千pFで容量結合させる)は取り付けていない
・ゲイン不足の際にそれを補完できるよう、1-8ピンの間のバイパスが
できるようにしてある
・7ピンのバイパスは容量を大きめにして電源ノイズのリダクションを
確保しようとしているが、効果の程は定かではない
・DC電圧を広めに取りたかったため、特に定電圧化していない
先日秋葉原に行った際に買ってきた小型ケースとボリュームを使って昨晩から工作開始、基板が出来上がったところで寝て、今朝はケース加工をしてあっという間に完成です。

コンデンサ類は全て手持ちのものを使っています。従って、特に音質に拘るようなものは使っていません。スイッチを省略した代わりに、前面にLED・・・5mmΦの高輝度LEDをブラケットに入れて取り付けました。単純な抵抗による電流制限では電源電圧の高低で明るさが変わってしまうため、1mAの定電流ダイオードを入れています。これでも少々明る過ぎる程・・・。

安っぽい玩具っぽく仕上がりました。こういうチープさも結構好きだったり
肝心の音量・音質についてはどうということはありませんが、NFBのお陰で少しゲインが低くなった分、LM386の欠点とも言える「ヒスノイズ」も軽減したようで、スピーカ使いではノイズは殆ど感じません。ヘッドホンを接続して確認すると、インピーダンスが高いものではやはりノイズも大きくなりますが、インピーダンスが低いものではまぁ落ち着きます。
ただ、ヘッドホンを使う前提では、やはりこの石にAF段を担わすのはあまり宜しくないかも。或いは、LPFで高域を少し落とせばいけるかも知れません。
何れにせよ、これで外付けスピーカを別用途で使うことができるようになりました。お気に入りの曲を幾つか聴いてみましたが、正味1日の工作としてはいい音で鳴ってくれてご機嫌です
2019.04.21 修正>
回路図が間違っていたため差し替えました。1年半余り後の修正ですが、NFBのかけ方として間違ったまま放っておくわけにもいかず・・・。


さて、休暇中のもう一つのノルマだった(のか・・・)、小さなAFアンプをこしらえました。これは、結構手間を掛けて自作した外付けスピーカを無線やラジオ受信以外に活用するために、前々から作ろうと思っていたものです。単純なAFアンプで十分、かつ出力もそれ程要らないことから、今後あまり活躍場面が無さそうなLM386の”消費”を前提に検討していましたが、少し前に流行ったLM380/386の帰還アンプの自作記事を参考にしながら、ほぼ受け売りの回路をでっち上げました。

特徴的な部分を以下に列挙。
・帰還の方式は負帰還(NFB)とし、高入力インピーダンスを確保
・入力のオフセットノイズを除去するためのパスコン(入力の+と
-を数千pFで容量結合させる)は取り付けていない
・ゲイン不足の際にそれを補完できるよう、1-8ピンの間のバイパスが
できるようにしてある
・7ピンのバイパスは容量を大きめにして電源ノイズのリダクションを
確保しようとしているが、効果の程は定かではない
・DC電圧を広めに取りたかったため、特に定電圧化していない
先日秋葉原に行った際に買ってきた小型ケースとボリュームを使って昨晩から工作開始、基板が出来上がったところで寝て、今朝はケース加工をしてあっという間に完成です。

コンデンサ類は全て手持ちのものを使っています。従って、特に音質に拘るようなものは使っていません。スイッチを省略した代わりに、前面にLED・・・5mmΦの高輝度LEDをブラケットに入れて取り付けました。単純な抵抗による電流制限では電源電圧の高低で明るさが変わってしまうため、1mAの定電流ダイオードを入れています。これでも少々明る過ぎる程・・・。

安っぽい玩具っぽく仕上がりました。こういうチープさも結構好きだったり

肝心の音量・音質についてはどうということはありませんが、NFBのお陰で少しゲインが低くなった分、LM386の欠点とも言える「ヒスノイズ」も軽減したようで、スピーカ使いではノイズは殆ど感じません。ヘッドホンを接続して確認すると、インピーダンスが高いものではやはりノイズも大きくなりますが、インピーダンスが低いものではまぁ落ち着きます。
ただ、ヘッドホンを使う前提では、やはりこの石にAF段を担わすのはあまり宜しくないかも。或いは、LPFで高域を少し落とせばいけるかも知れません。
何れにせよ、これで外付けスピーカを別用途で使うことができるようになりました。お気に入りの曲を幾つか聴いてみましたが、正味1日の工作としてはいい音で鳴ってくれてご機嫌です

2019.04.21 修正>
回路図が間違っていたため差し替えました。1年半余り後の修正ですが、NFBのかけ方として間違ったまま放っておくわけにもいかず・・・。
CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その8:ひとまず了)
2017-08-17
昨日は朝から雨模様、かつ涼しいを通り越して小寒い感じのする一日でしたが、空き時間はヘッポコ実験三昧の一日になりました。今回の記事で一旦手を離すべくクリスタルフィルタの入出力に着目した実験を行うことに決めていたんですが、その前に帯域のトリミングに手を染めてしまい結果がとっ散らかってしまいました。この辺りも含めて、まとめたいと思います。
前回の記事では、入出力インピーダンスを適当に合わせ込んでやればまぁまぁの特性が実現できることが分かったものの、”ガウシャン特性もどき”を目指していた割によく見る台形っぽい特性に落ち着きそう・・・このままでは不味いと、折角取り付けたコンデンサを着脱しながら試行錯誤の作業を始めました。まずは結果から。

実はこの測定、インピーダンス整合の実験を始めた後だったんです。整合云々はちょっと置いておくとして・・・ちょっと頭の天辺がポコポコしているものの、お化けなシルエットになりましたよね
もう少し、このトリミング作業での変化の度合いをお見せしましょうか。

前回記事に掲載した抵抗で整合したデータとの比較です。トランスによる整合でロスが減ってしまったためピタッと重ねられていませんが、様子は判ると思います。
このトリミング作業・・・これは理屈にならない試行錯誤なんですが、個々のコンデンサ容量をLTSpiceで変更するとどんな風に特性が変化するのか見つつ、実際にコンデンサを取り替えて特性を実測するという何ともへっぽこな方法。大きめの容量のトリマコンデンサで探るという方法も併用しつつだったため、かなり時間が掛かりました。
ただ、本当に闇雲だったのかというとそうではなく、例の”Dishal”で設計した手順・・・メッシュの対を意識して作業は進めました。これは、最終的な結果を見ながら説明しましょう。

”*”を付けたコンデンサが設計値から変更したものです。順序は以下のように進めました。
① X1-2間と対になるX5-6間の容量を調整(220pF⇒180pF)
② X2-3間と対になるX4-5間の容量を調整
⇒この容量には背反の関係があったため、片方の容量を増やした
(270pF⇒330pF)
③ X3の同調容量を小さくした(1500pF⇒330pF)
①については変化が最も顕著であり、これで大凡お化けなシルエットが完成したんですが、②でさらに改善することが判り、適切な容量をトリマで探っていたら対となるコンデンサ同士が背反の関係にあったため、片側のみ容量を増やしました。③についてはそもそもの値が大きく(=1500pF)、X4の同調容量との差異があまりに大きいことから少なくなる方向に調整していった次第。
このように”Dishal”で設計されたフィルタについては、メッシュの対を意識しながら調整は可能であることが判りました。が、これは実にナンセンスな方法・・・興味本位で実施したブレッドボードでの実験である程度の特性が見られることは判っていますから、ブレボでもう少し追い込んじゃった方がいいでしょう。さらに、小さなブレボに少し細工(グランド強化など)を施して、専用の「フィルタ実験ユニット」を作っておくのもアリでしょう。
さぁ、お待ちかねの入出力インピーダンスに関するまとめに入りましょう。
この記事の一番上のデータは、入出力インピーダンスの整合用にフェライトビーズに巻いた1:4のトランスを使っています。ノイズフロアが-100dBより少し低いところにあるため切れていますが、申し分ないと言っていいと思います。

測定時の参考スナップです。フェライトビーズは最近手に入れたもので既に記事で紹介していますが、上手く動いているようです。ちなみに、7回巻きのバイファイラです。
こんな風にラフに組んでいますが、入出力が結合しないようにある程度配慮しているつもりです。前回記事でアップにできなかった入力側のシールドもこんな風に銅テープで衝立を立てた格好で、グランドに一端を接続しています。
なるほど、オーソドックスなトランスによる整合で上手くいくことは判りました。そこで、今度はLマッチによる測定です。

トランスによるものと殆ど変わりません・・・って、まぁ当たり前なんですがね
Lマッチは計算上「3.37μH+336.6pF」となりますが、Q換算で1.7程度にしかなりませんから、T37-2に28回巻き(3.29μH)と330pFのセラコンで”作りっぱなし”としました。どうやら、大丈夫そうですね。
これで普通に考えられるインピーダンス整合は、前回記事の抵抗での整合を含めて網羅したと思いますが、最後にちょっとだけ「不整合の場合」に突っ込んでおきましょう。

一番上のデータと出力側のみ200Ωにしてみたものとを重ねてみました。この程度の不整合(SWR=4)でもオツムの辺りが波打っていることが判りますね。こうなると、かなり厳格にインピーダンスを守ってやらないといけないということになりそうです。即ち、実機にこの手のクリスタルフィルタを組み込む場合には、この整合具合を「実装した状態」で測定して合わせ込んでおくことが必要なようです。
すると、今回のようにインピーダンス変換が簡単な場合はトランス整合が視野に入るものの、本命はLマッチ(或いは同調とインピーダンス変換を兼ねたタンク回路)になると考えた方が良さそう。抵抗での整合はロスに直結することからも、Lマッチを”一等賞”と考えて良さそうです。
クリスタルフィルタの試作に向け、水晶の諸元を測定するアダプタを作り始めたのが6月頭・・・2ヶ月以上掛かってしまったようです。歪み特性や音響的な遅延の具合など掘り下げたい部分もまだまだありますが、これにてひとまず、クリスタルフィルタの試作からは手を離そうかと思います。
前回の記事では、入出力インピーダンスを適当に合わせ込んでやればまぁまぁの特性が実現できることが分かったものの、”ガウシャン特性もどき”を目指していた割によく見る台形っぽい特性に落ち着きそう・・・このままでは不味いと、折角取り付けたコンデンサを着脱しながら試行錯誤の作業を始めました。まずは結果から。

実はこの測定、インピーダンス整合の実験を始めた後だったんです。整合云々はちょっと置いておくとして・・・ちょっと頭の天辺がポコポコしているものの、お化けなシルエットになりましたよね


前回記事に掲載した抵抗で整合したデータとの比較です。トランスによる整合でロスが減ってしまったためピタッと重ねられていませんが、様子は判ると思います。
このトリミング作業・・・これは理屈にならない試行錯誤なんですが、個々のコンデンサ容量をLTSpiceで変更するとどんな風に特性が変化するのか見つつ、実際にコンデンサを取り替えて特性を実測するという何ともへっぽこな方法。大きめの容量のトリマコンデンサで探るという方法も併用しつつだったため、かなり時間が掛かりました。
ただ、本当に闇雲だったのかというとそうではなく、例の”Dishal”で設計した手順・・・メッシュの対を意識して作業は進めました。これは、最終的な結果を見ながら説明しましょう。

”*”を付けたコンデンサが設計値から変更したものです。順序は以下のように進めました。
① X1-2間と対になるX5-6間の容量を調整(220pF⇒180pF)
② X2-3間と対になるX4-5間の容量を調整
⇒この容量には背反の関係があったため、片方の容量を増やした
(270pF⇒330pF)
③ X3の同調容量を小さくした(1500pF⇒330pF)
①については変化が最も顕著であり、これで大凡お化けなシルエットが完成したんですが、②でさらに改善することが判り、適切な容量をトリマで探っていたら対となるコンデンサ同士が背反の関係にあったため、片側のみ容量を増やしました。③についてはそもそもの値が大きく(=1500pF)、X4の同調容量との差異があまりに大きいことから少なくなる方向に調整していった次第。
このように”Dishal”で設計されたフィルタについては、メッシュの対を意識しながら調整は可能であることが判りました。が、これは実にナンセンスな方法・・・興味本位で実施したブレッドボードでの実験である程度の特性が見られることは判っていますから、ブレボでもう少し追い込んじゃった方がいいでしょう。さらに、小さなブレボに少し細工(グランド強化など)を施して、専用の「フィルタ実験ユニット」を作っておくのもアリでしょう。
さぁ、お待ちかねの入出力インピーダンスに関するまとめに入りましょう。
この記事の一番上のデータは、入出力インピーダンスの整合用にフェライトビーズに巻いた1:4のトランスを使っています。ノイズフロアが-100dBより少し低いところにあるため切れていますが、申し分ないと言っていいと思います。

測定時の参考スナップです。フェライトビーズは最近手に入れたもので既に記事で紹介していますが、上手く動いているようです。ちなみに、7回巻きのバイファイラです。
こんな風にラフに組んでいますが、入出力が結合しないようにある程度配慮しているつもりです。前回記事でアップにできなかった入力側のシールドもこんな風に銅テープで衝立を立てた格好で、グランドに一端を接続しています。
なるほど、オーソドックスなトランスによる整合で上手くいくことは判りました。そこで、今度はLマッチによる測定です。

トランスによるものと殆ど変わりません・・・って、まぁ当たり前なんですがね

これで普通に考えられるインピーダンス整合は、前回記事の抵抗での整合を含めて網羅したと思いますが、最後にちょっとだけ「不整合の場合」に突っ込んでおきましょう。

一番上のデータと出力側のみ200Ωにしてみたものとを重ねてみました。この程度の不整合(SWR=4)でもオツムの辺りが波打っていることが判りますね。こうなると、かなり厳格にインピーダンスを守ってやらないといけないということになりそうです。即ち、実機にこの手のクリスタルフィルタを組み込む場合には、この整合具合を「実装した状態」で測定して合わせ込んでおくことが必要なようです。
すると、今回のようにインピーダンス変換が簡単な場合はトランス整合が視野に入るものの、本命はLマッチ(或いは同調とインピーダンス変換を兼ねたタンク回路)になると考えた方が良さそう。抵抗での整合はロスに直結することからも、Lマッチを”一等賞”と考えて良さそうです。
クリスタルフィルタの試作に向け、水晶の諸元を測定するアダプタを作り始めたのが6月頭・・・2ヶ月以上掛かってしまったようです。歪み特性や音響的な遅延の具合など掘り下げたい部分もまだまだありますが、これにてひとまず、クリスタルフィルタの試作からは手を離そうかと思います。
CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その7)
2017-08-15
先週の金曜日から長めの夏休みに突入しました。初日は比較的涼しかったんで、へたれる前にと、6月の頭からぶん回し続けているエアコン掃除をし、翌日は一族恒例となった夏の食事会・・・孫娘中心の会になってしまうのは兎も角、普段と違う動きを余儀なくされるためにクタクタとなった上、またしてもぶり返してしまった風邪っぽい症状も相まって、一昨日は休養に当てました。普段は「鼻水」とは縁遠いんですが、一年分鼻をかんだ気がします
昨日も引き続きノンビリ過ごしつつ、午後遅くになってから例のクリスタルフィルタを基板に組み込み始め、今日は単体での味見実験を行いました。この辺りをまとめたいと思います。

まずは基板に組んだ様子。TAKACHIの宣伝みたいになっていますが、「TNF 29-44」を使いました。そこそこコンパクトに収まりましたが、実はこれより一回り小さい基板があって、そちらに組んだ方がもう少しコンパクトになりそうです。

スルーホール付きの基板なんで不用意なショートを起こさぬよう、水晶発振子を少し浮かすべく、百均で手芸用のビーズを買ってきました。1mmちょいは浮かすことができる上、100円でそれこそ”一生分”手に入ります
他のシチュエーションにも使えそうですね。
さぁ、測定結果を・・・と、その前に、測定のノウハウについて。
まずはグランド。APB-3をネットワークアナとして接続すると、基板が小さいことから「中空」で接続するような格好になり、グランドレベルが安定しません。そこで、何かの金属板をグランドに見立て、その上に配置するようにするなどの工夫が要ります。特にノイズレベル程度の低いレベルまでの測定になりますから、この辺りの「環境整備」が必要になります。

今回はまだ味見実験ですから、とりあえずアルミケースにタッパーのフタを絶縁板として、大きな洗濯ばさみで固定しています。これなら、着脱自在ですね。
もう一つは、入力側のコネクティングです。入力側には高周波信号を与えるわけですが、これが出力側にそのままリークすると具合が悪いことになります。フィルター回路では当たり前ですが、兎に角これを極力少なくするようにしなければなりません。そこで今回は、入力側のコネクタ付近に銅テープでシールドを施しています。上のスナップでは、丁度黄色い洗濯ばさみに隠れてしまっています
アップでスナップを撮っておくべきだった・・・。
この2つの対策で漸く、入力信号から-100dBくらいの信号が安定して読み取れるようになりました。それでは、測定結果を。

味見測定ということで、このフィルタの入出力インピーダンスである200Ωに抵抗で整合を取っているだけですが、ブレッドボードでのお巫山戯測定と比較してかなり低いレベルまでキチンと特性が取れています。ただ、-50dBから上の特性は、ブレッドボードのものとそれ程変わりませんね。
通過帯域の天辺から60dBダウンでの帯域幅は800Hz強ありますが、かなり切れるフィルタであることが判ります。さらにノイズレベルまでの差は80dB程度はありそうですから、IFゲイン高めの受信でも十分な減衰量が確保されると考えてよさそう。
さて、ここでもう一つ意地悪な測定をしてみました。

フィルタのインピーダンス整合をわざと悪くしてみました。明らかに通過帯域の特性が劣化したのが判ります。この辺りがクリスタルフィルタ製作の秘訣なんでしょうが、こうして目の当たりに見ておくのもヘッポコ実験の醍醐味
まぁざっと、こんな風に「素」の特性を見ることができました。ここからは入出力の整合・扱いに関して、より「実機に用いる」という観点でもう少し掘り下げてみようと思います。もう一回ぐらいお付き合い頂きましょうかね・・・って、誰に

昨日も引き続きノンビリ過ごしつつ、午後遅くになってから例のクリスタルフィルタを基板に組み込み始め、今日は単体での味見実験を行いました。この辺りをまとめたいと思います。

まずは基板に組んだ様子。TAKACHIの宣伝みたいになっていますが、「TNF 29-44」を使いました。そこそこコンパクトに収まりましたが、実はこれより一回り小さい基板があって、そちらに組んだ方がもう少しコンパクトになりそうです。

スルーホール付きの基板なんで不用意なショートを起こさぬよう、水晶発振子を少し浮かすべく、百均で手芸用のビーズを買ってきました。1mmちょいは浮かすことができる上、100円でそれこそ”一生分”手に入ります

さぁ、測定結果を・・・と、その前に、測定のノウハウについて。
まずはグランド。APB-3をネットワークアナとして接続すると、基板が小さいことから「中空」で接続するような格好になり、グランドレベルが安定しません。そこで、何かの金属板をグランドに見立て、その上に配置するようにするなどの工夫が要ります。特にノイズレベル程度の低いレベルまでの測定になりますから、この辺りの「環境整備」が必要になります。

今回はまだ味見実験ですから、とりあえずアルミケースにタッパーのフタを絶縁板として、大きな洗濯ばさみで固定しています。これなら、着脱自在ですね。
もう一つは、入力側のコネクティングです。入力側には高周波信号を与えるわけですが、これが出力側にそのままリークすると具合が悪いことになります。フィルター回路では当たり前ですが、兎に角これを極力少なくするようにしなければなりません。そこで今回は、入力側のコネクタ付近に銅テープでシールドを施しています。上のスナップでは、丁度黄色い洗濯ばさみに隠れてしまっています

この2つの対策で漸く、入力信号から-100dBくらいの信号が安定して読み取れるようになりました。それでは、測定結果を。

味見測定ということで、このフィルタの入出力インピーダンスである200Ωに抵抗で整合を取っているだけですが、ブレッドボードでのお巫山戯測定と比較してかなり低いレベルまでキチンと特性が取れています。ただ、-50dBから上の特性は、ブレッドボードのものとそれ程変わりませんね。
通過帯域の天辺から60dBダウンでの帯域幅は800Hz強ありますが、かなり切れるフィルタであることが判ります。さらにノイズレベルまでの差は80dB程度はありそうですから、IFゲイン高めの受信でも十分な減衰量が確保されると考えてよさそう。
さて、ここでもう一つ意地悪な測定をしてみました。

フィルタのインピーダンス整合をわざと悪くしてみました。明らかに通過帯域の特性が劣化したのが判ります。この辺りがクリスタルフィルタ製作の秘訣なんでしょうが、こうして目の当たりに見ておくのもヘッポコ実験の醍醐味

まぁざっと、こんな風に「素」の特性を見ることができました。ここからは入出力の整合・扱いに関して、より「実機に用いる」という観点でもう少し掘り下げてみようと思います。もう一回ぐらいお付き合い頂きましょうかね・・・って、誰に

ちっこいフェライトビーズ
2017-08-06
少し思うところがあって、小さなフェライトビーズを入手しました。RSオンラインから少し前に到着していたんですが、未だ味見してなかったんでプチ実験を敢行。

どのくらい小さいか、FB801-43との比較スナップを。大きさ的には、FB101-43と同等ですが、違うのが内径・・・つまり穴の直径が大きめであり、何巻かのトランスが作れそう・・・というわけで、位相反転トランスを組んで特性を採ってみました。位相反転トランスは入出力が直流的には分断されますから、このフェライトビーズの素性が判ると思います。
そうそう、このちっこいFBはFair-Rite社の#43材のものです。1ターンで0.43μH程度のものですから、普通に「ちょっとノイズフィルタ」とか「かなり上の方の発振止め」くらいの用途でしょう。スナップで判る通り案外内径が大きいことから、ちょっとした伝送線路トランスも巻けそうですね。

上記は、特に低い方(5MHz以下)のロスを測ったものを掲載。小さいフェライトビーズの可能性を探るのは、やはり低い方でしょう。グラフのコメントにも記しましたが、FB801-43はバイファイラの6回巻き、ちっこいFBは7回巻きにしています(線材は0.2ΦのUEW)。流石に親分は0.1-0.2dBの損失に収まっていますが、ちっこいFBも-0.3dB程度とそこそこイケていますね。
ただ、ちっこいFBはAFまでは流石に無理なようで、1MHz辺りからロスが増えていることが判りますね。SSB変調用のDBMなどには少しキツそう。
なお、何れもAPB-3の測定限界である40MHzまで同様の特性になっていましたから、HF帯についてはこのちっこいFBも結構使えそうです。
実はこのちっこいFBは、製作中のクリスタルフィルタの入出力インピーダンスを整えるためのステップアップ/ダウントランスに使えないかと思って購入したんです。クリスタルフィルタ自体を小さく組もうと思うと、どうしてもFB801-43では大きくなってしまうからです。そういう意味では、ホンの0.1-2dBの損失を我慢すれば使えそうであることが判りました。
まぁ、厳密に考えるとこのコアのIMDも検討しなければならないところではありますが、高い周波数のDBMへの適用など、応用は利きそうです。1個15円という値段にも魅力がありますから、今後のヘッポコ工作にも顔を出すことでしょう。

どのくらい小さいか、FB801-43との比較スナップを。大きさ的には、FB101-43と同等ですが、違うのが内径・・・つまり穴の直径が大きめであり、何巻かのトランスが作れそう・・・というわけで、位相反転トランスを組んで特性を採ってみました。位相反転トランスは入出力が直流的には分断されますから、このフェライトビーズの素性が判ると思います。
そうそう、このちっこいFBはFair-Rite社の#43材のものです。1ターンで0.43μH程度のものですから、普通に「ちょっとノイズフィルタ」とか「かなり上の方の発振止め」くらいの用途でしょう。スナップで判る通り案外内径が大きいことから、ちょっとした伝送線路トランスも巻けそうですね。

上記は、特に低い方(5MHz以下)のロスを測ったものを掲載。小さいフェライトビーズの可能性を探るのは、やはり低い方でしょう。グラフのコメントにも記しましたが、FB801-43はバイファイラの6回巻き、ちっこいFBは7回巻きにしています(線材は0.2ΦのUEW)。流石に親分は0.1-0.2dBの損失に収まっていますが、ちっこいFBも-0.3dB程度とそこそこイケていますね。
ただ、ちっこいFBはAFまでは流石に無理なようで、1MHz辺りからロスが増えていることが判りますね。SSB変調用のDBMなどには少しキツそう。
なお、何れもAPB-3の測定限界である40MHzまで同様の特性になっていましたから、HF帯についてはこのちっこいFBも結構使えそうです。
実はこのちっこいFBは、製作中のクリスタルフィルタの入出力インピーダンスを整えるためのステップアップ/ダウントランスに使えないかと思って購入したんです。クリスタルフィルタ自体を小さく組もうと思うと、どうしてもFB801-43では大きくなってしまうからです。そういう意味では、ホンの0.1-2dBの損失を我慢すれば使えそうであることが判りました。
まぁ、厳密に考えるとこのコアのIMDも検討しなければならないところではありますが、高い周波数のDBMへの適用など、応用は利きそうです。1個15円という値段にも魅力がありますから、今後のヘッポコ工作にも顔を出すことでしょう。
CW用クリスタルフィルタの設計・製作(その6)
2017-08-02
クリスタルフィルタのブレボ実験が予想外に上手くいったため、この組合せの前にシミュレーションして「帯域が狭過ぎる」と蹴ったコンデンサの組み合わせではどうなんだろうと、ちょっと思いつきで実験してみました。何といっても、ブレッドボードに挿したコンデンサを交換するだけですから、平日の帰宅後でも確認できちゃうわけです。
コンデンサの換装は以下のように行いました。

水晶の順序は変わりませんから、単純にコンデンサを差し替えて容量値を変えるだけの作業・・・ホンの数分で完了。四の五の言うより、結果をご覧頂きましょうかね。

確かに帯域が全体に狭まっています。USB側の減衰域が下の方にズレる格好なのは「教科書通り」といったところでしょうか。-3dB帯域幅は200Hzより狭く、40mや80mのコンテストに使うならこちらの方がいいかも知れません。
もう少し細かく見ると、フィルタとしての"共振域"(これ、どよよん無線技士的造語ですよ・・・念のため)の減衰量は、シミュレーションした際の-12dB程度より若干多めですが、まぁ納得できる程度に収まっているようです。この辺りも、ブレボ実験としては上出来だと思います。ただ、"共振域"の凸凹が顕在化していますね。高周波的にもう少しマシな基板に組んだ時にどうなるか・・・という部分は、広い方のフィルタでもチェックしたいところです。
さぁ、どちらで完成形とするか迷ってしまう結果となってしまいました。ま、この辺りは週末まで待って下され
コンデンサの換装は以下のように行いました。

水晶の順序は変わりませんから、単純にコンデンサを差し替えて容量値を変えるだけの作業・・・ホンの数分で完了。四の五の言うより、結果をご覧頂きましょうかね。

確かに帯域が全体に狭まっています。USB側の減衰域が下の方にズレる格好なのは「教科書通り」といったところでしょうか。-3dB帯域幅は200Hzより狭く、40mや80mのコンテストに使うならこちらの方がいいかも知れません。
もう少し細かく見ると、フィルタとしての"共振域"(これ、どよよん無線技士的造語ですよ・・・念のため)の減衰量は、シミュレーションした際の-12dB程度より若干多めですが、まぁ納得できる程度に収まっているようです。この辺りも、ブレボ実験としては上出来だと思います。ただ、"共振域"の凸凹が顕在化していますね。高周波的にもう少しマシな基板に組んだ時にどうなるか・・・という部分は、広い方のフィルタでもチェックしたいところです。
さぁ、どちらで完成形とするか迷ってしまう結果となってしまいました。ま、この辺りは週末まで待って下され
