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ステルス君3号の設計情報

2018-07-28      
 この記事を書き始めた時点の我が家の周辺外気温は27℃。身体を休めるには良い気温ではあるものの、千葉県北西部は台風接近に伴って早朝にはかなりの雨・・・そしてその後も時折サーッと降る雨の合間に昼食の買い物だけは済ませましたが、雲間から弱い陽が差すとムッとした風がベランダから流れてくるため、今さっき窓を閉めて”第二種防衛モード”にエアコンを調整しました

 このくらいの外気温なら我が納戸シャックも26℃辺りに落ち着きますから、今のうちに一記事アップしちゃいましょう。

 今回もこれまでのステルス君と設置条件は変わらず、ベランダからはみ出さないようにダイポールアンテナを張るわけですが、できるだけ多くのHFバンドに同調させる(させたい)ことにも変わりはありません。この辺りはMMANAで見通しを立てて、実際に必要となる延長コイル・短縮コンデンサを仕込んでいくという手順になります。特に今回は、アンテナエレメントに装荷するコイルを1つだけにしてメンテナンス性を高める・・・というか、放っておき易いものに仕立てたいと思います。

 まずは全体像。



 ベランダに張ったベント型ダイポールの左側エレメント(黒い太線)に延長コイル(トラップコイル)と使用時の同調点を調整する”ひげ”を配し、右側エレメント(緑の太線)には何も造作しません。その上で、赤矢印の部分に必要な値のコイル・コンデンサを配します。我が家のベランダの横幅などの条件により20mのフルサイズのダイポールを張るのは難しく、使用時の同調点を調整する”ひげ”の位置も「洗濯物を干す際の邪魔にならない位置」によって決定されますから、コンデンサ・コイル群を「全てマッチングボックスに収めてロータリースイッチで切り替える」という部分は、ステルス君2号と変わりません。

 では、設計手順を辿ってみましょう。

 まず、エレメント全長でダイポールとして同調する周波数は13MHz程度となります。ここから下の周波数には延長コイル、上には短縮コンデンサが必要です。従って、30mより下のバンドには延長コイルが必須となります。



 上図の青い太線部分を全長として13MHz付近に同調しますから、左側の水平エレメントに延長コイルを入れて40mに同調させます。これで、40mのモノバンド短縮ダイポールは完成。

 さぁ、これを前提に別の周波数に同調させましょう。延長コイルの手前までのエレメントで同調できる周波数帯が、別のバンドに対応することになります。



 上図の青い太線の部分がダイポールの全長であり、17MHz前半が同調点になります。そこで、この周波数より低い20mと30mには延長コイル、逆に17m以上には短縮コンデンサが必要になります。これは先に説明した通り、右側エレメントの袂・・・マッチングボックスの中に具備するわけです。

 では、これらを踏まえて算出したコイルとコンデンサの仕様をまとめておきましょう・・・って、こんなのどなたにも役に立ちませんね



 MMANAの結果をそのまま表にしているんで、MMANAをあまりご存じでない方には横軸の表現がよく解らないでしょう。

 w4b-L/Cは、40m用の延長コイル/それ以上のバンド用のトラップコイルです。設計上の中心周波数は14MHzにしています。これにより、このトラップコイルから先のエレメントは”無いもの”として扱えることになりますから、それぞれのバンドに必要なインダクタンス値(w5b-L)、または容量値(w5b-C)を計算します。
 残念ながら10mでは同調時のインピーダンスが高過ぎ(1KΩ超)、簡単なマッチングボックスでは調整できないため具備できませんでした。さらに表中の黄色にハッチングしている30mと12mもかなり無理なマッチング(30mは延長コイルが大き過ぎ、12mは同調時インピーダンスがちょいと高過ぎ)であるため、結果的にステレス君2号とあまり変わらないバンド構成に落ち着きました。

 ステルス君3号の設計は上記のような感じで終えています。勿論、最終的には実際に張ってみて各部の値を調整していくわけですから、結構な時間を要する作業になるんですね。炎天下ではちょっと行いたくない作業ですから、これが一体いつできるかは正に”お天道様任せ”になります。今年の天候では秋になってしまうかも・・・少々不安ではありますね

追加・修正 2018.11.12>
 数値が間違っている箇所が結構あり修正、延長と短縮の誤り箇所を修正、ちょっと加筆もしました。
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どよよん無線技士

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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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