どよよん的コンデンサ容量の決め方
2020-02-23
納戸シャックの改装(じゃなくて片づけ)をほんの少しずつ進めていますが、部品の仕分けに寄り道して細かな定数表示を見たり、何より「こんなん、持ってたんや」的な発見で余計なこと(主に導通検査やHFE測定、簡単な動作確認など)を始めてしまったり・・・どんどん遅延しています。
特に先週末は、見失っていた古いバックアップHDDの中に、消してしまったと思われた音楽データがセーブされているのを発見
以来、ユーミンが"荒井"だったころの楽曲やまだ”ディスコ”の頃の洋楽に聞き入ってしまって、何やら優しさに・・・じゃなくて懐かしさに包まれて、まぁ幸せな時間を過ごしています
こんな駄文にお付き合いを頂いた上、さらに時々コメントまで頂いているbachさんより、直前の記事について「容量の決め方も解るとよいかも」というご要望を頂きました。なるほど、これはまとめておいた方が良いと思い、自分が今いま信じている(
)コンデンサ容量の決め方について、できるだけ証拠を示しながらご紹介することにします。
注:例によってこの記事はどよよん無線技士の備忘録、屁のツッパリにもならないかも知れないんで、読んでガッカリしても自業自得と心得給え、アーメン。
前回記事では個々のコンデンサに必要な耐圧を、LTspiceのシミュレーション値から拾ってきています。勿論、殆どのポイントはオームの法則で概算を計算できるような簡単なものですが、これを含めて考えてもLTspiceは優れモノで手間いらず・・・どうしても横着になってしまいます。今回もLTspiceを使いながら、どよよん氏はどんな風に容量を決定しているか晒していきましょう。
まず、基となる低周波アンプの回路を。

前回記事の初段に配置したオーソドックスな電流帰還増幅回路を抜き出してきました。C4とRL以外の抵抗、それにコンデンサの値は、それぞれ前回記事の回路定数を入れてあります。C4は特に意味はありませんが、RLは後段に控える増幅回路の入力インピーダンスをバイアス回路の抵抗2本の合成抵抗値としています。
本当は、後段の入力インピーダンスとこの回路の付加抵抗であるR3は合わせておいた方がよろしいんですが、ま、既に記事に上がってしまっていますし大目に見て下され
コンデンサC1,C2は段間の結合コンデンサですが、何れも”直列つなぎ”になっていることは自明ですね。では、この部分だけを抜き出してさらにシミュレートしてみましょう。

一気にまとめちゃったグラフになっていますが、順に説明します。 C1は低周波アンプの初っ端にあり、その前段にはヘッドホン出力やLINE出力の接続が想定されます。これらの出力インピーダンス(代表例として8Ωや600Ω)が「C1にとっての入力インピーダンス」(Zin)になります。
逆にC1の出力側はエミッタ接地増幅器の入力インピーダンスになり、この程度の小さな電流で動くエミッタ接地回路は、バイアス抵抗R1,R2の合成抵抗値程度に収まります。合成抵抗値は「47KΩ∥10KΩ≒8.2KΩ」ですね。これが「C1にとっての出力インピーダンス」(Zout)になります。
このように、小型の(Icが数mAまでの)エミッタ接地増幅回路の入力インピーダンスは数KΩになることが多いため、ひとまずC1にとっての出力インピーダンスを、代表例として3KΩに仮定してシミュレーションしました。
今回のシミュレーションでは、コンデンサの容量として0.1μFと1μFを使っていますが、その差はご覧の通りです。0.1μF(破線)では1000Hz位から下の周波数は、低い方に向かってどんどん減衰していくのが判ります。いわゆるHPFですね。
一方、1μF(実践)の方は、上の項から見て凡そ100Hz位までは減衰していません。つまり、低周波域をどの程度透過させるかによって、コンデンサ容量を選択することができます。
今回の回路は、小さなスピーカーを鳴らすミニアンプの初段ですから、勿論100Hz以下の低い周波数まで欲張ってもいいんですが、小さなスピーカーに重低音をくべてもどうせ再生できませんし、逆に悪さ(スピーカーボックス自体が揺れるなど)をするんで、まぁ1μF程度でも大丈夫なんですが、ちょいと余裕を見て10μF・・・もう一声で22μFとしたわけです。
続いてC2について。C2の入力インピーダンスは、低周波アンプの負荷抵抗R3そのものです。出力インピーダンスは、後続のトランジスタアンプのバイアス回路になるため数KΩとなります。従って、この場合にはグラフ上のZinが3KΩのもの・・・入出力インピーダンスが同程度のものが参考になりますね。ここでも0.1μFでは役不足ですから、ひとまず1μFと決めました。もう一声で10μFとしても良さそうです。
さて、このシミュレーションでは、コンデンサの入力インピーダンスを8Ω,600Ω,3KΩと振っていますが、このときの挙動もお判りになるでしょう。簡単に丸めてしまえば、要はインピーダンス整合が取れている方が、周波数の低域への伸びが良くなるということです。
少し話が変わりますが、音質を追求するオーディオアンプでは、これらの結合コンデンサによくフィルムコンデンサが選ばれます。音がピュアに伝わり歪みも少ない・・・というのが専らの評判ですが、フィルムコンデンサは大容量のものをそこそこ小型に作ることが難しいようで、フツ~に手に入る廉価なものでは精々数μF程度以下になります。
こういった場合には、FETやオペアンプを使って入力インピーダンスを100KΩ程度まで持ち上げてやると、小さな容量のコンデンサでも大丈夫・・・というわけで、このグラフに入力インピーダンス8Ω、出力インピーダンスを100KΩとして、0.1μFのコンデンサによる周波数特性を1点鎖線で入れてあります。
さぁ、残るはC3。実はここが非常に重要です。
C3の役割は、交流成分の増幅を助けるために、エミッタ抵抗の200Ω分のところにコンデンサを入れて交流はこのルートで接地し、直流はさらに1KΩの抵抗を経て接地するようになっています。これによって交流の増幅率は直流のものを上回り、そこそこの増幅率を維持することができます。
エミッタの200Ωとコンデンサによってグランドに落とす部分をHPFに見立て、擬似的にシミュレートしてみました。

傾向はよく現れていますね。高域から100Hzまでフラットな周波数特性を実現できそうなのが47μF以上であり、あとは回路実現時に許されるコンデンサの大きさで考えればいいということでしょう。
C3については、念には念を入れてもう一つシミュレートしました。

これは、この低周波アンプの周波数特性についてC3の値だけを振ってみたグラフです。やはり、47μF以上でないと100Hz程度までのフラットな特性にはなりません。
さらにもう一つ・・・低周波アンプでは、交流利得をもっと稼ぐためにエミッタ直下にコンデンサを接続して接地することが結構あります。即ち、上の回路ではR4を0ΩにしてR5を1.2KΩにする感じ・・・これが点線で示した特性です。この場合、100μFでも低域の利得が下がっていることが判りますね。低域を100Hz程度まで引っ張るためには、330μF以上の容量のものが必要になります。結構大きな容量になりますね。簡易なマイクアンプなどでは注意が必要かも
つらつらとまとめてきましたが、これはあくまで低周波アンプ、かつIcが数mA程度の場合の話です。高周波アンプやIcが数十mAになるアンプでは様子が変わってきますよ。以上、どよよん的低周波アンプのコンデンサ容量の決め方でした。
特に先週末は、見失っていた古いバックアップHDDの中に、消してしまったと思われた音楽データがセーブされているのを発見


こんな駄文にお付き合いを頂いた上、さらに時々コメントまで頂いているbachさんより、直前の記事について「容量の決め方も解るとよいかも」というご要望を頂きました。なるほど、これはまとめておいた方が良いと思い、自分が今いま信じている(

注:例によってこの記事はどよよん無線技士の備忘録、屁のツッパリにもならないかも知れないんで、読んでガッカリしても自業自得と心得給え、アーメン。
前回記事では個々のコンデンサに必要な耐圧を、LTspiceのシミュレーション値から拾ってきています。勿論、殆どのポイントはオームの法則で概算を計算できるような簡単なものですが、これを含めて考えてもLTspiceは優れモノで手間いらず・・・どうしても横着になってしまいます。今回もLTspiceを使いながら、どよよん氏はどんな風に容量を決定しているか晒していきましょう。
まず、基となる低周波アンプの回路を。

前回記事の初段に配置したオーソドックスな電流帰還増幅回路を抜き出してきました。C4とRL以外の抵抗、それにコンデンサの値は、それぞれ前回記事の回路定数を入れてあります。C4は特に意味はありませんが、RLは後段に控える増幅回路の入力インピーダンスをバイアス回路の抵抗2本の合成抵抗値としています。
本当は、後段の入力インピーダンスとこの回路の付加抵抗であるR3は合わせておいた方がよろしいんですが、ま、既に記事に上がってしまっていますし大目に見て下され

コンデンサC1,C2は段間の結合コンデンサですが、何れも”直列つなぎ”になっていることは自明ですね。では、この部分だけを抜き出してさらにシミュレートしてみましょう。

一気にまとめちゃったグラフになっていますが、順に説明します。 C1は低周波アンプの初っ端にあり、その前段にはヘッドホン出力やLINE出力の接続が想定されます。これらの出力インピーダンス(代表例として8Ωや600Ω)が「C1にとっての入力インピーダンス」(Zin)になります。
逆にC1の出力側はエミッタ接地増幅器の入力インピーダンスになり、この程度の小さな電流で動くエミッタ接地回路は、バイアス抵抗R1,R2の合成抵抗値程度に収まります。合成抵抗値は「47KΩ∥10KΩ≒8.2KΩ」ですね。これが「C1にとっての出力インピーダンス」(Zout)になります。
このように、小型の(Icが数mAまでの)エミッタ接地増幅回路の入力インピーダンスは数KΩになることが多いため、ひとまずC1にとっての出力インピーダンスを、代表例として3KΩに仮定してシミュレーションしました。
今回のシミュレーションでは、コンデンサの容量として0.1μFと1μFを使っていますが、その差はご覧の通りです。0.1μF(破線)では1000Hz位から下の周波数は、低い方に向かってどんどん減衰していくのが判ります。いわゆるHPFですね。
一方、1μF(実践)の方は、上の項から見て凡そ100Hz位までは減衰していません。つまり、低周波域をどの程度透過させるかによって、コンデンサ容量を選択することができます。
今回の回路は、小さなスピーカーを鳴らすミニアンプの初段ですから、勿論100Hz以下の低い周波数まで欲張ってもいいんですが、小さなスピーカーに重低音をくべてもどうせ再生できませんし、逆に悪さ(スピーカーボックス自体が揺れるなど)をするんで、まぁ1μF程度でも大丈夫なんですが、ちょいと余裕を見て10μF・・・もう一声で22μFとしたわけです。
続いてC2について。C2の入力インピーダンスは、低周波アンプの負荷抵抗R3そのものです。出力インピーダンスは、後続のトランジスタアンプのバイアス回路になるため数KΩとなります。従って、この場合にはグラフ上のZinが3KΩのもの・・・入出力インピーダンスが同程度のものが参考になりますね。ここでも0.1μFでは役不足ですから、ひとまず1μFと決めました。もう一声で10μFとしても良さそうです。
さて、このシミュレーションでは、コンデンサの入力インピーダンスを8Ω,600Ω,3KΩと振っていますが、このときの挙動もお判りになるでしょう。簡単に丸めてしまえば、要はインピーダンス整合が取れている方が、周波数の低域への伸びが良くなるということです。
少し話が変わりますが、音質を追求するオーディオアンプでは、これらの結合コンデンサによくフィルムコンデンサが選ばれます。音がピュアに伝わり歪みも少ない・・・というのが専らの評判ですが、フィルムコンデンサは大容量のものをそこそこ小型に作ることが難しいようで、フツ~に手に入る廉価なものでは精々数μF程度以下になります。
こういった場合には、FETやオペアンプを使って入力インピーダンスを100KΩ程度まで持ち上げてやると、小さな容量のコンデンサでも大丈夫・・・というわけで、このグラフに入力インピーダンス8Ω、出力インピーダンスを100KΩとして、0.1μFのコンデンサによる周波数特性を1点鎖線で入れてあります。
さぁ、残るはC3。実はここが非常に重要です。
C3の役割は、交流成分の増幅を助けるために、エミッタ抵抗の200Ω分のところにコンデンサを入れて交流はこのルートで接地し、直流はさらに1KΩの抵抗を経て接地するようになっています。これによって交流の増幅率は直流のものを上回り、そこそこの増幅率を維持することができます。
エミッタの200Ωとコンデンサによってグランドに落とす部分をHPFに見立て、擬似的にシミュレートしてみました。

傾向はよく現れていますね。高域から100Hzまでフラットな周波数特性を実現できそうなのが47μF以上であり、あとは回路実現時に許されるコンデンサの大きさで考えればいいということでしょう。
C3については、念には念を入れてもう一つシミュレートしました。

これは、この低周波アンプの周波数特性についてC3の値だけを振ってみたグラフです。やはり、47μF以上でないと100Hz程度までのフラットな特性にはなりません。
さらにもう一つ・・・低周波アンプでは、交流利得をもっと稼ぐためにエミッタ直下にコンデンサを接続して接地することが結構あります。即ち、上の回路ではR4を0ΩにしてR5を1.2KΩにする感じ・・・これが点線で示した特性です。この場合、100μFでも低域の利得が下がっていることが判りますね。低域を100Hz程度まで引っ張るためには、330μF以上の容量のものが必要になります。結構大きな容量になりますね。簡易なマイクアンプなどでは注意が必要かも

つらつらとまとめてきましたが、これはあくまで低周波アンプ、かつIcが数mA程度の場合の話です。高周波アンプやIcが数十mAになるアンプでは様子が変わってきますよ。以上、どよよん的低周波アンプのコンデンサ容量の決め方でした。
ヘッポコの極み・・・回路の中のコンデンサ耐圧に関する発見
2020-02-11
巷は、新型コロナウィルスの件で話題沸騰となっていますね。昨日は、所属会社のグループ一斉に海外渡航に纏わる注意喚起のメールが飛んできましたが、門外漢の自分としてはどこかピンと来ません。手洗いとうがいの励行を最優先に流行性感冒やインフルの予防と同じ防護策しか無さそうですから、変に慌てずに対処したいと思います。
ここ数ヶ月は、段階的に家の中の家具入れ替えを進めるため、なかなか落ち着いてヘッポコ工作に手を染め難いことになります。手始めとして、我が納戸シャックにあったキーボード(KORGのちゃんとした奴)が出て行き、代わりに部品整理棚が一昨日の日曜夕刻に届いて今日の祝日を部品整理に充てていますが、一寸違うことに手を染めてしまっています
果たして今日中に終わるんかいなぁ
年末・年始からオーディオ寄りの工作記事が続きますが、実はピロースピーカーとして、8cmユニットが入る10cm四方の密閉型スピーカーを製作中です。既に形にはなっているんですが、上記の通り家具の入れ替えがあることに加えて塗装にも手を染めたい(塗装だけに・・・っておい
)と考え、前面パネルは小型のクランプで仮止めして視聴しています。
このスピーカー云々は別記事に譲ることにしますが、今使っている”Sound Blaster play! 3”の出力で鳴らすのは心許なく、数百mWのアンプでもこしらえようかと例によってLTspiceで回路シミュレーションを始め、そこそこ煮詰まっています。そして、その回路のあちこちの電圧を測っていたら、超当たり前なことに気付きました。
※注意:ここから先、ベテラン工作士の方々には無用、Yahooニュースでもご覧頂いた方が無難ですぜ。
さて、何に気付いたかというと・・・まずは回路図をご披露。

0.5Wクラスのミニ・オーディオアンプです。Q1は無くてもいいんですが、入出力の位相が引っ繰り返るのがちょっと嫌で入れています。その後段にはオーソドックスなSEPPを配しています。これで1W弱までは、歪みも少ない出力が可能でしょう。
この回路のシミュレーションをしながらあちこちの定数を弄っていて気付いたのが、各コンデンサに加わる電圧についてです。C1から順に見てみると・・・
C1:入力が小さいため、Q1のバイアス電圧である1.97V程度
C2:Q1の出力に重畳された7.89VとQ2のバイアス電圧である1.47Vの差
C3:A級増幅のエミッタ部であり、1.06V程度で一定
C4,C5:電源部であり、凡そ電源電圧(12V)と同程度
C6:Q3とQ4の出力電位6.19Vを中心上下に数V動く程度
C7:ここに接続するコンデンサはケミコンでは無いため、あまり考慮は要らない
如何でしょうか
交流が掛かる部分はその電圧の振れ幅を考慮する必要があります。また、マージンをどの程度取るかは、設計者の経験がモノをいう部分ですが、仮にアマチュア仕様として”1.5倍”とすると・・・
C1,C3:6.3V
C2:10V
C4,C5:16V
C6:10Vまたは16V
ということになりますね。
ケミコンは、耐圧によって大きさ・・・さらに価格(低耐圧ほど安い)まで違ってきますから、何か大物をこしらえる場合やキットで量販しちゃったりする場合には、この辺りが響いてくるかも知れません。これまで何となく、或いは面倒くさくて「電源電圧が12Vだから16Vでよいな」とあまり深く考えていませんでしたが、今後はコンデンサに掛かる電圧にも目を向けて、少しでもお財布に優しい設計を心がけたいと思った次第。
これも、ヘッポコ所以の記事になってしまいましたが、自分以外のどなたかの参考になれば幸いです
ここ数ヶ月は、段階的に家の中の家具入れ替えを進めるため、なかなか落ち着いてヘッポコ工作に手を染め難いことになります。手始めとして、我が納戸シャックにあったキーボード(KORGのちゃんとした奴)が出て行き、代わりに部品整理棚が一昨日の日曜夕刻に届いて今日の祝日を部品整理に充てていますが、一寸違うことに手を染めてしまっています


年末・年始からオーディオ寄りの工作記事が続きますが、実はピロースピーカーとして、8cmユニットが入る10cm四方の密閉型スピーカーを製作中です。既に形にはなっているんですが、上記の通り家具の入れ替えがあることに加えて塗装にも手を染めたい(塗装だけに・・・っておい

このスピーカー云々は別記事に譲ることにしますが、今使っている”Sound Blaster play! 3”の出力で鳴らすのは心許なく、数百mWのアンプでもこしらえようかと例によってLTspiceで回路シミュレーションを始め、そこそこ煮詰まっています。そして、その回路のあちこちの電圧を測っていたら、超当たり前なことに気付きました。
※注意:ここから先、ベテラン工作士の方々には無用、Yahooニュースでもご覧頂いた方が無難ですぜ。
さて、何に気付いたかというと・・・まずは回路図をご披露。

0.5Wクラスのミニ・オーディオアンプです。Q1は無くてもいいんですが、入出力の位相が引っ繰り返るのがちょっと嫌で入れています。その後段にはオーソドックスなSEPPを配しています。これで1W弱までは、歪みも少ない出力が可能でしょう。
この回路のシミュレーションをしながらあちこちの定数を弄っていて気付いたのが、各コンデンサに加わる電圧についてです。C1から順に見てみると・・・
C1:入力が小さいため、Q1のバイアス電圧である1.97V程度
C2:Q1の出力に重畳された7.89VとQ2のバイアス電圧である1.47Vの差
C3:A級増幅のエミッタ部であり、1.06V程度で一定
C4,C5:電源部であり、凡そ電源電圧(12V)と同程度
C6:Q3とQ4の出力電位6.19Vを中心上下に数V動く程度
C7:ここに接続するコンデンサはケミコンでは無いため、あまり考慮は要らない
如何でしょうか

C1,C3:6.3V
C2:10V
C4,C5:16V
C6:10Vまたは16V
ということになりますね。
ケミコンは、耐圧によって大きさ・・・さらに価格(低耐圧ほど安い)まで違ってきますから、何か大物をこしらえる場合やキットで量販しちゃったりする場合には、この辺りが響いてくるかも知れません。これまで何となく、或いは面倒くさくて「電源電圧が12Vだから16Vでよいな」とあまり深く考えていませんでしたが、今後はコンデンサに掛かる電圧にも目を向けて、少しでもお財布に優しい設計を心がけたいと思った次第。
これも、ヘッポコ所以の記事になってしまいましたが、自分以外のどなたかの参考になれば幸いです
