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FT8をやってみた

2021-01-18      
 年明けは、”緊急事態宣言”の再発出で仕事は大混乱  それも、1月8日金曜日ってワザと混乱を起こさせるような日に再発出となり、少し通常勤務に傾いてきた日常が在宅勤務多めの状態になりました。まぁ「漠とした恐れが漂う通勤」からは若干解放されるものの、(これもコロナ禍で判ったことではありますが)案外出勤しないと片付かない仕事も多く、良いのやら悪いのやら・・・総じて普通の顕微鏡では見られない小っこいのに翻弄されているわけですな。大なり小なり皆さんもお気を付け下され

 別に再発出とは関係ないんですが、冬休み中にアタリを付けていた”FT8”に1月8日の夜から参戦し始めました。今回記事はこの辺りをまとめておきたいと思います。
 因みに今日は、随分前に予定した年次有休を取っています。まだ今年度取得可能数の半分程度であり、2,3月にも何日かは取得したいと思っていますが実は仕事の方は結構忙しく、明日から却って多忙を重ねた感じもありますが、まぁ目を瞑りましょう

 FT8参戦はIC-705にWSJT-Xというお手軽接続で周波数帯は40m一択。冬休み中にひとまず軒下ロングワイヤーで受信はできるようになりましたんで、この日は完全に”夜”になってからゆっくりと、久々に釣竿君・・・センターローディングの約5.5m長垂直アンテナを上げました。出力は無論5W・・・CWより大きな電力を焼べたらQRPerの名が廃るでしょ マンション3階ベランダからですが、これでも運(=CONDX)が良ければCW-QRPでもそこそこつながりますから、人気絶頂(随分過ぎたかな)のFT8でもイケるでしょう

 暫くは受信専門でワッチ(Detectだね)していると、軒下ロングワイヤーとは違う多くの局が強く入感しています。そろそろ呼んでみるか・・・と、強く入感している局を呼んでみるもつながらず、勿論冷やかしでCQを出しても電気代の無駄になる時間が過ぎていきました。軒下ロングワイヤーでは絶対に無理だと思い、冷やかしでは呼んでみたものの振られさらに釣り竿君でも振られるとなると、「もう無理」ということになりますが、CWより-20dBほどS/Nが低くても交信できると謳われているFT8・・・「そんなワケはない」と粘りました。
 40mの真冬のCONDXは未知ではあったものの”太平洋”という鏡のような反射板の方向、かつ”ウルトラ”を持つ米国西海岸局なら酔狂にも拾ってくれそうだと踏んで、少し時間が遅いかと思いつつN7某局を呼んでみました。すると”-24dB”という大変光栄なレポート共にQSOが成立しました それにしても”-24dB”というと、FT8のDetectの下限ですよね・・・流石は西海岸ですな

 その後は要領を得たもんで、ロシアの記念局(qrz.comではモスクワ近郊)、アラスカ、ロシアの何とYL局と交信成功となりました この日は朝方(06:00JST頃)まで粘りましたが、「目眩くEU」(めくるめくって読んでね)とは遭遇できませんでした。それでもこの日はこれで”大満足”でした

 そうそう、デジタル通信では自分の電波伝搬の様子が判る”PSKreporter.info”があります。これで、自分の電波がどこまで、どのくらいの強さで届いているかが判るとても便利なシステムです。そこで、この日の電波伝搬状況を確認してみました。



 これは、アンテナを"納竿"して3時間くらい後のものですが、大凡どこまで電波が届いていたのかが判ります。CWで出場するコンテストくらいの範囲には何とか届いているようですね。

 これはあくまで釣り竿君の成績ですが、ここ数年定番の”逆L”ではどうなのか グランドプレーンの形状による変化は CONDXによる差異は・・・などなど、まだ確認することが幾つかあります。実は既に、幾つかのデータ取りは終了しているんですが、今日のところはここまでとしましょうか

 もう暫く、FT8関連の記事か続くかも知れませんが宜しくお願いします・・・って誰に言ってるんだ

TS-590とIC-705の受信性能比較 (2/2)

2021-01-05      
 IC-705の受信性能についての記事連投です。

 今回は、直前記事に記した「② Sherwood Engineering Inc.の受信性能データ」に基づき、TS-590シリーズとの比較を行います。TS-590のアップコンバージョンのバンド(ルーフィングが広いバンド)についてもデータがあったんで、これも比較できるようにまとめ直しました。



 このデータの左の方には、前回記事の「① PA1HR局(HANS REMEEUS氏)がまとめられているQSTマガジンのサマリーデータ」には無かった受信特性がまとめられています。
 昨今、ノイズフロアが極端に高いなどの問題を起こすような無線機はほぼ販売されていないとは思いますが、プリアンプのON/OFFでノイズフロアがどの程度変化するか、或いはその隣のAGCの"利き始め"などは、他の無線機と比較しても面白いでしょう まぁ、総じてTS-590シリーズとIC-705の差はそれほど大きくありませんね。

 "100KHz Blocking"は、①にも出てきた強信号によるブロッキングです。特にこっちは100KHz離調時の測定を行っていますから、凡そ目的信号の受信帯域外の強い信号がどの程度の影響を与えるかという見方であり、案の定TS-590シリーズが優秀です。このブロッキング特性も、IFフィルタを具備する強みと考えることができます。
 一方で、RFダイレクトサンプリングでは、サンプリングを担当するA/Dコンバータの入力過大を起こすポイントが必ずあって、それを超えるような信号は処理ができなくなります。IC-705は狭帯域(直前記事の"Blocking Gain Compression"の2KHz/20KHz離調時が共に124dB)でも広帯域(この記事の表で122dB)でも大きく変わらないのは、120dB超え辺りでA/Dコンバータの入力限界に達するという風に考えることができます。
 逆に、この値をノイズフロア(-127dBm)からのダイナミックレンジとして試算してみると、およそS9+68dB(-5dBm)くらいの信号でこの値に達するようです。TS-590Sはさらにその20dBくらい上になりますから、10mWくらいの信号を直接与えても大丈夫そうな勢い・・・

 "Sensitivity"は受信感度を示すものです。昔から、無線機の受信部の諸元には必ず表記されていますね。先にも書いたように、受信感度不足は昨今では全く問題になりませんから、これも数値を眺めて楽しめばいいと思います

 "LO Noise"は、ローカル発信源の"綺麗さ"を表しています。こいつが汚いと、ミキシング段で不要な混合が行われてしまいノイズや抑圧が増え、結果的に目的信号を聞き辛くしてしまうものです。狭い帯域にたくさんの強信号がひしめき合うような場合には特に問題になります。
 この数値は高いほどよく、ここ十年程度は普及機でも140dBc/Hz程度のものが多く作られたようですが、昨今の高級機の類は150dBc/Hzを超えているものもあり、ある意味メーカーの腕の見せ所なのかも知れません。ちなみに、その隣の"Spacing"はLOからどのくらい離調した測定かを示しています。

 "Front End Selectivity"は、フロントエンドのフィルタ方式です。今回の比較では、アナログ系のTS-590シリーズとDSP処理でフィルタを実現するデジタル系のIC-705なので、ここを比較しても意味がありませんので省略。

 "Filter Ultimate"はあまりよく解っていませんが、「フィルタの出来の良さ」と解釈しています 水晶発振子を並べて作ったラダー型などのフィルタでは、主にその素子数によって帯域幅が決まったり帯域内の特性が決まったりしましたが、昨今はこの辺りはデジタル処理されているものが多くなってきました。
 数値的にはIC-705の方が優秀です。技術革新・・・というか、流石に「凡そ10年前の無線機との比較」といった結果でしょうか。

 右のほうにDR(Dynamic Range)の20KHz/2KHz離調時のデータがあります。20KHz離調時は、明らかにTS-590シリーズに軍配。アップ/ダウンコンバートに関わらず、IFフィルタが入っている強みです。
 一方のIC-705では、2KHz離調時は殆ど変わらない結果・・・TS-590Sのアップコンバンドよりは明らかに勝っています。

 さぁ、これらの結果から何が分かったかというと、直前記事のほぼ焼き直し。IC-705は狭帯域(数KHz)の受信性能は"イイ線"だけど、もう少し広い帯域の特性(数十KHz以上)ではTS-590に負けている・・・まぁ、そんな感じですね。何れにせよ、然して強力局に悩まされていない今の自分にとってはIC-705でも運用上は全く困りませんし、手軽に取り回せるという意味で今後の主力機は明らかにIC-705になるような気がしています・・・。

 この2連投記事は2つのデータ値を鵜呑みにしていますが、測定誤差などの要素含みではあるものの、何れも”絶対値”をあてにしなければ相対的な比較には十分役立つと思います。ほんの一部の方にでもお役に立てれば、この2連投記事も浮かばれるってことですね

TS-590とIC-705の受信性能比較 (1/2)

2021-01-04      
 2021年の仕事が始まりました。今日は未だ本格的な通勤ラッシュに至っておらず、なんと最寄駅から都内の本社までの乗車時間約1時間をずっと座ることができました。こんなの初めて・・・まぁ、明日からは元の混雑っぷりになると思います

 寝正月を過ごしたとはいえ流石にネットサーフィンくらいはしましたし、最終日にはプチ工作まで手を出したと直前ブログでお知らせしましたが、そのネットサーフィンで時々チェックしていたIC-705の受信性能データがアップされているのに気づきました。

 自分が受信性能データをチェックしているのは、以下の2つです。

 ① PA1HR局(HANS REMEEUS氏)がまとめられているQSTマガジンのサマリーデータ
 ② Sherwood Engineering Inc.の受信性能データ

 ここには、多数の(殆どの?)アマチュア無線機に関する性能データが掲げられており、受信性能の客観的な比較には非常に便利です。リンクは張っていませんが、すぐに見つかると思います。

 この記事では、①のデータを読み易いように(というか、このブログで表示し易いように)まとめました。この表をクリックすると少し大きいのが現れます。



 左端に"3rdorder Dynamic Range"の2KHzの値(黄色でハッチングしたところ)で降順に並べて順位を付けていますが、自分の主力機であるTS-590S(自分が持っているのは50W機のため"D")が26位、IC-705が36位となっています。

 さて、最初のデータである"Reciprocal Mixing Dynamic Range"(RMDR)は、昨今のSSB/CW無線機器には欠かせない指標です。「近接する強信号の影響で、受信感度がどの程度の影響を受けるか」というものであり、このQSTのまとめでは小さい数字ほど良いということになります。特にコンテストなどの狭い範囲が極端に混んでいる場面では、この数値がモノを言うでしょう。
 残念ながら、TS-590Sの方は測定データがないものの、IC-705の2KHz離調時で"-110dB"という値は、兄貴分のIC-7300を超えてIC-7610にも引けを取らない値です。特にRFダイレクトサンプリングを採用した機器ではこの値が良好なものが多く、いわゆるスーパーヘテロダイン方式のものより優秀なようです。
 参考に、TS-590Sの後継であるTS-590SGのデータを下の方に付記していますが、RMDRに関して言えば、IC-705の方が優秀と言うことができそうです。

 次の"Blocking Gain Compression"も、目的信号が他の信号に抑圧されてしまう度合いを示すものです。目的信号より俄然強い信号を受信してその強い信号で受信アンプが直線性を失うような時、受信アンプのゲインが見かけ上小さくなり、目的信号が弱められてしまうというものです。
 この値は大きいほど良いというものですが、IC-705は結構奮闘しており、2KHz離調時の測定値はTS-590を若干上回っていますね。しかし、20KHzまで離調した場合はTS-590Sには及びません。

 続く"3rd Order Dynamic Range"は、他局の強い信号の合成により、実際には存在しない周波数にその信号が現れる度合いです(もっと詳しく説明したいんですが、JAIAから分かり易い説明ドキュメントが提供されていますのでご覧あれ~)。混雑しているバンド内には様々な強さの信号が無数にあり、それらが複雑に組み合わさるため、この”幽霊”のような架空の信号が目的信号に影響を与える場合があるわけです。
 この指標も大きい方が良いわけですが、これはTS-590Sに軍配。IFフィルタを具備する強みで、ある程度離調した信号は入ってきませんから、その恩恵が反映した測定値だと思います。
 残念ながら、IC-705では2KHz離調時と20KHz離調時に差はなく、満遍なく影響を受ける・・・そんな感じでしょうか

 最後の指標は俗に"IP3"などと略される"3rd Order Intercept"・・・これは、前述の"3rd Order Dynamic Range"の数値版と捉えていいと思います。目的信号以外の2つの信号が"幽霊"を作り出し、その信号が丁度目的信号と重なった場合に、その"幽霊"が目的信号と同じ強さになる点のことです。
 この指標は、IC-705では測定されていないため何とも言えませんが、その傾向は"3rd Order Dynamic Range"で推察できそう・・・TS-590Sに軍配でしょう。

 閑話休題。昔はフロントエンドの石にパワーMOSFETを使ってアイドリングをたくさん流して歪みを極力抑えたり、そのやや下のグレードでは"2SK125"に代表されるFETをゲート接地で動作させ、できるだけフロントエンドやそのあとのミキサー段で飽和しないように回路設計しました・・・って大昔の出来事のように言っていますが、アナログ好きの自作派はまだまだ「ゲート接地アンプで何とかしよう」という御仁も多いことでしょう。というか、自分は簡単なアナログ回路辺りまでしか手が出ません

 さぁ、大凡の受信性能の傾向は判りました。IC-705は狭帯域(数KHz)の受信性能は”イイ線”ではあるものの、コンテスト指定の周波数帯域(数十KHz以上)に多くの局がひしめき合うような状況においてはTS-590Sに軍配・・・という感じでしょうか。
 確かに、IC-705で初参戦した全市全郡でも、近接局が気になるという場面より少し離れた周波数にいる強力局の方が気になる感じでした。最近は、同市内の超強力局(コンテストステーション)が出現しないんで、過去のTS-590”D"での経験との比較ができませんが、大凡100K¥ちょいの小っこいリグにしたら、IC-705は「上出来中の上出来」かも知れません

 受信データチェックの②については、次回に回すことにしましょうかね

新年早々のハンダ付けなど

2021-01-03      
 長いはずだった冬休みも今日が最終日・・・明日から嫌~な通勤電車乗りが待っています。朝も早く起きなければならずちょっと憂鬱ですが、宮仕えとしてはまぁ仕方がないですね

 この冬休みは当初から(どうせ気軽に出掛けられるような世の中の状態ではないんで)休養に務めようと大人しくしていました。無線関連ソフトの整理も旧年中に済ませ、毎年の役割である年越し蕎麦の仕込みを終え、「さぁて蕎麦でもこしらえるか」と思いながらも冬休み前の目標であった”節酒”を解いて少し飲んだら寝てしまい、起きたら元旦の午前3時 翌朝改めて確認したら粗方蕎麦は平らげられており、自分だけ雑煮ならぬ”年越えた蕎麦”を食べて始まるという2021年となりました。

 通年の年始は初詣に行ったり年始の寄り合い(親戚の集まりですね)に行ったりで結構予定が詰まるんですが、流石に今年は静かに過ごすべく寝正月を決め込みました。ところが、元旦の年賀状にまみれて注文してあったM型コネクタが到着・・・これは何とかこの冬休み中に「中華クオリティで70cmに影響が出たケーブル」を直そうと思い立ちましたが、実際の作業が今日になってしましました。そして、どうせハンダ付けをするんであれば、まだバラックのままだったIC-705用の電源もタッパーに収容して危なくないようにするプチ工作もやっつけてしまいました。



 無造作に置いたケーブルと電源のスナップでワケワカですが、Mコネは普通にハンダ付けして動作確認したら、問題の70cmのSWR高騰は解消しました。一方の電源の方は、念のため陸軍端子を付けたり、AC側に不要となって転がっていたスイッチを入れたり(こいつ、一端に通電ランプが付いてます)、パッチンコアのフィルタを入れたり(同軸ケーブルの下敷きになってます・・・)で、そこそこまともな”13.8V直流電源”になりました。

 今年も、こんな調子でユルユルやっていきたいと思います。謹んで我が駄文を読んで頂いている皆様のご多幸をお祈り致します
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どよよん無線技士

Author :どよよん無線技士
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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