「短縮コンデンサ」でマルチバンドアンテナはできるのか!?
2012-05-04
遠隔君を完成させるにせよ、接続するアンテナ自体が低効率では元も子もないと、このゴールデンウィークはMMANAと格闘していました。漸く、2ワイヤーで40m-20m-15m-10mを実現する方法はある程度目処が立ち、またアンテナ張りだなぁ・・・と考えていたのですが、ちょっと違ったスタンスで考えることもできそうだと思いついたので、ちょっと書いておこうと思います。
今日までのところ、今年のゴールデンウィークは初っ端のALL JA以外の日が殆ど悪天候で、小雨が降ったり止んだり。一昨日の晩から昨日にかけては本降りで、MMANAとの格闘の合間にあちこちワッチし、めぼしい局がいれば呼ぶ・・・その度にSWR調整でベランダに出るのは仕方がないとして、同じバンドでもこの「降ったり止んだり」に合わせて上下するSWRには本当に閉口します。
さて、この現象は、何もエレメントが濡れるために起きているわけではなく(何たって軒下ですからね、エレメントなんて殆ど濡れません)、建物自体が雨水に覆われる加減や建物と地面との導通の変化が、SWRにそのまま跳ね返ってくる感じです。そして、このSWRの変化は「同調点の変化」であることは判っており、雨が降ると同調点がドンドン下がるという挙動は、全バンドで認められます。
どの程度の変化が起こるかというと、21MHzに合わせた状態で土砂降りの雨が降ると、19MHzの下の方まで下がるという有様
このため、ヒゲを異常に長くしてあり、雨が降ってきたらそのヒゲを適当に折って短くして同調を取り直すという方法で凌いでいます。また、ヒゲの部分は頻々たる曲げ伸ばしで金属疲労を起こすことを考慮し、タマゴラグで本エレメントに接続してあり、撚れてきたらヒゲ毎取り替えられるようにしてあります。
ヒゲは調整のためちょん切る・・・というのが普通ですが、ヒゲを適当に折り返して電気的な長さを短くする・・・この方法、移動の際などにも結構使えますよ
上記の苦労はさておき、結局、電気的な長さが雨水によって変わるという部分を、現状は「人手」で何とかしているわけですが、「雨が降って同調点が下がる=見かけ上エレメントが電気的に長くなった」と考えると、これが遠隔から短くできれば、ベランダへの行き来が無くなるわけです
機械仕掛けで伸縮させるのはいくら何でもちょっと面倒ですが、ここで無線工学の教科書にも立派に出てくる「短縮コンデンサ」・・・これが使えないかと考えるに至りました。
現状のDPは、マッチングボックスのインピーダンス切替とエレメント長の微調整のみでSWRが比較的良く落ちていますから、インピーダンスの切替をトロイダルコア+リレーで遠隔操作する一方、短縮コンデンサもリレー切替方式で探っていくような方法で、ちょっと乱暴ですがとにかくマッチングを取ってしまうというのもありかなぁ・・・ってな案配です。

ハイバンドだけで考えると、ベランダの幅(約8m)目一杯に張れるDPは17m用(若干端をベントする感じ)であり、これで15mに合わせるとどうなるか・・・

17mのDPを元に虚数成分が「+」で小さくなるなるSWR最下点を求め、短縮コンデンサを接続して15mでマッチングが取れる容量を「最適化」で追い込みました。
我がベランダは、高周波的には本当に不自由な空間であり、MMANAで普通に設計しても全然上手くなく、この記事を書いた頃の実証で「同調時のインピーダンスが下がる傾向」を突き止めています。そのため、50Ω設計ではなくもう少し低い値での設計になるよう、エレメント近辺に「建物の鉄筋と思しきもの」をいくつか置いて、それなりの挙動に追い込んでいます。この辺りは、環境によって工夫していく必要がありますね。
何れにせよ、短縮コンデンサである程度「高い方の周波数のは出られるぞ」ということは解ったので、もう少し探求してみたいと思います。
今日までのところ、今年のゴールデンウィークは初っ端のALL JA以外の日が殆ど悪天候で、小雨が降ったり止んだり。一昨日の晩から昨日にかけては本降りで、MMANAとの格闘の合間にあちこちワッチし、めぼしい局がいれば呼ぶ・・・その度にSWR調整でベランダに出るのは仕方がないとして、同じバンドでもこの「降ったり止んだり」に合わせて上下するSWRには本当に閉口します。
さて、この現象は、何もエレメントが濡れるために起きているわけではなく(何たって軒下ですからね、エレメントなんて殆ど濡れません)、建物自体が雨水に覆われる加減や建物と地面との導通の変化が、SWRにそのまま跳ね返ってくる感じです。そして、このSWRの変化は「同調点の変化」であることは判っており、雨が降ると同調点がドンドン下がるという挙動は、全バンドで認められます。
どの程度の変化が起こるかというと、21MHzに合わせた状態で土砂降りの雨が降ると、19MHzの下の方まで下がるという有様

ヒゲは調整のためちょん切る・・・というのが普通ですが、ヒゲを適当に折り返して電気的な長さを短くする・・・この方法、移動の際などにも結構使えますよ

上記の苦労はさておき、結局、電気的な長さが雨水によって変わるという部分を、現状は「人手」で何とかしているわけですが、「雨が降って同調点が下がる=見かけ上エレメントが電気的に長くなった」と考えると、これが遠隔から短くできれば、ベランダへの行き来が無くなるわけです

現状のDPは、マッチングボックスのインピーダンス切替とエレメント長の微調整のみでSWRが比較的良く落ちていますから、インピーダンスの切替をトロイダルコア+リレーで遠隔操作する一方、短縮コンデンサもリレー切替方式で探っていくような方法で、ちょっと乱暴ですがとにかくマッチングを取ってしまうというのもありかなぁ・・・ってな案配です。

ハイバンドだけで考えると、ベランダの幅(約8m)目一杯に張れるDPは17m用(若干端をベントする感じ)であり、これで15mに合わせるとどうなるか・・・

17mのDPを元に虚数成分が「+」で小さくなるなるSWR最下点を求め、短縮コンデンサを接続して15mでマッチングが取れる容量を「最適化」で追い込みました。
我がベランダは、高周波的には本当に不自由な空間であり、MMANAで普通に設計しても全然上手くなく、この記事を書いた頃の実証で「同調時のインピーダンスが下がる傾向」を突き止めています。そのため、50Ω設計ではなくもう少し低い値での設計になるよう、エレメント近辺に「建物の鉄筋と思しきもの」をいくつか置いて、それなりの挙動に追い込んでいます。この辺りは、環境によって工夫していく必要がありますね。
何れにせよ、短縮コンデンサである程度「高い方の周波数のは出られるぞ」ということは解ったので、もう少し探求してみたいと思います。
- 関連記事
-
- 40mアンテナのプチ追試
- 40m&20mのアンテナあれこれ
- 「短縮コンデンサ」でマルチバンドアンテナはできるのか!?
- 鉄筋も味方にできるはず!
- 不自由な空間・・・