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TS-590雑感シリーズ 4:ノイズの消え具合は如何に!?

2012-07-15      
 都会のど真ん中というわけではありませんが、数十m先の高圧線と数百m先の鉄道、さらにはマンション群に囲まれ、自らも「マンションで運用」という無線環境では、ノイズと同棲しているようなもの 強力局のカブり以前に、この疫病神に対抗する手段が必要になります。今回入手したTS-590のノイズ除去機能・・・これも購入の決め手の一つだったわけですが、入手までの試聴経験はあくまで「秋葉原の都会ノイズ」・・・そういう意味で、最も期待の高いドキドキ機能でもありました

◆ NB2は使えそう・・・

  まずはノイズブランカ。これは、アナログ系とデジタル系の2つを具備していて、アナログ系(NB1)は「尖突波形をブロック」という古式所縁()のものですが、デジタル系は「チャイナドラゴンをも黙らせる」という代物。さて、その効き目は如何に というわけで、初の試みとして動画撮影してみました

 ★TS-590 NB TEST★

 夕方の17/15mでよく出くわす連続性ノイズです。18時を過ぎると収まるんで、近くの商店が出しているノイズかと思われます。20KHzくらいの帯域にノイズが不規則に出るためちょっと厄介だったのですが、NB1は効果無し→NB2のブランキングレベルを目一杯に設定しておき、このノイズと出会したらON・・・これで消えてしまいます この動画では、NB2をONにするとSが3つほど落ちていますが判りますか
 で、チャイナドラゴンの方・・・こいつの実害を被ったことはないのですが、先日40mでS9+10dBほどの奴を見つけたため、ここぞとばかりにNB2をON・・・ところが全く効果なし まぁ、もっと悩ましいノイズが消えたので良しとしています。

 ◆ NRは効くぞぉ・・・

 さて、真打ちは何と言ってもノイズリダクションの方 AF処理のものが2つ入っています。徹底解説集によると、NR1はPHONEとCW(FSK)で異なる方式のものが入っているようですが、CW用は今や定番となりつつあるリダクション論理のもの・・・体感的にもNR付きスピーカと非常によく似た動きをします。一方のNR2の方は一捻りされた新論理だそうな・・・これも実際に聴いてみて下さい。
 なお、以降NR1のリダクションレベルは「4」、NR2は「20」(ms)にしています。

 ★TS-590 NR1/2 TEST★

 この動画では、まずBW=1500Hzでノイズギリギリの信号を拾い、NR1をON→NR2をONの順に操作、そしてBW=500Hzに切り替えて同じように操作しています。

<BW=1500Hz>

 NR1はオールマイティに効き目があると言ってよい感じで、普段もしょっちゅう使います。ノイズを抑えて信号を浮き上がらせる効果がありますが、信号自体が弱いとノイズと一緒に落ちてしまうため、AFボリュームで若干補う場面が多いです。
 NR2は信号のエッジがはっきりとなる反面、ノイズ自体も変調されてなんだかブクブク、ブリュブリュという妙な音が目立つようになります。BWが広いとS/Nが悪くなるため、この得体の知れない音が大きくなってしまい、肝心の信号が聞き取りにくくなる場合があります。

<BW=500Hz>

 BWがこれより狭いとSN比が良くなってきますので、NR1の効果がBWを狭めれば狭めるほど低くなります。また、リンギングが酷くなると信号がなまってきますが、NR1はこれに拍車を掛ける方向になりますので、なんだかフワフワした歯切れの悪い音に聞こえます。
 NR2は逆にCW信号のエッジをはっきりさせてくれるため、ノイズの中から目的信号を拾い上げる能力が発揮され、了解度が上がります。BWを狭めることによる信号のなまりとは逆に作用するため、この点でもNR1とは違います。

◆要するにNRの使い方は・・・

 NR1は、BWが広い場合に効果が高いことから、バンド内をスイープして相手局を見つける場面など、普段の運用で気楽に使えます。リダクションレベルを下げて「入れっぱなし」でも良いかも。一方のNR2は、BWを狭めて目的局の信号を浮かび上がらせる際には強い味方になってくれます。
 参考に、信号が強い場合のNRの利き具合を聴いてみて下さい。

 ★TS-590 NR1/2 TEST-2★

 信号が強ければそもそもNRは不要なんですが、NR1が「バックノイズは任せろ」と言わんばかりの素晴らしい威力を発揮し、殆どノイズを感じさせない信号音になるのがよく判ると思います。普段の運用で「疲れないリスニング」には打って付けでしょう。

◆ 余談

 結局NR付きスピーカは、NR1のお陰であまり活躍しなくても済みそうですが、AM放送試聴時の効果については「NR1<NR付きスピーカ」となりました。 これで、AF関連のノイズリダクションシステムはひとまず「完成」としました。
 また、MFJ-1025でそもそものSN比を稼いでおくと後が(つまり、リグ側が)楽になりますから、やはりノイズ源に近い方の対策が重要ということですね。
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No title

はじめましてJG2JKR/Roy/小林と言います。
実は自分もIC-703を使っていて
今月末TS-590を購入します。(予定です)
IC-7410の方が乗り換えやすいかな?
実売価格がIC-7410の方が安いなぁ・・・
と迷いましたが
CWメインの自分にはTS-590が1番合っていると決めました。
IC-703との比較(抑圧)などとてもためになりました!
IC-703はとても良いリグですが、混信など力不足は隠せません。
7.025MHz前後にも良く出ますが、RTTYなどの混信にはかないません。
こんな状況がどの程度改善できるか、楽しみです。
でもQRPpにも簡単に対応できる事から、手放せません。
これからも面白いブログをお届けください。

No title

JKR/ROYさん コメントありがとうございます。
おお、IC-703からの乗り換え&CW運用主体のスタイル・・・同じシチュエーションの方がいらっしゃいましたね(^^)b 小生の駄文が少しでもお役に立てば幸いです。
変更申請待ちでまだ受信しかできないんで、差し詰め「TS-295」なわけですが、NRを中心とした部分は流石にIC-703とは違います。
CWフィルターについては、当初IC-7410の方がいいかな?と思いましたが、内蔵のグライコで随分感じが変わりましたので、この点でも遜色はないようです。
この辺りの感触を「聴き味」と称して記事に残しておきたいと思いますので、また寄ってくださいね。
JM1DPL/三ツ木

こちらこそヨロシクデス

はい!色々レポート期待しております。
現在IC-703は「ファイナル」が飛んでしまい出られません・・・
しかし「AYU-40m」(CQ誌付録)で7.002-7.004MHz辺りで遊んでます。
0.3Wでも意外と遊べますよhi
では、これからもよろしくお願いします。

No title

動画UPありがとうございます!
NRの効果かなりありますね。さすがKENWOOD。
うちのIC7200も復調トーンがひずまないようにNRレベル調整しようかな。

No title

ぶんきゅ。さん コメントありです(^^)v
IC-703のNRも一応DSPなんですが、リダクションレベルを高くすると原音からかけ離れてしまい、了解度が確実に落ちます。10段階の4か5くらいまでしか実用になりません。
逆に、少し過去記事で書いたNR付きスピーカ(NES10-2 MK3)の方が余程マシで、古いRIGに外付けDSP・・・は結構行けるという感触でした。まぁ、IC-7200は古くないけど(^^;
ちょいと高速なdsPIC辺りでも自作できそうですから、チャレンジしてみては?
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