VXO実験-1 綺麗な正弦波を作る
2012-09-01
今週はずっと風邪気味だったにも関わらず、昨日は「ご接待」をしてきました。微熱に焼酎をペース落とし目で飲んだのですが結構ダメージがあり、今日はゾンビの如く会社に行って月曜の準備をしてそそくさと帰宅。帰ってから2Hほど爆睡したら少し軽快したのをいいことに、夕飯を終えてからヘッポコ実験を始めました。
何で今さらVXOなのか・・・は後々のお楽しみ(
)に棚上げしますが、今日のレシピはVXOの根幹たる水晶発振部分の実験です。
このところ死蔵品の活用を念頭に置いており、最初にチョイスしたトランジスタは「2SC458」・・・fTが230MHzほどであり、HFの下の方の発振なんてチョチョイのチョイかと思ったら、これが全く発振せず
周辺の定数をあれこれ変えてもウンともスンとも・・・といった有様。そこで、足が少しちょん切れた使い古しの「2SC1906」が転がっていたので換装したら一発発振。トランジスタがお釈迦だったのか、水晶のアクティビティが落ちているのか(水晶も古いんでねぇ・・・)分かりませんが、まぁとにかく発振しました。

回路自体は何の変哲もないコルピッツです。コンデンサの値は、2SC458が上手く発振できなかった名残りですが、まぁそんなに変な値ではないでしょう。供給電圧が低いのにも実はわけがあるのですが、これはまた別記事で書きます
さて、回路図中のAとB・・・よく見かける回路では、Aから小容量のコンデンサで出力を取り出してバッファに持っていきますが、我が蔵書「発振回路の完全マスター」(もうとっくに絶版です)の中に、Bから取り出すと高調波の少ない綺麗な波形だぜ
って書いてあるんで、先日作ったスペアナアダプタで高調波成分を見てやろうという魂胆。
スペアナアダプタは、数日前の晩に軽く板金加工して箱入れしてしまいました。基準発振の調整も比較的簡単にでき、後は0dBmの校正のみです。これを行うために、出力電力の判っている高調波の少ない発振器を作る・・・校正前のスペアナでは絶対値は信用できないものの「感じ」は掴めるだろうという思いつきで、ひとまず実験してみました。
まずはA点の波形・・・10pFのセラコンを介してスペアナを接続して測定しました。ただ、接続の仕方は結構杜撰です・・・。

一番左が基本波です。なんか「櫛」のように綺麗に並んでいますね。第二、第四より第三高調波が強めなのは、何となく「教科書通り」な感じです。それにしても、途中の配線の影響だと思われますが、あまりにも高調波が強いね・・・。
一方のB点・・・水晶のホット側に同じようにスペアナを接続して測定しました。

確かに、俄然高調波が減っています。軒並みA点よりも10dBダウンです。配線はA点の測定とほぼ同様なんで、比較対象にはなるでしょう。もし本当に10dBも差があるとすると、後続のフィルタも楽になりそうですね
問題は、この方法でVXOとしての挙動(可変範囲への影響、QRH、出力変動の有無)がどうなのか・・・といったところまで検証しないと、今回の用途に使えるかどうか判断できませんのでさらに実験を重ねていきますが、逆に局発等の「固定周波数の発振」という意味では、今回の「B点取り出し方式」は結構使えるかも・・・と思います。
また、今回の回路でコレクタ電流が2mA程度流れていましたので、もう少し電流を減らして(バッファにその分稼いで貰って)素子発熱を抑えるとさらにQRHの少ないものにできそうです。
それにしても、スペアナでの「見える化」・・・これはかなり強力な武器になりそうです
何で今さらVXOなのか・・・は後々のお楽しみ(

このところ死蔵品の活用を念頭に置いており、最初にチョイスしたトランジスタは「2SC458」・・・fTが230MHzほどであり、HFの下の方の発振なんてチョチョイのチョイかと思ったら、これが全く発振せず


回路自体は何の変哲もないコルピッツです。コンデンサの値は、2SC458が上手く発振できなかった名残りですが、まぁそんなに変な値ではないでしょう。供給電圧が低いのにも実はわけがあるのですが、これはまた別記事で書きます

さて、回路図中のAとB・・・よく見かける回路では、Aから小容量のコンデンサで出力を取り出してバッファに持っていきますが、我が蔵書「発振回路の完全マスター」(もうとっくに絶版です)の中に、Bから取り出すと高調波の少ない綺麗な波形だぜ

スペアナアダプタは、数日前の晩に軽く板金加工して箱入れしてしまいました。基準発振の調整も比較的簡単にでき、後は0dBmの校正のみです。これを行うために、出力電力の判っている高調波の少ない発振器を作る・・・校正前のスペアナでは絶対値は信用できないものの「感じ」は掴めるだろうという思いつきで、ひとまず実験してみました。
まずはA点の波形・・・10pFのセラコンを介してスペアナを接続して測定しました。ただ、接続の仕方は結構杜撰です・・・。

一番左が基本波です。なんか「櫛」のように綺麗に並んでいますね。第二、第四より第三高調波が強めなのは、何となく「教科書通り」な感じです。それにしても、途中の配線の影響だと思われますが、あまりにも高調波が強いね・・・。
一方のB点・・・水晶のホット側に同じようにスペアナを接続して測定しました。

確かに、俄然高調波が減っています。軒並みA点よりも10dBダウンです。配線はA点の測定とほぼ同様なんで、比較対象にはなるでしょう。もし本当に10dBも差があるとすると、後続のフィルタも楽になりそうですね

問題は、この方法でVXOとしての挙動(可変範囲への影響、QRH、出力変動の有無)がどうなのか・・・といったところまで検証しないと、今回の用途に使えるかどうか判断できませんのでさらに実験を重ねていきますが、逆に局発等の「固定周波数の発振」という意味では、今回の「B点取り出し方式」は結構使えるかも・・・と思います。
また、今回の回路でコレクタ電流が2mA程度流れていましたので、もう少し電流を減らして(バッファにその分稼いで貰って)素子発熱を抑えるとさらにQRHの少ないものにできそうです。
それにしても、スペアナでの「見える化」・・・これはかなり強力な武器になりそうです

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