ステルス君についての覚え書き
2007-06-03
既に「WPX CW」で使った実績を誇る(
)、特に目立たぬよう考慮した自作3バンドのDPに付けたベタな名前が「ステルス君」です。
そもそもの発端は、
☆ 市販の3バンドDP張りっぱなしで不満だったSWRを何とかしたい
☆ 直径3mmほどもある「黒い電線」と「厳つい黒いコイル」が異様で、これを
できるだけ目立たぬようにしたい
という2つの理由から、「所詮軒下DPだから、エレメント用に細い線買ってきて、コイルは適当に巻けば何とかなるべな」と高を括り、丁度仕事の関係で秋葉が「通過点」であること、ベランダ作業なんで天候に関係なしに帰宅後の夕方(~夜)を使った作業ができることなどで、まぁ結構早々と登場できたわけです。
利得やSWRについては、彼のMMANAを駆使してまずは机上で試行錯誤し、実際に張る際には「長めのヒゲ」で追い込み易いよう考慮したこと、さらにこの記事で書いたように、直前に「ベランダ内の挙動」が明らか---机上計算値との差異を実測して、短縮率への影響やインピーダンスの変化の仕方を確かめられた---であったため、多少は自信を持って作成することができました。
また、ベランダ内でのインピーダンス実測値が、如何に自由空間(=73Ω)と食い違うか(15mのDPの実測で25Ω前後)を事前に知り得たことから、インピーダンス変換のアンアンをバランの直後に入れ、かつトグルスイッチでスルーもできるという芸当(実は、10mは50Ω前後に収束したため、後から追加した機能)も具備させ、漸く形になりました。
しかし、15mはやはり暴れる・・・。15mに同調をするように設計しても、「ベランダ」という檻の中では共振点がかなり低い方にずれてしまうことは、前述の実測にて解っていたため、 MMANAではベランダの構造を類推してエレメント周辺に「鉄筋エレメント」を配置し、これもアンテナの一部として計算させ、確かにそういう挙動になることを確認。その上で、各エレメントの寸法を決めたわけですが、結局またしてもヒゲが無くなるほど(つまり、同調点がかなり低い)となり、理屈云々は兎も角、結局上手く行かず・・・。で、試行錯誤の最中に10mと15mのトラップコイルの「間隔」が共振点と非常に関係が深いことを発見しました。
上の写真の左側が10mのトラップ、右が15mです。切りつめてしまった15mのヒゲが痛々しい・・・。そして、エレメントの中央に何やら怪しげな細工が・・・これが実は「秘策」です。
上記のように、切りつめても同調点が低い・・・ということで、10mのトラップと15mのトラップの間のエレメントを短くしなければ・・・と思い、モノは試しに擬似的に上記写真のようにエレメントを、1ターンのコイルを作る要領でクルリ。すると、同調点が一気に上がっていくではありませんか
今回は、ステルス化に重きを置いたため、非常に細いエレメント(0.8mmのUEW)としたことも手伝い、この作業は簡単、かつ何度もやり直しが利きます。詰まるところ、これで調整しきってしまいました
さらにもう一つ、「雨」から学びました。
ステルス君完成後晴れた日が続いていたのですが、ある日本格的に雨が降り、ベランダ全体が完全に濡れているような状態になりました。「雨の日は同調点が下がる」ということについては、過去の経験から知ってはいましたが、ベランダに隠れ、かつ非常に細いエレメントで仕上げたことから、そんなに影響がないものと想像していました。ところが、実際にはとんでもないことが・・・またしても、同調点が1MHzほど下がり、全バンドでSWRが跳ね上がってしまいました。そして、雨が小降りになったのを見計らい、エレメントやトラップコイルの「濡れ具合」を確認したのですが、これが何と、殆ど濡れてないんです
念のため、エレメントとコイルを拭いても変わらず。ということは・・・。
要は建物が濡れた状態では、アンテナシステム---即ち、建家の鉄筋との結合度合いやグランドの導通の変化(アースとしての効果の変化)など、実際に「これがアンテナ」と思っていない部分での影響をモロに受けてしまうわけです。
それにしても、これでは「雨の日はQRT」になってしまいます
が、そこはめげない
例の「秘策」で何とかならないか・・・と思い、さらに大きなターンにしてトラップ間隔を狭めると・・・これで解決
ただ、これって実に安易な話で、アンテナとしては不安定極まりないわけです。案の定、雨が上がって周辺が乾き始めると徐々に同調点が上がり出し、結局また小振りなターンに戻す・・・。
でも、まぁ暫くはこいつと付き合ってみようかなぁと思っています・・・と言いたい所なんですが、40mの減衰が-15dB前後と試算されており、実に勿体ない状態。リニアローディングで少々アイディアが閃いたんで、バージョンアップは時間の問題か

そもそもの発端は、
☆ 市販の3バンドDP張りっぱなしで不満だったSWRを何とかしたい
☆ 直径3mmほどもある「黒い電線」と「厳つい黒いコイル」が異様で、これを
できるだけ目立たぬようにしたい
という2つの理由から、「所詮軒下DPだから、エレメント用に細い線買ってきて、コイルは適当に巻けば何とかなるべな」と高を括り、丁度仕事の関係で秋葉が「通過点」であること、ベランダ作業なんで天候に関係なしに帰宅後の夕方(~夜)を使った作業ができることなどで、まぁ結構早々と登場できたわけです。
利得やSWRについては、彼のMMANAを駆使してまずは机上で試行錯誤し、実際に張る際には「長めのヒゲ」で追い込み易いよう考慮したこと、さらにこの記事で書いたように、直前に「ベランダ内の挙動」が明らか---机上計算値との差異を実測して、短縮率への影響やインピーダンスの変化の仕方を確かめられた---であったため、多少は自信を持って作成することができました。
また、ベランダ内でのインピーダンス実測値が、如何に自由空間(=73Ω)と食い違うか(15mのDPの実測で25Ω前後)を事前に知り得たことから、インピーダンス変換のアンアンをバランの直後に入れ、かつトグルスイッチでスルーもできるという芸当(実は、10mは50Ω前後に収束したため、後から追加した機能)も具備させ、漸く形になりました。
しかし、15mはやはり暴れる・・・。15mに同調をするように設計しても、「ベランダ」という檻の中では共振点がかなり低い方にずれてしまうことは、前述の実測にて解っていたため、 MMANAではベランダの構造を類推してエレメント周辺に「鉄筋エレメント」を配置し、これもアンテナの一部として計算させ、確かにそういう挙動になることを確認。その上で、各エレメントの寸法を決めたわけですが、結局またしてもヒゲが無くなるほど(つまり、同調点がかなり低い)となり、理屈云々は兎も角、結局上手く行かず・・・。で、試行錯誤の最中に10mと15mのトラップコイルの「間隔」が共振点と非常に関係が深いことを発見しました。

上の写真の左側が10mのトラップ、右が15mです。切りつめてしまった15mのヒゲが痛々しい・・・。そして、エレメントの中央に何やら怪しげな細工が・・・これが実は「秘策」です。
上記のように、切りつめても同調点が低い・・・ということで、10mのトラップと15mのトラップの間のエレメントを短くしなければ・・・と思い、モノは試しに擬似的に上記写真のようにエレメントを、1ターンのコイルを作る要領でクルリ。すると、同調点が一気に上がっていくではありませんか

今回は、ステルス化に重きを置いたため、非常に細いエレメント(0.8mmのUEW)としたことも手伝い、この作業は簡単、かつ何度もやり直しが利きます。詰まるところ、これで調整しきってしまいました

さらにもう一つ、「雨」から学びました。
ステルス君完成後晴れた日が続いていたのですが、ある日本格的に雨が降り、ベランダ全体が完全に濡れているような状態になりました。「雨の日は同調点が下がる」ということについては、過去の経験から知ってはいましたが、ベランダに隠れ、かつ非常に細いエレメントで仕上げたことから、そんなに影響がないものと想像していました。ところが、実際にはとんでもないことが・・・またしても、同調点が1MHzほど下がり、全バンドでSWRが跳ね上がってしまいました。そして、雨が小降りになったのを見計らい、エレメントやトラップコイルの「濡れ具合」を確認したのですが、これが何と、殆ど濡れてないんです

要は建物が濡れた状態では、アンテナシステム---即ち、建家の鉄筋との結合度合いやグランドの導通の変化(アースとしての効果の変化)など、実際に「これがアンテナ」と思っていない部分での影響をモロに受けてしまうわけです。
それにしても、これでは「雨の日はQRT」になってしまいます



でも、まぁ暫くはこいつと付き合ってみようかなぁと思っています・・・と言いたい所なんですが、40mの減衰が-15dB前後と試算されており、実に勿体ない状態。リニアローディングで少々アイディアが閃いたんで、バージョンアップは時間の問題か

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