5次オーバートーン、整いました(^^;
2012-11-03
今日は半ドンだったのですが、あんまり無線とは関係ない午後を過ごし、夕飯を食べてから、数日前に予告したAD9834の実験・・・というか、その前段のクロック発振部の試作をしました。
AD9834に突っ込むクロックは75MHz付近が頃合いですが、できるだけピュアリティが高いものが欲しいわけです。そこで、先週来「オーバートーン発振」の記事を検索しまくりであれこれ引っ張ってきたのですが、結局JA9TTT加藤OM考案の回路を追試することにしました。

オーバートーン発振では、エミッタに「選択回路」なるLC同調を入れ、不要な基本波や低次発振を抑制するような方法で目的次数のものだけを取り出すのが王道のようですが、部品点数がやや多いことが欠点です。一方、加藤OMの回路は何の変哲もない普通の発振回路なんですが、高次発振を促すような回路定数の選定・・・とりわけ、エミッタ抵抗と並列に入れるバイパスコンデンサを小容量のものとすることで、基本波と低次発振を抑制するような方法(とお見受けしました)であり、素晴らしくシンプルです(オリジナル回路は、氏のブログをご覧下さい)。
差し当たって必要な準備は「タンク回路用のコイル」ですが、これは7Kボビンに巻くことにしました。緑色のコアのものが100個ほど転がっているため、75MHzでQLが10くらいになるような定数・・・0.14μH(XLが大凡70Ωくらい)×30pFくらいの組み合わせで同調するような巻き数探しです。

LCメータのL測定精度は相変わらず「誤差満載」ですので、LM311で作った「バラック式半自動L測定装置」(この際、名前なんかどうでも良いんですがね・・・)で、まずは6回巻きで計測すると約0.3μH、4回巻きで約0.2μHと測定できましたので、3回巻き・・・これで0.13-0.16μHくらいまで、コアを回せばカバーできることを確認。いやぁ、数値が見えるっていいよなぁ
その上で、念のため33pFのコンデンサを抱かせ、ディップメータで同調点を探すと90MHz辺りでディップ
勿論、コアを突っ込んでいくと70MHzくらいまで下がってきましたので、コイルはこれでOK・・・なんですが、3回巻きのホット側に対してコールド側をどうしようか・・・と思案、とりあえず少しでも疎結合になるようにホット側から離せるだけ離して1回巻きました。インピーダンス整合面から言えば「4:1」くらいが有り難いのですが、まぁ良しとしました。
コイルができてしまえば、15MHz帯の水晶、fTの高いトランジスタとして2SC1906等をチョイスし、紙エポのユニバーサル基板に銅箔テープをペタリンコ。チャッチャと仕上げました。

比較的周波数が高め(概ね10MHzより上)の実験基板の造作は、銅箔テープを貼ってグランドとした後に、グランドには落としたくない部品のリードは「面取りリーマ」(黄色い奴の先っちょに付いている)でこじって銅箔を剥がした穴を通して裏のランド側で接続するという方法にしています。ワニ口の先っちょ・・・解るかなぁ

この方法ではアースパターンが広く取れますから、結構安定した実験ができるようになりました。また、必要に応じて「穴ほじり」をすればいいだけのため、製作速度が大幅アップしました。
さぁ、これで上手く動くんかい・・・と思って通電したのですが発振せず。そこで、エミッタ抵抗と並列のトリマ容量をちょいと変えてみたら見事に発振しました
かなり再現性も良さそう・・・安定した発振です。
逆に、このトリマを回していくと確かに発振停止する部位がありました。この辺り、やはり最適ポイントを丹念に探した方が良いかも知れませんが、それでもこのトリマの発振位置はそんなにクリティカルではありません。固定コンデンサでもいけるのかなぁ
タンク回路を調整して最大出力より若干下がる位置に設定したところ、出力はローレベルパワー計で+2dBmと出てきました。電源電圧5V&5次オーバートーンとしては、案外出力がでかいんだなぁ・・・と思った次第。
本当に5次オーバートーンかどうかの確認は、スペアナアダプタの出番です。

75MHz付近以外のピークは、スペアナアダプタのスプリアスです、念のため。基本波の高調波でないことが確かめられました。
今回は、この発振器をAD9834の信号源として使うんですから、さらにこの上のスプリアスの考慮は要らないと思っています(次の高調波が150MHzを超える・・・ということは、ICとして反応できないでしょう)が、とりあえずどの程度なのかも序でに見てみました。

大凡40dBダウンですね。75MHzの信号が0dBmを超えているんで、実際はもう少し良い方向かも知れません。
さて、ここで問題が・・・。実は、周波数を測ろうと、自作カウンタの普段使わない方の入力(普段使う方は上限が60MHzくらい)にケーブルをつなぎ直したのですが、こちらが全く動かないようです。以前は430MHzのハンディー機の周波数が測れたんで、入力不足なのかも知れませんが、この修理が宿題になってしまいそうです
とりあえず、AD9834用クロックは、この5次オーバートーン発振で行こうと思います。
※ 2012/11/10 回路図を貼り忘れていました・・・追加しました。
AD9834に突っ込むクロックは75MHz付近が頃合いですが、できるだけピュアリティが高いものが欲しいわけです。そこで、先週来「オーバートーン発振」の記事を検索しまくりであれこれ引っ張ってきたのですが、結局JA9TTT加藤OM考案の回路を追試することにしました。

オーバートーン発振では、エミッタに「選択回路」なるLC同調を入れ、不要な基本波や低次発振を抑制するような方法で目的次数のものだけを取り出すのが王道のようですが、部品点数がやや多いことが欠点です。一方、加藤OMの回路は何の変哲もない普通の発振回路なんですが、高次発振を促すような回路定数の選定・・・とりわけ、エミッタ抵抗と並列に入れるバイパスコンデンサを小容量のものとすることで、基本波と低次発振を抑制するような方法(とお見受けしました)であり、素晴らしくシンプルです(オリジナル回路は、氏のブログをご覧下さい)。
差し当たって必要な準備は「タンク回路用のコイル」ですが、これは7Kボビンに巻くことにしました。緑色のコアのものが100個ほど転がっているため、75MHzでQLが10くらいになるような定数・・・0.14μH(XLが大凡70Ωくらい)×30pFくらいの組み合わせで同調するような巻き数探しです。

LCメータのL測定精度は相変わらず「誤差満載」ですので、LM311で作った「バラック式半自動L測定装置」(この際、名前なんかどうでも良いんですがね・・・)で、まずは6回巻きで計測すると約0.3μH、4回巻きで約0.2μHと測定できましたので、3回巻き・・・これで0.13-0.16μHくらいまで、コアを回せばカバーできることを確認。いやぁ、数値が見えるっていいよなぁ

その上で、念のため33pFのコンデンサを抱かせ、ディップメータで同調点を探すと90MHz辺りでディップ

コイルができてしまえば、15MHz帯の水晶、fTの高いトランジスタとして2SC1906等をチョイスし、紙エポのユニバーサル基板に銅箔テープをペタリンコ。チャッチャと仕上げました。

比較的周波数が高め(概ね10MHzより上)の実験基板の造作は、銅箔テープを貼ってグランドとした後に、グランドには落としたくない部品のリードは「面取りリーマ」(黄色い奴の先っちょに付いている)でこじって銅箔を剥がした穴を通して裏のランド側で接続するという方法にしています。ワニ口の先っちょ・・・解るかなぁ


この方法ではアースパターンが広く取れますから、結構安定した実験ができるようになりました。また、必要に応じて「穴ほじり」をすればいいだけのため、製作速度が大幅アップしました。
さぁ、これで上手く動くんかい・・・と思って通電したのですが発振せず。そこで、エミッタ抵抗と並列のトリマ容量をちょいと変えてみたら見事に発振しました

逆に、このトリマを回していくと確かに発振停止する部位がありました。この辺り、やはり最適ポイントを丹念に探した方が良いかも知れませんが、それでもこのトリマの発振位置はそんなにクリティカルではありません。固定コンデンサでもいけるのかなぁ

タンク回路を調整して最大出力より若干下がる位置に設定したところ、出力はローレベルパワー計で+2dBmと出てきました。電源電圧5V&5次オーバートーンとしては、案外出力がでかいんだなぁ・・・と思った次第。
本当に5次オーバートーンかどうかの確認は、スペアナアダプタの出番です。

75MHz付近以外のピークは、スペアナアダプタのスプリアスです、念のため。基本波の高調波でないことが確かめられました。
今回は、この発振器をAD9834の信号源として使うんですから、さらにこの上のスプリアスの考慮は要らないと思っています(次の高調波が150MHzを超える・・・ということは、ICとして反応できないでしょう)が、とりあえずどの程度なのかも序でに見てみました。

大凡40dBダウンですね。75MHzの信号が0dBmを超えているんで、実際はもう少し良い方向かも知れません。
さて、ここで問題が・・・。実は、周波数を測ろうと、自作カウンタの普段使わない方の入力(普段使う方は上限が60MHzくらい)にケーブルをつなぎ直したのですが、こちらが全く動かないようです。以前は430MHzのハンディー機の周波数が測れたんで、入力不足なのかも知れませんが、この修理が宿題になってしまいそうです

とりあえず、AD9834用クロックは、この5次オーバートーン発振で行こうと思います。
※ 2012/11/10 回路図を貼り忘れていました・・・追加しました。
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はじめまして
オーバートーン発振で検索してこの記事にたどり着き、興味深く読ませていただきました。記事中の回路を参考に(・・・というかほぼ丸パクリで^^;)実験してみたところ安定して5次オーバートーンが得られ大変喜んでおります。電子工作初心者のためまだまだ難しくて理解できないものも多いですが他の記事も楽しく拝見しました。また訪問させていただきますのでよろしくお願いいたします。
理屈は後付けです(^^;
JR2GUIさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この記事にも記したように、自分もJA9TTT/加藤OMの考案回路をパクらせて頂きました。シンプルな構成で実によく働いてくれる回路ですね。
何やらあれこれこしらえていると、ある時ふっと「動作原理」が理解できたりします。これも一興ですよね。知らないことが多い分、まだまだこの「な~んだ、そういうことだったのね・・・」的な発見に支えられて、ガラクタ工作は続けられそうです。
また、是非寄って下さい!
この記事にも記したように、自分もJA9TTT/加藤OMの考案回路をパクらせて頂きました。シンプルな構成で実によく働いてくれる回路ですね。
何やらあれこれこしらえていると、ある時ふっと「動作原理」が理解できたりします。これも一興ですよね。知らないことが多い分、まだまだこの「な~んだ、そういうことだったのね・・・」的な発見に支えられて、ガラクタ工作は続けられそうです。
また、是非寄って下さい!