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偽両面基板の作り方

2012-11-17      
 何度かブログで触れてきましたが、どうもプリント基板を自作するというのが億劫です。エッチング液の処理に困るという部分はともかくあまり綺麗に出来た試しがない(要はヘタクソである)ため、ここ何年かの電子工作では専ら「ユニバーサル基板」でお茶を濁していました。
 しかし、ここ1年くらいの試行錯誤の結果、「銅箔テープ+ユニバーサル基板」でそれらしい基板作りが出来るようになりました。その片鱗は「止まってしまっている半自動カップラの製作」や「5次オーバートーン実験」の際に紹介していますが、モノ好きな方の参考になるかも知れないので()きちんとまとめておこうと思います。

 材料は、必要な大きさの片面ユニバーサル基板と銅箔テープ(専ら、NITOMSの「J3170 50mm幅」を愛用しています)で、ユニバーサル基板の部品面全体に銅箔テープを敷き詰めて貼り付ける準備をしておきます。木版に使う「バレン」のようなものをこしらえてそれで強めにこすって圧着し、一昼夜放っておくとかなりピタリと接着しますので、「前の晩に貼って寝る」というのが良いでしょう・・・って、これじゃぁ「膏薬」ですがな・・・
 なお、使用するユニバーサル基板は、紙エポかベークがいいでしょう。ガラエポでは、後の工程でちょっと苦労します。

 一方、工具類は以下のものを準備しています。



 肝は「六角軸面取りカッター」です(黄色矢印の先)。あまり大きくないもので十分ですが、刃先の形状がポイント・・・1カ所に切り先があるタイプでなく、スクリュータイプのモノが良いでしょう。



 まぁ、こんな感じです。六角の付け替えドライバのグリップ部分に差し込んで使っています。

 PCB上は、グランドに落とさない部分をこの面取りカッターで浚って穴を広げますが、その前に、千枚通しで位置決め。



 広げたい穴に千枚通しを突き立てて銅箔テープに穴を開ければ、目印付けは完了。



 面取りカッターで穴を拡げます。ガラエポでない方が良い・・・と前の方に書きましたが、ガラエポでは多少穴を拡げ辛くなります。



 カッターを5,6回まわすと丁度頃合いの穴に拡がります。が、かなりバリが出て汚い状態・・・。



 そこで、ニッパーを閉じた状態でリーマ代わりにしてぐるりと回してバリを取ります。また、銅箔テープのカスで短結しないよう、余計な銅箔は切り取ってしまいます。



 こんな感じでいいでしょう。グランドに落とす部分は、千枚通しで穴を開けておくだけにしてはんだ付けの際の目印にします。
 なお、これら一連の作業は、小さな基板なら手に持って作業した方が圧倒的に楽チンです。



 今回作成した基板です。デジ・アナ共存のため、デジタル部分はグランドが不要(というか、穴だらけになって却って邪魔)であり、銅箔部分を剥ぎ取っています。

 この裏面には勿論「ランド」があるわけですから、あとは部品を取り付けながらスズメッキ線等で配線していけばいいわけです。このくらいの基板なら小一時間で完成しますから、まぁあまり苦にならずに「両面基板もどき」が完成します。

 高周波的にもグランドがかなり広く取られますのでまずまず良好といえる反面、グランドに落とす際には「部品の根っこ」にはんだ付けする必要がありますから、取り付けにくい部品が存在します。そんな場合は、一旦裏のランドに出た部品の「足」を逆に表面のグランドと接続する配線が必要になりますが、ここは避けて通れません。
 例えば、7Kボビンのグランド接続部などは、先に少し細工をしてシールドケースに当該ピンを接続しておくなど、その都度知恵を絞れば何とかなります。

 秋月のユニバーサル小型基板は大変手頃な大きさで価格も安く、紙エポのものは反りなどもなく大変FBです。ちょっと多めに買い込んでおいて簡単な試作や実験に多用していますが、上記の方法で上手く製作すればそのまま組み込んで使えますから、自分のような「上手く動いたら儲けもん」的な自作派にはお奨めですよ
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