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基準発振の安定度比べ

2012-11-27      
 今年のフィナーレたるコンテストも終わり、夕刻早めに帰宅できても既に「ローバンドタイム」となれば、40mをサクッとワッチしたら夕飯(ってか、晩酌だぁね or )を悠々と喰らい、工作オタクに変身するわけです。やっと日常に戻ったような、ちと燃え尽き症候群的なここ数日を過ごしています。

 さて、我がヘッポコ自作装置の中では非常に元気に活躍してくれている「赤いトラクター~」ならぬ赤い周波数カウンタですが、この元となる秋月キットを当時作った方は非常に多く、未だにブログ記事が散見されます。そんな中に「秋月カウンタはドリフトが凄い」という記事を幾つか見つけました。
 確かに基準発振が「ただの水晶発振子」ですから、端から高い精度は求めていなかったのですが、これを基準に様々なものを測定しているため、あんまりドリフトが酷いと例えば「自作VXOの安定度」なんて、どっちが動いているのか判らなくなってしまうんで、これはこれで非常に困るわけです。そこで、ルビジウムやOCXOとまでとは行かなくとも、「TCXO」辺りの安定度・・・数Hz程度の変位に収まるようなものでもう少しまともに測定してみたくなりました。

 実はこれ、作り始めたDDS実験のVXO部分の安定度を測定している際に、上記の如くの記事を見つけちゃって、「じゃぁ、今まで必死こいて測定していたのは何だったのさ・・・」とこうなり、新たにちっこい周波数カウンタでもこしらえちゃおうか、いやいや赤い奴を直そうか・・・と思案。しかし、何れにせよ基準発振は必要だろうと考えて、鈴商さんで結構古めの調整穴付きのTCXO(と思われる奴)を1つ400円で買ってきました。この程度の散財なら、別にねぇ・・・

 しかし、基準発振の安定度をどうやって測ったらいいんだろう・・・まぁ、とりあえずTCXOを発振させて、この周波数変動の様子を見れば何かしら判るでしょうと案外のん気に構えていたんですが、よく考えてみたら、我が家にも真っ当な「周波数測定装置」があるじゃないか・・・とふいに気がつきました。
 昨今のリグの基準発振はかなりの安定度を誇るものが多く、TS-590も±0.5ppm/℃という相当優秀な基準クロックが装備されている・・・ということは、赤いカウンタとTS-590で同時測定すりゃいいんジャン、なんだ簡単ジャン

 一応、赤いカウンタの基準発振用水晶はICM-7216BのICソケットの中に封じ込め、このLSIが暫くして暖まり温度的に安定したら、それに 連れて水晶の発振周波数も落ち着くでしょう・・・という斬新なアイディアで作成するようキットの説明書に書いてあり、その通り作ってあるんです。ですから、1時間程度エージングしながら監視していれば、そのうちどこかで安定するかな という淡い期待を抱きつつ早速実験です。



 TOYOCOMの「TCO-706A」と書いてあります。周波数は9.9528MHz。多分DIP-ICのピン配であり、14がVCC、7がグランド、8が出力、1はN.Cというパターンだろうと踏んでひとまず5Vを印加。 古いもの故にデータシートもないんで、この辺りは本当に勇気が要ります が、「後継と思われる製品の形や配置」を参考にすれば、こうした比較的単純な部品はまぁ間違いなく同じピン配ですね。TS-590で上記の銘板周波数辺りを探ると、元気なキャリアが直ぐに見つかりました。見事発振せり
 TS-590は、とりあえずCWモードにして銘板周波数に合わせてIF-WIDTHを50Hzにし、この状態で水晶発振器のトリマを回して復調する一方、パドルを押した際に出るサイドトーンと合わせていきます。ギターのチューニングの要領ですな。これで大体銘板周波数から数Hz程度の偏差までは追い込めます。

 ここで、赤いカウンタをON。表示は9.953320MHz付近からスタートし、徐々に下がっていきます。これは想定範囲であり、上記の通りLSIがある程度まで暖まらないと「擬似恒温槽」にはなりませんからねぇ。

 さぁ、刻々と時間が過ぎていきますが、TS-590のモニタリングでは殆ど動いていないようで、たまにパドルを触っても少しフルフルという音色に変わっている程度。「ちとずれたかな」という部分から動きません。
 一方の赤いカウンタは、10分くらいで銘板周波数に到達。ここで緩やかに止まってくれれば良いわけですが、全く止まる気配無し

 相変わらずTS-590の方はほぼ止まっており、RITのFINEで追っかけて+側に2Hz程度動いたようですが、とにかく赤いカウンタはどんどん低い方にずれていってしまいます。この状態で放っておき、大凡1時間経過すると・・・。



 如何ですか TS-590の方は、9.95328MHzから低い方にRITで3Hz追っていますので、大きな表示は9.953.27と読み取れますが、実際の周波数は「9.953.277MHz」ということです。+側に2Hz程度動いてから、5Hzほど下がってきて安定していそうです。
 一方、赤いカウンタはというと・・・一目瞭然ですが「9.953198MHz」って、おいおい82Hzも下がってる 最初の表示周波数から考えると122Hz 結構動くんだなぁ・・・。その後も放っておいたらどんどん下がっていくんで止めてしまいましたが、どう考えても「400円TCXO」の圧倒的勝利でしょう。

 そんなわけで、「直すか、もう1台作るか」は別にしても、赤いカウンタの精度(安定度)はやはりちょっとダメっぽいですし、DDS実験のVXO部分の安定度はプリスケーラを使って測定・・・このラインの基準発振もやはり水晶振動子なんですが、基板の上に普通に乗せてありますから、下手をするとこちらはもっと不味いかも・・・こりゃ、本格的な改修が必要なようですね。

 それにしても、製作モンがどんどん増えてくなぁ・・・。
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うちのIC7200も±0.5ppm

良いものを手に入れましたね!
自分も長波帯QRSSに手を出そうとラジデパ1Fの某お店で探しましたがお目当てのものがなく特注しました。来月中旬には納品だそうです。それとは別に10MHzの基準発信器も揃えておきたいところです。

普通の水晶でも、もう少しマシかと思ってた・・・

ぶんさん、こんにちは。
おっと、ラジデパ1Fの某は自分も行きましたが、ナンチャッテ実験には幾らなんでも高い奴が並んでいて、食指が動きませんでした(^^;
共立エレショップに、ものすごく小さいTCXOがあったので、郵送で済むと思い、12MHzのものを購入しました。これを12分周して1MHzを作り、「赤い奴」はこれで直そうかと思っています(このLSIは1MHzのゲートクロックにも対応しているんで)。
確かに、10MHz欲しいなぁ・・・PLL画策してますが、とにかく作るものが増えちゃって、サイクル25までに片付くか知らん!?ってか、次に何を作るんだっけか(爆
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