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ステルス君の心臓部を調査

2013-04-06      
 毎日の太陽光と風雨に耐え、少しのスイッチ操作とヒゲの曲げ伸ばしで各バンドにオンエアできる「ステルス君」ことベランダのダイポール・・・先日の強風の際、40m用のコイルがぶっ飛んでいってしまったのを急遽直して使っていますが、今夕から明日に掛けての「春嵐」(しゅんらん)に備え、午前中にこのステルス君を下ろしてしまいました。今日・明日の無線活動は控えることにし、折角下ろしたステルス君のマッチング部を一通り検査してみましたが、中に水が入った痕跡や傷みの酷い部分などは皆無。やはり、ある程度しっかりしたケースに入れておくと安心です。

 さて、このマッチングボックスについては特に問題なく動いているんですが、ハイバンドの整合に何となく腑に落ちない部分があります。それは、少々大きすぎる気がしたフロートバランのサイズを小さくし、かつ巻数を減らしたら、SWRが下がらないことがあって、結局大きめのバランに換装して凌いだわけですが、「たまたま上手く行った」という結果オーライ的な部分がちょっと気になっているんです。
 そこで、このバランに純抵抗・・・50Ωの抵抗をつないで周波数特性を見てみようと、「あんあな54号君」(←命名完了)を以下の写真のように接続して調べてみました。勿論「50Ω直結」ですから、インピーダンス変換部はスルーになるようなスイッチ設定です。



 マッチングボックスの右側に接続されているのは、FCZ研究所の終端型ダミー計です。このダミー自体のSWRは、事前に直結測定してHF帯全域で1:1.05以下となっていることを確認しましたので、マッチングボックスの負荷としても大丈夫そう。

 マッチングボックスの周波数特性は以下のようになりました。



 純抵抗として50Ωを維持しているのは精々7MHz程度までであり、その上は徐々に上昇して21MHz辺りで70Ω程度、28MHz付近では80Ω程度と、かなり高めになっています。また、虚数成分(リアクタンス分)もかなり低い周波数から上昇し、26MHz辺りで0Ωに戻っていく感じです。

 あんあな54号君のPCメニューでは「リターンロス表示」も可能です。



 これは一目瞭然ですね。HFのハイバンドに向かってどんどんとSWRが悪くなっていく様が解ります。SWR値で見てみると、28MHzで1.6程度という結果でした。ただ、この状態でインピーダンス変換のスイッチを25:16の位置にすると、「80Ω÷25×16=51.2Ω」となってSWRが改善しますから、普段の運用ではこの辺りを「頃合い」で凌いでいるということになります。もう少し質の良いマッチングボックスの再作・・・これは、次回作になるであろうステルス君3号の製作時に追っかけてみようと思います。

 インピーダンスの挙動はクラニシ君でも確認できますが、HF全域が一挙に測定できてしまうこと、虚数成分が見えること、さらにPCへのデータ取り込みが可能なことで、やはり全く違った見方ができるようになりますね。あんあな54号君、やっぱ凄いわ・・・
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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