MFJ-1025の受信感度
2013-05-17
MFJ-1025のノイズ除去効果・・・「填れば凄い」ということは何度も体感していますが、その殆どが40mでのこと。一方、気になるノイズの増加傾向として、ここ最近は上の方(ハイバンド)が悪化していることから、何とかこちらをもっとクリーンにしたいなぁ・・・と考えているわけです。
目的信号に重畳されたノイズ成分を、別のアンテナで拾った「ノイズだけの信号」と上手く合成して相殺するためには、ノイズアンテナが重要なファクタになりますが、MFJ-1025は乱暴にいってしまうと「ローバンド用」といった有様であることも理解しているつもりです。が、本当にハイバンドのキャンセルには不利なのか・・・という疑問について少し定量的に知りたくなり、どうせ手を入れてしまうであろうこの装置について、改造前に「受信感度」を調べておく気になりました。
厳密な意味での「受信感度」を測定するにはそれなりの設備が必要ですが、今回取りたいデータはそんなに厳密でなくてOK。メインのアンテナ端子で受信する信号とAUX端子(ノイズアンテナ接続用の端子)で受信する信号の差を客観的に見ておけば、ノイズアンテナ系に求められる「総合利得」がある程度推測できるかなぁという素人的発想・・・「大体△△dB」というのが判れば十分ですから、手元にあるSGモドキ・・・最近は専らピーピー装置になってしまった「クラニシ君」とローパワー計という組み合わせで行うことに。

写真でお見せするほど複雑な接続ではありませんね
まずはAUX側のゲイン調整ボリュームを最小にしてメイン側にクラニシ君を接続して各バンドの信号を入力、その時の出力を測ります。これが、メインアンテナ側の利得測定データの取得(①)。
一方のAUX側は、ノイズのフェーズを調整するボリューム位置、周波数のHIGH/LOW切替(これは、フェーズシフトを行うためのコンデンサ容量を切り替えている)の状態など、幾つかバリエーションが考えられたんですが、とりあえずフェーズ調整ボリュームの位置を「5」(中点)とし、周波数切替はLOW側としてデータ取り。勿論、この時のMAIN側のゲイン調整ボリュームは最小にしてあります(②)。
そして、この2つのデータを比較してみたのが、以下のグラフです。

「MAIN」と書いてあるプロットが①で取得したデータです。1.8MHzが-8dBほど下がっていますが、他のバンドは概ね0dB付近です。24.9MHz(17m)辺りの利得がちょいと高めですが、まぁまぁフラットな感じ。この装置のノイズキャンセル処理を使わないときの様子とも言えますから、これは他の変動要素を考えなくて良いので大歓迎・・・と言えると思います。当たり前ですが、この装置単体では「プリアンプにはならん」ということですね
一方、「AUX」と書いてあるプロットが、②で取得したAUX側の周波数-利得特性になります。1.8MHzをスタートラインとして、ハイバンドに向かってどんどん利得が下がっていく様子が分かります。1.8MHzと28MHzの差は12dBほどになっています。
ちなみに、AUX側のフェーズ調整ボリューム位置によって、出力の大きさは結構変わります。MFJ-1025採用のフェーズシフト調整回路を見れば簡単に理解できますが、それを含めて考えても「調整がクリティカル」なことも容易に想像ができます。さらに、周波数切替をHIGH側にすると低い周波数の方で利得が下がります。まさしく「HIGH」なわけですね
先に書いたように、このスイッチはフェーズシフトのコンデンサ切替・・・インピーダンスが変わると捉えると、この現象も納得できます。
上記のグラフには、ついでに①と②の利得の差もプロットしてみました(グラフ上は緑の三角の奴)。仮に、メインアンテナ側で拾ったノイズと同じ強さにノイズアンテナ側でも受信しようとすると、+8dB(7MHz)から+22dB(24.9MHz)の増幅が必要ということになります。さらに、この条件は「メインアンテナとノイズアンテナの利得が殆ど同じ」という条件になりますから、やはりノイズアンテナ系に求められる利得はかなり必要であり、大きなアンテナが張れない我らアパマンハム(ん
我らって誰だ
)のノイズ消しには、アクティブアンテナの活用を含めたこの「利得差」を埋めてやる工夫がどうしても必要・・・という結論です。
また、40mでのノイズ軽減効果が高いことも上記のグラフから解ります。全バンドの中で最も少ない「8dBの差」を埋めてやればよい・・・最もノイズが消し易いバンドという解釈でいいんでしょう。
1.8MHzを度外視すると、AUX端子の最大感度を示す40mでさえ+8dB程度の利得が必要そうですから、AUX側には2SK125×2のポストアンプを突っ込んでしまう手も「有り」かも知れませんし、例の保護用ダイオードや保護用ランプ外し(=ロス軽減)を「AUX側だけやってしまう」という方法も考えられます。
何れにせよ、まずはこの週末に向けての基礎データが取れました
目的信号に重畳されたノイズ成分を、別のアンテナで拾った「ノイズだけの信号」と上手く合成して相殺するためには、ノイズアンテナが重要なファクタになりますが、MFJ-1025は乱暴にいってしまうと「ローバンド用」といった有様であることも理解しているつもりです。が、本当にハイバンドのキャンセルには不利なのか・・・という疑問について少し定量的に知りたくなり、どうせ手を入れてしまうであろうこの装置について、改造前に「受信感度」を調べておく気になりました。
厳密な意味での「受信感度」を測定するにはそれなりの設備が必要ですが、今回取りたいデータはそんなに厳密でなくてOK。メインのアンテナ端子で受信する信号とAUX端子(ノイズアンテナ接続用の端子)で受信する信号の差を客観的に見ておけば、ノイズアンテナ系に求められる「総合利得」がある程度推測できるかなぁという素人的発想・・・「大体△△dB」というのが判れば十分ですから、手元にあるSGモドキ・・・最近は専らピーピー装置になってしまった「クラニシ君」とローパワー計という組み合わせで行うことに。

写真でお見せするほど複雑な接続ではありませんね

一方のAUX側は、ノイズのフェーズを調整するボリューム位置、周波数のHIGH/LOW切替(これは、フェーズシフトを行うためのコンデンサ容量を切り替えている)の状態など、幾つかバリエーションが考えられたんですが、とりあえずフェーズ調整ボリュームの位置を「5」(中点)とし、周波数切替はLOW側としてデータ取り。勿論、この時のMAIN側のゲイン調整ボリュームは最小にしてあります(②)。
そして、この2つのデータを比較してみたのが、以下のグラフです。

「MAIN」と書いてあるプロットが①で取得したデータです。1.8MHzが-8dBほど下がっていますが、他のバンドは概ね0dB付近です。24.9MHz(17m)辺りの利得がちょいと高めですが、まぁまぁフラットな感じ。この装置のノイズキャンセル処理を使わないときの様子とも言えますから、これは他の変動要素を考えなくて良いので大歓迎・・・と言えると思います。当たり前ですが、この装置単体では「プリアンプにはならん」ということですね

一方、「AUX」と書いてあるプロットが、②で取得したAUX側の周波数-利得特性になります。1.8MHzをスタートラインとして、ハイバンドに向かってどんどん利得が下がっていく様子が分かります。1.8MHzと28MHzの差は12dBほどになっています。
ちなみに、AUX側のフェーズ調整ボリューム位置によって、出力の大きさは結構変わります。MFJ-1025採用のフェーズシフト調整回路を見れば簡単に理解できますが、それを含めて考えても「調整がクリティカル」なことも容易に想像ができます。さらに、周波数切替をHIGH側にすると低い周波数の方で利得が下がります。まさしく「HIGH」なわけですね

上記のグラフには、ついでに①と②の利得の差もプロットしてみました(グラフ上は緑の三角の奴)。仮に、メインアンテナ側で拾ったノイズと同じ強さにノイズアンテナ側でも受信しようとすると、+8dB(7MHz)から+22dB(24.9MHz)の増幅が必要ということになります。さらに、この条件は「メインアンテナとノイズアンテナの利得が殆ど同じ」という条件になりますから、やはりノイズアンテナ系に求められる利得はかなり必要であり、大きなアンテナが張れない我らアパマンハム(ん


また、40mでのノイズ軽減効果が高いことも上記のグラフから解ります。全バンドの中で最も少ない「8dBの差」を埋めてやればよい・・・最もノイズが消し易いバンドという解釈でいいんでしょう。
1.8MHzを度外視すると、AUX端子の最大感度を示す40mでさえ+8dB程度の利得が必要そうですから、AUX側には2SK125×2のポストアンプを突っ込んでしまう手も「有り」かも知れませんし、例の保護用ダイオードや保護用ランプ外し(=ロス軽減)を「AUX側だけやってしまう」という方法も考えられます。
何れにせよ、まずはこの週末に向けての基礎データが取れました

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