ノイズ除去装置の「心臓部」に迫る!
2013-05-18
ナンチャッテな題名ですが、今いまの課題であるノイズ除去(まぁ、「軽減」がいいところかな
)について、案外原理は簡単そうなんで、「どんな風に動くんだろう」という部分をオシロで覗き見してみました。
回路はご覧の通り超簡単です
MFJ-1025の定数をそのまま引っ張ってきました。この装置の場合、AUX端子からの信号・・・つまりノイズピックアップ用のアンテナで受信した信号の位相を、この回路を通して遅らせ、MAINのアンテナの信号と合成することで「ノイズ信号だけ逆位相で打ち消しちゃえ
」という仕様で作られています。例えば、あるノイズに対し、ノイズ受信を受け持つアンテナとMAINのアンテナが、全く同じ位相でそのノイズを受信できれば「180度遅らせれば消える」という当たり前な話なんですが、実際には違った位置にあるアンテナが各々自分の役割を果たすために設置されますから、真逆の位相で消えるばかりとは限らないため、いい頃合いになるようにボリュームで位相調整するんだぞ・・・となるわけです。
今回は、入力に「クラニシ君@SG」(お、お洒落なネーミング
)をつないでその波形を二現象オシロのCH1、「PHASE OUT」をCH2で観測しながらボリュームを回してみました。測定周波数は10MHz付近です。
まずはボリューム最大・・・1KΩの場合の波形です。下がCH1、上がCH2ですが、同相の出力・・・ほぼ位相差無しの状態です。
これがボリューム最小の状態です。ほぼ180度の位相差が確認できています。位相の変化は「対数チック」な動きになりますから、実際には「真の180度」までにはならないと思うんですが、この周波数では結構行けているように見えますね。MFJ-1025では、この後に入力インピーダンスが高いポストアンプを置いて凌いでいますが、単にオシロで見たのとは様子が違うかも知れません・・・。
この対数チックな動きは、ノイズを消す作業の時によくある「ノイズのヌル点が、何だかPHASE可変ボリュームの端っこの方に偏るなぁ・・・」という風な形でしょっちゅう体験しますが、お遊びでボリュームをAカーブに替えたら、回転と位相差の関係がかなりリニアに調整できる感触がありました
ただ、これも「この周波数では・・・」といった形になるかも知れず、このリニアリティ改善については、MFJ-1025に手を加える際に考えたいと思います。
さて、この回路はCとRの組み合わせにより同調周波数が可変され、その周波数と入力された周波数との関係で位相差が変化しますから、消したいノイズの位相差を「最適」に消すためには、コンデンサの値も動かした方が良いわけです。実際、たまたまSGがクラニシ君であることから「反射」の形で回路のインピーダンス変化が見られるんですが、かなり大きな変動があります。クラニシ君でこの反射を見てみると、この回路定数では14MHzを超えるとボリュームの位置によってはSWR>3となり、出力振幅(つまり、位相差を持った信号の振幅)が小さくなってしまいました。
また、この組み合わせでハイバンドの上の方になればなるほど、その周波数に対するコンデンサの容量が大きくなり過ぎ、上の写真のようには位相差が稼げなくなっていきました。ハイバンドではこの辺りも「ノイズのヌル点が浅い」という現象になるのかも知れず、さらに上記の反射も重なって生じてきますから、総じて周波数が高くなると話は加速的に悪い方向になるようです
弱くなってしまう振幅はアンプで誤魔化せそうですが、位相差の可変範囲が狭くなるのはやはり不味いでしょう。
ハイバンドのノイズ撃退に向け、昨日のMFJ-1025の受信感度測定結果を含め、どんな対策が必要かをまとめてみます。
対策2については、MFJ-1025のリレー作動音・・・これが結構でかいんで、その対策の一環にもなります
実は、この辺りは前々から気になっていたため、それなりに部品は集まっていたりするんで着手は容易・・・なんですが、ここまで来ると、上記のコンセプトに合わせて自前で「ノイズ撃退君」を作っても良いかも知れんませんね。メインアンテナ側にも、位相をある程度可変できるような工夫をしてしまえば結構使えそう。でも、随分遠回りの気もするし、どうしよう
追記 2013.05.21>
ひょっとして、ボリュームの最少と最大が逆かも・・・近いうちに追試します。
追記 2013.05.22>
やっぱ逆でした・・・新しい記事で懺悔


回路はご覧の通り超簡単です


今回は、入力に「クラニシ君@SG」(お、お洒落なネーミング


まずはボリューム最大・・・1KΩの場合の波形です。下がCH1、上がCH2ですが、同相の出力・・・ほぼ位相差無しの状態です。

これがボリューム最小の状態です。ほぼ180度の位相差が確認できています。位相の変化は「対数チック」な動きになりますから、実際には「真の180度」までにはならないと思うんですが、この周波数では結構行けているように見えますね。MFJ-1025では、この後に入力インピーダンスが高いポストアンプを置いて凌いでいますが、単にオシロで見たのとは様子が違うかも知れません・・・。
この対数チックな動きは、ノイズを消す作業の時によくある「ノイズのヌル点が、何だかPHASE可変ボリュームの端っこの方に偏るなぁ・・・」という風な形でしょっちゅう体験しますが、お遊びでボリュームをAカーブに替えたら、回転と位相差の関係がかなりリニアに調整できる感触がありました

ただ、これも「この周波数では・・・」といった形になるかも知れず、このリニアリティ改善については、MFJ-1025に手を加える際に考えたいと思います。
さて、この回路はCとRの組み合わせにより同調周波数が可変され、その周波数と入力された周波数との関係で位相差が変化しますから、消したいノイズの位相差を「最適」に消すためには、コンデンサの値も動かした方が良いわけです。実際、たまたまSGがクラニシ君であることから「反射」の形で回路のインピーダンス変化が見られるんですが、かなり大きな変動があります。クラニシ君でこの反射を見てみると、この回路定数では14MHzを超えるとボリュームの位置によってはSWR>3となり、出力振幅(つまり、位相差を持った信号の振幅)が小さくなってしまいました。
また、この組み合わせでハイバンドの上の方になればなるほど、その周波数に対するコンデンサの容量が大きくなり過ぎ、上の写真のようには位相差が稼げなくなっていきました。ハイバンドではこの辺りも「ノイズのヌル点が浅い」という現象になるのかも知れず、さらに上記の反射も重なって生じてきますから、総じて周波数が高くなると話は加速的に悪い方向になるようです

ハイバンドのノイズ撃退に向け、昨日のMFJ-1025の受信感度測定結果を含め、どんな対策が必要かをまとめてみます。
対策 | 内 容 |
1 | MFJ1025/1026定番の保護回路取っ払いによるロス改善を行う |
2 | MFJ-1025は「受信専用」とし、外出しで制御ボックスを設けリグと連動させる |
3 | MFJ-1025のT/R Delayは取っ払い、ロータリースイッチを入れ、拡張性を高める(フェーズシフト回路のコンデンサ切替など) |
4 | ハイバンドを含めてAUX側に大人しめのプリアンプを入れて全体的な利得バランスを改善し、ノイズアンテナの負担を軽くする |
対策2については、MFJ-1025のリレー作動音・・・これが結構でかいんで、その対策の一環にもなります


追記 2013.05.21>
ひょっとして、ボリュームの最少と最大が逆かも・・・近いうちに追試します。
追記 2013.05.22>
やっぱ逆でした・・・新しい記事で懺悔

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