カップラの内部ロスの考察開始
2013-10-06
あまり理詰めで考えていくと、却って何やら怪しげな方向に陥ってしまうことがあります。今回は、既に「ハカイ」されたTYPE-Ⅲ、ちょっと早まったかも知れないなぁ・・・というオッチョコチョイなお話になっちゃうかも
例によって鋭いツッコミでお世話になっている「コメント主さん」(もう、「主」になってくれていいや
)から、TYPE-Ⅲハカイ工作の記事にコメントを貰いました。「観点がちょっと違うんじゃない
」的なものだったんですが、既に「ハカイ後」だったこともあって、何か理屈っぽいことのせいにしようとひとまずコメント返し。できるだけ理論的に考えたい・・・まぁ、その方がカッチョイイもんなぁという稚拙さ丸出しで記したものの、昨日の朝起きて改めて考えたら、確かに「脇があまい」というかもう少し広範囲に見直した方が良いなぁ・・・と思い直し、ゴミ出しを終えてから原点回帰(
)しました。
そもそも、TYPE-Ⅲのロスについては、やれコイルのQだの無茶なインピーダンス変換だのという前に、「物理的に生じるロス」という観点も必要。例えば、コネクタ周りの極端なインピーダンスの乱れやロータリースイッチの接触など、結構考えられる要素が残っています。
一方、クラニシ君@SGの出力を自作のローレベル・パワー計で測り、「0.01V」という言わば「誤差」のような部分を論じていることも、よく考えてみればちょっと些末過ぎかも・・・
ただ、やはりロスはロスとして少しでも減らしたいというのが心情・・・。
詰まるところ、どうしてKX-1の方が明らかに減衰量が少ないのか・・・同じような回路構成&部品構成なのに「減衰が少ない」となるのか・・・ここがポイントですから、この辺りを明確にしていけばよいというところに落ち着き、ある「思い付き実験」を敢行。
まずは、スカスカになったTYPE-Ⅲのケースをただのスルーの状態で入出力をつなぎ、SWRの暴れがあるのか見てみました。周波数は14MHz。TYPE-Ⅲの挿入ロスが「0.072V⇒0.057V」と、一番大きかったバンドです。

無論、この写真の結果は「想定通り」です。ちょっとしたインピーダンスの暴れで、最下桁に影響が出るのは想像の範囲です。
ここで、わざともう少し「配線の具合」を実際にカップラとして組み上がったイメージにすべく、Mコネのホット側とアンテナ端子のホット側をつないでいる線を、ケースから離れるように曲げてみました。線長は同じです。

曲げた様子は青矢印の部分に写っていますが、ケースから浮かせたような状態になっています。0.002V落ちているのは一目瞭然、そして目立たないんですがSWRが1.05⇒1.15に上がっているのが判ります(黄色囲みに注目してください)。
HF帯と言えど、もっと高い周波数・・・10m付近では、こうした浮遊容量に纏わるようなミスマッチが顕在化することは解っていたつもりですが、14MHzあたりでも「空中配線の悪戯」が案外バカにならないということが解りました。TYPE-Ⅲは流石にこれよりもっと複雑ですし、この狭いケースの中で浮遊容量がもっと大きくなる箇所が、それも複数箇所あってもおかしくないわけで、この辺りをできるだけ押さえ付けてやるような作りにした上で、コイルのQや変換ロスなどの吟味をしないと何を追求しているのか解らなくなるぞ・・・これだけはハッキリしました。
こうなると、分解してしまったTYPE-Ⅲを元通りに組み立て直しながら、インピーダンス暴れのボトルネックになっている部分探しをしていくのも「カップラ作りを知る」という意味で興味が湧いてきます。まずは、πC型カップラに入ってきた高周波が最初に出会う「コンデンサ」が直ぐお隣の「コイル」と協力して行うLCマッチによるインピーダンスを下げる部分までの間に、どんな挙動が見て取れるか、実験してみようと思います。

例によって鋭いツッコミでお世話になっている「コメント主さん」(もう、「主」になってくれていいや



そもそも、TYPE-Ⅲのロスについては、やれコイルのQだの無茶なインピーダンス変換だのという前に、「物理的に生じるロス」という観点も必要。例えば、コネクタ周りの極端なインピーダンスの乱れやロータリースイッチの接触など、結構考えられる要素が残っています。
一方、クラニシ君@SGの出力を自作のローレベル・パワー計で測り、「0.01V」という言わば「誤差」のような部分を論じていることも、よく考えてみればちょっと些末過ぎかも・・・

詰まるところ、どうしてKX-1の方が明らかに減衰量が少ないのか・・・同じような回路構成&部品構成なのに「減衰が少ない」となるのか・・・ここがポイントですから、この辺りを明確にしていけばよいというところに落ち着き、ある「思い付き実験」を敢行。
まずは、スカスカになったTYPE-Ⅲのケースをただのスルーの状態で入出力をつなぎ、SWRの暴れがあるのか見てみました。周波数は14MHz。TYPE-Ⅲの挿入ロスが「0.072V⇒0.057V」と、一番大きかったバンドです。

無論、この写真の結果は「想定通り」です。ちょっとしたインピーダンスの暴れで、最下桁に影響が出るのは想像の範囲です。
ここで、わざともう少し「配線の具合」を実際にカップラとして組み上がったイメージにすべく、Mコネのホット側とアンテナ端子のホット側をつないでいる線を、ケースから離れるように曲げてみました。線長は同じです。

曲げた様子は青矢印の部分に写っていますが、ケースから浮かせたような状態になっています。0.002V落ちているのは一目瞭然、そして目立たないんですがSWRが1.05⇒1.15に上がっているのが判ります(黄色囲みに注目してください)。
HF帯と言えど、もっと高い周波数・・・10m付近では、こうした浮遊容量に纏わるようなミスマッチが顕在化することは解っていたつもりですが、14MHzあたりでも「空中配線の悪戯」が案外バカにならないということが解りました。TYPE-Ⅲは流石にこれよりもっと複雑ですし、この狭いケースの中で浮遊容量がもっと大きくなる箇所が、それも複数箇所あってもおかしくないわけで、この辺りをできるだけ押さえ付けてやるような作りにした上で、コイルのQや変換ロスなどの吟味をしないと何を追求しているのか解らなくなるぞ・・・これだけはハッキリしました。
こうなると、分解してしまったTYPE-Ⅲを元通りに組み立て直しながら、インピーダンス暴れのボトルネックになっている部分探しをしていくのも「カップラ作りを知る」という意味で興味が湧いてきます。まずは、πC型カップラに入ってきた高周波が最初に出会う「コンデンサ」が直ぐお隣の「コイル」と協力して行うLCマッチによるインピーダンスを下げる部分までの間に、どんな挙動が見て取れるか、実験してみようと思います。
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