AD8307の狭帯域整合
2014-03-21
ログアンプを使って作りたいモノが3つあるんですが、その内の2つはAD8307、もう一つは兄弟分のAD8310を使おうと思っています。兄弟分は注文中・・・なんで、とりあえず「味見」としてAD8307のノーマルな使い方、さらに「狭帯域整合」による高感度化について確かめてみました。
まずはノーマルな使い方。AD8307の入力インピーダンスが1.1KΩであるため、50Ωとの整合に「220Ω×2+100Ω」の組み合わせで終端抵抗(推奨抵抗値は52.3Ω、左記組み合わせでは52.38Ω)を付け、クラニシ君@SG(出力-2.3dBm)をつなげ、電源電圧は5V、10.7MHz近辺で測定してみました。

傾きや切片はいじっていません。正に「作りっぱなし」ですが、石のマニュアルにある入力レベルと出力電圧の関係グラフから読み取れる値に非常に近い結果・・・上出来でしょう
消費電流は測定時で7.56mA、ENB端子(6番ピン)をハイ・インピorGNDにすると100μA以下となりますので、電池タイプの測定器では、この端子を上手く使うとかなり省エネになりそうです。
さて、もう一方の「狭帯域整合」・・・これは、測定する周波数が固定という条件が生じるものの、入力にLCマッチングを施すことで十数dBのゲインアップが行えるというものです。カタログ値で大凡-75dBmが下限となるこの石で、ゲイン上昇分だけさらに低い入力をカバーできる・・・ということですね。

この回路のC1,2とLMの値について、AD8307のデバイス仕様に大雑把な周波数のサンプル値が列挙されていますが、やはり最適値を求めたい・・・と探していたら、AD8307より数dBダイナミックレンジが広いAD8310のマニュアルに計算方法が載っていました
今回は10.7MHzの最適値を計算。コイルはT37-6に巻き、C1,2は手持ちのセラコンを組み合わせて実験しました。
幸いなことに、SG代わりにクラニシ君を使うと、入力との整合が読み取れます・・・まぁ、元はアンテナアナライザなんで当たり前なんですが、これでセラコンを少し入れ替えてやって、10.7MHzでSWR最小まで追い込みました。

またしてもスナップの写りが不味いんですが、「2.494V」となっています。先頭のスナップとの電圧差が狭帯域整合によるゲインの上昇・・・傾き未調整のためひとまず「25mv/dB」と見立てると、14.16dBのゲイン上昇と計算できます。デバイス仕様にある10MHzのサンプル値(13.6dB)を若干上回りますが、まぁこんなもんでしょう。
このゲイン上昇で測定下限を引き下げて考えると、-89dBmまでOKということになります。ナンチャッテ・スペアナの測定レンジとしては十分ですし、ログアンプに前置する周波数変換やフィルタの損失を補うのに一役買いそうです

こんな風にバラックに組んでもそこそこ動いてしまうブレッドボード・・・簡単な実験では手放させなくなりました。大判のボードも準備してありますから、これからの標準実験スタイルはコレ
でしょうね
まずはノーマルな使い方。AD8307の入力インピーダンスが1.1KΩであるため、50Ωとの整合に「220Ω×2+100Ω」の組み合わせで終端抵抗(推奨抵抗値は52.3Ω、左記組み合わせでは52.38Ω)を付け、クラニシ君@SG(出力-2.3dBm)をつなげ、電源電圧は5V、10.7MHz近辺で測定してみました。

傾きや切片はいじっていません。正に「作りっぱなし」ですが、石のマニュアルにある入力レベルと出力電圧の関係グラフから読み取れる値に非常に近い結果・・・上出来でしょう

消費電流は測定時で7.56mA、ENB端子(6番ピン)をハイ・インピorGNDにすると100μA以下となりますので、電池タイプの測定器では、この端子を上手く使うとかなり省エネになりそうです。
さて、もう一方の「狭帯域整合」・・・これは、測定する周波数が固定という条件が生じるものの、入力にLCマッチングを施すことで十数dBのゲインアップが行えるというものです。カタログ値で大凡-75dBmが下限となるこの石で、ゲイン上昇分だけさらに低い入力をカバーできる・・・ということですね。

この回路のC1,2とLMの値について、AD8307のデバイス仕様に大雑把な周波数のサンプル値が列挙されていますが、やはり最適値を求めたい・・・と探していたら、AD8307より数dBダイナミックレンジが広いAD8310のマニュアルに計算方法が載っていました

幸いなことに、SG代わりにクラニシ君を使うと、入力との整合が読み取れます・・・まぁ、元はアンテナアナライザなんで当たり前なんですが、これでセラコンを少し入れ替えてやって、10.7MHzでSWR最小まで追い込みました。

またしてもスナップの写りが不味いんですが、「2.494V」となっています。先頭のスナップとの電圧差が狭帯域整合によるゲインの上昇・・・傾き未調整のためひとまず「25mv/dB」と見立てると、14.16dBのゲイン上昇と計算できます。デバイス仕様にある10MHzのサンプル値(13.6dB)を若干上回りますが、まぁこんなもんでしょう。
このゲイン上昇で測定下限を引き下げて考えると、-89dBmまでOKということになります。ナンチャッテ・スペアナの測定レンジとしては十分ですし、ログアンプに前置する周波数変換やフィルタの損失を補うのに一役買いそうです


こんな風にバラックに組んでもそこそこ動いてしまうブレッドボード・・・簡単な実験では手放させなくなりました。大判のボードも準備してありますから、これからの標準実験スタイルはコレ


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