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OCXOの安定度など

2014-06-15      
 直前の記事で紹介したMV89Aの安定度などを測定してみよう・・・と思い立ち、そもそも基準クロックの安定度に問題含みの赤い周波数カウンタを2時間ほど「暖気」し、周波数測定を行いました。序でに消費電流の動きも測定しました。

 赤いカウンタ自身の安定度は、やはり初動の変動が顕著です。しかし、数時間通電しっぱなしにして筐体を含めた全体温度がほぼ一定になるのを待てば、まずまず使えるようになります。このカウンタでは絶対的な周波数変動を求めることはできないが、大凡の傾向は掴めるだろう・・・という言わば「予備実験」です。OCXOはひとまず大きめのタッパに入れ、直接風が当たらないようにはしました。室温は27.5℃くらいで安定していたと思われます(時々、温度計をチラ見していました)。

 早速結果を披露しましょう。



 通電直後はヒータを思いっ切り暖めるため6分程度は700mAくらいの電流が流れ、その間発振周波数はグングン上がっていきます。その後急に消費電流が減ってヒーティングが緩やかになると、安定点を目指して発振周波数が下がってきます。そして、通電から18分くらいで消費電流が安定すると、その後数分で発振周波数が安定点に到達・・・と、こんな感じでOCXOの内部の動きが類推できるようなデータが採れました。

 さて、ここでカタログスペックと比較してみましょう。



 まず、「ウォームアップ時間は15分以下」という仕様をグラフに当てはめて考えてみると、18分くらいに255mAに落ち着いた辺りを指しているものと思われます。今回の測定系では少し遅くなっているような・・・。

 次に「安定点の電流値は350mA以下」という仕様は、カタログスペックより低い値(概ね250mA)になっているようですが、これは問題ないでしょう。

 最後に「ウォームアップ時の最大電流は1.5A以下」という仕様・・・これは、今回の測定では700mA程度となっていますが、多分、今回使った電源の過電流検知が働いて電流制限されたものと思われ、ひょっとするとこれがウォームアップ時間を少し伸ばしてしまった原因かも・・・。
 ただ、これはある意味「朗報」で、1Aくらいで過電流検知が働くようなレギュレータを使って給電すれば、電源トランスは1A程度のもので事足りそう・・・それこそ、プロ仕様としては絶対に許されませんが、手狭なシャックでは少しでも「モノの大きさ」が小さい方が良く、コンパクトに作り込むという部分に寄与しそうです。

 実験の序でに周波数可変端子の周波数変位を調べてみると、0-5Vの変化で7Hzほど動くことが判りました。可変範囲としては十分そうです

 とりあえず、このOCXOの味見は済みました。これを周波数基準として校正するための仕掛け・・・次は、こちらの実験と製作を進めたいと思います。
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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