古いカウンタの精度向上は如何に!?
2014-08-04
そもそも自作の「赤い周波数カウンタ」(秋月の古~いキットを組み立てたもの)の精度がちょいとばかり気になる(数十Hzの変動がある)といっても、そんなに「高確度」のものが必要とは思っておらず、じゃぁ、どの程度
と自問してみると、やはり「1Hz」の単位がある程度信用できるレベル・・・例えば「1000Hz」という表示を見て「ひょっとしたら1001Hzかも」「いやいや999Hzでしょ」という場面で「いや、ひとまず1000Hz
」と自信を持って判断したいなぁというくらいのもんです。そのためには「0.1Hzの桁」が必要であり、999.5Hzから1000.4Hzに入っているという「四捨五入安心論」(そんなもんねぇよ
)を、取り敢えずの目標にしたかったという程度です。
そして、OCXOを入手した挙げ句、GPSが室内でも良好に受信できるという安普請マンションであることに気づき、だったらかなり正確な「調整不要の周波数カウンタ」が自作できるぞ
と思案しているところに「飲み代1回分の中古カウンタ」を思わずポチってしまい、このカウンタの精度が気になって・・・って、何やら堂々巡りになってしまいました
実は、このカウンタにはきちんと「外部クロック入力」が具備されており、10MHzの正確な信号を入れてやれば「内部クロック」がスットコドッコイでも全然構いません。即ち、入手済みのOCXOを活用すれば済むんです。さらに、外部から正確なゲート信号を与えてやると、そのゲート時間に従ってパルスカウントしてくれる機能付き・・・ということは、GPSの1PPS出力をつないでやればそれこそ正確無比なカウンタに仕立て上げることも容易
しかぁし
このカウンタの内部クロックで普段の使用に耐える程度の精度が満たせるようであれば、測定の度にゴテゴテと他の機材(OCXOやGPS受信モジュール)を引っ張り出さずに済みますからそれに越したことはありません。そこで、スペック的には十分満足できそうなVC-TCXO 「CFPT-125」(TVXO009900)を手に入れて換装し、このことでどの程度精度が改善されるのかを確かめてみよう・・・と、ここまでまたしても能書きでした
換装したTCXOの周波数安定度の確認方法は、元のTCXOの安定度を調べる時と同様、十分にエージングしたOCXOの周波数を測定し、1分毎に表示される周波数とTCXOの温度(TCXOの近くに温度計のセンサをテープで貼り付け)を記録して変化をトレースする方法です。

青三角の部分が10.0000000MHzです。青い折れ線が周波数変位を示しているんですが、元のTCXOで問題にしていたような「Hz単位での変動」ではなく、総じて1桁(以上)精度が上がっています。20分も経過すると、その後の温度上昇には追随せず±0.1Hzの範囲で安定・・・これにはかなり驚きました。
これを温度に読み替えると、概ね36℃から39℃の範囲で±0.1Hzの範囲をキープ・・・といったところでしょうか。因みに、今回の改造でTCXOが「高床式」で装着されるため、元のTCXOの測定をしていた時のように40℃以上にはならなくなりました。元のTCXOは基板にベタ付けでしたから、多分、基板から直接伝わってきていた熱が遮断されたということでしょう。そこで、本体の通気口を布で塞いで無理矢理41℃まで持っていってみましたが、39℃から41℃の間も±0.1Hzの範囲に入っていました(10.0000001MHz±0.1Hz)。
流石に1トレースでは・・・と思い、都合3回観測しました。

それぞれ、測定開始時点の室温、TCXO周辺温度など違っています。
01:02 室温:28.7度、TCXO:30.0℃
10:30 室温:27.9度、TCXO:27.8℃
01:02 室温:29.4度、TCXO:29.0℃
結構違っているんですが、どれも20分経過する辺りで安定してきています。さらに言えば、通電後5分経過時点で既に「±0.5Hz」の範囲に入ってきますから、例の「四捨五入安心論」(まだ言うか
)はこの時間から適用できますし、通電直後から考えても1Hzちょっとしか動かないとは・・・いやぁ、恐れ入りました
ちょいと失敗したのは、緑のグラフの測定が終わった後に10MHzへの合わせ込みを再度行った時に少し下げ過ぎてしまい、他の2回は-0.1Hzのところが安定点になってしまったこと。いじんなきゃ良かったなぁ・・・。
何れにせよこの状態であれば、20分ほど暖機すればかなり周波数精度の高い測定ができそうです。季節が変わって気温が下がった時にTCXO周辺温度が36℃を超えられるかが課題になりますが、まぁその時はその時で再調整すれば良いだけのこと。1K¥余りのVC-TCXOとちょっとした周辺部品で、そこそこ実用に耐える・・・というか、自分にとってはとても満足のいく「中古カウンタ」に仕立て上げられたようです



そして、OCXOを入手した挙げ句、GPSが室内でも良好に受信できるという安普請マンションであることに気づき、だったらかなり正確な「調整不要の周波数カウンタ」が自作できるぞ


実は、このカウンタにはきちんと「外部クロック入力」が具備されており、10MHzの正確な信号を入れてやれば「内部クロック」がスットコドッコイでも全然構いません。即ち、入手済みのOCXOを活用すれば済むんです。さらに、外部から正確なゲート信号を与えてやると、そのゲート時間に従ってパルスカウントしてくれる機能付き・・・ということは、GPSの1PPS出力をつないでやればそれこそ正確無比なカウンタに仕立て上げることも容易

しかぁし


換装したTCXOの周波数安定度の確認方法は、元のTCXOの安定度を調べる時と同様、十分にエージングしたOCXOの周波数を測定し、1分毎に表示される周波数とTCXOの温度(TCXOの近くに温度計のセンサをテープで貼り付け)を記録して変化をトレースする方法です。

青三角の部分が10.0000000MHzです。青い折れ線が周波数変位を示しているんですが、元のTCXOで問題にしていたような「Hz単位での変動」ではなく、総じて1桁(以上)精度が上がっています。20分も経過すると、その後の温度上昇には追随せず±0.1Hzの範囲で安定・・・これにはかなり驚きました。
これを温度に読み替えると、概ね36℃から39℃の範囲で±0.1Hzの範囲をキープ・・・といったところでしょうか。因みに、今回の改造でTCXOが「高床式」で装着されるため、元のTCXOの測定をしていた時のように40℃以上にはならなくなりました。元のTCXOは基板にベタ付けでしたから、多分、基板から直接伝わってきていた熱が遮断されたということでしょう。そこで、本体の通気口を布で塞いで無理矢理41℃まで持っていってみましたが、39℃から41℃の間も±0.1Hzの範囲に入っていました(10.0000001MHz±0.1Hz)。
流石に1トレースでは・・・と思い、都合3回観測しました。

それぞれ、測定開始時点の室温、TCXO周辺温度など違っています。
01:02 室温:28.7度、TCXO:30.0℃
10:30 室温:27.9度、TCXO:27.8℃
01:02 室温:29.4度、TCXO:29.0℃
結構違っているんですが、どれも20分経過する辺りで安定してきています。さらに言えば、通電後5分経過時点で既に「±0.5Hz」の範囲に入ってきますから、例の「四捨五入安心論」(まだ言うか


ちょいと失敗したのは、緑のグラフの測定が終わった後に10MHzへの合わせ込みを再度行った時に少し下げ過ぎてしまい、他の2回は-0.1Hzのところが安定点になってしまったこと。いじんなきゃ良かったなぁ・・・。
何れにせよこの状態であれば、20分ほど暖機すればかなり周波数精度の高い測定ができそうです。季節が変わって気温が下がった時にTCXO周辺温度が36℃を超えられるかが課題になりますが、まぁその時はその時で再調整すれば良いだけのこと。1K¥余りのVC-TCXOとちょっとした周辺部品で、そこそこ実用に耐える・・・というか、自分にとってはとても満足のいく「中古カウンタ」に仕立て上げられたようです

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