釣竿アンテナお手軽実験結果
2014-10-26
オール千葉コンテスト移動を利用して釣竿君の「地ベタ特性」を測定し、我が常置場所・・・約8mHのベランダ設置の実測データと比較してみました。
千葉コンでは、地面に無造作にビニール被覆線を這わせてそれをグランドに見立てた形で設営。場所は駐車場の端っこの方で、下は主に砂利なんですが雑草も結構生えていたため、所々砂利から浮いています。そういう意味では、「平均地上高が数センチのカウンターポイズ」とも言えます。
このビニール線の引き回しとラジエターの関係は、大凡以下のような格好です。

とりあえず大凡の波長を意識して、40m用に2本、80m用に1本用意した感じです。これをMMANAでシミュレート・・・引き回しが適当なため、どんな風な挙動になるのか興味津々だったわけですが、地上高1cm~10cmでは大凡15Ω程度の純抵抗値となりました。直前の記事でシミュレートした「仮想釣竿君」(4本のラジアルに釣竿君のラジエターを乗っけた形)とほぼ変わらない感じです。
さぁ、お待ちかねの(
)測定結果・・・意に反してと言うか何というか、とりあえず我がベランダ設置時と並べてみました。

同調周波数は殆ど変わらないと言っていいでしょう。同調点の純抵抗分は、ベランダでは67Ω、地面では58Ω・・・何れも、MMANAのシミュレーション結果とはかけ離れていますが、そもそも論として、MMANAの「波長に対して地上高がかなり低い場合に、インピーダンスがかなり低くシミュレートされる」という部分も考慮しなければならず、ローバンドで低い地上高のアンテナでは「傾向を知るためのシミュレータ」と考えた方が良さそうです。そこで、シミュレータを替えてみて・・・と、この先はちょっと別のアプローチになりそうなんで、この記事には書きません
もう一つのバンドである80mも同様に比較しましょう。

こちらは、ベランダ設置の方が安定しているように見えます。同調周波数の違いもさることながら、純抵抗分が同調点でベランダが41Ω、地面が75Ωと大きく違っています。やはり80m用として準備した1本のビニール線では、効率の良いカウンターポイズとして動作していない様子。逆にベランダの方はそこそこの値に落ち着いているように見て取れますが、やはり「どのくらいのインピーダンスが妥当なのか」がハッキリしないと・・・。
では、ちょっとまとめてみましょう。
◆ 地ベタアンテナのインピーダンス
今回の地ベタアンテナについては、カウンターポイズとして用意したビニール線が貧弱・・・というか本数が少な過ぎたため、きちんとした比較はできませんが、40m においてはベランダと同様、80mではやはり少な過ぎたということが解ります。逆説的にベランダ設置から見ると、我が家の8mHのベランダでは、40mの場合は無造作に投げ出した地面のカウンターポイズ程度、80mではそれよりは良さそうであるものと考えます。
また、地ベタアンテナに期待されるインピーダンス値は、良好なグランドが地面に設置できた場合には「ほぼバーチカル」となるはずですから、バーチカルアンテナの大凡のインピーダンスである「36Ω程度」というのが一つの目安になるはずで、その他の要因を含めて「40Ω台前半」というところに落ち着けばヨシとする・・・というのが納得できる線でしょう。今回は40mで58Ωでしたから、カウンターポイズ用の線をあと数本追加すればいけそうな気がしますので、今後の移動運用の参考にしようと思います
◆ ベランダ設置の場合の適正インピーダンス
これは、今回の実験では解りませんでしたが、少なくとも適当~な地面ラジアルとベランダの極端なインピーダンス差は見受けられませんでしたから、常識的な数値(極端に数Ωでも無ければ数百Ωに達することも無い)で考えていいと思います。
ただ、GPに見立てた場合の8mHにおけるインピーダンスは20-25Ω程度、さらに40mの場合はラジエターの真ん中、80mの場合は真ん中と袂(って・・・給電部の近く)にそれぞれローディングコイルが入りますから、かなりインピーダンスは低くなるはず・・・。MMANAの試算では、前の記事で示した通り40mで10Ω程度になるという結果になりましたから、今のベランダにおける実測値よりさらに一段下を目指してベストなカウンターポイズを設置し直せ
ということでしょう。
◆ 80mがヒントになるか・・・
80mにおけるベランダの測定値は、他のデータと比べてもかなり素直な特性を示していると思います。インピーダンスも同調点で41Ω・・・現時点では最も優秀といえるかも知れません。
自慢するわけじゃないんですが、80mのコンテスト参戦に於いて今年のALL JAでは86QSO、ACAGで77QSOと、5m程の釣竿君@QRPとしてはかなりイケてる方だと思っています
この要因の一つが「今のベランダのカウンターポイズがそれなりにきちんと機能していること」ということであれば、40mなどはまだ工夫の余地がありそう・・・。ひとまずのインピーダンス値上限をこの「41Ω」と仮定して様々にカウンターポイズを張ってみて、改善度合いを見極めていくのが現実的な今後の作業課題になるでしょう。
まだあまりスッキリしませんが、ひとまず千葉コンで採れたデータのお披露目と考察はここまでにしたいと思います。
千葉コンでは、地面に無造作にビニール被覆線を這わせてそれをグランドに見立てた形で設営。場所は駐車場の端っこの方で、下は主に砂利なんですが雑草も結構生えていたため、所々砂利から浮いています。そういう意味では、「平均地上高が数センチのカウンターポイズ」とも言えます。
このビニール線の引き回しとラジエターの関係は、大凡以下のような格好です。

とりあえず大凡の波長を意識して、40m用に2本、80m用に1本用意した感じです。これをMMANAでシミュレート・・・引き回しが適当なため、どんな風な挙動になるのか興味津々だったわけですが、地上高1cm~10cmでは大凡15Ω程度の純抵抗値となりました。直前の記事でシミュレートした「仮想釣竿君」(4本のラジアルに釣竿君のラジエターを乗っけた形)とほぼ変わらない感じです。
さぁ、お待ちかねの(


同調周波数は殆ど変わらないと言っていいでしょう。同調点の純抵抗分は、ベランダでは67Ω、地面では58Ω・・・何れも、MMANAのシミュレーション結果とはかけ離れていますが、そもそも論として、MMANAの「波長に対して地上高がかなり低い場合に、インピーダンスがかなり低くシミュレートされる」という部分も考慮しなければならず、ローバンドで低い地上高のアンテナでは「傾向を知るためのシミュレータ」と考えた方が良さそうです。そこで、シミュレータを替えてみて・・・と、この先はちょっと別のアプローチになりそうなんで、この記事には書きません

もう一つのバンドである80mも同様に比較しましょう。

こちらは、ベランダ設置の方が安定しているように見えます。同調周波数の違いもさることながら、純抵抗分が同調点でベランダが41Ω、地面が75Ωと大きく違っています。やはり80m用として準備した1本のビニール線では、効率の良いカウンターポイズとして動作していない様子。逆にベランダの方はそこそこの値に落ち着いているように見て取れますが、やはり「どのくらいのインピーダンスが妥当なのか」がハッキリしないと・・・。
では、ちょっとまとめてみましょう。
◆ 地ベタアンテナのインピーダンス
今回の地ベタアンテナについては、カウンターポイズとして用意したビニール線が貧弱・・・というか本数が少な過ぎたため、きちんとした比較はできませんが、40m においてはベランダと同様、80mではやはり少な過ぎたということが解ります。逆説的にベランダ設置から見ると、我が家の8mHのベランダでは、40mの場合は無造作に投げ出した地面のカウンターポイズ程度、80mではそれよりは良さそうであるものと考えます。
また、地ベタアンテナに期待されるインピーダンス値は、良好なグランドが地面に設置できた場合には「ほぼバーチカル」となるはずですから、バーチカルアンテナの大凡のインピーダンスである「36Ω程度」というのが一つの目安になるはずで、その他の要因を含めて「40Ω台前半」というところに落ち着けばヨシとする・・・というのが納得できる線でしょう。今回は40mで58Ωでしたから、カウンターポイズ用の線をあと数本追加すればいけそうな気がしますので、今後の移動運用の参考にしようと思います

◆ ベランダ設置の場合の適正インピーダンス
これは、今回の実験では解りませんでしたが、少なくとも適当~な地面ラジアルとベランダの極端なインピーダンス差は見受けられませんでしたから、常識的な数値(極端に数Ωでも無ければ数百Ωに達することも無い)で考えていいと思います。
ただ、GPに見立てた場合の8mHにおけるインピーダンスは20-25Ω程度、さらに40mの場合はラジエターの真ん中、80mの場合は真ん中と袂(って・・・給電部の近く)にそれぞれローディングコイルが入りますから、かなりインピーダンスは低くなるはず・・・。MMANAの試算では、前の記事で示した通り40mで10Ω程度になるという結果になりましたから、今のベランダにおける実測値よりさらに一段下を目指してベストなカウンターポイズを設置し直せ

◆ 80mがヒントになるか・・・
80mにおけるベランダの測定値は、他のデータと比べてもかなり素直な特性を示していると思います。インピーダンスも同調点で41Ω・・・現時点では最も優秀といえるかも知れません。
自慢するわけじゃないんですが、80mのコンテスト参戦に於いて今年のALL JAでは86QSO、ACAGで77QSOと、5m程の釣竿君@QRPとしてはかなりイケてる方だと思っています

まだあまりスッキリしませんが、ひとまず千葉コンで採れたデータのお披露目と考察はここまでにしたいと思います。
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- 釣竿アンテナの実験結果・・・の前に
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グラフの『Z』は『jx』?
またまたこんばんわ。
記事のデータを拝見すると、仰るように千葉コンでの80mのカウンターポイズは足りなかったのだろうと思いました。逆にご自宅では十分に機能しているということですね。
この調子で160mもどうですか?
記事のデータを拝見すると、仰るように千葉コンでの80mのカウンターポイズは足りなかったのだろうと思いました。逆にご自宅では十分に機能しているということですね。
この調子で160mもどうですか?
何れは160mへ・・・
ぶんきゅうさん、グラフは記述ミス・・・気が向いたら直しますが、ご指摘の通り「jx」です(^^;
千葉コンの参戦準備の際、最低2本は必要だろうとは思っていたんですが、千葉コンではラスト1Hくらいしか出番の無い80m・・・結局面倒になってしまいちょっと手を抜きました。
そうそう、自宅では上手く働いているというところがねぇ・・・どうしても腑に落ちなくて。まぁ飛んでいそうなんでこのままでもいいんですが、もう一歩核心に近づいてより良い結果が得られないか、特に40mについてもあと一声・・・みたいなところです。
160mには出たいと思っています。ボビン用のお手頃な塩ビ管を2つ、昨日買ってきました。ひとまず80mのコイルを作り直すんですが、序でに160mも・・・って欲張ると全部終わらなくなるんで、まぁ気長にやります。
千葉コンの参戦準備の際、最低2本は必要だろうとは思っていたんですが、千葉コンではラスト1Hくらいしか出番の無い80m・・・結局面倒になってしまいちょっと手を抜きました。
そうそう、自宅では上手く働いているというところがねぇ・・・どうしても腑に落ちなくて。まぁ飛んでいそうなんでこのままでもいいんですが、もう一歩核心に近づいてより良い結果が得られないか、特に40mについてもあと一声・・・みたいなところです。
160mには出たいと思っています。ボビン用のお手頃な塩ビ管を2つ、昨日買ってきました。ひとまず80mのコイルを作り直すんですが、序でに160mも・・・って欲張ると全部終わらなくなるんで、まぁ気長にやります。