APB-3のスプリアス改善とdBm表示の確認
2014-11-22
今や定番であろうAPB-3の「±48KHz問題処置」を行いました。チップタイプのFB経由で100MHzクロックに与えられている電源ソースを、よりノイズ影響の少ない電源ソース(三端子レギュレータの出力)に直接接続する改良ですが、既に多くのユーザが処置されているものと思います。このスプリアスは、RBWが1500Hz、3KHzの時に特に顕著で少々測定の邪魔になります。一旦組み上げた状態からの分解は正直面倒でしたが、昨日の夕飯の後、
(←酎ハイ)を片手に片付けてしまいました。
二端子のチップ部品は、「ハンダゴテ二刀流」で難なく外すことができ、ランドに直立させたFBと三端子レギュレータの出力間をビニール線で接続・・・この辺りの細かな処置方法は、公式のBBSや諸OMのサイトにも掲載されていますが、正味30分ほどで完了しました。ついでに、BNCコネクタの露出部分(基板と接続される部分)を銅テープでシールドしましたが、これはあんまり意味がなかったようです
改善の様子を貼っておきます。まずは改善前。

スプリアスを青いカーソルで示しています。入力信号と70dB以上の差はあるものの、事情がわからなければ「入力信号のスプリアス」と誤解することになりそうな、それこそ「ありがちな」信号強度ですね
処置後・・・結構劇的ですよ

±48KHzのスプリアスは見事に撃退されているばかりか、周辺の子供達も消えています。「この電源由来のスプリアスは他にもいたのね・・・」ってな感じ・・・何れにせよ、かなり綺麗になりました
もう一つ確認しておきたいことが・・・それは、dB表示の精度です。
スペアナ機能では、測定値のdB表示が現れます。特に50Ω系のdBm表示をどこまで信じていいのか・・・今後の測定データの「信憑性」を担保するために是非とも先に調べておきたかったことであり、スプリアス改善を済ませてからやろうと決めておいたことでもあります。
問題は、正確に出力電力が判っているものが手元にないということなんですが、ひとまずAPB-3の測定系として「ある程度信用できる」という程度で折り合うことにしました。
実はAPB-3購入後に回路図をしげしげと眺めていたら、以下のような記述を見つけました。

バシッと「-14.6dBm」と書いてありますね。DACで信号生成していますから、周波数によって出力電力は変わります(傾向として、周波数が上がると出力電力が落ちてくる)が、ひとまずこれを「証拠」として検証することにしました。
さらにもう一つ・・・このところのお遊びの相棒である中華SGと青い電力計も仲間に入れ、これらも検証対象に加えてみました。

狭い机には丁度いい測定系でしょう
・・・と、自慢してても仕方がありませんね。測定結果をグラフにまとめました。

-15dBm付近から始まっている測定結果がAPB-3出力を測定したものです。APB-3のスペアナ表示値と自作パワー計の表示値をプロットしています。
5MHz付近までは先に示した「-14.6dBm」近辺の値を示しており、何れの測定結果も「良く一致している」と言っていいでしょう。また、APB-3の電力表示と自作パワー計の電力表示の差は20MHzまで0.5dB差以内であり、どちらで測定しても「大体同じ」と見て取れます。これは、今後の実験や調整でも有力な武器になりそう
-8dBm付近から始まるのが中華SGの出力を測定したものです。これも概ね同様な結果となりました。測定差0.5dBに収まっているのが30MHz手前までのようです。
APB-3出力の測定と中華SG出力の測定に共通して言えるのは、APB-3で測定した場合より自作パワー計で測定した場合の方が電力が「多め」に測定される点です。これは大いに「自作パワー計の調整如何」の部分が大きく、再確認の必要がありそうですが、ひょっとすると周波数選択性を持たない自作パワー計の方が余計な信号を拾い易く、DDSやDAC出力の特徴である「周波数が上がるとスプリアスが増える」という部分をトレースできているのかも知れません。まぁ、そうは言ってもこの二台の測定差は大きくても1dB・・・目くじらを立てるようなものではありませんね
当面はこの結果を基に考察していくことになりそうですが、自分程度のヘッポコ自作フリークにはこれらの測定系が「十分以上である
」ということもハッキリと判りました。

二端子のチップ部品は、「ハンダゴテ二刀流」で難なく外すことができ、ランドに直立させたFBと三端子レギュレータの出力間をビニール線で接続・・・この辺りの細かな処置方法は、公式のBBSや諸OMのサイトにも掲載されていますが、正味30分ほどで完了しました。ついでに、BNCコネクタの露出部分(基板と接続される部分)を銅テープでシールドしましたが、これはあんまり意味がなかったようです

改善の様子を貼っておきます。まずは改善前。

スプリアスを青いカーソルで示しています。入力信号と70dB以上の差はあるものの、事情がわからなければ「入力信号のスプリアス」と誤解することになりそうな、それこそ「ありがちな」信号強度ですね

処置後・・・結構劇的ですよ


±48KHzのスプリアスは見事に撃退されているばかりか、周辺の子供達も消えています。「この電源由来のスプリアスは他にもいたのね・・・」ってな感じ・・・何れにせよ、かなり綺麗になりました

もう一つ確認しておきたいことが・・・それは、dB表示の精度です。
スペアナ機能では、測定値のdB表示が現れます。特に50Ω系のdBm表示をどこまで信じていいのか・・・今後の測定データの「信憑性」を担保するために是非とも先に調べておきたかったことであり、スプリアス改善を済ませてからやろうと決めておいたことでもあります。
問題は、正確に出力電力が判っているものが手元にないということなんですが、ひとまずAPB-3の測定系として「ある程度信用できる」という程度で折り合うことにしました。
実はAPB-3購入後に回路図をしげしげと眺めていたら、以下のような記述を見つけました。

バシッと「-14.6dBm」と書いてありますね。DACで信号生成していますから、周波数によって出力電力は変わります(傾向として、周波数が上がると出力電力が落ちてくる)が、ひとまずこれを「証拠」として検証することにしました。
さらにもう一つ・・・このところのお遊びの相棒である中華SGと青い電力計も仲間に入れ、これらも検証対象に加えてみました。

狭い机には丁度いい測定系でしょう


-15dBm付近から始まっている測定結果がAPB-3出力を測定したものです。APB-3のスペアナ表示値と自作パワー計の表示値をプロットしています。
5MHz付近までは先に示した「-14.6dBm」近辺の値を示しており、何れの測定結果も「良く一致している」と言っていいでしょう。また、APB-3の電力表示と自作パワー計の電力表示の差は20MHzまで0.5dB差以内であり、どちらで測定しても「大体同じ」と見て取れます。これは、今後の実験や調整でも有力な武器になりそう

-8dBm付近から始まるのが中華SGの出力を測定したものです。これも概ね同様な結果となりました。測定差0.5dBに収まっているのが30MHz手前までのようです。
APB-3出力の測定と中華SG出力の測定に共通して言えるのは、APB-3で測定した場合より自作パワー計で測定した場合の方が電力が「多め」に測定される点です。これは大いに「自作パワー計の調整如何」の部分が大きく、再確認の必要がありそうですが、ひょっとすると周波数選択性を持たない自作パワー計の方が余計な信号を拾い易く、DDSやDAC出力の特徴である「周波数が上がるとスプリアスが増える」という部分をトレースできているのかも知れません。まぁ、そうは言ってもこの二台の測定差は大きくても1dB・・・目くじらを立てるようなものではありませんね

当面はこの結果を基に考察していくことになりそうですが、自分程度のヘッポコ自作フリークにはこれらの測定系が「十分以上である

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