FETの3rdオーバートーンの実験
2014-11-23
6逓倍回路の実験の第一弾は、FETの3rdオーバートーン発振についての実験です。
遙か昔・・・今のところ唯一の現存自作リグであるクリームちゃん(このネーミングは止めた方がいいな、おっさんのネーミングとして気味が悪い
)を製作している最中に、部品点数が少ないのが魅力的だったFET発振にトライしたものの、思いの外安定せず、出力が小さかった記憶があります。そして、ひょんなきっかけで改めてFET発振を実験し、どうやらその原因を突き止めました。今回は、これをオーバートーンにしたら上手くいくのかを確かめようという魂胆です。

FETは何でもよさそうですが、今後の自作で「ジャブジャブ消費してよいアイテム」として100個も購入したJ310にしました。また、「原因を突き止めた」と自慢げに記している発振の肝となりそうな帰還用のコンデンサ(図中のX pF)はとりあえず8pF。ブレッドに組むためタンク回路はトロイドに巻きましたが、まぁ総じて何の変哲もない回路です。確認事項をまとめましょう。
1) まずはこれできちんと発振するかの確認
2) 帰還コンデンサとゲート抵抗の関わり具合
3) VCCの差(3.3V~12V)による変化
ブレッドに組んで直ぐに発振を確認しましたが、基本波発振となっていましたので帰還コンデンサを減らしていこうと外したらオーバートーン発振に切り替わりました
なるほど、オーバートーンでは「しっかり発振させてはいけない」ということかなぁ・・・そこで、小容量のコンデンサをあれこれ替えてみましたがやはり「なし」がベストな模様。さっきの自慢は何処へやら
さらに、2pF程度でも「基本波が素敵
」といった塩梅で基本波発振し易くなってしまいましたので、オーバートーンには不要と判断しました。また、ゲート抵抗も大きいほど基本波発振し易くなるようで、定数的には1MΩより100KΩ、そしてさらに低い「47KΩ」で安定していました。
電源電圧に伴う挙動の変化は、3.3V,5V,9V,12Vで確認しましたが、3.3Vではオーバートーンしなくなってしまいました。5V以上・・・というのが一つの目安になりそう。
上記を全て取り入れた形(帰還コンデンサなし、ゲート抵抗47KΩ、VCCは12V)として出力を測定すると+3dBm程度となりましたので、アッテネータをかましてAPB-3でスペクトルを取ってみました。第2高調波が60dBダウン・・・まずまず使えそうな感じでホッとしました。

APB-3は、入力が-15dBmを超えるとかなり歪んだ波形を表示します。誤って+3dBmを直接突っ込んだら、とんでもない表示になりまして・・・いやぁ、壊れなくて本当によかったんですが、入力を0dBm辺りから徐々に下げていくと、-10dBmを下回った辺りから漸くノイズフロア部分が落ち着いていきました。なるほど、APB-3のSG出力が-14.6dBmというのも頷けます。
実はこの他にも、この実験途上では様々な紆余曲折がありました。とりわけ、お手軽実験ができるブレッドボードにはちょっと高めの周波数のようで、とにかく安定した発振を得るのに一苦労・・・やはり、もう少しマシな実験基板で進めた方が良さそうです。
それと、この実験の基となった「6逓倍回路」では基本波の周波数を3KHz程下げたいんですが、3rdオーバートーンでの下がり具合がかなり大きそう・・・これ、すっかり失念していました。ただ6逓倍回路では、28.8MHz付近のクリスタルを使いますが、きっとこのクリスタル自体が既に「オーバートーンの素養」を持っているはず。この辺りがどんな風に影響するか、さらに実験は続きます・・・。
遙か昔・・・今のところ唯一の現存自作リグであるクリームちゃん(このネーミングは止めた方がいいな、おっさんのネーミングとして気味が悪い


FETは何でもよさそうですが、今後の自作で「ジャブジャブ消費してよいアイテム」として100個も購入したJ310にしました。また、「原因を突き止めた」と自慢げに記している発振の肝となりそうな帰還用のコンデンサ(図中のX pF)はとりあえず8pF。ブレッドに組むためタンク回路はトロイドに巻きましたが、まぁ総じて何の変哲もない回路です。確認事項をまとめましょう。
1) まずはこれできちんと発振するかの確認
2) 帰還コンデンサとゲート抵抗の関わり具合
3) VCCの差(3.3V~12V)による変化
ブレッドに組んで直ぐに発振を確認しましたが、基本波発振となっていましたので帰還コンデンサを減らしていこうと外したらオーバートーン発振に切り替わりました



電源電圧に伴う挙動の変化は、3.3V,5V,9V,12Vで確認しましたが、3.3Vではオーバートーンしなくなってしまいました。5V以上・・・というのが一つの目安になりそう。
上記を全て取り入れた形(帰還コンデンサなし、ゲート抵抗47KΩ、VCCは12V)として出力を測定すると+3dBm程度となりましたので、アッテネータをかましてAPB-3でスペクトルを取ってみました。第2高調波が60dBダウン・・・まずまず使えそうな感じでホッとしました。

APB-3は、入力が-15dBmを超えるとかなり歪んだ波形を表示します。誤って+3dBmを直接突っ込んだら、とんでもない表示になりまして・・・いやぁ、壊れなくて本当によかったんですが、入力を0dBm辺りから徐々に下げていくと、-10dBmを下回った辺りから漸くノイズフロア部分が落ち着いていきました。なるほど、APB-3のSG出力が-14.6dBmというのも頷けます。
実はこの他にも、この実験途上では様々な紆余曲折がありました。とりわけ、お手軽実験ができるブレッドボードにはちょっと高めの周波数のようで、とにかく安定した発振を得るのに一苦労・・・やはり、もう少しマシな実験基板で進めた方が良さそうです。
それと、この実験の基となった「6逓倍回路」では基本波の周波数を3KHz程下げたいんですが、3rdオーバートーンでの下がり具合がかなり大きそう・・・これ、すっかり失念していました。ただ6逓倍回路では、28.8MHz付近のクリスタルを使いますが、きっとこのクリスタル自体が既に「オーバートーンの素養」を持っているはず。この辺りがどんな風に影響するか、さらに実験は続きます・・・。
- 関連記事
-
- 7Kボビンで作ったVHF帯のフィルタはどんな塩梅!?
- FETの3rdオーバートーンを諦める
- FETの3rdオーバートーンの実験
- 6逓倍の実験計画
- 4060の遅延特性を測ってみる