フランクリン発振式LCメータの見直し
2014-11-26
いやぁ、自分でも天晴れなんですが、結局大きく横道に逸れちゃった感じ・・・LCメータの精度アップの検討に入っちゃいましたよ。既に秋月のLCメータまで手にして今更感バリバリですが、やはり「自前の測定器」として、もうちょっとちゃんとしたいですからね
まず、現LCメータの気に入らない部分をまとめます。
(1) Lの測定誤差が大きい
(2) フランクリン発振の安定度がよろしくない
(3) L測定に対するキャリブレの仕方に疑問
(1)については、「初代LCメータ」の測定誤差が大きいことにちょっと落胆しつつ、その原因を追求せぬまま「計算による誤差補正」として完成させたため、何となくしっくりこない感が拭えず「バラック式L測定装置」まで作ってしまう有様。ところが、このバラック野郎が案外いい仕事をしていて、「だったらバラックなりにちゃんとしよう」と容量測定までできるようにしてしまい、折角ケースに入れた「初代・・・」はお蔵入り。詰まるところ、まともな形にならないまま現在に至ったわけです。
(2)については、「初代・・・」でも気になっていた点です。小容量や小インダクタンスを測定する際、その度にキャリブレを動かす必要があって難儀していました。まぁ、測れないわけじゃないんで「これで我慢」と思っていましたが、ほぼ中波帯での測定・・・幾らなんでも、もう少し落ち着けぃ
と思っていました。
今のフランクリン発振の周波数は「1000pF+100μH」の組み合わせで大凡500KHzになります。この周波数付近における周波数精度と分解能(単位当たりの測定値変分)の関係は以下のようになります。
1000Hz ⇒ 0.4065μH
100Hz ⇒ 0.0407μH
10Hz ⇒ 0.0041μH
1Hz ⇒ 0.0004μH
普通に作るコイル(あぁ、乱暴な言い方だぁ・・・)では、精々小数点第一位まで判れば御の字であり、100Hz単位まで発振周波数を判別できれば済みますから、フランクリンちゃん(ちゃん付けかよ・・・)は100Hz程度の範囲でそこそこの時間・・・例えば数分間じっとしていてくれればOKということになります。そういう意味では「初代・・・」も合格なんですが、もし変動幅が30Hzくらいの範囲に収まると、どよよん無線技士が提唱するところの「四捨五入安心論」(詳しく知りたい方は、周波数精度に拘った古いカウンタの修理記事を読んで下され)として小数点第一位が保証されることになります。
まぁ、そもそもこんなに小さな桁の測定に拘るような精度が出せる代物ではないし、実際にそのコイルが動作する周波数で測定しないと意味ないんですが、周波数の安定については「初代・・・」よりも上が目指せるでしょう。
実は、周波数安定に関する実験は昨晩にちょこっとやってみました。実験・・・って程でもないんですがね

何だか出来損ないの工作作業船の模型のようになってしまいました
煙突のように見えるのはケント紙で作った紙筒であり、これでフランクリンちゃんのLとC、キャリブレ用のCを「外界の空気の流れ」から遮断しています。一方の「銅テープの幌」は、コンパレータの発振動作の安定性向上のために「洒落」で張り付けました。
この一連の実験では、紙筒煙突の効果が絶大、銅テープの方もそこそこ・・・といった感じでした。意外だったのが後者で、コンパレータも「自分が発振することによる発熱」(日本語がちとおかしいような・・・まぁ、いいか)によって周波数変動を起こすようです。イメージ的には「真空管式のVFO」を作るような感じ・・・タンクコイルを発振部から熱的に離し、タンクコイル周辺はできる限り温度安定を図るといった作りが求められるようです。大きめの基板に広めに配置するというのが、このLCメータの成功の秘訣かも!?
(3)についても、昨晩再検討しました。

コンデンサ容量の測定についてはきちんと考えられていると思いますが、Lの測定については「端から誤差含み」といった作りなんですね。「キャリブレ機能あり」に誤魔化されていたと言えますが、ワニ口クリップの長さ程度のワンターンコイルについて、そのインダクタンスを測ってみるとどうやら「0.00xμH」(小数点第三位)程度であり、無視できる程度の変分でした。ただ、実際にインダクタンス測定のためのキャリブレができればそれに越したことはない・・・ある意味、精神衛生上の拘り部分として一考できるものと思います。
その他、今晩はフランクリンちゃんのLに関するプチ実験を行いましたが、これはまだ結果が出ていません。中間発表記事でも書こうかと思ったんですが、既に23時を回りましたね・・・これは後回しかな

まず、現LCメータの気に入らない部分をまとめます。
(1) Lの測定誤差が大きい
(2) フランクリン発振の安定度がよろしくない
(3) L測定に対するキャリブレの仕方に疑問
(1)については、「初代LCメータ」の測定誤差が大きいことにちょっと落胆しつつ、その原因を追求せぬまま「計算による誤差補正」として完成させたため、何となくしっくりこない感が拭えず「バラック式L測定装置」まで作ってしまう有様。ところが、このバラック野郎が案外いい仕事をしていて、「だったらバラックなりにちゃんとしよう」と容量測定までできるようにしてしまい、折角ケースに入れた「初代・・・」はお蔵入り。詰まるところ、まともな形にならないまま現在に至ったわけです。
(2)については、「初代・・・」でも気になっていた点です。小容量や小インダクタンスを測定する際、その度にキャリブレを動かす必要があって難儀していました。まぁ、測れないわけじゃないんで「これで我慢」と思っていましたが、ほぼ中波帯での測定・・・幾らなんでも、もう少し落ち着けぃ

今のフランクリン発振の周波数は「1000pF+100μH」の組み合わせで大凡500KHzになります。この周波数付近における周波数精度と分解能(単位当たりの測定値変分)の関係は以下のようになります。
1000Hz ⇒ 0.4065μH
100Hz ⇒ 0.0407μH
10Hz ⇒ 0.0041μH
1Hz ⇒ 0.0004μH
普通に作るコイル(あぁ、乱暴な言い方だぁ・・・)では、精々小数点第一位まで判れば御の字であり、100Hz単位まで発振周波数を判別できれば済みますから、フランクリンちゃん(ちゃん付けかよ・・・)は100Hz程度の範囲でそこそこの時間・・・例えば数分間じっとしていてくれればOKということになります。そういう意味では「初代・・・」も合格なんですが、もし変動幅が30Hzくらいの範囲に収まると、どよよん無線技士が提唱するところの「四捨五入安心論」(詳しく知りたい方は、周波数精度に拘った古いカウンタの修理記事を読んで下され)として小数点第一位が保証されることになります。
まぁ、そもそもこんなに小さな桁の測定に拘るような精度が出せる代物ではないし、実際にそのコイルが動作する周波数で測定しないと意味ないんですが、周波数の安定については「初代・・・」よりも上が目指せるでしょう。
実は、周波数安定に関する実験は昨晩にちょこっとやってみました。実験・・・って程でもないんですがね


何だか出来損ないの工作作業船の模型のようになってしまいました

煙突のように見えるのはケント紙で作った紙筒であり、これでフランクリンちゃんのLとC、キャリブレ用のCを「外界の空気の流れ」から遮断しています。一方の「銅テープの幌」は、コンパレータの発振動作の安定性向上のために「洒落」で張り付けました。
この一連の実験では、紙筒煙突の効果が絶大、銅テープの方もそこそこ・・・といった感じでした。意外だったのが後者で、コンパレータも「自分が発振することによる発熱」(日本語がちとおかしいような・・・まぁ、いいか)によって周波数変動を起こすようです。イメージ的には「真空管式のVFO」を作るような感じ・・・タンクコイルを発振部から熱的に離し、タンクコイル周辺はできる限り温度安定を図るといった作りが求められるようです。大きめの基板に広めに配置するというのが、このLCメータの成功の秘訣かも!?
(3)についても、昨晩再検討しました。

コンデンサ容量の測定についてはきちんと考えられていると思いますが、Lの測定については「端から誤差含み」といった作りなんですね。「キャリブレ機能あり」に誤魔化されていたと言えますが、ワニ口クリップの長さ程度のワンターンコイルについて、そのインダクタンスを測ってみるとどうやら「0.00xμH」(小数点第三位)程度であり、無視できる程度の変分でした。ただ、実際にインダクタンス測定のためのキャリブレができればそれに越したことはない・・・ある意味、精神衛生上の拘り部分として一考できるものと思います。
その他、今晩はフランクリンちゃんのLに関するプチ実験を行いましたが、これはまだ結果が出ていません。中間発表記事でも書こうかと思ったんですが、既に23時を回りましたね・・・これは後回しかな

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コメントの投稿
もう年末ですよ^^;
こんにちは。
自作したLCメーターでのL測定のときは事前に端子をショートしてキャリブレとってます。どこまで精度が出ているのかわかりませんが、とりあえず秋月LCRメーターと比べてみても大きな違いはなさそうなのでそのままにしています(単なる怠け者?(笑)
自作したLCメーターでのL測定のときは事前に端子をショートしてキャリブレとってます。どこまで精度が出ているのかわかりませんが、とりあえず秋月LCRメーターと比べてみても大きな違いはなさそうなのでそのままにしています(単なる怠け者?(笑)
明日は師走・・・
ぶんきゅうさん、こんにちは。
そうですか・・・やはり気づいていらっしゃいましたね、流石です(^^)b
記事に書いたようにこのキャリブレをした・しないの差は、それほど大きくありませんが、小さなインダクタンス測定では影響がありそうです。まぁ、それ以外の誤差要因の方が大きいかったりしますが(^^;
発振コイルの実験をし直して、漸く見えてきた部分があります。ちょっとQ絡みの実験を残していますが、これが終われば「コンパレータ vs インバータ」をやっつけて、晴れて「定番」に持って行ける・・・といいんですがねぇ。
そうですか・・・やはり気づいていらっしゃいましたね、流石です(^^)b
記事に書いたようにこのキャリブレをした・しないの差は、それほど大きくありませんが、小さなインダクタンス測定では影響がありそうです。まぁ、それ以外の誤差要因の方が大きいかったりしますが(^^;
発振コイルの実験をし直して、漸く見えてきた部分があります。ちょっとQ絡みの実験を残していますが、これが終われば「コンパレータ vs インバータ」をやっつけて、晴れて「定番」に持って行ける・・・といいんですがねぇ。