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コンパレータ使用LC発振の安定度向上が見えた!

2014-12-04      
 本日は故あってお休み・・・日中は暇なんで、昨晩&さっきまで進めてきたタイトルの実験結果をまとめます。「かなりイイ結果」が出ましたよ

 実験の目的は、LCメータのタンク回路に使うLとCについて、直前の記事で考察した部分の検証です。



 検証実験と言ってもそんなに大袈裟なモノではなく、例のバラックのL測定アダプタに載っているLCを、既に購入済みの「被測定対象」と換装してその周波数安定度を見てみようというだけです。換装したアダプタはケースに見立てた小物入れに入れ、とりあえず防風・保温をしています。上に乗ってるパワー計は、タッパのふたの重し

 用意したのは、以下の部品です。

 ◆ コイル
   初期搭載コイル:太陽誘電 LHL08NB101K
   準備したコイル:太陽誘電 LHL10NB101K(100μH)、LHL10NB47K(47μH)

 ◆ コンデンサ
   初期搭載コンデンサ:ニッセイ電機フィルムコン 1000pF (AMZシリーズ)
   準備したコンデンサ:XICON Polystyreneコンデンサ 1000pF (23PS230)

 勿体付けずに、結果グラフを貼っちゃいましょう



 まずはグラフの下の方・・・ダラ下がりに下がっていくのが、バラックアダプタに当初から載っていた太陽誘電のコイルとニッセイ電機のコンデンサの組み合わせ。これより良くなれば・・・という目標データです。
 その下の17分経過後辺りに最下点があるものは、初期搭載コンデンサをそのまま使い、コイルを一廻り大きい太陽誘電の100μHのものに替えたデータです。却って酷くなってしまっていますが、LC共に「正の温度特性」ですから、これは予定調和。

 今度は上側・・・これは、XICONのコンデンサを用いて、太陽誘電の大きいコイルの100μHと47μHで測定したものです。フィルムコンの場合とは逆に温度特性が「負」になっています。結局この組み合わせでは、XICONの負の温度特性が勝っており、かなり長時間周波数上昇が続いてしまい落ち着かないことが判りました。本命と思っていたんでちょっとがっかり
 また、初期搭載コイルより高Qであることの恩恵についてはこの実験からは流石にわからなかったものの、どうやら100μHの方が47μHより発振周波数が低いため安定しますが、極端な差はないことが解りました。

 さて、お待ちかねの「高安定の組み合わせ」は、太陽誘電のちっこい方のコイル(LHL08NB101K:初期搭載コイル)とXICON (Polystyrene 1000pF)の組み合わせ グラフの中央に横たわっている二本の曲線がこの組み合わせものです。この二本の違いは、コイルとコンデンサ部分に「紙の風避け筒箱」を装着したか否かの差であり、僅かですが装着したものの方が安定しているようです。これは、風云々と言うより、コイルとコンデンサの温度結合、或いはLM311との熱的な分離に意味があるものと考えています。
 何れも電源投入から100Hz以内の変動、かつ筒箱装着のものは電源投入から10分くらいで安定状態に入ります。通電後10分から50分の変動は±2Hz以内というちょっと信じられない安定さ さらに通電して放っておいても、1H後の通電直後からの変位が-62Hz、2H後は-53Hz、3H後は-35Hzと、通電直後の発振周波数の方に戻っていくような動きになりました。LCメータの発振安定度の条件として、前の前のこのカテゴの記事で「30Hz程度の変動だと好都合」という意のまとめをしましたが、これならかなり安心して使える測定器に持って行ける手応えです

 このLCの組み合わせでLCメータを組んだ場合には、以下のように使用すればかなりイイ感じの測定器になりそうです。

 ・ 通電後10分くらいは放っておく
 ・ その後、キャリブレを1度取っておく
 ・ 以降、数十分に1回の割合でキャリブレすれば良い(プログラムに組み込んじゃうのも手)

 この手の測定器は、「測りたいときにやおら取り出し直ぐ測定」が便利ですから、これまでもそうやって使っていました。そして「まだ落ち着いていない通電直後の状態」で測ろうとしてイライラしていたというのがオチだったわけですが、今回見つけたLCの組み合わせでは「通電後は10分くらい放っておこう」という目処が立てられますから、実用的な測定器に持って行けそうです

 それにしても、ある部位で使われる部品のチョイスは、解る範囲で様々なファクタに踏み込んで考えて行うことが肝心だということがよ~く解りました 「安いからこれでイイ」ではダメってこったね
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アパマンというハンデにさらにQRPまで課し、失敗連続のヘッポコリグや周辺機器の製作・・・趣味というより「荒行」か!?

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